頑張ろう!西日本!
頑張ろう!広島県!
頑張ろう!日本!!
2018年10月4日。
一人の鯉戦士がバットを置いた。
天谷宗一郎。
身体能力の高さから高卒1年目から2軍で名を売り、
1軍に上がってきてからは、切り込み隊長の役割や
時には中軸を担う選手として活躍した。
前にも書いたが、オイラは天谷が2年目の時、由宇でその姿を見て一目惚れした。
その天谷の名前を一躍全国区にしたのは
やはり『 ホームランキャッチ 』だろう。
ただ、天谷はそれだけを評価される選手では無かった。
『 俊足好打 』
天谷にピッタリの言葉だった。
さらに、ヒーローインタビューでは
『 早く帰って、美味しいお酒を飲んでください! 』
や
『 どうも!ボクです! 』
など、ヒロインの場を盛り上げる先駆けだった。
背番号も最初の69から49へ変更となり、1〜2年後には
背番号9を背負うだろうと、誰もが思っていた選手だった。
その期待がプレッシャーとなったか、いや、丸や誠也ら後輩の台頭があったから
以降はスタメンから外れ、さらに2軍と1軍を行き来した。
最終的には、誠也が戦列を離れようが、丸が戦列を離れようが
1軍への切符は掴めなくなった。
天谷本人も、それを引退の理由として挙げていた。
競争の世界、そこで生き残れなかった・・・
ファンよりも本人が一番辛い思いで過ごしたことだろう。
それでも腐らず出場機会を求めて必死にもがいた。
だから、1軍で2軍関係なく慕われた理由だろう。
先日の2軍最終戦では
チームメイトから胴上げをしてもらった。
慕われていたからこそ・・・だろう。
そして昨日の引退試合。
一番・センターで先発出場。
スタメン出場したとはいえ、1イニング、一打席で退く事は想像できた。
だから、オイラはその一挙手一投足に注目していた。
1回表の守備では、いきなり守備機会があった。
これはオイラの勝手な推測だが、巨人側の配慮と思っている。
そして1回の裏。
『 一番・センター 天谷。背番号49 』
球場内に響く、最後のコール。
バッターボックスに向かう天谷の目は真っ赤。
それを見てオイラの涙腺は決壊した。
結果はキャッチャーゴロ。
だが、オイラは大満足だった。
キャッチャーゴロであれ、全力疾走で一塁を目指す天谷の姿が見れたから。
なにかを決断し、その時が来た男の顔は、清々しくてカッコいい。
残念なのは、試合開始直後という事もあり、超満員のスタジアムではなかった事。
真っ赤な真っ赤な球場で、大声援を背に受けて最後の打席を迎えて欲しかった。
数年前までの弱いカープを支えた選手であり、
今の強いカープの礎を築いた選手だから。
試合後には、引退セレモニーがあった。
以下、天谷本人の挨拶。
まず、こんな僕にこの様な機会を設けてくれた松田オーナー、
球団関係者の皆さんに感謝申し上げます。
久しぶりにマツダスタジアムに立って、チームメイトの姿、
ファンの皆さんの姿を見て、本当に夢、希望が溢れた素晴らしい球場だなと、改めて思いました。
17年間自分なりに必死に野球をやってきました。
カープはなかなか勝てない時代に思うような成績も残せず悔しい思いもしました。
その時にファンの皆さんに、すごい・・・悔しい思いもさせたと思います。
いい時も悪い時も変わらない温かい声援のおかげで、ここまで出来ることができました。
今、カープは3連覇をしチーム一丸となり、本当に強いチームになりました。
新井さんの言葉を借りるなら、家族のようなチームの一員になれた事を本当に誇りに思います。
こんな僕をご指導して下さった歴代監督・コーチ、切磋琢磨しあったチームメイト、
裏で支えてくださったチームスタッフの皆さん。
そして、自分を産んでくれた両親、変わらず毎日支えてくれた妻、そして娘に
すごい感謝をしています。
最後に、ファンの皆さん。
本当に広島に来て良かったと思っています!
本日はどうもありがとうございました!
時折涙をこらえるシーンもあったが、天谷らしく誠実でまっすぐな最後の挨拶だったと思う。
その後
小窪から花束が渡され
チームメイトの手により胴上げ。
途中、いい笑顔を見せていた!
最後は場内一周してファンにお別れ。
ここで天谷らしいシーンを見た。
花束を差し出すファン、そこへ向け歩みを進め受け取る。
そこまではよくあるが、天谷らしさはこの後。
フェンスが邪魔して花束を手渡すことができないファン。
フェンスを越すように花束を投げる。
が、その花束はダッグアウト上にポトリ。
それを見た天谷は
ちゃんと手を伸ばして自らの手で受け取っていた。
これこそ天谷・・・と言った瞬間だった。
ようやく・・・ですが、17年間背負ってきたものを下ろせますね。
まずはゆっくり休んでください!
♪ ここで男あげろ 打つぞバット響かせて
♪ 明日のカープ担うは 天谷宗一郎
天谷選手。
長い間、オイラ達ファンの心をワクワクさせてくれて・・・
そして、カープの為に尽力してくれて・・・
ありがとうございました!
そして
本当にお疲れ様でした!