教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

ファシリテーション不在が終戦をおくらせた・・・

2014-08-18 | 雑感(教育以外の話題)
終戦記念日に関連して、過去のNHKの検証番組をみています。

今回は、「NHKスペシャル 終戦 なぜ早く決められなかったのか」 

終戦は、いつ誰が決めたのか、この会議に関わった人たちの戦後の肉声テープや海外資料の発掘により、以下のようなことがおきていたことがわかります。
詳しくは番組をご覧になっていただければと思いますが、そこから浮き彫りになってきたのは

1.戦争関係者は開戦当初からアメリカとの圧倒的な力の差から、勝てる見込みがないことを知っていた。
2.しかし軍が具体的にどのように弱体化しているかという情報は首脳陣(最高会議)で共有されていなかった。
3.何度か、終戦(日本側の降伏)を決意する場面があったが、首脳陣はだれひとりそのことを切り出せなかった。
4.結局、原爆や本土決戦の無理、ソビエト参戦などの要素もあり外圧で終戦に至った。


最高会議のメンバーそれぞれが、腹と公式発言が乖離しており、まさに国の非常事態においても、責任ある人が勇気を出して意見を言わなかったのです。
火中の栗を拾う者はいず、権限以上のリスクを負いたくなく、たくさんの会議はやりながら何も決まらず時間が過ぎるという結果です。

ここで、注目しておきたいのは、会議におけるファシリテーターの役割です。

もし優秀なファシリテーターが存在し、メンバーから本音を引き出し、フラットな場で本当にこれらからの日本、日本国民を考えた場合の選択を議論する場をつくりえたなら、戦争の終結はもっとスムーズであったことが容易に想像されます。


これは、今の日本でもおきていることです。
立場や組織防衛に固執し、本質的、全体的な視点からものをみることができない。
フラットな場で、しなくてはならないことを真摯に話し合う場をつくりだし、決定することができない。

人間社会が高度化し、統治は複雑になってきます。
これはどんな企業でも政府でもことの大小は違いますが共通しています。

だからこそ、ものごとをどう決めていくのかという 合意形成や会議の在り方について、もっと教育で扱っていくことを強く感じました。
場づくりやファシリテーションの概念がおざなりにされれば、また日本人はこのような悲劇を繰り返す可能性があります。
なんとかしていきたいです。



この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 平和を維持するためには、考... | トップ | 先生方が意識している(いな... »
最新の画像もっと見る

雑感(教育以外の話題)」カテゴリの最新記事