<2007年6月19日のミャ~君>
山猫ミャ~との交友録(9):足の踵が痛い;4本足のミャ~が羨ましい
(足底板体験録)
2012年5月8日(火) 晴
■最近はこんな事があった
“ミー君よ・・・笑わないでくれ”
実は,ここ2~3ヶ月前から,こんな症状が気になり始めていた.
何時ものように塔ノ岳を往復していると,下山し終わる頃,どうも右足の踵が少しばかり痛くなる.でも,帰宅して暫くすると治ってしまう・・・こんなことが時々起きるようになった.
「その内に自然に治るだろう・・・」
と思っていたが,なかなか治らない.
そこで,2ヶ月ほど前に,近くになる中規模総合病院の形成外科を訪れた.
診察前に,足首から先のレントゲン写真を撮る.その後,若い医師の診断を受けるが,医師はパソコン上に映し出されたレントゲン写真だけを見て,私の足の患部を直接診ることなしに,
「骨には異常ありません.湿布薬を出しますので,様子を見て下さい・・」
で診察が終わる.私が痛いと訴えている患部を直接見ようとはせずに,医師は大半の診療時間をレントゲン写真と“睨めっこ”で費やしてしまった.
病院からの帰り道,何となく物足りない気がする.
「医師はオレも診ないで,パソコンを診ている・・」
・・・が,私は,数日間,先生に言われたとおり,湿布をしがら過ごす.
でも,症状は思うように改善しない.私は,こんなことをしていて良いのだろうかと気になり始める.
■スポーツに明るい専門医
そんなある日,大船駅前で,偶然,あらゆるスポーツの経験があり,自分でも障害を克服した経験のある整形外科の先生のクリニックを見付ける.
私は直感的に,
「ここだ! ここの先生なら,登山を趣味とする私に合った治療してくれるに違いない・・」
と確信する.
早速,こちらの先生の診察を受けようと決める.すぐに,当該クリニックに電話をする.
「・・・予約なしで,これから出掛けても診察して頂けるでしょうか?」
「・・・1時間以上お待ち頂くことになりますが,それでも宜しかったら,どうぞご来院下さい」
とのこと.
的確な診断をして頂けるならば,1時間ぐらい何のその・・・私はすぐにこのクリニックを訪れる.
このクリニックは大船駅前の小さな雑居ビルの5階にあった.エレベーターで5階を降りると,扉も老化もなくいきなり待合室になっている.狭い待合室は,座る場所もないほど沢山の患者で溢れている.しかも,その殆どがお年寄りである.
これでは,正に1時間の待ち時間もやむを得ないなと納得する.
私は受付を済ませてから,また,外に出る.そして,駅前のファストフード店に入って,200円也のコーヒーを賞味しながら,時間つぶしをする.
やっと,私の番になる.
精悍な感じのする働き盛りの年齢の先生である.開口一番,
「どうしましたか?」
と私に聞く.
私は自分の症状を訴える.
この先生は,レントゲンなど撮らないで,
「ここ痛いですか・・?」
と言いながら,踵と土踏まずの間を親指で押す.
「イタタ・・・痛いです!」
「足の使い過ぎと加齢が主な原因です.それに加齢による筋肉の柔軟性の低下,不適切な靴の履き方などが主な原因です.これは足底腱膜炎です・・・それに少し外反母趾.足底板を使うと楽になりますよ・・・これから土踏まずのストレッチをして下さい.それに患部が痛いときは,患部を休ませることが大切.痛みがあるなら消炎鎮痛剤を使うこと.消炎鎮痛剤には貼り薬,飲み薬,飲み薬があります.それに自分にあった靴を選ぶ.足底板を作って正しい位置で体重を支えるようにすることが大切です・・」
とテキパキと診断と対症療法を私に指示する.
・・・ということで,早速,ストレッチの方法を教わり,足底板を作ることにした.
「湿布剤と飲み薬を出しますから,痛いときには使って下さい・・・」
■普段履きは紐靴にしなさい
私は,翌週,再び,このクリニックを訪れる.
今日,通院の目的はクリニック紹介の義肢装具士に会って,足底板の型取りをする.
義肢装具士は,外観がきめの細かい発泡スチロールブロックに似た塊の上に,私に乗るように指示する.そして,左右の足の足形を取る.これで,石膏の型を作るそうである.
足形を取って1週間後,足底板が完成する.足底板を受け取るために,3度目の通院をする.
さらに,また1週間使用後,私は足底板の使い勝手をチェックして貰うために,クリニックを訪れる.都合,4回の通院ですべてが終わり.
ドクターが足の具合を見た後,
「今日履いてきた靴を見せて・・・」
という.
私は,普段履きの平凡な靴を差し出す.
「ダメダメ,ちゃんと紐で結ぶ靴を選んで履きなさい・・」
私は,率直にドクターの指示に従うことにした.クリニックからの帰途,早速,大船駅ルミネにある靴屋を訪れて,ホーキングの紐靴を購入した.ただし,このホーキングの靴は普段履き用で,この靴では山へは行かない.山へ行くときは,たとえ里山であっても,シッカリとした軽登山靴を使っている.
■快適な足底板
ところで,この足底板は,かなり高価で,両足で2万2000円余りもする.ただし,保険の適用があるので,医師の診断書と足底板の領収書など必要書類を揃えて,市町村役場の窓口で手続きすれば,応分のお金は返ってくる.つまり,保険料の1割負担なら9割,3割負担なら7割戻るという具合である.
また,作成してから1年半経つと,保険適用で次の新しい足底板を作ることができる.
下の写真が保険適用の足底板である.もう,数回の塔ノ岳詣でに使っているので,大分汚れてしまったが,写真の左側が板の裏面,つまり下.そして,右側が表側で自分の足の裏にピッタリ付く方である.
左側の板の写真には日付写っているが,この日になると,新しい足底板を保険適用で作ることができる.なお,日付の隣に私の本名が書かれている(本名はテープで隠してある).
足底板の表の色は様々の色見本から選ぶ.私は色など何でも良い.だから面倒なので,サンプルの一番上にあった色を無造作に選ぶ.
その後,この足底板を使って,数回,塔ノ岳を往復した.体重が足底全体にバランス良く分布するので,とにかく調子が良い.結果は予想以上に快適である.
今は,湿布薬も殆ど使わないし,踵の痛みも全くなくなっている.万歳である.
この足底板を使うと,正にゴキブリのごとく,「バカ尾根ホイホイ」で登ることができる.
頻繁に登山される方の中には,私と同じような症状をお持ちで,お悩みの方も居られるかもしれない.どうぞ,普通の整形外科ではなく,スポーツ障害に詳しい整形外科のドクターの診断を受けて頂きたい.そして,既製品の足底板を安易に買うのではなく,義肢装具士に作って貰った足底板を使うべきである.
蛇足ながら,既製品の足底板を買っても,保険が利かない.
ドクターから頂戴した治療の助言は,
(1)痛いところを休ませる
(2)ストレッチをする
(3)消炎鎮痛剤を使う
(4)場合によっては注射
(5)靴の選択をシッカリ,そして足底板を使う
の5項目である(ドクターから頂戴した注意書きから,言葉を補足して引用).
土踏まずのストレッチも教わったので,披露したいが長くなるので,別の機会に・・・
************************
さて,山猫ミー君よ.
私の場合,普段から靴を履いているので,足底板などという素晴らしい補助器具を使うことができたが.お前さんが足を痛めたらどうするの・・?
「靴なんて,鬱陶しいから履かないよ・・・4本足があるから,1本が痛くても,残りの3本の足で何とか歩けるよ・・」
「なるほど!・・・それに立派なシッポでバランスも取れるし,良いですね・・・」
<2007/8/28のミー君> <2010/2/28のミー君>
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昨日(5月8日),五十三次洛遊会の皆様と,藤沢のフジロード約10キロメートルを散策した.もちろん,足底板を使った.
そして今日,5月9日.私は天気予報と睨めっこしながら,塔ノ岳に登るかどうか迷ったが,今日の天気予報が余り良くないので,安全を考えて,塔ノ岳行きは止めることにしよう.残念!
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2f6f6a95e0043f1e3792bcfd433b87e2
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/be4b5ef042051812419ed2c1ab0fb1e1
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