教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

完全一致でわかりあえるのは不可能だが、背景にあるライフストーリーを大事にしよう

2015-06-03 | クイックブックマーク
人間が完全に、そう、100% わかりあえるのは原理的に不可能です。

そう言ってしまうと、何か「冷たい」印象を与えてしまっているかもしれませんが・・・

完全コピーの人間は2人といません。
遺伝的に近い双子だとしても、全く同じ考えではありませんよね。
人間はロボットでないので、脳の記憶や考えの回路を機械のように一致させているわけではありません。
これが同じ考えや感情を持ちえない原理的なことの理由です。


そう、それを前提で世の中を観ていく必要があると思っています。

特に多様な価値観やひとびとが関わり合うこの現代社会では。

つい先日のこと、私はある友人と安全保障やエネルギー問題で、意見が180度違う人と、わざと4時間の対話を設けました。
わざわざ有料の会議室を借りて、快適な環境で行いました。

これは、双方がそのくらいの時間を使って、お互いがどういう前提でそう考えているかを探求しようという合意のもとに設定されたものでした。



このときに大事にしたのが、対話のグランドルール(双方の尊重やプライバシーに関する守秘義務等)、そして、いきなり議論に突入するのではなく、お互いのライフストーリーや考え方の背景を説明するというステージを最初に設けました。
そのあとに、テーマ別に意見とその根拠、自分の内面にあるニーズについて触れるという方式にしました。

もちろん意見自体は平行線のままだったんですが、互いの主張をなぜするかということは、真摯に理解できたように思われました。それぞれが人生で重視するポイント、比重は違うから必然的にそのような結果が導かれるのだという納得感があったのです。

ほんとに穏やかにいい時間が流れて・・・お互い尊重しあえた感じでしたね。
そして対話前には180度違っていると思っていた見解も、結構、共通な事も多かったりする発見がありました。
どこが本質的に一致しており、どこが平行線のままか。でもこれがわかるってすっきりするんです。


つまり意見の背景には、必ずその人独自のライフストーリーがあって、それだから、そういう考え方を尊重するんだというのがわるのだというのが実感できたのです。通常はそれぞれが忙しいから、それをすっとばして、メンツとか建て前とかプライドとか、社会ルール、効率などを優先して、自己の意見を通そうと躍起になっています。

それだから、おかしなことになったり、共感できないことに腹立つのだと思いました。


特に意見や主張の違いがある場合には、じっくりとライフストーリーやチェックインを行って、対話のルールも確認して行うとお互いにいいと思いますのでおすすめです。




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