熊野古道:中辺路の出発点>
熊野古道:中辺路を行く(3)第1日目(2)
(湘南カラビナ隊)
第1日目 11月19日(月)
<まずは熊野古道館へ>
■単調な川沿いの道
清姫の墓で休憩を取った私達は,12時02分に再び歩き出す。
私達は富田川の右岸に沿って,舗装道路を北上する。単調な道である。道の両側には何もない。進行方向左手,右岸には山が急傾斜で落ち込んでいる。綺麗に舗装されている道路だが,車の往来はほとんどない。
歩いている内に,少し汗ばんでくる。12時27分,川に面した側にあるペットショップの店舗の前を通過する。店舗にはあまり人気が感じられない。川岸に沿う道をさらに上り続けると,川が大きなカーブで右に曲がり始める。その先の橋を越えた対岸に三角屋根の建物が見えてくる。地図で確かめると,どうやら熊野古道館(83m)のようである。
<ペットショップ> <三角屋根の熊野古道館>
■熊野古道館
12時36分に,熊野古道館へ通じる滝尻橋を渡る。そして,12時38分に橋の袂にある三角屋根の熊野古道館に到着する。熊野古道館の周辺は,どこからか人が沸いて出てきたのではないかと思われるほど沢山の観光客で賑わっている。
まずは,熊野古道館の中を一回りしてみる。館内は土産品を売る売店になっている。沢山の観光客が売店に群がっている。私達は熊野古道館のベンチに座って,柔らかな日差しを浴びながら,やや遅めの昼食を摂る。
気が付くと,先ほどまで大変な人混みだったのに,何時の間にか殆ど人が居なくなり,辺りが閑散としている。先ほどの人達は,どうやら観光バスで押し掛けてきた方々だったようである。
<滝尻橋> <熊野古道館で昼食を摂る>
■いよいよ熊野古道が始まる
昼食を終えた私達は,13時過ぎに熊野古道館を出発する。古道館前の道路を横切ると,土産屋がある。何となく土産屋の店先を眺めていると,店の主人が出てくる。そして,店先にある菅笠を指さしながら,
「おひとつ如何?」
と言う。菅笠には墨で何か一言書いてある。店の主人によると,主人の奥さんが字を上手に書くので,菅笠に書かせているとのことである。なるほど,まあ上手な字には違いないが,私には余計なことを書いたので商品の価値が下がってしまったような気がしてならない。それにここで菅笠を買っても,自宅まで持ち帰るのが大変だし,とても買う気にはならない。そうこうしている内に,同行のドッジさんが,何か買い物をしている。
この店から川寄りに大きな鳥居が建っている。その側には「起点『熊野古道』この道標は滝尻王子から三越峠まで五百米毎に建てています」と書かれた案内標識や,皇太子殿下行啓の地などと書かれた杭が沢山立ててある。
<高原熊野神社を目指して>
■滝尻王子と胎内潜り
鳥居近くの登り口には「ここからは急な坂道が続きます。ゆっくり休みながらお登り下さい」と書いた注意書きが建ててある。
13時08分,私達は滝尻王子前(65m)を通過する。ここから先,登り口からは急な登り坂の階段道が続く。
13時24分,私たちは胎内潜り(170m)と呼ばれる石の裂け目の脇を通過する。やや大きな洞の中にお地蔵さんが安置されている。
<胎内潜りの説明文>
<胎内潜り> <洞窟の地蔵>
さらに登り続けて,13時31分に不寝王子跡に到着する。近くに不寝王子の説明文を書いた案内板が建ててある。
ここを通り過ぎると,暫くの間,なだらかな尾根道になる。道の両側には,笹が生い茂っている。辺りは照葉樹林帯である。丁度見頃を迎えた紅葉が美しい。
<説明文のサンプル:このような説明文が各王子に掲示されている>
■経塚跡から展望台へ
私達は飯盛山を登り続ける。13時37分に一旦下り坂になるが,すぐに登り返しがある。そして,13時48分,標高330メートル付近で,ほんの数分立ち休憩を取る。さらに登り続けて,13時57分に剣ノ山経塚跡山頂(365m)を通過する。
14時09分,展望台下の階段に到着する。この階段を一気に登って,14時11分に展望台(三等三角点,342m)に到着する。展望台からの眺望は見事である。どの山を見ているのか判然としないが,うねうねと続く熊野の山並みが,とても深いことが良く分かる。私達は展望台近くで集合写真を撮る。
<展望台へ登る道> <美しい風景>
■高原熊野神社
14時12分,展望台を出発する。下り坂が続く。14時25分,標高270メートル付近を通過する。この辺りから石畳道になる。
14時27分,鞍部にある舗装道路(232m)を横切る。そこから先は急派階段道になる。どこからともなく豚臭い悪臭が漂ってくる。
14時34分,針地蔵尊(280m)に到着する。深い木立の中に小さなお社が建っている。ここから緩やかな登り道を進むと,前方に集落が見え始める。どうやらこの先は尾根道が続くようである。何という名前の集落か分からないが,未舗装の道の右側に広い敷地の家が数軒並んでいる。反対側の左側は展望が開けている。枯れススキの先にうねうねと続く熊野の山並みが見えている。
集落を抜け,14時58分に,鬱蒼とした木立の中に建つ高原熊野神社(360m)に到着する。ここは熊野古道の中で最古の神社だという。神社周辺には,これまで私が見たこともないような巨木が何本も生えている。私達は,神社の石段を登って,辺りの圧倒されるような巨木群をしげしげと眺める。
赤い色の社殿が巨木に囲まれるようにして建っている。私達は,暫くの間,高原熊野神社の境内で休憩を取る。
<素晴らしい山並みが見える> <高原熊野神社>
<高原熊野神社の大木> <高原無料休憩所>
<今日の宿泊旅館「きけうや」>
■無料休憩所
15時06分に高原熊野神社を出発する。緩やかな下り坂を,ほんの少し進んで,15時09分に無料休憩所(350m)に到着する。休憩所の前に広い駐車場がある。この駐車場から,はるか下を流れる富田川が見下ろせる。私達が今日宿泊する旅館は,富田川近くにある。したがって,これからあの川まで降りなければならない。
とりあえずは,ここで暫く休憩することにする。休憩所の中に入ってみる。どうやら無人のようである。建物の中には,いろいろな展示物が飾ってある。その奥にトイレがある。私は建物の入口に設置されている自動販売機で炭酸飲料を買って,喉を潤す。
■旅館「きけうや」
15時13分に無料休憩所を出発して,長い急坂を下り続ける。やや荒れた道はどうやら歩行者専用のようである。富田川に向かって,急な斜面をジグザクに下り続ける。そして,15時38分に,富田川に架かる「ふげん橋」(130m)を渡る。
15時45分に今日の宿泊旅館「きけうや」(125m)に到着する。旅館に入ると,女主人が出てきて,
「ああ良かった・・・やっぱりお出でになりましたね」
と奇妙な挨拶をする。どうやら,ご主人との間のコミュニケーションが悪くて,本当に私達が,今日来るかどうか心配していたようである。
どうやら,「きけうや」はご主人と奥さん2人で経営する小さな旅館のようである。 とろあえずは,私達一行に,大きな和室2部屋が割り当てられる。それを男女に分かれて使用する。部屋には,丸いスイッチを廻して局を選ぶ昔懐かしいテレビが置いてある。残念なことに,余り良く写らない。部屋の中央にはコタツがある。これも懐かしい。
寝るまでは,部屋の真ん中の襖を開け放って,全員でコタツに入りながら雑談に興じる。ついで,風呂に入る。1回に2人程度しか入れない小さな沸かし風呂である。まるでちょっと大きめな家庭風呂に入っているような感じである。
18時30分から夕食。お値段の割には結構贅沢な料理である。
こうして,熊野古道中辺路の旅,第1日目は終わった。
<旅館きけうや> <きけうやの夕食>
(つづく)
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