<三峰口駅の電車>
南天山登頂(第1日目)
(山旅スクール挑戦コース)
2008年5月2日(金)~3日(土)
第1日目 5月2日(金) 曇後雨
■秩父鉄道で三峰口へ
秩父市内散策を切り上げた私は,14時12分,お花畑駅に戻る.小さな駅の構内は,観光客でごった返している.中高年の女性が大半を占めている.大部分の方々は,どうやら熊谷方面に向かうようである.秩父鉄道は,単線ながら,運行される列車の本数は案外多くて,1時間に数本の列車が往来している.
私は,お花畑14時34分発三峰口行の電車に乗車する.スタッフから指定された列車より30分ほど早い電車である.私は集合時間ギリギリにあたふたと駆けつけるのは,性に合わないので,何時も集合時間の30分から1時間ほど前に集合場所に行って,近くの喫茶店でお茶を飲むことにしている.三峰口駅前に喫茶店があるかどうか分からないが,とにかく,ギリギリの時間に駆けつけることはしたくない.
やがて改札が始まる.ホームに出ると,山旅スクールの女性群が数名,同じ電車に乗るようである.ほとんどが私の知らない方々である.どうやら,8期の皆さんらしい.逆に私の顔を知っている人も何人か居て,
「・・・よろしくお願いします・・」
と声を掛けられる.
■三峰口駅前
電車の中では,半分うたた寝をしながら過ごす.電車は,数箇所の駅に停まって,14時55分に三峰口駅の到着する.
三峰口は小さな駅である.駅前に自動車道が通っている.駅と反対側には,何軒かの家が建ち並んでいる.私達は,集合時間まで,駅舎と反対側にあるバスの待合室のベンチに座って待つことにする.
雲行きがだんだんと怪しくなってくる.そして,遂に冷たい小雨が降り出してくる. 暇を持て余した私は,駅舎脇の駐車場付近を散策する.三峰口駅の2本のプラットフォームには,青色のストライプが入った綺麗な電車が2編成停まっている.元汽車マニアだった私は,電車や汽車を見て回るのが,この年になっても,好きである.早速カメラを構えて,秩父鉄道の電車を写真に収める.
彼方此方を歩き回っていると,どこからともなく,フレンドリースタッフのヤマンバさんが現れる.遠くから私を見付けたヤマンバさんが,
「・・・flower-hillさぁ~ん・・・そこの待合室で待ってて下さい.」
と声を掛けてくる.
<三峰口駅> <バス停中津川>
■バスで民宿中津屋へ
私達は,三峰口15時33分発の西武バスに乗車する.乗客は10名ほどの私達のグループ以外には,ほとんど乗っていないようである.
バスに乗った途端に,秩父散策の疲れが出たのか,無性に眠くなる.一人旅でないので,乗り過ごす心配もない.そこで,ついついウトウトとしてしまう.
バスは山間の狭い道をくねくねと登り続けて,16時25分,バス停中津川に到着する.まだ,雨がシトシトと降り続いている.バス停に降りて,ほんの10メートルほど先に,今日の宿泊場所である中津屋がある.バスから駆け足で雨を避けながら,中津屋の軒下に飛び込む.
<民宿「中津屋」の玄関:雑然としている>
中津屋は小さな民宿である.多分,昭和30年代後半から40年代前半に建てられたかと思われる古びた旅籠である.建物の中に入る.玄関兼土間は散らかっている.谷間に建てられた旅館は,玄関が2階になっているようである.今回の参加者10名の内,男性は2人.女性は1部屋4人ずつのようだが,希少価値の男性は1人1部屋と贅沢な部屋割になる.
私に宛われた部屋は,1階のトイレ脇の6.5畳間である.トイレ臭いのを我慢すれば,居心地が良い.窓を開けると中津川の流れが見下ろせる.川の向こう岸には,ちぎれ雲が掛かる山並みがうねうねと続いている.河岸には今が見頃の桜並木が続いている.
部屋の真ん中にはコタツが置いてある.足を入れると,ほのかに暖かい.
押入を開けてみる.マット,敷き布団,掛け布団などが,やや乱雑に沢山入っている.どうぞ勝手に敷いて使って下さいという風情である.
<中津屋の窓から> <山に雨雲が掛かっている>
■ステンレスのお風呂
ヤマンバさんが示した部屋割は,1階に5~6期生,2階に8期生を押し込んだようである.とりあえずは,1階の一室に5~6期生4人が集まって,コタツを囲んで,お茶を楽しむ.男性2人,女性2人.勿論,旧知の仲である.
その後,適当に風呂に入る.
男性の生徒はたった2人.家庭用の風呂を少し大きくした程度の小さな湯殿だが,ユックリと風呂を楽しむ.建物全体は古いが,風呂桶は総ステンレス製に改造されているが,どことなくレトロな雰囲気が漂っている.ただ,ステンレスの風呂桶に使っていると,何となく,自分が煮物になって,鍋の中に入ったような気分になるが,まあ清潔感があって,良いんじゃないのと思い始める.
■大変なご馳走
18時頃から夕食である.テレビを見ながら,ボンヤリしていると,17時55分頃,
「・・・そろそろ夕食に行きませんか・・・」
と隣室の方から声が掛かる.そこで,一同,連れたって,2階の食事場に向かう.
食事場は狭いタタミの部屋である.10名余りが縦長のテーブルに対面して座る.少々窮屈だが,仕方がない.民宿の女将さんの手作り料理が沢山並んでいる.鮎の塩焼き,山菜の天ぷら,茶碗蒸し等々,盛りだくさんである.
威勢のいい女将が,大声で,天ぷらの能書きを話す.その内に,やや離れた所に居る亭主の方をチラリと見ながら,
「この民宿の実質の経営者は,私だよ・・・」
と不穏当なことを話し出す.
夕食後,コーヒーのサービスもある.
<中津屋の夕食:鮎の串刺しが無造作に出てくる>
■登山ルートの確認と岩稜歩行演習
夕食後,全員でミーティングが行われる.明日の赤岩尾根ルートのレビューと,装備品のチェック,操作方法の確認である.
ガイドのカメさんから,赤岩尾根の詳細な地形図が渡される.この地形図をたたき台にして,明日のルートのチェックポイントと注意事項が言い渡される.
次いで,装備品のチェックを行う.
実際にハーネスを装着してみる.そして,スリングとカラビナを使って,安全確保の実習を行う.さらに,ハーネスにスリングやカラビナをどのように仕舞うか,あるいは安全環付きカラビナの操作方法,トップロープの操作法などの復習を行う(これらについては,別途,取り纏めてブログで紹介する予定).
<スリングとカラビナの整理の仕方>
※ハーネス,スリング,カラビナの利用法については別途ブログに掲載する予定
■相変わらず雨
20時頃部屋に戻る.
相変わらず雨がシトシトと降っている.暫くの間,テレビを見ていたが,つまらない.明日の朝までに,雨が止むことを願いながら,21時頃,就寝.
(つづく)
南天山登頂(第1日目)
(山旅スクール挑戦コース)
2008年5月2日(金)~3日(土)
第1日目 5月2日(金) 曇後雨
■秩父鉄道で三峰口へ
秩父市内散策を切り上げた私は,14時12分,お花畑駅に戻る.小さな駅の構内は,観光客でごった返している.中高年の女性が大半を占めている.大部分の方々は,どうやら熊谷方面に向かうようである.秩父鉄道は,単線ながら,運行される列車の本数は案外多くて,1時間に数本の列車が往来している.
私は,お花畑14時34分発三峰口行の電車に乗車する.スタッフから指定された列車より30分ほど早い電車である.私は集合時間ギリギリにあたふたと駆けつけるのは,性に合わないので,何時も集合時間の30分から1時間ほど前に集合場所に行って,近くの喫茶店でお茶を飲むことにしている.三峰口駅前に喫茶店があるかどうか分からないが,とにかく,ギリギリの時間に駆けつけることはしたくない.
やがて改札が始まる.ホームに出ると,山旅スクールの女性群が数名,同じ電車に乗るようである.ほとんどが私の知らない方々である.どうやら,8期の皆さんらしい.逆に私の顔を知っている人も何人か居て,
「・・・よろしくお願いします・・」
と声を掛けられる.
■三峰口駅前
電車の中では,半分うたた寝をしながら過ごす.電車は,数箇所の駅に停まって,14時55分に三峰口駅の到着する.
三峰口は小さな駅である.駅前に自動車道が通っている.駅と反対側には,何軒かの家が建ち並んでいる.私達は,集合時間まで,駅舎と反対側にあるバスの待合室のベンチに座って待つことにする.
雲行きがだんだんと怪しくなってくる.そして,遂に冷たい小雨が降り出してくる. 暇を持て余した私は,駅舎脇の駐車場付近を散策する.三峰口駅の2本のプラットフォームには,青色のストライプが入った綺麗な電車が2編成停まっている.元汽車マニアだった私は,電車や汽車を見て回るのが,この年になっても,好きである.早速カメラを構えて,秩父鉄道の電車を写真に収める.
彼方此方を歩き回っていると,どこからともなく,フレンドリースタッフのヤマンバさんが現れる.遠くから私を見付けたヤマンバさんが,
「・・・flower-hillさぁ~ん・・・そこの待合室で待ってて下さい.」
と声を掛けてくる.
<三峰口駅> <バス停中津川>
■バスで民宿中津屋へ
私達は,三峰口15時33分発の西武バスに乗車する.乗客は10名ほどの私達のグループ以外には,ほとんど乗っていないようである.
バスに乗った途端に,秩父散策の疲れが出たのか,無性に眠くなる.一人旅でないので,乗り過ごす心配もない.そこで,ついついウトウトとしてしまう.
バスは山間の狭い道をくねくねと登り続けて,16時25分,バス停中津川に到着する.まだ,雨がシトシトと降り続いている.バス停に降りて,ほんの10メートルほど先に,今日の宿泊場所である中津屋がある.バスから駆け足で雨を避けながら,中津屋の軒下に飛び込む.
<民宿「中津屋」の玄関:雑然としている>
中津屋は小さな民宿である.多分,昭和30年代後半から40年代前半に建てられたかと思われる古びた旅籠である.建物の中に入る.玄関兼土間は散らかっている.谷間に建てられた旅館は,玄関が2階になっているようである.今回の参加者10名の内,男性は2人.女性は1部屋4人ずつのようだが,希少価値の男性は1人1部屋と贅沢な部屋割になる.
私に宛われた部屋は,1階のトイレ脇の6.5畳間である.トイレ臭いのを我慢すれば,居心地が良い.窓を開けると中津川の流れが見下ろせる.川の向こう岸には,ちぎれ雲が掛かる山並みがうねうねと続いている.河岸には今が見頃の桜並木が続いている.
部屋の真ん中にはコタツが置いてある.足を入れると,ほのかに暖かい.
押入を開けてみる.マット,敷き布団,掛け布団などが,やや乱雑に沢山入っている.どうぞ勝手に敷いて使って下さいという風情である.
<中津屋の窓から> <山に雨雲が掛かっている>
■ステンレスのお風呂
ヤマンバさんが示した部屋割は,1階に5~6期生,2階に8期生を押し込んだようである.とりあえずは,1階の一室に5~6期生4人が集まって,コタツを囲んで,お茶を楽しむ.男性2人,女性2人.勿論,旧知の仲である.
その後,適当に風呂に入る.
男性の生徒はたった2人.家庭用の風呂を少し大きくした程度の小さな湯殿だが,ユックリと風呂を楽しむ.建物全体は古いが,風呂桶は総ステンレス製に改造されているが,どことなくレトロな雰囲気が漂っている.ただ,ステンレスの風呂桶に使っていると,何となく,自分が煮物になって,鍋の中に入ったような気分になるが,まあ清潔感があって,良いんじゃないのと思い始める.
■大変なご馳走
18時頃から夕食である.テレビを見ながら,ボンヤリしていると,17時55分頃,
「・・・そろそろ夕食に行きませんか・・・」
と隣室の方から声が掛かる.そこで,一同,連れたって,2階の食事場に向かう.
食事場は狭いタタミの部屋である.10名余りが縦長のテーブルに対面して座る.少々窮屈だが,仕方がない.民宿の女将さんの手作り料理が沢山並んでいる.鮎の塩焼き,山菜の天ぷら,茶碗蒸し等々,盛りだくさんである.
威勢のいい女将が,大声で,天ぷらの能書きを話す.その内に,やや離れた所に居る亭主の方をチラリと見ながら,
「この民宿の実質の経営者は,私だよ・・・」
と不穏当なことを話し出す.
夕食後,コーヒーのサービスもある.
<中津屋の夕食:鮎の串刺しが無造作に出てくる>
■登山ルートの確認と岩稜歩行演習
夕食後,全員でミーティングが行われる.明日の赤岩尾根ルートのレビューと,装備品のチェック,操作方法の確認である.
ガイドのカメさんから,赤岩尾根の詳細な地形図が渡される.この地形図をたたき台にして,明日のルートのチェックポイントと注意事項が言い渡される.
次いで,装備品のチェックを行う.
実際にハーネスを装着してみる.そして,スリングとカラビナを使って,安全確保の実習を行う.さらに,ハーネスにスリングやカラビナをどのように仕舞うか,あるいは安全環付きカラビナの操作方法,トップロープの操作法などの復習を行う(これらについては,別途,取り纏めてブログで紹介する予定).
<スリングとカラビナの整理の仕方>
※ハーネス,スリング,カラビナの利用法については別途ブログに掲載する予定
■相変わらず雨
20時頃部屋に戻る.
相変わらず雨がシトシトと降っている.暫くの間,テレビを見ていたが,つまらない.明日の朝までに,雨が止むことを願いながら,21時頃,就寝.
(つづく)