＜ブームタウン：中国深せん＞
セピア色の画集（４）
２００９年１月４日（日）
新年を迎えた途端に，もう１月４日を迎える．アッという間に孫達はそれぞれの家に帰った．わが家にはポカンとした静寂が戻る．また，老夫婦２人だけの平凡な毎日が戻る．
「サンデー毎日」の私にとっても，今日は，一応，仕事始めである．そこで，例によって，リュックを担いで，丹沢の塔ノ岳を大倉尾根経由で往復した．
今年の目標は，塔ノ岳登頂は最低50回／年，北・中央・南アルプスのどこか２～３回／年，海外の標高4,000メートル程度の山１座に登る程度にしたいと思っている．
古い画集を遍歴するのも，今回で中休みにして，日頃の登山記録と，昨年終えた東海道五十三次宿場巡りの纏めを優先したいと思っている．
さて，冒頭のペン画は，1995年に中国深せん（「せん」は「土」偏に「川」）で宿泊したホテルの窓からスケッチしたものである．あり合わせの鉛筆で，普通のノートにサッサと描いたものである．沢山のビルが雨後の竹の子のように林立してる有様を見て，中国のすさましい勢いに圧倒された．
今回の画集では，50年前の大阪に焦点を当てて，数枚のスケッチを選ぶことにしよう．
大阪中之島３題
多分，昭和30年代前半にスケッチしたもののようである．
休日のある日，小さなノートを持って，大阪へ遊びに行ったんだろうと思う．遊ぶといっても，当時の私は田舎出の「おぼっこ」だったので，お酒は飲まないし（今も飲まないが），パチンコも，ギャンブル事もしない．ただ，ただ，公園をノンビリと歩き回り，本屋で長時間立ち読みをするぐらいしかしていない．
趣味といえば，スケッチをしたり，真空管ラジオを作ったり壊したりすることぐらいであった．
この３枚の中之島のスケッチは，多分，１日で全部描いたものではなく，それぞれ別の日に描いたものだと思う．
何れも，今は亡き母に現状報告のつもりで送ったものである．
＜大阪中之島寸景（１）＞
スモッグがかかっているのだろうか，そらが紅色になっている．川の水も濁っているように見える．このスケッチは，一体，中之島のどの辺りを描いたものなのだろうか．今となっては，全く思い出せない．
多分，このスケッチに描かれているビルは，とっくに高層ビルに建て替えられているんだろうなと想像している．
＜大阪中之島寸景（２）＞
この絵も，昭和30年代前半にスケッチしたものには違いないが，正確には覚えていない．立派な橋だなと驚いて，思わずスケッチしたもののようである．
＜大阪中之島寸景（３）＞
大阪造幣局
物置の片隅から，グシャグシャにつぶれた絵が出てきた．クレオンで塗りたくってある．絵の裏を見ると，日付が5月11日になっている．ただ何年か分からないが，多分，ｋれも昭和33年頃ではないがと思う．
＜大阪造幣局＞
この絵の裏には，例によって金釘流で，こんなことが書いてある．
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大阪の北部天満付近の淀川の夕景．
汚い都会の水や空気にも良く見ると美しい色彩にとんだ重厚な風情がある．どれだけその感じが出せたかは判らないが，人の集中する都会の河に，人間の持つ哀調を感じるのは僕だけでないだろう．人間の営みにけがされた大都会の中を，たとえ水が汚れていようと自然の持つ寛大さで，山中の水と同じ様に静かに流れている．この一見アンバラスに見える都会の水に，とても魅力を感じる．尚，こゝは造幣局で，手前は木材置場です．
母の日を記念して，これを送ります．
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この青臭い絵を送りつけられた母は，どんな感想を持ったんだろうか？
今はもう確かめようもない．
（つづく）
「セピア色の画集」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/77d005ddc72f2fabdf9d0bac5e8ba94c
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