![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/0e/1b31b9113d7bd0d8da00642b671fb318.jpg)
上野で「国宝土偶展」。すごい、すごすぎる。素晴らしすぎる。
伊邪那美命って、すべてを生んだ母なる神であると同時に伊邪那岐命のオルフェウス神話みたいな冥界下り後、人を殺す神となる。生み、殺す。大地母神に潜むこの二面性を縄文人は感じていたに違いない。土偶に現れる生産と死にまつわる神性に目がくらむ。
日本を代表する土偶の一堂に会する会しっぷりったらない。国立博物館を含む上野のあの空間全体が変質してしまうのではないか、と思うほど。
ここ数日、母神の持つ二面性に囚われている。
民話として知られる「山姥と金の鎖」。三人兄弟の母親が外出すると山姥がやって来て家に押し入る。下の子と寝ているうちに、その子を食べてしまう云々、という話。山姥はこの子たちの母親ではなかったのだろうか。
その意味で吉田敦彦「縄文の神話」はかなり刺激的。
写真は国立歴史民俗博物館の縄文のビーナス(レプリカ)。「国宝土偶展」は撮影禁止なので。国宝になっている土偶は3点しかないのだけれど、その3点が今回の展示には勢揃い。ほかにも重文ばんばん、全67点。