教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

「ワールドカフェとダイアローグ 対話の場がつくる変革の力」1日目午前

2009-12-12 | 研修・セミナー・講演など
今、混迷化・複雑化する社会でコミュニケーションやいわゆる対話が注目されていることは、当サイトでも触れてきたところです。

その中で、ワールドカフェやダイアローグ(対話)の手法が注目され、最近では組織風土改革にNECなども取り入れているといったことが新聞でも話題になっています。

さて、本日は、ワールドカフェやダイアローグにおけるファシリテーション(進行)について学ぶために、西村勇也氏主催のワークショップ『ワールドカフェとダイアローグ 対話の場がつくる変革の力』に参加してきました。2日間コースの1日目です。

午前10時にスタート。最初に輪になって、自己紹介とこの二日間でどんなものを持って帰りたいかを表明します。発言順は決められていません。思い立った人から順次発表する方式です。
ここでは、おそらくファシリテーターの西村氏が、参加者の意識やグループメンバーがつくる場の雰囲気などを知るというという目的もあったことと思います。ですからメンバー話す内容によって、講座内容自体がダイナミックに構築しなおされるということもありえるわけです。
参加者は企業コーチや個人コーチ、人材開発やwebデザイナーを目指している人などさまざまです。教育関係者は私以外はいなかった模様です。

さて、自己紹介が終わると会場にテーブルが置かれ、ワールドカフェがスタートしました。
西村氏から、ワールドカフェの簡単なやり方と、西村氏が考えた独自エチケットを提示。
 (1)感じたこと、思いついたことを大切にする。
   →正しいかどうかを判断しない。
 (2)言葉の奥にある意味や意図、心の声に耳を澄ます。
   →言葉で表現されないものも含め、わきあがってくる考えに注目。
このエチケットで注目すべきは、内省的なプロセスにフォーカスをするということです。
単に表面的に気づいたことだけではなく、その奥にあるプロセスを探求することで、今までの自分からの殻を破る可能性などを秘めていると思いました。

今回のワールドカフェの最初のテーマは、「対話とは何でしょう?」
各テーブル毎に、発言が繰り返されます。発言する人は必ずハート型の石(この役割をトーキングオブジェクトと呼んでます)を持って発言しなくてはなりません。これには、おそらく2つの意味があり、1つは人の話をきちんと聴く(いわゆる傾聴する)ため。もう1つは、会話が促進されている中で分け入って話しに入るのはしにくいもの。そこでこうしたツールがあれば、石を持つことで比較的楽に自分の発言が確保できるというものです。

自分としては、対話にある概念として「対等」というのが大事なのではないかと思いました。上からの命令ではなく、平等に発言の機会が与えられ、誰もが傾聴され大事にされる。また対決や対立というものがその逆に近い概念だとも思いました。対話の中には間があり、こういった時間も自分を深めていく上では大切な要素であること。他人との対話をしているときに、実は自分の中のもう一人の自分とも対話しているのではないかという話も出てきて、なかなか深いセッションとなりました。

午前のワールドカフェのセッションで、「ファシリテーションするときにどんな心構えで望んでいるか」を私から西村さんに訊いてみると、「なるべく考えないようにしている」とのこと。これも深いですよね。考えなければ、物事は進行しない。でも先入観や枠組みはなるべくはずして思考する。そうであってこそ高いクオリティのものが出現するということなのでしょうか?

ワールドカフェの午前のセッションの最後に西村氏は、
「では、この場ではしないほうがいいと思うことはなんでしょう?」という問いが出てしばらく皆でシェアしたあと、お昼休みとなりました。
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