中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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炎暑,汗でベタベタ,アブとヒルの丹沢:塔ノ岳(今年28回目)

2011年06月30日 09時35分58秒 | 丹沢の山旅

                                  <塔ノ岳山頂>

    炎暑,汗でベタベタ,アブとヒルの丹沢:塔ノ岳(今年28回目)
         (登りは途中までご常連と一緒)
          2011年6月29日(水)

■暑いけど行くぞ
 今日は6月29日.早いもので今年ももう半分が終わる.アッという間の半年であった.
 6月も終わりに近付くと,もう少し丹沢へ行っておきたい気分になる.でも今は梅雨時,それでも,たまたま昨日と今日は何とか天気が持ちそうだった.実は昨日丹沢へ出掛けようかと思っていたが,朝,外を見ると,前夜の雨でベタベタに濡れているので,丹沢行きは中止.そして,今日こそ,と思って,何時ものように5時10分に家を出る.
 このときすでに気温は27℃を越えている.今日は暑さを予想して,何時もより余計に水を背負っている.
 渋沢発大倉行1番バスは,パラパラと座席が埋まる程度の混雑.U村さん,M田さんなどのベテランの顔も見えている.たまたま近くに座った韋駄天のTさんのお話だと,昨日は立ち席が出るほどの人出だったようである.
 韋駄天のTさんは,かねてより私の絵に興味を持って頂いているので,この7月1日から始まる鎌倉美術展の案内状を手渡す.

■蒸し風呂のような登山道
 バスは7時丁度に大倉に到着する.ベテランの皆さんは早々に歩き出す.モタモタの私は,例によって,数分遅れの7時06分にようやく歩き出す.手許の温度計では27℃.無風で端から蒸し暑い.
 路面の状態は悪くはない.一見の登山客を何人か追い抜いて,マイペースで登り続ける. 観音茶屋を過ぎた辺りで,U村さん,M田さん,それに私の知らないお二人のグループに追い付く.暫くの間,このグループの後先になりながら一緒に登る.
 雑談をしている内に,M田さんが,このほど塔ノ岳登頂1,500回目を達成し,その記念にサクラの木を塔ノ岳山頂に植えたという.
M田さん伺うと,約25年で達成した記録だとのことである.素晴らしい記録である.
 何時もならば,雑事場ノ平を過ぎて尾根道に差し掛かると,尾根越しの涼風が吹いているが,今日は全く風がない.その後もムシムシ,ベタベタしながら,あえぐように登り続ける.何時もなら,この辺りの森から鳥の囀りが聞こえてくるのだが,今日は鳥の声も聞こえない.
 暑い.とにかく暑い.同行の男性が,
 「何でこんなに暑い日に苦労して登山をしているんだろう・・」
と愚痴る.
 「なるほど! それもそうだな・・」
と私は心の中で同感する.でも,性懲りもなく登っているから不思議である.
 8時17分,ようやく駒止茶屋に到着する.大倉を歩き出してから1時間10分も経過している.この調子だと山頂に到着する時間は随分と遅くなるなと予想する.

<蒸し風呂のような山麓の登山道>

■堀山から富士山は見えない
 堀山の尾根に入る.涼しい風を期待していたが,全く無風.高曇りの空なので,近場の山々は見えるが,肝心の富士山は全く見えない.でも,性懲りもなく,見えない富士山の写真を撮りまくる.
 8時36分,堀山の家を通過する.気温27℃.辺りの森から,ギーギーとうるさく鳴き続ける蝉(?)の声が聞こえ始める.この声も風物詩の一つである.
 とにかく蒸し暑い.熱中症を警戒して,ハイドレーションシステムから少しずつ水を補給して飲んでいるが,自分の年齢を考えながら,一段と登頂速度を落とすことにする.それでも暑いので,どんなに歩行速度を落としても,汗が噴出する.特に腰から下のズボンが汗でベタベタに濡れ始めて気分が悪い.
 今朝,大船駅前のコンビニで購入した「塩レモンキャンデー」を口に入れて,塩分を補給する.
 遅いピッチで登っていると,ご常連のU村さんに追い抜かれる.ご一緒だった方々から離れて先に登ってこられたようである.たちまちの内にU村さんとの距離が開く.

<堀山の尾根;残念ながら富士山は見えない.風もない>

■ぼんちゃんとチャイちゃん
 もうすぐ戸沢分岐というところで,上から下山してくる“ぼんちゃんとチャイちゃん”とバッタリ.ぼんちゃんは,これまで当ブログで時々登場するヤマカガシさんのことである.
 チャイちゃんは小さな白い子犬.行儀が良くて利発そうである.可愛いので早速写真を撮らせて貰う.ついでと言ったら叱られるかもしれないが,ぼんちゃんとチャイちゃんのツーショットを撮る.ぶんちゃんの許可を得たので,写真を掲載する.
 「ずいぶん,(下山が)お速いですね・・」
 「いえ・・萱場平で引き返します・・・3週間ばかり(登山の)間を空けたら,(山頂までは)とても無理・・・」
 そして,チャイちゃんを見ながら,
 「こいつが,『もう下山するの』というような顔をするんですよ・・途中から下山するのが不服なようです・・」
 チャイちゃんは,本当に小さな犬だが随分と利口そうである.じっと立ち止まったまま小さな黒い目で私を見上げている.
 数分立ち話をしてからお別れする.
 9時丁度に萱場平を通過する.春や秋の季節の良いときならば花立山荘に到着している時間である.人影がなく静まりかえっている.今回は,珍しく,定点写真を撮る気にならないので,そのまま通過する.気温26℃.無風.湿度も極めて高そう.
 
<チャイちゃんとぼんちゃん>

■熱中症を気にしながら・・
 花立山荘までの急坂は,さらに意識してユックリペースで登る.何と言っても熱中症で倒れるのが怖い.意識的に水分を補給しながら,エッチラ,ホッチラと登り続ける.
 相変わらず蒸し暑いので,汗が止めどもなく流れる.
 こうなると,汗をかかないように登るなどというきれい事は言ってられない.それでも,後7分坂もなんとか登って,9時28分に花立山荘を通過する.でも,気温は相変わらず26℃と高い.
 引き続き花立山までの急坂を登る,ここまで登っても,相変わらす蒸し暑い.仕方がないので低速のまま登り続ける.
 9時36分,下ってくる韋駄天のTさんとすれ違う.さすがに毎日登山をするTさんには熱中症など無関係のようである.
 何時の間にか辺り一面に霧が掛かっている.花立山からの眺望は今日も全く駄目.

■霧の中に入り込む
 花立山を通過して,霧の中,馬の背辺りを歩いているとき,後ろから来たM田さんが追い付く.ここまで来ていれば,速く歩いても,遅く歩いても,山頂までに時間は5分と違わないので,M田さんに先に行って貰う.
 9時47分,金冷シを通過する.周囲の森の中から,ジージーと絶え間なく鳴き続ける蝉(かな?)がうるさい.ときどき騒音の中に,ホトトギスの啼き声が聞こえてくる.
 深い霧の中に森の木々がシルエットのように見えている.結構それが綺麗である.私は時々立ち止まって,シルエットの木々の写真を撮る.

<花立山からは霧の中>

■やっと,塔ノ岳山頂に到着
 10時丁度に,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.山頂は霧が少し晴れている.手許の温度計では気温25℃.無風.山頂に来てもやっぱり蒸し暑い.
 富士山は相変わらず霧の中,何も見えないが,例によって霧の写真を数枚撮る.
 私の衣類は汗でビッショリになっている.このままでは,とても尊仏山荘には入れないので,外で,数分,汗が引くのを待つ.たまたま今日着用しているズボンは,ポリエステル製.風通しはよいが吸汗性が悪く夏向きのものではない,そのため布に吸収されない汗がベッタリ,ベタベタとまとわりついている.まるで洗濯直後,絞らないで引き上げたときのような状態になっている.
 ズボンの汗がしたたり落ちるのを5分ほど待ったが,埒があかない.
 「仕方がないな・・このまま尊仏山荘に入ろう」
と決める.

<霧の中の山頂>

■尊仏山荘
 先客は先ほどまで一緒に歩いていたご常連3人.小屋番はW田氏.
 先客のお一人が,汗だらけの私のズボンを見て,
 「わあ・・凄い汗ですね・・」
と驚く.
 Wさんに,
 「ネコ,元気ですか・・?」
と伺う.
 「ええ,元気ですよ・・」
との返事.でも,ネコを連れてきてくれとは言えず,そのまま.300円也のお茶を所望する.

■霧の中,下山開始
 10時30分,そろそろ下山しようと思う.
 何時の間にか,また霧が濃くなっている.尊仏山荘で休憩を取っている間に,山頂で休憩を取っている登山客が随分と増えている.
 私の10メートルほど先に,ローギヤー氏の後ろ姿が見える.多分,2番バスで来られたのだろう.ローギヤー氏は,山頂に到着すると,合掌してすぐに下山している.
 距離が10メートルもあると追い付く気力もない,濃い霧の中,下山し続ける.
 
<ローギャー氏が下る>

■花立山荘で山旅スクール8期生とバッタリ
 11時丁度に花立山荘に到着する.随分と沢山の登山客が休憩を取っている.
 私が,記録用のノートを取り出して,到着時間を記帳していると,
 「あっ・・FHさんだ・・」
と叫ぶ声が聞こえる.
 私はビックリして,声の方を見ると,山旅スクール8期のSさんが居る.
 「・・今日はミロクですか・・?」
 「いえ,山旅スクール8期の皆さんと一緒です」 なるほど,見覚えのある面々がベンチで休憩を取っている.
 「・・FHさん,夏でも塔ノ岳に登るんですか・・どのくらいの頻度で登っているんですか」
など,次々に質問を受ける.私は,
 「年を取るにつれて,だんだんと体力がなくなっていますよ・・」
と愚痴る.
 10分ほどの間,8期の皆さんと雑談.集合写真を撮る(一同の許可を得て掲載).

<山旅スクール8期の皆さん;花立山荘にて>

■蒸し暑くてアブが飛びヒルに出会う
 標高が低くなるにつれて,ますます蒸し暑さが増す.
 堀山を通過した頃,暫くの間,ポツポツと雨粒が落ち出す.
 今日は,はじめから暑いことを予想して,何時もより多く2リットルほどの水を持参していたが,見晴茶屋に,持参した水をほとんど飲み干す.
 雑事場ノ平で,水場のあるルートを辿って,20円也の水をたっぷり飲んでいこうかなとも思ったが,雑事場ノ平からの一寸した登り坂を登るのが億劫なので,やっぱり近道を下る.
 突然,足首にチクリと痛みが走る.分厚い靴下の上から,2カ所ほどアブに刺されている.その後が何時までも痛痒い.
 暑くて仕方がない.速く歩こうなどという気持ちは全くない.どうせバスの時間までは余裕があるので,のんびり惰性で下り続ける.そして,13時06分,漸くバス停大倉に到着する.気温30℃.
 バスの発車時刻は,13時22分である,たっぷり時間がある.
 トイレ前の水道で,備え付けのタワシを使って,靴の泥を落とす.
 ふと見ると,タワシからノソノソとヒルが私の手の甲に渡ってくる.噛みつかれる前に,ヒルを払い落とす.タワシにヒルが付いているという話は,前から聞いていたが,本当だ.大倉の水道でタワシを使う人は要注意.

■とんでもなく暑い日だった
 小田急線のダイヤが乱れている.小田原まで各駅停車の電車に乗るはずだったが,遅れてきた快速急行とやらに乗車する.意外に早く小田原に到着する.東海道本線への乗り継ぎも良く,14時04分発特別快速高崎行に乗車,15時頃,無事帰宅する.
 とにかく,汗でベトベトの衣類を脱ぎ捨てて,すぐにシャワーを浴びる.乾いた衣類に着替えて,冷たい麦茶を2~3杯,立て続けに飲む.これで,やっと気分が落ち着く.
 テレビを見る.20都府県で,熱中症患者が続出したことを報道している.
 選りに選って,とんでもない日に,塔ノ岳に登ったものだと,自分の愚かさを苦笑する.
 テレビでは,
 「高齢者は,暑さを感じなくなるので危ない.節電も大事だが,ちゃんとクーラーを入れなさい・・」
と注意をしている.
 そういえば,我が家のある鎌倉が比較テてき涼しいからかもしれないが,節電が気になって,我が家では,今年まだ一度もクーラーを使っていない.
 「年配者は暑さに鈍感か! 私がこんな日に丹沢へ出掛けたのも,年寄りの鈍感さがなせる業か!」
 私は,せっかく無事に塔ノ岳を往復したのに,何だか妙な気分になる.
 携帯電話による記録では,本日の歩行距離23.3 km,歩行歩数31,532歩,消費カロリー701 Kcalだった.

<6月29日はとんでもなく暑い日だった!>

<ラップタイム>

 7:06  大倉歩き出し
 7:26  観音茶屋
 7:42  見晴茶屋
 8:17  駒止茶屋
 8:38  堀山の家
 9:28  花立山荘(26℃)
  9:49  金冷シ
10:00  塔ノ岳山頂着(24.7℃)
==============================
10:32  塔ノ岳山頂発
10:46  金冷シ
11:00  花立山荘(11:10まで山旅スクール8期の方々と雑談)
11:46  堀山の家
12:04  駒止茶屋
12:31  見晴茶屋
12:47  観音茶屋
13:06  大倉 着

[山行記録]

■水平距離
       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:06
  塔ノ岳  着      10:00
 (所要時間)  2時間54分(2.90h)
 水平歩行速度  7.0km/2.90h=2.41km/h  
 登攀速度     1269m/2.90h=437.6m/h
 
■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:32
  大倉   着       13:06
 (所要時間)  2時間34分(2.57h)
 水平歩行速度    7.0km/2.57h=2.72km/h
 下降速度    1269m/2.57h=493.8m/h
                                  (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c09ab95570d3039b6e6d489cdab7ad52
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a8537c495b17b4f17b4b2f34b261dcec



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コメント有り難うございました. (FH)
2011-07-03 10:00:09
MorosawAさん

コメント有り難うございます.

お久しぶりです.もちろん,MorosawAさんのことは,覚えております.

ヤビツでヒルに会われた由,大変でしたね.

私は,登山途中で立ち止まったり,休憩を取ることはしませんので,ヒルに会ったことはありませんが,道ばたで休憩を取るとヒルにやられることが多いようです.

ヒルは困った問題ですね.

また,当ブログをおたずね下さい.
返信する
ヒルに関して (MorosawA)
2011-07-03 08:43:05
FHさん、お久しぶりです。
もうお忘れかもしれませんが、過去に何度かコメントしたことのあるMorosawAです。

相変わらず大変なご活躍ですね。私はFHさんの子供ぐらいの年齢なのだけれども、気力・体力共にFHさんにはかないません。

さて、先日雨の中、蓑毛バス停からヤビツ峠経由で大山に登ったのですが、ヤビツ峠で休んでいるときにスパッツの上に4匹もヒルがいて仰天してしまいました。

もし半ズボンだったら、もしスパッツをつけていなかったら、その4匹に血を吸われていたところでした。
雨の日は特に注意が必要ですね。
返信する
コメント有り難うございました. (FH)
2011-07-02 17:02:42
ぼんちゃん

コメント有り難うございました.
この日は,特別に暑かったですね.全く風がなかったので,私も堪えました.

チャイちゃんが元気なのには驚きました.

富士山登頂,良いですね.どうぞお元気で・・

今度,塔ノ岳へ水曜日に登れる日は,月末までなさそうですが,お会いできるのを楽しみにしています.

どうも有り難うございました.
返信する
ついで大好き (ぼんちゃんより)
2011-07-02 12:22:52
ブログ掲載ありがとうございます。
体重調整をして、7月5日天気なら
須走口から富士に行こうと考えて
います。天気悪そうですが・・・
花岡さんの笑顔に会える日を楽しみに
しています。
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