中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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雨上がりの丹沢:塔ノ岳(今年59回目)

2008年12月12日 10時33分59秒 | 丹沢の山旅

                      <ご常連が下る(9:28頃)>

           雨上がりの丹沢塔ノ岳(第59回目)
               (単独山行)
              年12月11日(木)

■今日は暖かい
 昨日,水曜日に登るつもりだったが,天気が余り良くなかったので,1日遅らせて,今日塔ノ岳を訪れることにした.
 何時ものように、5時10分に家を出る.外は真っ暗.でも、この時期にしては、外気は割合に暖かい.私は湘南モノレールの初電に乗るために、住宅地の道を駅を目指して急ぐ.そういえば,途中で何時もすれ違う紳士に,この所会っていない.大丈夫かなと心配になる.
 伊勢原付近に電車が差し掛かると,朝の太陽が眩しく車窓から入ってくる.今日は申し分のない上天気になりそうである.
 渋沢発大倉行2番バスは,ほぼ,満席.白髪交じりの三角髭を生やしたご老体がお二人いらっしゃる.以前にも見掛けたような気がする.

                   <紅葉が美しい登山口(7:43頃)>


         <モミジが敷き詰められた登山道を踏みしめながら登る(7:42頃)>

■1時間03分で駒止茶屋
 準備に多少手間取って,何時もより少し遅く,7時39分,沢山の登山客の後について歩き出す.登山口付近は,名残の紅葉が美しい.
 杉林に入る.背中に朝日が当たり,私の陰が,足の前にできている.
 昨日までの雨のため,路面がビショビショに濡れている.やがて,簡易舗装の道から小石を敷き詰めた道に入る.ぬれた石が滑って歩きにくい.こんなところで転倒して怪我をしたら詰まらないので,今日は慎重に歩こうと,心に決める.
 今日は,1週間ぶりの塔ノ岳詣でである.特に体調が悪い訳ではないが,気温もかなり高いし.心なしか足が重い.それに,足許も滑りやすいので,頑張って歩こうという意欲が,次第に薄れていく.
 7時42分に駒止茶屋を通過する.歩き出してから,1時間03分経過している.3分とはいえ,1時間を越えているのは,山頂への到達所要時間が,2時間20分前後掛かることを意味している.

               <今日の富士山:堀山の尾根から(8:47頃)>

■雲を背景に見事な富士山
 堀山の尾根に差し掛かる.途中のビューポイントに近付く.森林監視員の腕章を付けた老人が立っている.何時か鍋割山稜でお会いことのある方である.私が近付くと,
 「・・・今日は残念だけど,少し雲が出てしまいましたね・・・」
と話し掛けてくる.
 高い所にかかる絹層雲を背景に,真っ白な富士山がクッキリと見えている.青空が背景ではないが,雲と富士山のコントラストが,何とも言えないほど美しい.早速,富士山の写真を何枚か撮る.
 写真撮影で,少々道草をしたが,8時58分に堀山ノ家を通過する.小草平には誰も居ない.大きな杉の木の間から,相変わらず富士山が良く見えている.

                   <今日の萱場平(9:14頃)>

■ご常連って何?
 過去の私の記録を見ると,堀山ノ家から花立山荘までの所要時間は,大体,35分程度である.従って,今日の体調を勘案しながら,花立山荘通過は,9時35分前後と予想する.
 私の前後には誰も居ない.暫くの間,一人旅が続く.ガレ場を通過して,戸沢分岐近くの狭くて長い急階段に差し掛かる.前方にやけにユックリと登っている夫婦がいる.
 足場が悪いので,戸沢分岐まで,追い抜くのを差し控えようと思って,5メートルばかり後について,登り続ける.その内に,このご夫婦が,ハアハア言いながら,私に先に行って下さいという.
 このご夫婦,つい先日もほぼ同じ所でお会いした方である.
 「あら・・今日は.やっぱりご常連は速いですね.今日はどのくらいの時間で登るんですか」
と私に聞く.私は,多分,2時間20分前後だろうと答える.
 先に行かせて貰いながら,私は「ご常連」という言葉に興味を持つ.果たして私は「ご常連」なのだろうか.どの程度の頻度で登ればご常連なのだろうか.ご常連の定義を,是非,尊仏山荘のオーナーに伺ってみたいなと思い始める.

■快調なご常連,Tさん
 9時14分に萱場平を通過する.昨日の雨にもかかわらず,地面は泥んこにもならず,案外,乾いている.もっとも,今日は暖かいためか,霜柱は全く見当たらない.そのまま登り続けるが,登山開始直後,ユックリペースで歩いていたのが幸いしたのか,今日はとても気分良く登れる.
 花立山荘直前の階段で,上から下りてくるご常連のTさんとすれ違う.何時もすれ違う場所からは,かなり下の方である.
 「こんにちは・・今日は大分調子が良かったようですね」
 「そう・・・今日は1時間56分で登れましたよ・・」
とTさん答える.全く凄い! 私とそんなに年齢が違わないのに,平気で2時間を切っている.正に“怪物”としか言いようがない.
 9時33分に花立山荘を通過する.堀山ノ家からの所要時間は,ピッタリ35分である.

            <花立場:ご常連のYさんが下ってくる(9:37頃)>

■久々のご常連,Mさん
 9時40分,花立場に到着する.
 上の方から,ご常連のYさんが,奥さんと一緒に下山してくる.擦れ違いざまに,奥さんが,
 「・・どうぞ,元気で行ってらっしゃい・・・」
と声を掛けてくれる.
 今日は雲が多くて南アルプスは良く見えないが,雲を背景にした富士山は,それなりに見応えがある.ついつい道草をして写真を撮りまくる.
 9時44分に金冷シを通過する.この辺りから先は,写真に残したいものはないので,多少,歩行速度を速める.そして,山頂直下の最後の急坂に差し掛かるところで,上から降りてきたご常連のMさんとすれ違う.Mさんが,
 「・・この頃,余り登っていないようだね・・」
と私に話しかける.どうやら,この頃,お互いにすれ違ってばかりのようである.

             <雲の拝啓が美しい富士山:花立台から(9:40頃)>

■塔ノ岳山頂
 9時56分,塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は,2時間19分.辛うじて2時間20分を切ったものの,不本意なタイムである・・・が,まあ,こんなものだろうと,すぐに諦める.
 山頂には冷たい風が絶え間なく吹き付けている.気温は高そうだが,とにかく寒い.山頂で休憩を取っている登山客は1人しか居ない.
 私は,儀式として,富士山,蛭ヶ岳,大山などの写真を一通り撮影してから,尊仏山荘に飛び込む.

              <のんびりの営業部長(10:21頃)>
           ※デジカメのモードを,ウッカリ「山モード」のまま撮影したのでぼけて
            しまったが,それが結構面白い写真になったと思う.

■尊仏山荘
 今日の山荘の小屋番はオーナーのHさんである.今日,10時現在の山頂の気温は+4.0℃.やっぱり,かなり暖かい.
 カメラマンのMさんが先客である.Mさんから,Mさんが撮ったすばらしい写真入りのカレンダーを見せて頂く.撮影場所を伺うと,ほとんどの場所は,私も見ている所ばかりである.それにもかかわらず,私が見落としている風景が沢山あるのに驚かされる.
 その内に,沢山の荷物を背負ったチャンピョンが到着する.どこからともなく営業部長がノッソリと現れて,チャンピョンのところへ寄っていく.
 「やあ・・お前,元気か・・」
とチャンピョンが,営業部長を抱きかかえる.
 そういえば,ここ1~2年の間に,営業部長も随分とノッソリしはじめたなと心配になる.1ドッグイヤーは7年というが,ネコの場合はどうなるのだろう・・・多分,この営業部長も人間に換算すると,還暦はもう過ぎているだろう.
 小屋番のHさんが,私に話しかける.
 「昨日(12月10日),男性,女性4人のパーティが,小屋の後で,flower-hillさんのことを盛んに話していましたよ・・・」
 私のことを話しているって,一体,どなただろうかと気になるが,一向に心当たりはない.

               <営業部長も元気なようである(10:36頃)>


                 <チャンピョンとシカ(10:36頃)>

■ノンビリと下る
 10時37分に尊仏
山荘を出る.
 山荘の裏手で,チャンピョンが大きなシカをからかっている.営業部長が,軒下で背伸びをしたり,走ったりではしゃいでいる.
 大倉発12時52分のバスに間に合うように,時間を調整しながら,ユックリと下山する積もりである.辺りの風景を,ジックリと味わいながら,ノンビリと下る至福の時である.これから下る板作りの階段の上から,下山する登山道を見下ろすときが,一番気分が良い.サラリーマン時代,仕事を終えて,家路につくときの浮き浮きした気分に一脈通じる所がある.
 次々に登ってくる登山客と擦れ違いながら,満ち足りた気分で下山し続ける.
 金冷シ付近で,同じバスに乗り合わせた三角髭の紳士とすれ違う.
 「おや・・もう,下山ですか・・?」
とビックリしている.平素,あまり登山していない人から見れば,私の不本意な時間も,速いのかな・・・と,妙な気分である.
 途中,数名の登山客に追い越される.
 バスの時間に合わせて,12時48分に,無事,大倉に到着する.

[ラップタイム]

 7:39  大倉歩き出し
 7:43  登山口
 7:52  丹沢ベース
 7:59  観音茶屋
 8:03  分岐
 8:13  雑事場ノ平
 8:15  見晴茶屋
 8:29  一本松
 8:42  駒止茶屋
 8:50  堀山
 8:58  堀山ノ家
 9:12  戸沢分岐
 9:14  萱場平
 9:33  花立山荘
 9:44  金冷シ
 9:58  塔ノ岳山頂 着
========================================
10:37  塔ノ岳山頂 発(+4.0℃)
10:43  金冷シ
11:00  花立山荘
11:17  萱場平
11:19  戸沢分岐
11:31  堀山ノ家
11:38  堀山
11:45  駒止茶屋
11:58  一本松
12:12  見晴茶屋
12:14  雑事場ノ平
12:24  分岐
12:28  観音茶屋
12:35  丹沢ベース
12:42  登山口
12:48  大倉 着

[山行記録]

■登攀・下降高度
  1201m
■水平移動距離   7.0km(片道)
■登攀所要時間
  大倉発      7:39
  塔ノ岳山頂着   9:58
  (所要時間)  2時間19分(2.32h)
 登攀速度
   1,201m/2.32h=517.7m/h
■下降所要時間
  塔ノ岳山頂発  10:37
  大倉着     12:48
  (所要時間)  2時間11分(2.18h)
 下降速度
   1,201m/2.18h=550.9m/h
                          (おわり)
[加除修正]
2008/12/13 転換ミスを訂正

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/444fee4405ce2d84c69e06a9ff39f7e3
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