<相変わらずノンビリの営業部長>
残雪の丹沢:塔ノ岳
(第44回単独山行)
2007年12月24日(月・祝)
■雲間の月
何時もように4時に起床。直近の天気予報では,今日は好天気のようである。そこで,急遽,丹沢の塔ノ岳へ行ってこようと思い立つ。早速,山用の衣類に着替える。リュックの中に4本爪の軽アイゼンが入っていることを確認する。
5時10分に家を出る。冬至は過ぎたが,この所,夜明けの時間は,以前より遅くなっているのか,外へ出ると,辺りはまだ暗い。西の空には雲間の月が見えている。正確な月齢は分からないが,真ん丸の月が頭上に浮かんでいる。
意外に暖かい。風もない。ちぎれ雲が月の光を浴びて,淡白く光っている。綺麗だ。
このとき,私は何の脈絡もなく,昔,昔,京都の学生時代に大原三千院を訪れたときに覚えた建礼門院の歌を連想する。
思わざりき
深山(みやま)の奥に
住まいして
雲間の月を
今宵見んとは
「多分,建礼門院も,今日のような月を見ていたのだろうな」と思うと,柄にもなくセンチな気分になってくる。年を取ってくると,妙に感傷的になることが多くなる。
東海道本線大船発6時04分静岡行に乗車する。休日なのに電車は満員である。何とか座席に座れたが,たちまちの内に眠くなる。そして,寝ぼけている内に,小田原に到着する。
■朝靄の富士山
小田急電鉄小田原6時57分発新宿行に乗車する。小田原を発車した電車は,間もなく,田園地帯を北上する。車窓から,広々とした田畑の向こうに,5合目付近まで真っ白になった富士山と,その東側にモッコリと聳える矢倉岳が良く見えている。朝日を浴び始めた田畑からは,盛んに靄が立ち込めている。風がないためか,靄は田畑にまとわりつくように棚引いている。丹沢の尾根筋には,一昨日降ったと思われる雪が残っているようである。
何時ものように,渋沢発7時18分発大倉行バスに乗車する。バスは沢山の登山客で混雑している。バス停付近が混雑しているので,身支度を整えるに何時もより時間がかかってしまう。バス停付近を辺りを一回り見渡したところでは,どうやらご常連は見当たらないようである。
■登山客で賑わう登山道
7時41分に大倉を歩き出す。何時もより,数分遅い出発である。大倉付近の天候は,暖かで無風である。路面は朝靄で濡れている。歩き出してみると,身体が重く感じる。どうやら,今日の体調は,余り良くないように思える。
登山口から杉林に入る。路面に敷き詰められた石が濡れていて滑りやすくなっている。今日は休日なので,所々で登山客が数珠繋ぎに渋滞している。平素あまり登山をしていない方々が大半のように見受けられる。沢山の持ち物を詰め込んだ大きなリュックを背負っている人が多いようである。
今日の体調は今ひとつだが,それでも道幅が広くなっているところでは,登山客を追い抜きながら先へ進む。その一方で,時々,若い登山客に追い越される。観音茶屋辺りで,同じバスに乗り合わせた大半の登山客を追い抜く。いつもならば,この辺りから一人旅になるのだが,今日は,その先にも数十メートルおきに1人ぐらいの割合で,登山客が見えている。
<登山客が数珠繋ぎになっている>
気温は暑くもなく寒くもない。自分の体調があまり良くないように思えるので,何時もよりも,ややペースを落として登り続ける。8時15分に見晴茶屋を通過し,一本松付近の急坂を登り終えて,尾根道に出る。今日も,三の塔山頂の建物が朝日を浴びて光っている。足元の霜柱はほんの少し溶けはじめている。
■丹沢山から先は積雪が多い
最初から,ペースを落として歩いていたためか,堀山の家を過ぎてからの急坂も何とかペースダウンしないで登り続ける。その内に数人の若い集団が,私を追い抜いていく。戸沢分岐を過ぎて,萱場平を通過する。先ほど私を追い抜いた若手の集団が,萱場平のベンチで休憩を取っている。彼らに軽く会釈をして通り過ぎる。
花立山荘手前の露岩帯で,若い登山客数名のパーティが休憩を取っている。私が,
「これから登りですか?」
と質問する。すると,リーダーらしい男性が,
「いえ,下りです。昨夜は丹沢山のみやま山荘に宿泊しました・・・本当は丹沢主脈を下るつもりでしたが,積雪が20センチメートル以上あるようなので,計画を変更して大倉尾根を下ることにしました・・」
と答える。
何れにしても,これから丹沢を訪れるときには,リュックに軽アイゼンを入れておく必要がありそうである。
■素晴らしい眺望
花立山荘手前の長い階段道も,それほどペースを落とさずに登り続ける。花立山荘直前で,また,先ほどの若い集団に追い越されるが,彼らは花立山荘のベンチで再び休憩を取る。私は休憩を取らずに,そのまま花立山荘を通過する。
<花立山荘上の尾根から塔ノ岳山頂が見える>
花立山荘を過ぎて露岩帯に出る。すると,気温が急に下がり,寒くなる。足元の残雪が次第に多くなる。やがて展望が開ける。雪を被った富士山や南アルプスの眺望が素晴らしい。
9時51分に金冷しを通過する。この辺りからは,アイゼンは必要としないものの完全な雪道になる。これまでペースを落として歩いてきたこともあって,意外に体力が残っているので,余り速度を落とさずに登り続けて,10時05分に塔ノ岳山頂に到着する。大倉からの所要時間は2時間24分である。あまり速くないが今日の体調を勘案したら,まあまあのラップタイムである。
<残雪の向こうに富士山が見える>
■尊仏山荘
沢山の登山客が,山頂で休憩を取っている。山頂は無風。辺りの眺望は素晴らしいが,兎に角寒い。私は急いで周辺の写真を撮ってから,尊仏山荘に飛び込む。
尊仏山荘の温度計によると,10時の山頂の気温は+0.2℃。平年並み。
山荘の中はご常連で満席に近い。今日の小屋番は,花立さん,大野さん他,お手伝いの女性を含め総勢4名総出である。例によって300円也のお茶を所望する。
私の前には,御年83才のご常連のおばあちゃんが座っている。私よりほんの少し前に,山頂に到着したらしい。
「うんと熱いの頂戴! 火傷するぐらい熱いのが欲しいの」
と甘酒を注文する。
おばあちやんは,隣に座っているご常連の二人連れと雑談をしている。二人連れが,
「・・・お宅の近くのイチョウの葉っぱ,お掃除大変でしょう」
と話しかける。
「大変ですよ・・・落ち葉を掃いても,掃いても,また落ちてくるんだもん・・・でもさ~ぁ,掃ける内は有り難いと思ってますよ。その内に身体が衰えて掃けなくなる日が必ず来るもん。そうなったら誰かの世話にならなければならい・・・だから掃ける内は有り難いと思っていますよ」
そんな会話をしていると,どこからともなく営業部長ミー君が現れる。そして,入口付近で,誰かが扉を開けるのを,おとなしく待っている。私はすぐにデジカメを撮りだして,営業部長のとぼけた姿を写真に収める。
小屋から外を見ていると,丹沢山方面から引き返してくる登山客が多いようである。小屋番のHさんが,
「丹沢山に向かう下り坂に残雪が多いんです・・・アイゼンを持っていない人達が戻ってくるんです。」
と説明する。
■のんびり下山
10時34分に尊仏山荘を出発して下山を開始する。山荘を出た途端に,やけに寒いなと感じる。防寒具を出して着ようか,手袋も厚手のものに変えようかと思う。でも,どうせ金冷やしを過ぎる頃には暖かくなるに違いない。それならば,しばらくの間,寒いのを我慢して下ろうと決める。
花立山荘を過ぎると,さすがに暖かくなる。
眼下には,冬の日差しを受けて,柔らかに光る駿河湾が見下ろせる。
<花立山荘付近から冬の海が光って見える>
下山を開始すると,次から次へと登ってくる登山客とすれ違う。踏み固められた雪が滑りやすいので,十分注意しながら下り続ける。急な階段を慎重に下っていると,数名の若い登山客に追い抜かれる。中には運動靴で残雪の中を走るように下る者もいる。若さは羨ましいが,危険だなと思う。
何時の間にか雲が湧きだしている。午前中は綺麗に見えていた富士山も雲に遮られて殆ど見えなくなっている。
堀山の家を過ぎる辺りから,すれ違う上りの登山客の数が少なくなってくる。そして,11時52分に,駒止茶屋を通過する。茶屋の直ぐ下の急坂を下っていると,一人の男性登山客とすれ違う。彼は擦れ違いざまに,
「あの~,富士山が良く見えるという場所は,この辺りでしょうか・・・」
と私に聞く。私は,
「あと10分ぐらい上ったところから良く見えますよ。午前中に較べる雲が湧いてきましたので,綺麗に見えるかどうか分かりませんが・・・」
と返事をする。
■一路帰宅
12時40分,登山口に到着する。大倉発のバスは13時11までない。急いでも仕方がないので,ノンビリと舗装道路を下る。途中の無人スタンドで,一袋100円のミカンを購入する。不味いのを承知で。
大倉バス停付近では青空市場が開催されている。
小田急電鉄で小田原へ,小田原から東海道本線を利用して,午後帰宅する。
帰宅後,間もなく北鎌倉に住んでいる長女が孫娘を連れて,ヒョイと顔を出す。
[ラップタイム]
7:41 バス停大倉歩き出し(290m)
7:46 登山口(325m)
7:49 克童窯(350m)
7:54 丹沢ベース(390m)
8:00 観音茶屋(465m)
8:04 高原の家分岐(500m)
8:12 雑事場ノ平(595m)
8:15 見晴茶屋(605m)
8:29 一本松(745m)
8:43 駒止茶屋(855m)
8:52 堀山(910m)
8:59 堀山の家(925m)
9:15 戸沢分岐(1075m)
9:17 萱場平(1090m)
9:38 花立山荘(1260m)
9:51 金冷し(1330m)
10:05 塔ノ岳山頂 着(1465m)
==================================
10:34 〃 発(+0.2℃)
10:49 金冷し(1350m)
11:04 花立山荘(1285m)
11:24 萱場平(1115m)
11:26 戸沢分岐(1090m)
11:38 堀山の家着(950m)
11:45 堀山(920m)
11:52 駒止茶屋(880m)
12:02 一本松(780m)
12:12 見晴茶屋(625m)
12:14 雑事場ノ平(610m)
12:22 高原の家分岐(535m)
12:26 観音茶屋(500m)
12:31 丹沢ベース(440m)
12:36 克董窯(395m)
12:40 登山口(360m)
12:46 バス停「大倉」着(310m)
■登攀・下降高度
塔ノ岳山頂 1491(m)
大倉 290
(高度差 1201m)
■登攀所要時間
大倉発 7:41
塔ノ岳山頂着 10:05
(所要時間2時間24分(2.40h)
■登攀速度
1201(m)/2.40(h)=500.4(m/h)
■下降所要時間
塔ノ岳山頂発 10:34
大倉着 12:46
(所要時間 2時間12分(2.20h))
■下降速度
1201(m)/2.20(h)=545.9(m/h)
(おわり)
残雪の丹沢:塔ノ岳
(第44回単独山行)
2007年12月24日(月・祝)
■雲間の月
何時もように4時に起床。直近の天気予報では,今日は好天気のようである。そこで,急遽,丹沢の塔ノ岳へ行ってこようと思い立つ。早速,山用の衣類に着替える。リュックの中に4本爪の軽アイゼンが入っていることを確認する。
5時10分に家を出る。冬至は過ぎたが,この所,夜明けの時間は,以前より遅くなっているのか,外へ出ると,辺りはまだ暗い。西の空には雲間の月が見えている。正確な月齢は分からないが,真ん丸の月が頭上に浮かんでいる。
意外に暖かい。風もない。ちぎれ雲が月の光を浴びて,淡白く光っている。綺麗だ。
このとき,私は何の脈絡もなく,昔,昔,京都の学生時代に大原三千院を訪れたときに覚えた建礼門院の歌を連想する。
思わざりき
深山(みやま)の奥に
住まいして
雲間の月を
今宵見んとは
「多分,建礼門院も,今日のような月を見ていたのだろうな」と思うと,柄にもなくセンチな気分になってくる。年を取ってくると,妙に感傷的になることが多くなる。
東海道本線大船発6時04分静岡行に乗車する。休日なのに電車は満員である。何とか座席に座れたが,たちまちの内に眠くなる。そして,寝ぼけている内に,小田原に到着する。
■朝靄の富士山
小田急電鉄小田原6時57分発新宿行に乗車する。小田原を発車した電車は,間もなく,田園地帯を北上する。車窓から,広々とした田畑の向こうに,5合目付近まで真っ白になった富士山と,その東側にモッコリと聳える矢倉岳が良く見えている。朝日を浴び始めた田畑からは,盛んに靄が立ち込めている。風がないためか,靄は田畑にまとわりつくように棚引いている。丹沢の尾根筋には,一昨日降ったと思われる雪が残っているようである。
何時ものように,渋沢発7時18分発大倉行バスに乗車する。バスは沢山の登山客で混雑している。バス停付近が混雑しているので,身支度を整えるに何時もより時間がかかってしまう。バス停付近を辺りを一回り見渡したところでは,どうやらご常連は見当たらないようである。
■登山客で賑わう登山道
7時41分に大倉を歩き出す。何時もより,数分遅い出発である。大倉付近の天候は,暖かで無風である。路面は朝靄で濡れている。歩き出してみると,身体が重く感じる。どうやら,今日の体調は,余り良くないように思える。
登山口から杉林に入る。路面に敷き詰められた石が濡れていて滑りやすくなっている。今日は休日なので,所々で登山客が数珠繋ぎに渋滞している。平素あまり登山をしていない方々が大半のように見受けられる。沢山の持ち物を詰め込んだ大きなリュックを背負っている人が多いようである。
今日の体調は今ひとつだが,それでも道幅が広くなっているところでは,登山客を追い抜きながら先へ進む。その一方で,時々,若い登山客に追い越される。観音茶屋辺りで,同じバスに乗り合わせた大半の登山客を追い抜く。いつもならば,この辺りから一人旅になるのだが,今日は,その先にも数十メートルおきに1人ぐらいの割合で,登山客が見えている。
<登山客が数珠繋ぎになっている>
気温は暑くもなく寒くもない。自分の体調があまり良くないように思えるので,何時もよりも,ややペースを落として登り続ける。8時15分に見晴茶屋を通過し,一本松付近の急坂を登り終えて,尾根道に出る。今日も,三の塔山頂の建物が朝日を浴びて光っている。足元の霜柱はほんの少し溶けはじめている。
■丹沢山から先は積雪が多い
最初から,ペースを落として歩いていたためか,堀山の家を過ぎてからの急坂も何とかペースダウンしないで登り続ける。その内に数人の若い集団が,私を追い抜いていく。戸沢分岐を過ぎて,萱場平を通過する。先ほど私を追い抜いた若手の集団が,萱場平のベンチで休憩を取っている。彼らに軽く会釈をして通り過ぎる。
花立山荘手前の露岩帯で,若い登山客数名のパーティが休憩を取っている。私が,
「これから登りですか?」
と質問する。すると,リーダーらしい男性が,
「いえ,下りです。昨夜は丹沢山のみやま山荘に宿泊しました・・・本当は丹沢主脈を下るつもりでしたが,積雪が20センチメートル以上あるようなので,計画を変更して大倉尾根を下ることにしました・・」
と答える。
何れにしても,これから丹沢を訪れるときには,リュックに軽アイゼンを入れておく必要がありそうである。
■素晴らしい眺望
花立山荘手前の長い階段道も,それほどペースを落とさずに登り続ける。花立山荘直前で,また,先ほどの若い集団に追い越されるが,彼らは花立山荘のベンチで再び休憩を取る。私は休憩を取らずに,そのまま花立山荘を通過する。
<花立山荘上の尾根から塔ノ岳山頂が見える>
花立山荘を過ぎて露岩帯に出る。すると,気温が急に下がり,寒くなる。足元の残雪が次第に多くなる。やがて展望が開ける。雪を被った富士山や南アルプスの眺望が素晴らしい。
9時51分に金冷しを通過する。この辺りからは,アイゼンは必要としないものの完全な雪道になる。これまでペースを落として歩いてきたこともあって,意外に体力が残っているので,余り速度を落とさずに登り続けて,10時05分に塔ノ岳山頂に到着する。大倉からの所要時間は2時間24分である。あまり速くないが今日の体調を勘案したら,まあまあのラップタイムである。
<残雪の向こうに富士山が見える>
■尊仏山荘
沢山の登山客が,山頂で休憩を取っている。山頂は無風。辺りの眺望は素晴らしいが,兎に角寒い。私は急いで周辺の写真を撮ってから,尊仏山荘に飛び込む。
尊仏山荘の温度計によると,10時の山頂の気温は+0.2℃。平年並み。
山荘の中はご常連で満席に近い。今日の小屋番は,花立さん,大野さん他,お手伝いの女性を含め総勢4名総出である。例によって300円也のお茶を所望する。
私の前には,御年83才のご常連のおばあちゃんが座っている。私よりほんの少し前に,山頂に到着したらしい。
「うんと熱いの頂戴! 火傷するぐらい熱いのが欲しいの」
と甘酒を注文する。
おばあちやんは,隣に座っているご常連の二人連れと雑談をしている。二人連れが,
「・・・お宅の近くのイチョウの葉っぱ,お掃除大変でしょう」
と話しかける。
「大変ですよ・・・落ち葉を掃いても,掃いても,また落ちてくるんだもん・・・でもさ~ぁ,掃ける内は有り難いと思ってますよ。その内に身体が衰えて掃けなくなる日が必ず来るもん。そうなったら誰かの世話にならなければならい・・・だから掃ける内は有り難いと思っていますよ」
そんな会話をしていると,どこからともなく営業部長ミー君が現れる。そして,入口付近で,誰かが扉を開けるのを,おとなしく待っている。私はすぐにデジカメを撮りだして,営業部長のとぼけた姿を写真に収める。
小屋から外を見ていると,丹沢山方面から引き返してくる登山客が多いようである。小屋番のHさんが,
「丹沢山に向かう下り坂に残雪が多いんです・・・アイゼンを持っていない人達が戻ってくるんです。」
と説明する。
■のんびり下山
10時34分に尊仏山荘を出発して下山を開始する。山荘を出た途端に,やけに寒いなと感じる。防寒具を出して着ようか,手袋も厚手のものに変えようかと思う。でも,どうせ金冷やしを過ぎる頃には暖かくなるに違いない。それならば,しばらくの間,寒いのを我慢して下ろうと決める。
花立山荘を過ぎると,さすがに暖かくなる。
眼下には,冬の日差しを受けて,柔らかに光る駿河湾が見下ろせる。
<花立山荘付近から冬の海が光って見える>
下山を開始すると,次から次へと登ってくる登山客とすれ違う。踏み固められた雪が滑りやすいので,十分注意しながら下り続ける。急な階段を慎重に下っていると,数名の若い登山客に追い抜かれる。中には運動靴で残雪の中を走るように下る者もいる。若さは羨ましいが,危険だなと思う。
何時の間にか雲が湧きだしている。午前中は綺麗に見えていた富士山も雲に遮られて殆ど見えなくなっている。
堀山の家を過ぎる辺りから,すれ違う上りの登山客の数が少なくなってくる。そして,11時52分に,駒止茶屋を通過する。茶屋の直ぐ下の急坂を下っていると,一人の男性登山客とすれ違う。彼は擦れ違いざまに,
「あの~,富士山が良く見えるという場所は,この辺りでしょうか・・・」
と私に聞く。私は,
「あと10分ぐらい上ったところから良く見えますよ。午前中に較べる雲が湧いてきましたので,綺麗に見えるかどうか分かりませんが・・・」
と返事をする。
■一路帰宅
12時40分,登山口に到着する。大倉発のバスは13時11までない。急いでも仕方がないので,ノンビリと舗装道路を下る。途中の無人スタンドで,一袋100円のミカンを購入する。不味いのを承知で。
大倉バス停付近では青空市場が開催されている。
小田急電鉄で小田原へ,小田原から東海道本線を利用して,午後帰宅する。
帰宅後,間もなく北鎌倉に住んでいる長女が孫娘を連れて,ヒョイと顔を出す。
[ラップタイム]
7:41 バス停大倉歩き出し(290m)
7:46 登山口(325m)
7:49 克童窯(350m)
7:54 丹沢ベース(390m)
8:00 観音茶屋(465m)
8:04 高原の家分岐(500m)
8:12 雑事場ノ平(595m)
8:15 見晴茶屋(605m)
8:29 一本松(745m)
8:43 駒止茶屋(855m)
8:52 堀山(910m)
8:59 堀山の家(925m)
9:15 戸沢分岐(1075m)
9:17 萱場平(1090m)
9:38 花立山荘(1260m)
9:51 金冷し(1330m)
10:05 塔ノ岳山頂 着(1465m)
==================================
10:34 〃 発(+0.2℃)
10:49 金冷し(1350m)
11:04 花立山荘(1285m)
11:24 萱場平(1115m)
11:26 戸沢分岐(1090m)
11:38 堀山の家着(950m)
11:45 堀山(920m)
11:52 駒止茶屋(880m)
12:02 一本松(780m)
12:12 見晴茶屋(625m)
12:14 雑事場ノ平(610m)
12:22 高原の家分岐(535m)
12:26 観音茶屋(500m)
12:31 丹沢ベース(440m)
12:36 克董窯(395m)
12:40 登山口(360m)
12:46 バス停「大倉」着(310m)
■登攀・下降高度
塔ノ岳山頂 1491(m)
大倉 290
(高度差 1201m)
■登攀所要時間
大倉発 7:41
塔ノ岳山頂着 10:05
(所要時間2時間24分(2.40h)
■登攀速度
1201(m)/2.40(h)=500.4(m/h)
■下降所要時間
塔ノ岳山頂発 10:34
大倉着 12:46
(所要時間 2時間12分(2.20h))
■下降速度
1201(m)/2.20(h)=545.9(m/h)
(おわり)