中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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南天山登頂(第2日目)

2008年05月11日 19時15分36秒 | 関東・伊豆箱根・上信越
                  <山裾の中津屋:中津岸から見上げる>

             南天山登頂(第2日目)
            (山旅スクール挑戦コース)
          2008年5月2日(金)~3日(土)

第2日目 5月3日(土)
 雨後曇

■南尾根岩稜山行は中止
 4時丁度に目が覚める.
 5時から朝食.昨夜,夕食を食べた2階の部屋へ出向いて朝食を摂る.納豆,タマゴ,白魚,お新香などのメニューである.
 
                 <中津屋の朝食:純和風で私は好きである>

 朝食を食べながら,雑談で盛り上がっていると,やおらガイドが立ち上がって,
 「皆さん.ちょっと聞いてください・・・今日は残念ながら午前中一杯は雨のようです.雨の中,岩場を歩くことは,危険なので,絶対避けたいと思います.そこで,行き先を変更して,南天山に登ることにします・・・」
と言う.
 昨日,家を出るときから,南尾根縦走は無理だと思っていた.
 ただ,悪天候が当然予想されているのに,中止もせずに,平然と行き先変更で事を済ませようとする旅行社の商業主義には疑問がある.
 登山専門の旅行社ならば,今回の場合,多分中止していただろう.この辺りに山の専門ではない旅行社の限界があるのだろう.

<登山地図>
  

<プロフィールマップ>



■中津川散策

 出発時間まで,まだ少し時間がある.
 私は,外に出て,中津屋の建物の裏側に廻ってみる.
 霧雨が音もなく降っている.辺りの山には雨雲が低く垂れている.
 私は,急な細い路地を中津川の方まで降りてみる.道端の空き地には,山フキが群生している.川岸には沢山の桜が,今正に満開である.
 振り返ると,急傾斜の斜面に,へばり付くように,家屋が並んでいる.時間があったら,ここに腰を下ろして,絵を描きたくなるような情景である.何とはなしに,向井潤吉の絵を思い出す雰囲気である.
 花オンチの私には,ウッカリ花の名前は言えないが,ピンク色の花も満開になっている.雨雲が掛かって,所々,薄っすらと川向こうの山肌が見えている.その山肌が,桜とピンクの花が綺麗に,とても良く調和している.
 
                    <花一杯の中津川岸辺>


                  <花一杯の集落>

■登山口へ
 もう少し散策していたかったが,集合時間に遅れないように,散策を中断して,中津屋に戻る.
 6時31分,私達は,中津屋のバンに乗り込んで,南天山登山口まで移動する.このバンは民宿の主人が,山仕事に使っているらしくて,車内にはいろいろなものが乱雑に放置されている.床には泥やゴミがこびり付いている.もう少し掃除をしたら良いのにと思うが,民宿の主人は,そんなことには頓着ないようである.
 私達を乗せたバンは,中津川に沿って狭い道を遡る.
 6時42分,南天山登山口(標高830m)に到着する.登山口の前の道は幾分広くなっていて,数台の自動車が駐車できるだけのスペースがある.道路は中津川右岸沿いで,川より数メートル高い所にある.道の両側から新緑に包まれた急な斜面が迫っている.
 登山口には,入山届入れのポストや案内板が建っている.

                      <南天山登山口>

■鎌倉沢のトラバース道
 10名の参加者を,二つの班に分ける.男性は2人しか居ないので,両班に分けられてしまう.また,例によって,女性群の中に1人ポツネンの組み込まれる.こういう男性旱(ひでり)の状態が何回も続くと,山旅スクールの企画に参加するのが,つくづく厭になってくる.男性優遇対策を取らないと,山旅スクールは成り立たなくなるのではないかと危惧する.
 霧雨が降り続いているが,雨具を着るほどでもない.私はリュックにリュックカバーを被せただけで,暫くの間は,雨具は着ないで歩くことにする.
 簡単にストレッチをした後,7時01分に登山口から登り出す.
 いきなり,急坂が始まる.中津川の支流,鎌倉沢の右岸を高巻きにトラバースしながら登る.ガイドから注意しながら歩くように指令される.私達は分速6メートルから9メートル(以下m/m:meters per minuteの略)の登攀速度で登りつづける.結構な速度である.
 7時15分,滑りやすい丸太組の橋(865m)を渡って,窯倉沢の右岸から左岸に変わる.しかし,また直ぐに,再び滑りやすい丸太橋を渡って,右岸に戻る.その後,何回も,何回も,丸太橋で対岸に渡り返した後,暫くの間,谷筋の右岸を登り続ける.

                <何回も滑りやすい丸太橋を渡る>

■方円滝
 登山道の右手には,岩礫を噛むようにザワザワと鎌倉川が流下している.急傾斜を流れる川全体が,まるで大きな滝のように見えている.なかなか見応えのある景色である.
 7時36分,私達は方円滝(930m)に到着する.エリアマップに記載されている標準時間では.登山口から,ここまで,40分の行程である.私達の所要時間は35分.まあまあの歩行速度である.
 方円滝は,落差十メートル程の断崖から,川の水が扇状にザワザワと流下する美しい滝である.ここで,第1回目の休憩を取る.
  
                       <方円滝>

■登山道の分岐点
 7時45分,方円滝を出発する.
 出発して直ぐに,ガイドのカメさんが,大きな蛙を捕まえる.蛙を見て,誰かが「ギャ~ッ・・」と悲鳴を上げる.わざわざ蛙を拾う方も,子供じみていて馬鹿げている.わzわざ下らないことをするなと言いたい.それに,蛙ぐらいで,悲鳴を上げる方も,どうかしている.両方ともオカシイ.もう少し大人になって欲しいと密かに思う.
 暫くの間,鎌倉沢の右岸沿いに登るが,7時57分に丸太橋(985m)を渡って左岸へ,またすぐに丸太橋を渡って,再び右岸.また,2回橋を渡って右岸に戻る.どこからともなく,ツツドリの鳴き声が聞こえてくる.やはり夏が近いなと実感する.
 8時14分頃から,登山道は,川から少し離れて高巻きのトラバース道になる.油断すると川に転落する恐れがある.ガイドから注意して歩くように注意される.
 8時16分,登山道の分岐(1080m)に到着する.
 
           <方円滝の案内板>                <ユーモラスな蛙>

■稜線に出る
 私達は進行方向右手の道(北北東)を進む.川を渡って,左岸側の斜面に作られた急坂のジグザグ道を登り始める.見る見るうちに高度を稼ぐ.私達は4m/m~7m/mの比較的遅い速度で登り続ける.
 8時39分,標高1,140m地点で,9分ほど休憩を取る.坂道の途中の狭い所での休憩である.霧雨が少し激しくなる.雨具を着るかどうか迷うが,結局は,もう少し様子を見ることにする.
 8時48分,再び登り坂を登り始める.分速6m/mから8m/mの結構速い速度である.
 途中で綺麗な花が咲いているので,デジカメに収める.花の名前があやふやなのが残念である.
 9時10分,稜線(1455m)に出る.稜線の出合に「歩道終点,南天山山頂」と書いた木製の指導標が建っている.

      <岩稜を登る>                 <南天山山頂>

■南天山山頂
 稜線に出てから,稜線沿いに,東に進む.
 辺りの様子が一変して,急勾配の岩稜になる.登りながら,下山が大変だなと思い続ける.両川に沿って綺麗な花が咲いている.稜線の北側は切り立った断崖になっている.暫くの間,狭い稜線を辿る.
 稜線を辿って,最後にやや急な坂を登って,9時20分,南天山山頂(1,483m)に到着する.山頂は案外狭い.ただ,山頂は雲の中.視界は全くない.霧雨が降り続いている.少々寒い.
 山頂で参加者全員の集合写真を撮る.

      <ここから尾根を外れて下る>             <綺麗な花が咲いている>

■鎌倉沢で往路と合流
 9時50分に山頂を出発して,下山を開始する.暫くの間は,稜線沿いに,往路を戻る.昨日来の雨で濡れた岩稜は,結構,滑りやすい.注意しながら下り続ける.
 10時01分,先ほどの稜線出合に戻る.ここで,先ほど登ってきた登山道を見送って,そのまま稜線を西南西の方向に辿る.これまでの岩稜の稜線は,進むに連れて,次第になだらかな尾根に変わる.進行方向左手(南側)は杉林が続く.そして,右手には広葉樹の灌木で覆われた稜線が続く.登山道には落ち葉が厚く積もっている.
 途中,1,387メートル峰を越えて,尾根が西南西に向きを変える.そのまま暫くの間稜線を進んで,10時17分に「鎌倉橋.南天山山頂」と書いてある指導標の前に到着する.ここから,尾根を外れて,南方向に広がるカールの西端に沿って,ジグザク道を下り始める.
 10時38分,標高1,160メートル付近で,小さな沢を越えて,ほんの少し登り返す.
 10時46分,往路で通った鎌倉沢の分岐点(1,080m)に到着する.河原に降りて休憩を取る.

■無事下山
 10時55分,分岐点を出発して,往路をそのまま戻る.
 途中,小さな丸太橋を,何回も,何回も渡る.
 11時27分に,標高930メートルの川沿いで,20分ほど休憩を取る.
 その後も,数回,丸太橋を渡って,12時07分に,無事,登山口に下山する.
 登山口で,朝,送ってもらった中津屋のバンが私達を待っている.軽くクールダウンのストレッチを行った後,早速,バンに乗車する.
 私達が,中津屋のバンに乗り込む頃から,天候が急速に回復して,快晴とはいかないものの,随分と明るくなってくる.もっと早く回復すれば,赤岩尾根に行けたのに・・・悔しさが甦る.
  
                 <大滝温泉「遊湯館」>

■大滝温泉で入浴
 12時19分,私達を乗せたバンは,登山口を発車して,大滝道路を下る.道幅が狭くて,クネクネと曲がるドライバー泣かせの道である.数回,対向車とすれ違うのに往生する.とはいえ,この道路は信州佐久に抜けることのできる便利な道だという.途中,昨年の台風で崩壊した所を改修している場所があったり,狭いトンネルがあったりで,なかなかの難所である.
 12時54分に大滝温泉「遊湯館」に到着する.連休とあって,かなり広い駐車場には,沢山の車が駐車している.早速,風呂に入る.結構,混雑している.私には少々温めに感じる.それでも,長時間,湯に浸かっていると,身体の心底から暖まってくる.

■無事帰宅
 大滝温泉14時32分発三峰口行西武観光バスに乗車する.
 14時47分に三峰口に到着する.とりあえずは,14時57分発の電車で,お花畑まで出ることにする.電車はマアマア空いている.15時16分にお花畑に到着する.大急ぎで,西武秩父駅に駆け込んで,特急電車の空席状態を調べる・・・が,直近数本の特急電車は,いずれも満席.やむなく,西武秩父15時31分発の快速急行池袋行きに乗車する.列車は混雑しているが,何とか座れる.
 座席に座った途端に,疲れが出たのか,居眠りを開始する.そのまま,終点の池袋近くまで,居眠りをしつづける.
 池袋から,湘南新宿ラインに乗車.18時15分に大船駅に到着する.うまく接続して,18時40分頃,無事帰宅する.

[ラップタイム]

第1日目 5月2日(金)

15:30  三峰口集合
15:33  三峰口発(西武バス)
16:25  バス停中津川着
16:25  中津屋着
18:00頃 夕食
18:45  実習
21:00頃 就寝

第2日目 5月3日(土)
 4:00  起床
 5:00  朝食
 6:31  中津屋発(中津屋の自家用車)
 6:41  登山口着
-----------------------------------
 7:01  歩き出し
 7:36  方円滝(7:45まで休憩)
 8:39  1,275m地点(8:48まで休憩)
 9:10  稜線分岐
 9:20  南天山山頂着
====================================
 9:50  南天山山頂発<往路引き返し>
10:01  稜線分岐
10:17  尾根から外れる
10:46  河原に出る(10:55まで休憩)<往路合流>
11:27  川原(11:48まで休憩)
12:07  登山口着
-----------------------------------
12:19  登山発(中津屋の自家用車)
12:54  大滝温泉(14:32まで入浴)
14:47  三峰口着(解散)

[山行データ]

■水平歩行距離
    5.73km
■登攀下降高度    873m
■登攀所要時間(休憩時間を含む)
  登山口歩き出し    7:01
  南天山山頂着     9:20
  (所要時間)  2時間19分(2.32h)
 登攀速度    873m/2.32h=380.2m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
  南天山山頂発     9:50
  登山口着      12:07
  (所要時間) 2時間17分(2.28h)
 下降速度    873m/2.28h=383.0m/h
                                 (おわり)


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