鮮烈な五弁の花が緑の葉に映えるプルメリアの赤花品種「プルメリア・サオ・マンノン」(Plumeria 'Sao Mannon')。プルメリアはインドソケイ属の花の総称で、赤花はニカラグアの国花になっている。
(2020年秋 神代植物公園)
プルメリア(Plumeria)はキョウチクトウ科インドソケイ属に属する植物の一般的な総称である。通常落葉樹で、花を付ける小灌木である。17世紀のフランス植物学者であるシャルル・プリュミエにちなんで名付けられている。「フランジパニ」(frangipani)という別称もあるが、16世紀のイタリアでこの花の香りのする香水を発明したと称した名門貴族フランジパニ家(英語版)出身の人物に由来するとされる。プルメリアは「チャンパー」(champa)と呼ばれラオスとニカラグア(赤花)の国花となっている。
文化
タヒチ、フィジー、サモア、ハワイ、ニュージーランドなどの太平洋の島々でレイに好んで使われるのは、プルメリアの花である。花は女性の髪にも飾られ、未婚者は頭の右に、既婚者は左に飾る。
ラオスでは国花となっており、チャンパーと呼ばれ、2月頃から7月頃までの間に、白、ピンク、赤、黄の花が見られる。ラオス国営航空の飛行機の尾翼には、このチャンパーの花が描かれている。花は仏教寺院などで献花に用いられるほか、ラオスの正月やバーシーの儀式に用いられ、親や兄弟姉妹など肉親への敬愛と来客への幸運の象徴とされる。日メコン交流年には、日本とラオスの友好のシンボルとして、両国政府と日本企業の協力で、ビエンチャンのワットタイ国際空港から市内への道沿いにチャンパーの記念植樹が行われた。
インドでは、赤い花のプルメリアの香りを入れた香をチャンパと呼び、ナグ・チャンパ(Nag Champa)などがある。バリ島のヒンズー教徒は寺院にプルメリアの花を供える。
フィリピン・インドネシア・マレーシアでは、プルメリアは幽霊や墓地を連想させる花である[5]。これらの国々では墓地にプルメリアが植えられる。マレー半島やインドネシアに伝承される、妊娠中に死亡した女性の幽霊とされている吸血幽霊ポンティアナックは、出現時にプルメリアの花のかぐわしい香りの後にひどい悪臭がすることで気付かされることがあるという。
■熱帯植物シリーズ■
「金盃」(熱帯植物シリーズ 20-01)
「かぐや姫」(熱帯植物シリーズ 20-02)
「白珠丸綴化」(熱帯植物シリーズ 20-03)
「コロカシア・ファラックス」(熱帯植物シリーズ 20-04)
「ペトレア・ヴォルビリス」(熱帯植物シリーズ 20-05)
「コスツス・バルバツス」(熱帯植物シリーズ 20-06)
「サンタンカ」(熱帯植物シリーズ 20-07)
「ナンヨウサクラ」(熱帯植物シリーズ 20-08)
「アリアケカズラ」(熱帯植物シリーズ 20-09)
「ヘリコニア 'カメハメハ'」(熱帯植物シリーズ 20-10)
「メディニラ 火の鳥」(熱帯植物シリーズ 20-11)
「アリストロキア・トリカウダータ」(熱帯植物シリーズ 20-12)
「ブルグマンシア・ベルシコロル」(熱帯植物シリーズ 20-13)
「オオベニゴウカン」(熱帯植物シリーズ 20-14)
「フウリンブッソゲ」(熱帯植物シリーズ 20-15)
「ヤエサンユウカ」(熱帯植物シリーズ 20-16)
「コスツス・イグネウス」(熱帯植物シリーズ 20-17)
「サガリバナ」(熱帯植物シリーズ 20-18)
「コスツス・ルカヌシアヌス」(熱帯植物シリーズ 20-19)
「クレロデンドルム・ウガンデンセ」(熱帯植物シリーズ 20-20)
「マダガスカル・ジャスミン」(熱帯植物シリーズ 20-21)
「クルクマ・アリスマティフォリア」(熱帯植物シリーズ 20-22)
「ニンニクカズラ」(熱帯植物シリーズ 20-23)
「ディコリサンドラ・ティルシフロラ」(熱帯植物シリーズ 20-24)
「パキスタキス」(熱帯植物シリーズ 20-25)
「コエビソウ」(熱帯植物シリーズ 20-26)