<100円ショックの伊達メガネ>
閑話休題:白内障顛末記(13):不便もまた楽しい・・・
2012年7月25日(木) 晴・夏らしい暑さ
<過渡期は不便!>
■動作が逆だ!
左目の白内障の手術を7月23日にして貰った日から,今日で4日目である.まだ,自宅以外に出てはいけないと言われている最終日である.一昔前の白内障の手術は,4日間入院だったというから,今日まで病院でカンズメになっていた勘定になる.まあ,カンズメ状態に比較すれば,今は大分楽になったとはいえ,“我が家の敷地は100エーカー”と勝手に拡大解釈して,我が家から近場の鎌倉中央公園ぐらいは散歩しないと,どうにも気分が治まらない.
とはいえ,少しはパソコンの前に座って,多少なりともキーボードの感触を味わっておかなければ,私のアイデンティティが分からなくなってしまう.
そこで,今回は,右眼の手術をしてから,左目の手術が終わるまでの2週間足らずの間の過渡期の悪戦苦闘記を記録として残しておくことにしたい.
過渡期で何が大変だったかというと,二つある.
第1は,左右の眼の見え方のアンバランスである.このことについては,前回と前々回のブログ記事に,バカな絵を交えながら記述したので,今回はこれ以上触れない.
第2は,これまでの習慣が逆になったとううことだ.
近視が強いときは,良く見えないときは対象物を眼に近づけると良く見えるようになっていた.ところが,人工レンズで視力を正常にすると,今度は老眼と同じ状態になり,良く見えないときは,対象物を遠くに離さなければならない.こんなことは理屈では十分に分かっているんだが,実際には無意識に逆の動作をしてしまう.その度ごとに,
「ああ・・・そうか! 逆だった!!」
を繰り返す.
■とにかく,まだ,不便
左目が近視,右眼が人工レンズで正常になった過渡期には,
*近くを見るときは右眼を瞑って,近視の左目に対象物を近づけて見る.
*遠くを見るときは左目を瞑って,右眼だけで見る.
これで良いはずだが,ごく短時間なら,まあ,凌げるが,長時間になると,片眼を瞑っているなんて状態を続けることは無理である.したがって,どうしても両眼で見ることになる.そうすると,近くも遠くも見えるには見えるのだが,何かモヤモヤしたものが,絶えず付きまとっていて,イヤになってくる.まあ・・・そうは言っても,4~5日経つと,そんなモヤモヤ状態にも,いくらかは馴れるから不思議である.そうは言っても,片眼だけでも手術した結果は,以前よりずっとマシなことは確かである.
■いろいろ工夫してみる
そんなとき,私はどうせ不便なら,この不便さを楽しんじゃおうと思い直す.
まず最初に試みたのは,これまで使っていた眼鏡の右側のレンズを外すことである.そうすれば,理屈の上では,手術済みの右眼の裸眼と,凹レンズで矯正した左目が旨くバランスするはずである.ところが・・・である.すべてが2重に見えて全くダメ.パソコン用に作っていた一番弱い凹レンズのメガネなら,短時間に限り,まあ,まあ,使えるが,長い時間はダメ.
そこで,私は考えた.
昔々の物理ではないが・・・・・・・
子どもの頃,針穴写真機を作ったことがあった.針穴を小さくすれば,近くから無間の彼方まで焦点が合うのだから,多少の近視や老眼があっても,針穴から覗けば良く見えるはず.
そこで,下の写真のように,レンズの大きさにボール紙を切り抜いて,瞳の位置に,直径1.5ミリメートル程の針穴を数個あけて,レンズの上から貼り付ける.
これを2種類作る.
一つは100円ショップで買ってきた+1.5ジオプトリの凸レンズメガネの左側
もう一つは,今まで使っていたパソコン用にメガネの右側
これは,実に調子が良い.針穴だから,すでに取り付けてあるレンズをわざわざ外す必要はない.どんなレンズが付いていようとも,針穴だから無関係である.
この独眼流針穴メガネはパソコン操作にはとても具合が良い.ただ,視野が狭いので,このメガネのまま外を歩くことは控えるべきである.また,仮に,こんな不格好なメガネを掛けているところを人に見られたら,
「あいつ気が狂って居るんじゃないの・・」
と思われれる必定である.
…で,一つだけ注意.この針穴,綺麗に丸くあけないと,孔の周りのモジャモジャが気になる.最初に針で小さな孔をあけてから,太い針金などでゴシゴシすると良い.
実は,この孔,色々試してみたが,目線に沿って,5ミリ間隔ぐらいに数個あけ,さらに眼の中心辺りで上下に1つずつ穴をあけると使い勝手がよい.
世の中には,こんなことやっている人が沢山居られると思う.興味がおありの方は,いろいろ探してみたほうが良い.
私と同じように白内障手術の過渡期に居られる方で,パソコンを触られる方には是非試して貰いたいなと思う.
<針穴メガネの例>
<両目の手術を終えて>
■素敵なサングラスを作る
さて,右眼に引き続いて左目の手術も終わった.
手術後,右眼の視力は4日目に1.2になった.そして左目は手術の翌日0.8だった.その後の回復が期待される.
担当医師によると,視力が安定するまでに1ヶ月程度掛かると言われているので,8月中旬になったら,パソコン専用のメガネを新調しようと思っている.
とはいえ,小学校高学年の頃から,つい先日まで,ずっと近視のメガネを掛けていたので,いきなりメガネなしで過ごすといっても,どうも頼りない.下品な言い方で恐縮だが,パンツを履かずに,ズボンだけ履いて外を歩けと言われているのと似たような頼りなさを感じる.
そこで,過渡期の心情を抑えるために,私は梱包材料を使って,サングラスを作った.
材料は,これまで使っていたメガネのレンズを外したフレームと,梱包材の透明な硬質ビニール板(ビニールじゃないかも知れない?)である.
硬質ビニール板を外したレンズに合わせて,鋏でジョキジョキ切る.いろいろ試してみたが,ほんの心持ち大きく切るのがコツ(0.5mm程).そして,この切り取った板を押し込むようにして,眼鏡の枠にはめ込む.このとき,本当のレンズと同じように,前方にちょっと凸になるようにする.
これで立派な伊達眼鏡完成.
さらに,これに100円ショップで購入したメガネ取り付け用サングラスをはめ込めば実用に耐えるサングラスになる.お気づきかと思うがメガネ枠だけでは,このサングラスは,グラグラして取り付けられない.
暫くの間は,このインチキ伊達眼鏡を装着して外出することにしよう.
冒頭の写真で紹介した100円ショップの伊達メガネより,こちらの方が尤もらしい気がするが,私の欲目かな?
<材料の硬質ビニール板>
<レンズの形に切り取った板をはめ込めば歓声. 右は今まで使っていた凹レンズ>
<100円ショップのメガネ取り付け用サングラスをはめ込めば歓声>
■でも暫くは事後のケアーが大変
2種類の目薬を1日4回,1種類を1日2回は,当分の間,差し続ける必要がある.さらに,まだ定期的に診断を受けなければならない.正直なところ,なかなか気が抜けない.
とはいえ,裸眼で良く見えるようになったことは,山歩きを趣味とする私には,この上なく有り難いことである.
明日は,左目手術後4日目.早速,術後検診のため,酷暑の中,横浜まで出掛ける.
塔ノ岳復帰は,8月中旬かな.
ただ,復帰後,数回は編集長のYさんを見習って,堀山登山にしようと思っている.
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