いま、アクティブラーニング(主体的、対話的で深い学び)を用いた授業というものが盛んになってきている一方で、懸念していることが1つあります。
そしてこのことは教育に限らず、家庭、職場、コミュニティでも起きていることです。
それは端的に言うと、『対話至上主義』ともいうべきもの。
お互いの違和感はなんでも出して言っていい、対話という舞台に放り込めば、深い対話でなんでもやがては解決していくのだという理屈です。
もちろん、私も対話の重要性を否定するものではありません。むしろ日本人はローコンテクスト文化で、「話をしなくても阿吽の呼吸でわかるんだ」が行き過ぎて、忖度や相手の空気を読みすぎて疲れるなどの現象が起きていて、もっともっとあらゆる場面で対話が必要と思っている一人です。
そんな今だからこそ、原点に立ち返ろうと思うのですが、相手との対話に臨む前に、まずは自分のマインドセットを整えませんか?という提案です。
目の前にいる人物は育って生活してきた背景も違えば考え方も違います。あなたと同じものはロボットでないので何一つありません。同じに見えても微妙に違っています。でも、だからこそ、それを前提に相手に対して尊重の心をまずは持つ。武道でいえば、戦う前の礼みたいなものでしょうか・・・
対話の仕組みや対話を行っていく前に、自分のマインドセットはどうなっているか、相手のマインドセットはどうなっているか チェックする。
そうした尊重があった上での対話を心がければ、みなさんの対話場面におけるさまざまな障害もきっと今より小さなものになるに違いありません。