中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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閑話休題:浅間山が噴火した

2009年02月03日 19時50分10秒 | 閑話休題:日々雑感
                  <湯ノ平で見掛けたカモシカ>

          閑話休題:浅間山が噴火した
           2009年2月3日(火)

 2009年2月2日,浅間山が,昨年8月以来,初めての小規模な噴火をした.これが今日(2月3日),テレビや新聞のニュースで大きく報道された.
 私は,今でこそ鎌倉に住んでいるが,生まれも育ちも浅間山麓の小諸である.物心ついてから今日まで,浅間山を畏怖し,信仰し,敬愛ながら過ごしている.だから,今でも,たとえ山頂まで行けないにしても,年に何回かは浅間山に登らなければ気が収まらない.
 今年も,雪が融けたら,また,浅間山へ登ろうと思っていたが,今回の噴火で,レベル3規制になってしまった.そうなると,山頂付近だけでなく,噴火口から4キロメートル以内には入れなくなる.残念!

 詳しい年月は忘れたが,私が国民学校(今の小学校に相当)に通っていた頃,浅間山が,夜中に大噴火を起こした.いきなり,
 「どっし~~ん・・・」
という大きな音.ビックリして飛び起きた.
 浅間山に面した窓のガラスが割れ,白壁が落ちた.夜空に,キノコを幾つも積み重ねたような大きな噴煙が,とてつもなく高い所まで昇っているのが見える.噴石がぶつかり合っているのか,それとも灼熱の噴石が赤く見えるのか良く分からないが,噴煙の中にチカチカと輝いて見える.
 暫くの間,噴煙はクッキリとした姿を保っているが,時間が経つに連れて,輪郭がぼやけ始め,やがて崩れていく.


                      <浅間山から富士山を望む:2008/10>

 浅間山の近くに住んでいると,こんな噴火の情景を,幾度も見てきた.
 若い頃は,それこそ数え切れないほど,何回も,浅間山に登った.地元では,浅間山に一度も登らないヤツはバカ,二度登るヤツはもっとバカだと言われている.その意味では,私は大バカかもしれない.
 ただ,昔は,今のように入山規制など全くなかったような気がする.何回も浅間山の火口まで登って,危険な目にあったことがないのは,たまたま運が良かっただけかもしれない.中には,たまたま登山中に,運悪く噴火にあって死んだ人も居たようである.

 浅間山は三重式の火山である.現在の火口がある山が釜山.そのすぐ外側に第一外輪山の東前掛山,前掛山.さらにその外側に,浅間山を囲むように,剣ヶ峰,牙山,黒斑山,蛇骨山,仙人岳,鋸岳の第二外輪山の山々が並んでいる.
 小諸口の登山口から登る場合,昔は小諸の街から徒歩で山頂まで登ったが,今は山麓にある浅間山荘(標高1,410m)まで,バスやタクシーで入る.そこから歩き出して,長坂と呼ばれるやや急なジグザグ道を登る.すると,2時間ほどで火山館(標高1,970m)に到着する.


                          <第二外輪山鋸岳付近を見下ろす2008/10>

 火山館から,少し登ると湯ノ平と呼ばれる火口原に到着する.ここは東側の浅間山(正しくは釜山)と第二外輪山に囲まれた風光明媚な平原になっている.
 火山館は,私も参加しているNPO浅間山クラブの活動拠点でもある.火山館を訪れて,小屋番のK氏と雑談をするのを,私は何時も楽しみにしている.毎年,春になると,浅間の残雪が消え,登れるようになるのを待ちかねている.
 今年も,小諸在住の弟や,浅間登山でご一緒する方々との再会も楽しみである.また,横浜,鎌倉近辺の山仲間と,7~8月頃,是非,浅間山に行こうと計画中であった.
 所が,今回の噴火である.レベル3の規制になると,火口から4キロメートルの中に入ってしまう火山館にも行けなくなる.あの素晴らしい湯ノ平の風景にも接することもできない.勿論,黒斑山などの第二外輪山にも登れない.

                     <火山館:人物は無関係>


                 <浅間の噴煙:この程度の噴煙は何時も出ている>

 あまり無責任なことを記述することは控えるべきかもしれないが,私見として,今回程度の小さな噴火で,テレビは騒ぎすぎではないかと,ついつい思ってしまう.勿論,規制は遵守すべきだし,自然の脅威を真摯に受け止めなければならない.しかし,小さな噴火をややもすれば,針小棒大に騒ぎ立てるのは程々にして欲しいと,つくづく思う.
 例えて言えば,高峰山や高峰高原辺りは,今回程度の噴火であれば,安全性に全く問題はない.極端な例として,今回の浅間山の噴火で,私の所に,知人から,
 「軽井沢,小諸を旅行しようと思っていたが,安全か」
という問い合わせがあった.
 この程度の噴火で危ないようならば,小諸になんか住めないではないか.大丈夫だよと返事をした.

                     <湯ノ平から釜山を望む:2006/10>

 テレビでも,どこまでが安全で,どこからが危険かを,シッカリ報道してくれないと,地元は大変だなと同情してしまう.
 浅間山がどんなに噴火しようとも,あの浅間山麓で育った私には,浅間山に対する畏怖の念と,信仰は変わらない.また,小諸の懐古園を訪れて,小山敬三美術館で,小山画伯のすばらしい浅間山の絵を眺めたいなと思い始めている.

                      <小山敬三画伯の浅間山>
                              (おわり)


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