閑話休題：白内障顛末記(14):今日もまた検査

　　　　　　　　閑話休題：白内障顛末記(14):今日もまた検査

２０１２年７月2７日（金）　　晴・猛暑

　梅雨が明けてから，連日猛暑が続いている．
　今日で，左目手術４日目．手術を受けたクリニックから“手術後1週間は散歩ダメ”と言っているのに，クリニックへは出てこいと，矛盾することを言われている．しかも，手術の翌日に来院するように言われたので，勿論クリニックへ出掛けた．そうしたら，4日目も，
　「お住まいは鎌倉ですか？　ちょっと遠いですが，9時に来院できますか？」
と医師から言われていたので，勿論，１時間少時間を掛けてクリニックへ出掛けた．
　9時にクリニックへ出頭するには，クリニックに最寄りのＪＲ関内駅に8時30分には到着するように家を出る．今日は平日，しかも通勤時間帯である．私は久々に朝の通勤風景を懐かしく思いながら電車に乗る．
　「昔は，毎日，こうして通勤電車に乗って会社務めをしていたな～ぁ・・・」
　早朝の伊勢佐木町をブラブラ歩きしながら，クリニックへ向かう．飲食店や喫茶店は，もう開業しているが，殆どのお店はまだ開店前である．道路にはすくなからずのゴミが散乱している．店の前を掃除している人もいる．

　8時45分に，クリニックに到着する．まだ時間が少々早いかなと思っていたが，待合室にはもう10数名の患者が来院している．そして，診察開始は9時なのに，もう看護師が患者さんの検査を始めている．
　予約時間の9時前に私も看護師に呼び出される．小顔のかわいい看護師さんである．
　「ＦＨさんですね・・・目の検査をします」
と検査機械の前に座らされる．
　機械に顎とおでこを押しつけて，片眼ずつ機械の中を覗き込むように指示される．機械の中には，自動車の運転席から見た道路のような絵が見える．この絵がハッキリ見えたりぼけたりする．その都度，これらの画像がどこかへ転送されているようである．
　次いで．
　「・・風が当たりまぁ～す・・」
と言われる．“ダン”という音とともに眼球に風が当たる．多分，眼圧を計測しているんだろう．
　ついで，場所を移動して検眼．いつもの健康診断と同じである．何枚かのレンズを入れ替えて，どっちが見えるかをチェックする．
　「はい，結構です・・・」
で終わり．
　「裸眼で0.8ぐらいですか？」
と聞いてみる．
　「・・裸眼では0.8ですが，レンズで補正すると1.2まで見えましたよ・・」　
こちらから聞かないと教えてくれないのが，チト不満．
　ついで，暗い部屋に移動する．ここでまた，先ほどと同じような機械に顎とおでこをくっつけて，機械を覗き込むように指示される．また，どこかへ検査結果を送ったようである．
　「今日は左目の眼底検査をしますので，お薬で瞳孔を広げます・・・４～５時間瞳孔が開いたままになりますが，自動車の運転はしませんね・・」
と念を押される．

　待合室で暫く待つ．
　別の看護師が待合室に来て，私の瞳孔の開き具合をチェックする．
　「・・良さそうですね・・では，（眼底に）写真を撮りますからこちらへどうぞ・・」
と言われて，先ほどの暗い部屋に戻る．また，機械を覗き込む．
　「では，また待合室でお待ち下さい・・・」

　１０分ほど待たされて，再び別の看護師から呼び出される．
　いよいよドクターの診察である．中年の女医さんである．そういえば私の従兄弟にも眼科の女医が居たっけ・・暫く合っていないなと，余計なことを連想する．
　ドクターは，私のカルテをペラペラと見ながら，画像を見る．画像には手術を受けた左目のデータが映し出されている．私は内心で，
　“シマッタ！　カメラを持ってきて，この画面を撮らせて貰えば良かった！”
と思ったが後の祭り．
　画像は，およそ次の図に示すような物であった．

　一番左に手術前の私の乱視の状態が写っている．等高線のように見えるのが乱視の軸である．真ん中が，左目に挿入した人工の補正レンズである．その結果，一番右側のように，乱視が完全に補正されている．
　ドクターが画像を見ながら，
　「狙い通りに，乱視は綺麗に補正されています・・・４日後の今日来院して頂いたのは，挿入したレンズがずれてしまわないかをチェックするためでした」
とのこと．
　「次は，１ヶ月後位に，チェックに来て下さい・・今日から１週間後，掛かり付けの眼科医の辛酸を受けて下さい・・・」
　「分かりました・・・出来るだけ早くパソコン用の眼鏡を作りたいんですが・・・」
　私もまだ保険料３割負担をしているので，何時までも遊んでいるわけにはいかない．
　「視力が安定するまで，１～２ヶ月掛かりますが・・・短期に使用するのでしたら．１週間後，掛かり付けの眼科医のところへ言ったときに，メガネを処方して貰ったらいいでしょう．そのメガネがずっと長く使えるかどうかは，経過次第ですが・・・」

　すべての診察は2時間ほど終わる．
　診察料は，これまで支払った分が個人負担の上限を超えているので，今回の自己負担はゼロ．大助かりである．
　受付で，１ヶ月後の検診日を予約する．

　１１時頃，クリニックから外に出る．外は猛烈に暑くて，眩しい．
　急に暑い所に出たので，熱のショックを受ける．
　伊勢佐木町は，朝に較べて大分人通りも増え，活気があるが・・・私は左目の瞳孔がまだ開いたままになっているのか眩しくてどうにもならない．ところが迂闊にもサングラスを持参していない．仕方なく100円ショップに飛び込んで，100円也のサングラスを購入する．
　100円のサングラスでも効果絶大．

　折角，外出したのだから，あちこち歩き回ろうかと思ったが，街中は暑くてどうにもならない．
　ひとまず，早々に鎌倉の自宅へ引き上げる．海風が吹き抜ける鎌倉の方がいくらか涼しいからである．

　何時になったら，塔ノ岳に復帰できるんだろう．
　ふと，不安になる．

　手術した眼が早く安定して，本格的にパソコンに向かえる日が早く来ることを願っている．

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