DVD スタンフォード白熱教室のレビュー その2です。
この回では、身近な”名札”を題材に使ったワークが出てくるのですが、大事なのは5つのプロセスであると紹介されます。
共感(Empathy) 顧客の気持ちを理解し、共感的に聴くこと
定義(Define) 顧客が問題と思っている本質を見抜くこと
考察(Ideate) 実際に現場で観察しながら考察すること
試作(Prototype) 考察をもとにしてアイデアを即興的に形にする
検証(Test) 試作品を顧客にみせてフィードバックを得て検証すること
そしてこれをサイクリックに回すということ
サイクリックにまわすときに、上記の順番を忠実に守らなくてもよいということ
ただし、自分が今、どこのステージにいるかということは俯瞰的にわかっているということ
一見、生産現場で言われるPDCAサイクルと似ているのですが、決定的に違うな―というところは、プロトタイプを即興でつくってみて、相手(顧客)からフィードバックをもらうというところでしょうか?
日本人は、つくりが緻密であったり、完璧を目指すために、失敗できない症候群が強いように思います。気軽に試作品をつくるというよりは、かなりコストや時間をかけて丁寧に作りこんでしまい、顧客に見せると「なんか違う」というフィードバックをそのとき始めてもらい、そもそもから作り直すといったこと・・・
もちろんCPUの設計やワクチンのデザインのように、まー試しにやってみました 的にやられては困るという分野も当然あると思いますが、まずは試作品をライト感覚で設計してつくり、もちろん相手のニーズに沿う場合もそわない場合もあるという前提で、もっと失敗経験というのを簡単に考えてチャレンジしてもいいのかもしれません。
学校のカリキュラムも、かなり緻密に完成度高く作られていたり、教科書も非の打ち所がないほどのものにしてリリースするために、「間違ってはいけない」「失敗は許されない」というマインドがはびこっているのかもしれません。
誰もが失敗から学ぶし、もっとライトに試作をどんどんしていけばいいのかもしれません。
最近のソフトウエアの開発などではリーンスタートアップとかアジャイルという概念の言葉をよく聞きます。
とりあえずリリースしていき、修正があればその場でバージョンアップしながら完成度を高めていく手法がよく使われています。
立て板に水的な教科書を右から左に頭でコピーしているだけでは立ち行かない現代社会。
今回のDVDでは、問題発見から解決までの道のりを、コンパクトに学生の体験を通してみることができました。
最後に、リンクをつけておきます。
スタンフォード白熱教室 DVDーBOX