教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

教科書が厚くなるというお話

2010-03-31 | 教育事情(国内・脳科学・心理)
今日の新聞には、教科書の内容が盛りだくさんになるという記事が大々的に踊っていました。以前、小学校の理科の教科書をみせてもらったところ、あまりに写真や絵が多くて説明や演習問題が少なく、「これで先生方はどうやって教えるのだろう?」と思ったのですが、内容説明が豊富になったということがプラスに作用してほしいものです。

学習指導要領の解釈も変わってきました。厚くなった教科書を規定の時間ですべてやり終えるのには、相当の詰め込み方式にせざるをえず、それは現実的ではないことから、「教えなくてはならないこと」は教員自身が現場で判断する方式に変わってきたわけです。そうすると問われるのは教員の授業デザイン力や授業実践力ということになります。

問題は、理念は高いけれど「あとは現場でよろしく」的な対応が多いということ。そうすると、環境、人権、キャリア教育、食育にしかり、降りてくる現場の末端部分に相当の負荷がかかってくる。すると、生徒と接する時間が返ってなくなるという本末転倒に陥る構造になるわけです。仕事のできる人に仕事が集中し疲弊する若手教員が多い。

で、結論ですが、こうして教える内容が増えてというか、教える教材が豊富になって切り口が増えることは時代の流れと思うのですが、実際に教育現場に立つ教員が生き生きと教えられる環境をどうつくりだしていくか、このへんも教育行政側はうなるような施策を提案していただきたいものだなと思うわけであります。
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