耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

異文化との遭遇

2011年10月20日 15時15分22秒 | 都会の人たち
今の会社に入社した時、不遜にも自分は必要とされている、と思った。
だから自分にしか出来ないことをやるのが自分の仕事で、他の人でも
出来ることは人に頼んで然るべき、と考えた。
 その内、必ずしも私の仕事を期待してる人ばかりでは無いことに気付き、
自分で出来ることは自分でやり、出来ないことだけ人に頼む、となった。
 やがて、自分で出来無いことは誰もやってくれないようになり、自分で
できることもやるなと言われ、そして職を失った。

 社長が乗り気で、直属の部長が推進役だったから、これは面白い仕事が
出来ると思った。
 入社して1ヶ月で四国で設置工事の現地指揮、その2ヶ月後に米国出張、
帰国して直ぐ横浜で、次の設置工事。
 前向きな上司が、雨あられのように降り注ぐ矢玉砲弾を振り払って進み、
その後ろで、実務を推進することが任務だと思っていたら、半年後に社長が
解任。一年後に部長が退職。いつの間にか一番前で矢玉を受ける立場に
なっていた。前から来る砲弾は、まだ対策が検討できるから良い。そうこう
するうちに、今度は後ろから鉄砲で撃たれるようになってた。これは堪らない。

 どんな業種でもそうだが、新規事業を起こすことは難しい。
誰もが新しいことをやらないと頭打ちだと考えるが、えてして新しいことを
やろうとすると頭を打たれるものだ。

 木に竹を接ぐようなやり方ではうまくいかない。
良く根が張れるようにしっかり耕し、陽が当たるように風が当たらないように
十分養生しないと育たないし、ましてや収穫は望めない。


 しかし、異文明との遭遇は実に面白い経験だった。
会話の中で常識が噛み合わない。お互いに悪意は無いし相手の文化を
理解しようと努力するんだが、すれ違う。
とうとう最後に、向こうがシビレを切らしてしまった。

吹く風に色付かぬまま散る紅葉 蛙蝉


東京駅

2010年11月03日 14時35分15秒 | 都会の人たち
 朝のラッシュ時の東京駅。颯爽とスラックスを着こなしたOL風の女性が、
私の目の前でいきなりホームの非常ボタンを押した。
ベルが鳴り響き、近づいていた電車は急停止。京浜東北だけでなく、山手線
も止まってしまった。線路脇に落とし物をしたらしいが、駆けつけた駅員が
拾い上げて、安全確認し解除するまでは10分だったろうか。

 4-5分間隔で走っている10両編成の京浜東北と山手線が立ち往生しているの
だから、ホームは人が溢れて大騒ぎ。当の女性は涼しい顔で立ち去ったが、
ホームの混乱とダイヤの乱れはかなり尾を引いたのではないだろうか。

落とし物を拾うためには、やむを得なかったかも知れないが、何か他に手は
なかっただろうか、考えさせられた。

ピックニック

2010年05月16日 21時55分06秒 | 都会の人たち
 浦安寓居から2-3km南の東京湾岸の公園に、お弁当持って出掛けた。

 子供が小さい頃は、握り飯を作って近くの公園に良く出かけた。
子供達はピックニック!と言って喜んでいた。貧乏な親から子供への
せめてものプレゼントだった。

 子供たちがいなくなった老夫婦二人で、久し振りの陽気に誘われて行
ってみたら、最近の「ピクニック」は少なからず様変わりしていた。子連れ
が沢山で、行楽の安近短化かと思ったが、さにあらず、簡易テントやキャ
ンピングセットの椅子つきテーブル、高そうな犬を走らせたり、バーベキュ
ーセットを運ぶ若者たちのグループ等、高級住宅街の延長である。


 人工の草地で上げひばりが飛び交う下、どう見てもどぶ川でしかない境川の河口には、しかし別の光景があった。



折から干潮だったようで、潮干狩りの人だかり。中には本格的な漁師のスタイルで、胸まで浸かって川底を浚っている人も居る。


自慢げに漁獲を見せてくれる人もいたが、近くのスーパーで買う方が安上がりで安心できそうに思う。



 セレブなマリナーゼも、無料の拾い物には心を動かされるのだろうか?

牛乳ダイエット

2010年01月19日 21時08分48秒 | 都会の人たち
 少し食い過ぎて、Wiiに怒られそうだったので、非常手段を講じることにした。

 歩いても、走っても、棒を振っても蓄積したカロリーを消費できる量は限られている。
一番有効な手段は食べないこと、もしくは食べた物を吸収しないことである。

 私の奥の手は、牛乳を飲むこと。そう、急性の下痢になることである。
コップ一杯の冷たい牛乳を飲むと、1時間後にはお腹がゴロゴロ言い出す。そして、
その前に食べた物は、ミキサーで粉砕された状態でほぼそのまま出て来る。

 南の方では、食べる物が無くて餓死の危機に瀕している子供たちが多いと言うのに、
なんとも後ろめたい、ローマの貴族になったような気分だが、こちらも背に腹は代え
られない。
出すべきものを出して、お腹をすっきりさせることが先決である。

 ただしこの方法は、出かける予定が無くて時間に余裕がある時に限る。
一度電車の中で催してきて、東京駅の中で空いているトイレを探し回って(トイレは
沢山あるが、殆ど使用中になっている)、えらく消耗したことがある。

 なんとも非生産的な話で申し訳ないね。

エアコンが壊れた

2009年12月23日 19時34分41秒 | 都会の人たち
エアコンが壊れた。

 ときどき、ブシューと大きな音がすることが続き、昨日は電源を入れて10分
ほどしたら、ブレーカーが落ちて、停電になってしまった。また停電すると怖い
から、ガスストーブを北側の部屋から引っ張って暖房していたが、これから寒く
なるのでメーカーに電話して来て貰うことにした。
 出張してきたお兄ちゃん曰く、この2-3日特に寒いから良くあるんですよ。
大きな音がしたのは室外機で霜取りをしたからで、ブレーカーが落ちたのは
契約電力量が不足したから。東電に連絡したほうが良いですよ。省エネ機器
が多いようだけどこれだけの生活してるんだから、30アンペアじゃ足りないん
じゃないですか、だって。タイタイ病がいろいろ買い込んでいるのがバレたみ
たい。世間話をして帰って、4300円ほどの出張料金を請求するんだからこれ
もまた、一つのビジネスである。
 だいたい最近の機械は壊れないもんで、問題が起きるのは使い方が悪い
ことの方が圧倒的に多い。だけど、携帯電話の使い勝手の悪さは何とかなら
ないものだろうか。取扱説明書は不親切だし、ショップで聞いてもこんなこと
も知らないのか、という調子で年寄りを馬鹿にする。

 話題が逸れたようなので、今日のところはこれぐらいにするか。

売れない政治家

2009年10月25日 13時42分56秒 | 都会の人たち
自見庄三郎がTVに出ていた。
 昼のワイドショーで、日本郵政の社長人事についてコメントを求められていた
が、国民新党のマニフェストの説明など質問と関係ないことをしゃべりだし、
周りの空気も読まずキャスターの制止も聞かず、どんどん話をエスカレートさせ
て番組を混乱させていた。
 久しぶりにTVに出てライトを当てられて、この時とばかり言いたいことを
ぶちまけたんだろうが、コメディアンにも馬鹿にされて、良いところ無しだった。
あんまりバカらしくて、すぐTVの電源を切ったが。

 売れない役者と一緒で、人気商売はなかなかつらいモンのようだ。

政治音痴が

2009年09月16日 15時51分06秒 | 都会の人たち
 毎日新聞を見て(読むと言いたいが眺めるだけで頭には入っていない)
TVのニュースも欠かさないが、政局には殆ど無関心で選挙でも当落を
左右するような投票ができるとも思わず、大勢に流されるだけだったが、
このところ政治ニュースに目が向いている。日経もこれまでは最終面の
エロ小説と私の履歴書から社会面スポーツ欄と読み進んでいたが、今は
1面トップから政治欄へとめくるようになった。

 民主党が望外の議員数を獲得して第一党になり、選挙対策で公開した
マニフェストに首を絞められて、これからどう辻褄を合わせていくのか、
岡目八目で見てやりたいと思っている。
 政権交代とか与野党逆転とかいろいと言っているが、所詮は同じ穴の
ムジナ、狸と狐の化かし合いだろう。いや互いに化かし合うだけではなく、
両方が国民相手の化かし合戦をしている。

 眉にツバ付けながら、どう騙そうとするのか、どう誤魔化すのか、
見極めてやろうと興味津々である。

 Lame duck から解放されて官邸を出る麻生太郎がTV画面でひきつった
笑顔を見せている一方で、棚ぼたのFiest ladyがギラギラしたお化けの
ような目を剥いて、耳まで裂けた真っ赤な口で舌舐めずりしている。
 霞が関に対抗する永田町の百鬼夜行が始まろうとしている。

魔女狩り

2009年05月21日 12時37分25秒 | 都会の人たち
 都会に魔女狩りが横行しだした。豚風邪という魔女を追いかけまわしている。

 確かに感染力が強いとか、強毒性に変化する可能性が高いとか、警戒する必要
があるとは思うが、患者が所属するだけで登校もしていないのに学校を休校にし
たりするのは、やりすぎだ。売名行為に必死の政治家をマスコミが担ぎあげて、
罪のない患者とその周辺を魔女扱いするのは、いい加減にしないといけない。

 ウィルスはすぐ死ぬから空気感染はしないとか、発症の恐れがある時は出歩か
ずに電話で問い合わせをしろとか、もっと周知徹底しなければいけないことがあ
るはずだ。

 どうも最近平和すぎるのか、大衆受けする話題で視聴率稼ぎを指向するTV番
組が多すぎる。

 勝っている時のタイガースの試合の中継とか、もっとやることがあるだろうに!

シンバル

2008年11月24日 18時10分26秒 | 都会の人たち
 60歳を超えると色々特典が付く。
浦安シティオーケストラの定期演奏会は入場券が千円だが、60歳以上が前売り
を利用すると400円になるというので、喜んで聞きに行った。
浦安市文化会館の大ホールがほぼ満員だったから千人近く入っていたかもしれ
ないが、むしろ若い人の方が多かったのに驚いた。やはり若い町である。

 ドボルザーク特集で、チェロ協奏曲は独奏者が好演して聞き応えがあった。
プログラムは多分「新世界」が目玉なんだろうが、演奏は今いちだったの3人
の演者に注目した。チューバとオーボエとシンバルだ。50人ほどのオケの中で
いずれも極めて出番が少なく、待っている間が見物だった。
 シンバルは40分の演奏中、第3楽章で1発だけだ。赤ら顔でがっしりした体
の大男が担当だが、1-2楽章は頭を下げて頭頂の薄毛をさらして寝ている。
第3楽章に入るとやおら起きだして、なんとトライアングルを構えてそっと叩
き出した。1発だけのシンバルはさぞや景気よく鳴らすかと思いきや、これも
シャリーンと小さな音を出しただけだから、あの大きな体で可なり不満が残っ
たのか、その後はアンコールが終わるまでまた寝ていた。
 オーボエ、というより正確にはコールアングレというらしいが、これは第2
楽章の頭の「家路」だけしかやらない。出番は少ないが派手な役なので待ち
甲斐があるというものだ。

 このコンサートでは、サービスのつもりか開演前にロビーで室内楽を3曲
やった。だけどやらない方が良かった、と思う。弦楽器は名人でなくても、
オーケストラだと聞けるものだ。

河川敷で芝刈り

2008年10月18日 08時46分24秒 | 都会の人たち
昔の仲間が集まって河川敷に芝刈りに行ってきた。

越谷の江戸川沿いである。そう、あのレイクタウンイオンの近くだ。船橋市
のららぽーと(店舗面積120,200m2)を抜き、日本最大級の規模でこの9月に
オープンしたショッピングモールである。

首都圏で安いゴルフ場といえば河川敷となるが、静岡県ではアップダウンの
激しい山岳コースが安い。どちらもそれなりに長短があるが、私はタフな山
岳コースのほうが好きだ。
河川敷は練習場の延長のようなもので、スウィング改造の調子を見たりいろ
いろトライアルをやってみるのには好都合である。ただ、打ち上げ/打ち下ろ
しや谷越えなどのトリッキーなショットはあり得ないので、ちょっと物足り
ない。しかし、フラットだが川筋なので風が吹き出すと始末に負えない。前
回は、強風で、途中リタイアせざるを得なかったほどだ。

 都会のゴルフはリクレーションである。ゴルフ場に着いたらまずコーヒー
を楽しみ、ウエアや道具を自慢する。スタート前に時間があれば、潤滑油の
ワンカップを空け、体と口の廻りを滑らかにする。そして河川敷だというの
に電動カートに乗る。終われば近くの中華料理店(ラーメン屋)で打ち上げ
だ。今回はPATが好調で、オリンピックで稼ぐことができたので、只で豪華
なラーメンを御馳走になったが。
 静岡県では、プレーを楽しむためにゴルフをしてきた。1時間前にはゴル
フ場に着き、充分に練習をする。アップダウンがきついので乗用カートは必
須だが、安く上げるためにセルフで回る。そして、終わればサッサと帰る。

 ゴルフのやり方にもリハビリが必要かな。

 ありがたやビルの狭間も天高し 蛙蝉


快速電車への押し入り

2008年09月13日 11時58分13秒 | 都会の人たち
 東京に電車通勤を再開した。
新浦安から八丁堀で乗り換えて小伝馬町まで行く。
JR京葉線で新浦安から八丁堀まで6駅で、快速だと3つ目16分、各駅停車
でも20分。4-5分間隔で走っているし、たった4分しか違わないのに、快速は
急ぐ人で満員でお尻から押し込まないと乗れないほど。
 沼津は本線(東海道)だが、1時間に4-5本しか来ないから選り好みはでき
ないが、そんなに急ぐんなら、ちょっと早めで出ればいいのに、と思うのは
年をとった証拠だろうか。
当然田舎者の私は各停に乗る。座れはしないが、吊革に掴まって本が読める
ほど。それでも少しでも良さそうな吊革に急いだり席を立つ人の後に殺到し
たり、結構人間模様が観察できる。
 朝の乗り換え駅の混雑は殺人的である。乗降客が狭い通路で押合いしてい
るので、もし地震や火災などが発生しても動きが取れず、大変なことになる
だろう。
 それにしてもすごい人数である。会社まで歩いて通勤していた1ヶ月前が
懐かしい。

侵入者、新入者への冷たい視線

2008年09月13日 10時21分01秒 | 都会の人たち
 5年半ぶりに浦安のマンションに帰ってきた。
このマンションは30年前に新築と同時に購入したので、最古参のはずである
が、やはり首都圏のベッドタウンは住民の入れ替わりが激しいようだ。同じ
棟の同じ階に8軒あるが、賃貸ではないのにこの5年半で半分以上入れ替わ
っている。
 エレベータで引越しのゴミやダンボールを捨てに行く時に、この新参者め、
という顔をして冷たい視線を浴びせてくるのは、私が見知らぬ若い人である。
ごみ集積所や郵便受けの仕組みが最近新しくなっているので、マゴマゴして
いると、こいつめよそ者か?という顔で不審な顔をするのも、若い住民であ
る。まだ車が沼津ナンバだから余計そうだ。そういえば、構内の駐車場の管
理をしている管理組合の役員も、私よりははるかに新参であった。
 古巣で村八分にされないよう、せいぜい顔合わせたときに挨拶するように
しているが、知らん顔したり顔を背けたりするのは、やはり都会の人間不信
の風潮からだろうか。

歩道での激突

2008年09月13日 08時55分28秒 | 都会の人たち
小伝馬町のオフィス街での出来事である。昼休みに職場の仲間と行き付けの
店で定食を食って、歩道を歩いていた。前からカバンを持った、会社員風の
若者がえらい勢いで歩いてきた。よける間もなく私の胸に彼の肩がドスン!
ジジイがフラフラ歩くんじゃねえ、とでも言わんばかりに、彼は振り向きも
せずに歩き去った。
 昔は、生き馬の目を抜く、などと言ったが、これは威勢が良い様子を褒め
る言葉で、決して無頼な礼儀知らずを賞賛していない、と思う。田舎者でな
くてもそう思うのではないだろうか。

 東京も殺伐としてきたものである。