教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

加害者におとがめなしの報道はいかがなものなのか?

2014-05-15 | 番組、記事、書籍コメント
2014年5月14日づけのmsnニュース
生徒に破られた高校サーバー、流出したクラス替え案・980人分の成績…脆すぎる「学校のITセキュリティ」と「生徒のモラル」】
を読みました。


この記事を観る限り、モラル教育も含め全面的に学校側に責任があるような記述です。
この記事に限らず、過去の学校内の情報漏えいについては、生徒がいわゆるクラッキング行為をして情報流出をしても、加害生徒が咎められる報道はされず、学校側が全面的に悪いといった風潮の記事が多いです。

これには違和感があるので表明しておきたいと思います。

当ニュースが報道しているように、セキュリティ対策が甘い学校側や該当教諭のわきの甘さが指摘され、改善が求められるのはもっともです。
このような事件が起きないように教育現場は日頃から備えるべきでしょう。教師に対する研修や管理職の情報システムの理解も必須でしょう。

その前提において
第一に、この問題を引き起こしている加害者は誰かというと生徒であり、未成年である以上、保護者にも責任が問われるべきかと思います。
他人の家の鍵があいていたからといって、侵入し盗みを働く行為が罪であるのと同様、パスワードがわかったからといってそれを使い、情報を故意に流出させる行為は咎められ、学校現場であれば特別指導に相当あるいは実害がある場合はその賠償責任が問われるほどの事案かと思います。

またこの記事ではモラル教育をしてこなかった学校や教育側の責任までもが追及されています。
もちろん、そうしたモラル教育は必要であり、学習指導要領などにも明記されていますが、万全ではありません。
たとえそうした教育が万全でなくても、常識的なラインで、家庭や本人の意識が問われる問題です。
盗みをすることが悪いことは、例え学校で教えられなくても、家庭での教育や本人が育つなかで、自覚されていくべきことです。

なんでもかんでも「学校教育が悪い」という考えではなくて、今回、罪を犯してしまった加害者本人の深い反省を求めたいものです。
そうした視点でのバランスの取れた報道姿勢も求めたいと思います。


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