中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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霧の中,シカに出会った丹沢:塔ノ岳(今年6回目)

2009年02月05日 09時50分26秒 | 丹沢の山旅
                                      <霧の中シカに出会う>

          霧の中,シカに出会った丹沢:塔ノ岳(今年6回目)
                       (単独山行)
                2009年2月4日(水)

■天気は良くないが出掛ける

 前回(2月1日),塔ノ岳を往復したときは,山頂直下でシャリバテになった.そのため,急に力がなくなって,山頂に到着したときは,随分と疲労してしまった.そこで,今日は,シャリバテにならないように,十分に朝食を摂ってから出掛けることにする.
 今朝は,天気予報によれば,冷え込んで,寒い1日のなるとのことだが,外に出てみると,案外暖かいのでホッとする.雨は降らないようだが,上空にはかなり厚い雲が立ち込めている.晴れていれば相模大野付近で明るくなり始めるが,今日は朝日が厚い雲に覆われている.そのため,気分的にも,だんだんと滅入ってくる.私は内心で,
 「・・・もう,電車に乗っちゃったから,このまま塔へ行くしかないな~ぁ・・それとも弘法山辺りに登ってから,すぐ引き返そうか・・・」
と迷い続ける.
 でも,結局は行き先を変更するのが面倒なことと,ヒョッとしたら塔ノ岳山頂付近で霧氷が見られるかもしれないという淡い期待を抱いて,ずるずると予定通り塔ノ岳に登ることにする.

■出だしはユックリと
 渋沢発大倉行の2番バスの乗客は,たった10名.その内,2名は途中で下車した.大倉に到着した8命の内で,塔ノ岳に登りそうな人は半分ぐらいのようである.
 前回は,体調が思わしくないのに,前半を飛ばしすぎた.その反省から,今回は,特に歩き出しをユックリとマイペースで歩き始めることに留意しようと思う.そして,簡単なストレッチを済ませて,7時36分にバス停大倉を歩き出す.ノートを開いて,前回の記録を見ると,前回も7時36分に歩き出している.これならば,前回と今回の記録を比較するのに好都合である.
 7時40分に登山口を通過する.登山道の入り口付近の杉林が,広さ300平方メートルほど伐採され,上空が開けて,登山道も明るくなっている.なにか建物でも建つのだろうか.伐採後を余所見しながら通り過ぎる.ここ2~3日晴天が続いたためか,今日の登山道は,大分乾いている.私は絶対にオーバーペースにならないように,ゆっくり,ゆっくりと登り続ける.
 観音茶屋から雑事場ノ平に至る間で,同じバスに乗車していた先発の登山客全員を追い抜く.
 8時12分に見晴茶屋を通過する.歩き出してから38分経過している.前回は8時10分に通過しているので,既に2分遅いことになる.

■1時間03分で駒止茶屋を通過
 見晴茶屋からの急坂に差し掛かる.歩き出しをユックリ歩いたからかもしれないが,この急坂も案外楽に登り続ける.しかし,決して急ぐことはしない.普通の呼吸で,汗をかかずに,とにかく落ち着いて登ることに徹する.
 一本松を通過して,尾根道に出る.周囲は濃い霧に覆われていて,すぐ近くの大手尾根さえ全く見えない.真っ白な霧の中に枯れ枝がシルエットになって見えている.美しい情景である.霧が次第に濃くなって,だんだんと視界が利かなくなってくる.
 やがて,急な階段を登って,8時39分に駒止茶屋を通過する.歩き出してから1時間03分経過している.随分とユックリ歩いたつもりだが,結果的に,意外に早く駒止茶屋に到着している.これはビックリである.しかも,今回は全く疲労感がない.

               <富士山が良く見える堀山の尾根>

■深い霧に覆われて
 堀山の尾根を通過する.周囲は濃い霧に覆われていて,眺望だけでなく,登山道の行く手もボンヤリとしか見えない.それでも,何時も富士山の写真を撮る場所で立ち止まる.そして,濃い霧ばかりで,近場の杉の木だけで,山は全く見えない写真を,惰性で撮る.
 8時55分に堀山ノ家を通過する.尾根道をユックリ歩いたためか,前回,2月1日より,2分ほど余計に時間が掛かっている.
 霧が益々深くなる.前方がボンヤリとしか見えない岩稜を登る.霧の中,登山道脇の林の中で白いものがフワフワと動いている.良く見ると,数頭の鹿の家族である.霧の中から,私の方をジッと見詰めている.鹿の食害が翌話題になるが,こうして身近で鹿に遭遇すると,実に可愛いなと思う.
 気が付いてみると,見晴茶屋付近からここまで,出会った登山客は皆無である.全くの一人旅を続けている.
 9時13分,霧の萱場平を通過する.ここで,夫婦連れの登山客に会う.戸沢から登り始めたという.私はお二人より先に行かせて貰う.再び急坂になる.ここでも急ぎすぎないように気を付けながら登る.

                  <今日の萱場平>

■足の速いご常連
 花立山荘手前の階段道に入るところで,名前は知らないが,ご常連の方とすれ違う(後で,この方がSさんだと,花立山荘のHさんから教えて貰う).Sさんが,私に
 「・・・よくお見かけしますね.毎日登っておられるんですか?」
と話しかけてくる.
 「いえ,いえ,飛んでもない・・せいぜい週に2回程度ですよ・・・毎日登っておられるんですか」
 「いえ,私も,週に2回程度ですよ」
 「1番バスですか・・・それにしても随分とお速いですね・・・」
 「ええ,まあ・・・でも,他人と速さを競っても仕方がないですよ.私も後から(登山者に)付いてこられると気になって仕方がないです.そんなときは,自分でドンドン先へ行くか,先に行って貰うかにしていますよ・・」
 「そうですね,私も他人と(速さを)比較するつもりは全くないですが,自分自身の過去の記録と比較しています.自分の体力が維持できているかを知りたいんです・・・・でも,目の前に登山者が居るとどうしても追い越したくなりますね・・」

■富士山も南アルプスも霧の中
 9時33分に花立山荘を通過する.前回より1分早い.ただ,今回は全く疲労感がないので,随分,楽に花立場の坂を登れるのが嬉しい.前方から,ご常連のTさんが降りてくる.
 「やあ,今日は・・・今日の山頂の気温はプラス1℃でしたよ.随分と暖かいですね・・」
 「そうでしたか・・では,霧氷は見えないですね.お互いに元気でいましょう・・」
 今日の花立場からの眺望は,ほとんどゼロ.富士山,南アルプスはおろか,目の前の塔ノ岳山頂も見えない.9時46分に金冷シを通過する.今日はシャリバテもないので快調である.そのままマイペースで登り続けて.9時59分に塔ノ岳山頂に到着する.
 今日の大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間23分.2時間20分は切れなかったものの,昨今の自分の体調を考えれば,まあ,まあの時間だと思う.
 山頂は濃い霧の中.辺りにはだれも居ない.

                  <塔ノ岳も霧の中:花立場から望む>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.小屋番はHさん.先客は3~4人,カメラマンのMさんも居る.10時現在の山頂の気温はプラス1.2℃.この季節にしては随分と暖かい.
 「・・・この前は,調子が悪いって言っていたが,(登攀所要時間)2時間29分だって?・・・ブログに書いてありましたよ」
とMさんが私に話しかける.私のブログを読んで頂いている.大変嬉しいことである.私は,
 「・・今日は,2時間23分でした・・」
と報告する.
 「・・それでも,不満なんでしょうね・・・ブログにはシャリバテって書いてありましたね・・」
 「そうなんです.金冷シ過ぎた頃,急に空腹を感じて,全身から力が抜けたような気がしました・・」
 「脳がこれ以上動くなと判断するんですよ・・・そんな状態で無理に歩いていると低血糖になって気を失いますよ・・」
 次いで,浅間山の噴火の話になる.私は,この頃,一寸した噴火でも針小棒大にテレビが騒ぎ立てるので困惑している.私の故郷の小諸あたりでも風評で観光客が減って困るでしょうと愚痴る.
 今,浅間山はレベル2の規制で,火口から4キロメートル以内は立入禁止になっている.私が良く立ち寄る山麓の山荘,火山館も規制区域に入っている.小屋番のKさんは,今頃,どうしているんだろうと気になる.
 次いで,小屋番のHさんが,私に質問する.
 「・・・2番バスの何人乗っていましたか・・・」
 「10人でしたが,途中で2人下車しました・・・残り8人の内,塔ノ岳に向かったのは半分ぐらいでしょうか・・・途中ご夫婦連れ2人にしか会いませんでしたよ・・」
 丁度そのとき,当のご夫婦が尊仏山荘に入ってくる.このご夫婦も尊仏山荘のご常連らしい.
 私は,お二人に軽く挨拶をする.そして,Hさんに,
 「お会いしたのは,こちらの方です・・・今日は登山者が殆ど居ないですね・・」
するとお二人は,
 「そう・・私達もこちらの方に追い抜かれた以外,誰にも会いませんでした」
と会話を受ける.
 私がHさんに尋ねる.
 「・・・ところで,どこかの小屋の方が,最近怪我をされたと聞いていますが,どうされたんですか・・」
 「H山荘のお手伝いの方ですよ・・・書策新道で滑落して大怪我ですよ・・」
 「・・小屋の方は長靴を履いていますが・・・気を付けないといけないですね・・」
 私も,昨年に引き続いて,そろそろ長靴を履いてみようかと思っている.長靴は危ないかなという話をしている最中に,タイミング悪く,長靴を履いた初老の紳士が山荘に入ってくる.先ほど,雑事場ノ平付近で追い越させて頂いた方である.この方もご常連のようである.

■バスの時間に合わせて下山
 霧が晴れる気配は一向にない.
 10時29分,尊仏山荘から下山を開始する.何時の間にか,山頂に数名の登山客が屯している.気温はそれ程低くないが,日が射さないので,とても寒い.ただ,霜が凍り付いた登山道は,融けないままになっている.むしろ,日が射さない方が,泥んこにならずに済むので有り難い.
 途中,また,シカの一家と遭遇する.私が近付いても,ジッと私の方を見ているだけで逃げない.可愛い連中である.
 数名の登山客とすれ違っただけで,予定通り12時40分に大倉バス停に到着する.12時52分のバスに乗車する.

              <凍り付いた足跡:今にも融け出しそう>

[ラップタイム]

 7:36  大倉歩き出し
 7:57  観音茶屋
 8:10  雑事場ノ平
 8:12  見晴茶屋
 8:39  駒止茶屋
 8:55  堀山ノ家
 9:11  戸沢分岐
 9:33  花立山荘
 9:46  金冷シ
 9:59  塔ノ岳山頂着
======================================
10:29  塔ノ岳山頂発(+1.2℃)
10:52  花立山荘
11:12  戸沢分岐
11:26  堀山ノ家
11:43  駒止茶屋
12:08  見晴茶屋
12:21  観音茶屋
12:40  大倉着

[山行記録]

■水平歩行距離 
     7.0km(片道)
■累積登攀下降高度  1201m
■登攀所要時間
 大倉発         7:36
 塔ノ岳山頂着      9:59
 (所要時間)   2時間23分(2.38h)
 登攀速度     1201m/2.38=526.8km/h
■下降所要時間
 塔ノ岳山頂発     10:29
 大倉着        12:40
 (所要時間)   2時間11分(2.18h)
 下降速度     1201m/2.18h=550.9/h
■水平移動速度
 登り       7.0km/2.38h=2.94km/h
 下り        7.0km/2.18h=3.21km/h
 全体           14.0km/(2.38h+2.18h)=3.07km/h
                           (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5764c36c8b4b659fd9a3963d3f2f7543
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b8e877a062ab20741c0bab91f724257d


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