<王滝頂上付近の急坂>
御嶽山:御嶽から濁河温泉へ縦走(1)
(北アルプス総合案内所)
2010年7月31日(土)~8月1日(日)
<御嶽山周辺地図>
※図の中の田の原から赤い線に沿って濁河温泉まで縦走した.
第1日目:7月31日(土)
<登山地図>
<プロフィールマップ>
<新宿から専用バスで田の原へ>
■早朝に山を下って大船へ
夏になると,丹沢の塔ノ岳ではどうしても物足りなくなり,何処でも良いから涼しい高山へ行きたくなる.とはいえ,私自身もすでに高齢者.安全を確保するために,少々,費用が掛かっても,登山ツアー専門旅行社のご厄介になろうと思う.
でも,どうせ行くのならば,いままで登ったことのない山へ行ってみようか.それもあんまり難度の高いところや,しんどいところは避けたい.そんなときにたまたま北アルプス総合案内所からのパソコンメールで見掛けた御嶽山へ行こうかと思い立つ.
御嶽山への登山ルートは,第1日目に田の原登山口から,王滝頂上小屋まで,第2日目は王滝頂上小屋から飛騨頂上,御嶽山剣ヶ峰,五ノ池を経由して濁河温泉に下山する魅力的なコースである.個人ではなかなかアクセスしにくいコースである.
初日,7月31日(土)は新宿駅前7時00分集合である.
私は,当初,湘南モノレールの初電に乗って,大船6時37分発東海道本線の電車で新宿へ行くつもりだったが,これでは大船駅前のコンビニで食料品を購入する時間がほとんどない.そこで,家から大船駅までの約3キロメートルの下り坂を歩くことにする.夜が明けて間もない4時25分頃,私は何時もの丹沢行きよりは少し重いリュックを背負って,自宅を出発する.今日も猛暑が予想されるが,それでも朝の内は,まだ涼しい.案外気持ちよく歩いて,予定より随分と早く大船駅へ到着する.駅前のコンビニで今日の行動食と非常食を購入して,大船駅5時09分発東海道本線の電車に乗車する.
■新宿駅
品川で山手線に乗り換えて,6時03分に新宿駅に到着する.集合時間まで,まだ1時間足らずの時間がある.駅西口構内のどこかでコーヒーでもユックリ味わいながら一休みしようかと思う.でも,構内をあちこち歩き回っても,この時間に開店している飲食店は全く見付からない.こうなると,時間潰しをするところがなくて,逆に困惑する.
仕方なく,長距離バス発着所に行ってみる.バスの発券所前には沢山の旅行客が詰め掛けている.発着所のトイレを借りた序でに,地下の売店を覗くが,開店が6時45分.まだ入れない.仕方なく,自販機で冷たいお茶を購入,暫くの間,長距離バス発着所でお茶を飲みながら,ひたすら時が経つのを待つ.
6時40分頃,集合場所へ行ってみる.これから出発する旅行者が沢山屯している.あちこちに目印の旗や看板を掲げた旅行社の係員が立っている.野鳥を見る会,ナントカ温泉を巡る旅,等々,いろいろな旅があるようだ.
私が参加する「北アルプス総合案内所」の受付は何処だろうかとキョロキョロしていると.どこからともなく,
「・・FHさん,FHさん・・」
と私の名前を呼ぶ声が聞こえてくる.
私はビックリして,声の方を見ると,どこかで合ったことがある男性が,
「こちらですよ・・」
と手招きする.声の主は,北アルプス総合案内所のガイド,M沢さんである.
M沢さんから,5年ほど前の前穂高岳・奥穂高岳縦走で一緒だったと聞かされる.よくもまあ,5年前に会った顧客の名前まで覚えているなと心底から感心する.
「あのときは,沢山のお仲間と参加していただきましたね・・」
と,5年前のことをつい昨日のことのように話す.私はM沢さんの記憶力に,ただ,ただ,ビックリ.
今日の参加者は,男性6人,女性11人,合計17人とのことである.
■田の原登山口
私たちを乗せた小型の専用バスは,新宿駅西口を,予定通り7時01分に発車する.「ときバス」という会社のバスである.
私の座席は真ん中より少し後ろの通路側.私の隣の窓側の席には,かなり高年齢と思われる男性が座っている.互いに自己紹介.この男性も鎌倉に住んで居られるという.私より年配かなと思っていた.でも,後でガイドのMさわさんに確かめると,今回の参加者で最高年齢は私だと聞かされる.
私たちのバスは.都心では大した渋滞もなく順調に走っていたが,郊外に出るに従って,段々と渋滞が激しくなる.9時28分にようやく談合坂SAに到着する.ここで休憩. その後,途中で事故現場を通過するのに手間取って,12時09分,ようやく伊那インターチェンジから一般道に降りる.
地図をリュックに仕舞いっぱなしにしていたので,どこをどう通ったのかフォローできないが,バスはJR中央本線沿いに木曾谷を下っている.
12時45分,木曽福島郊外にある「道の駅」に到着する.ここでトイレ休憩.その後,上松付近から県道473号線に入る.王滝で右折して,御岳王滝黒沢線に入る.ここから九十九折りの急坂を北上する.バスの冷房が殆ど利いていない.新宿を出発してから,車内の気温は,ずっと32℃を越えたままである.私はバスの中に要るにもかかわらず,頭がボ~ッとした感じになり,冷や汗が出てくる.どうやら軽い熱射病になったのではないかと心配になる.
御嶽山はさすがに信仰の山である.道路の両側には夥しい数の石塔が,殆ど切れ目なく立ち並んでいる.立派なお社も幾つか見える.残念ながら,リュックの中にカメラをしまったままなので,石塔群の写真は撮れなかった.
私たちを乗せたバスは,14時11分,ようやく登山口の「田の原」(標高2190m)に到着する.
<王滝頂上小屋を目指して>
■白い大きな鳥居から登山開始
田の原登山口は,白装束巡礼の方々が沢山居られる.随分と盛況である.
広場の片隅で,軽くストレッチをしてから,4班に組み分けして,14時33分に,1班から順番に出発する.私は4班で,歩き出しはシンガリ.
先頭はリーダーのM沢ガイド,シンガリはY沢ガイド.
まずはコンクリート製の白くて大きな鳥居を潜る.鳥居の側には,赤い大きな字で「御嶽山登山道」と刻字した巨石が飾られている.
登山道に入ってから暫くの間は,極,なだらかな下り坂が続き,やがて今度はなだらかな登り坂になる.登山道は道幅も広く,よく整備されていて歩きやすい.
■遙拝場
14時44分,遙拝場(2150m)を通過する.進行方向右手の入口から中を覗くと薄霧の中に赤色の屋根の建物が見えている.
エリアマップを見ると,田の原登山道入口から,この遙拝場辺りまで,私たちが歩いている登山道の他にも,田の原天然公園遊歩道という散策路があるようである.
<19人が長い列になって登る>
■大江権現
14時55分,大江権現を通過する.
登山道の勾配は少しずつきつくなってくる.バスの中から幾分上せ気味だった私は,熱射病にならないように,時々,ハイドレーションシステムから一口,二口,水を補給する.ハイドレーションシステムには,出がけに家の水道水を入れてきたが,もうすっかり生ぬるく暖まっていて,全く美味しくない.
■休憩に梅干し1個
15時10分,標高2315メートル地点で,5分ほど休憩を取る.
これまでの歩行速度は,きわめてユックリだが,バスの中から上せ気味の私には,結構,シンドイ.どうも気勢が上がらないので,リュックから梅干しを取り出して食べる.梅干しの酸っぱさが気分を爽やかにしてくれる.
15時15分,先頭を行く班が入れ替わって,再び歩き出す.
■金剛童子
15時29分,金剛童子(2390m)を通過する.この辺りから,登山道の勾配がかなり急になる.
私は事前に作っていたプロフィールマップを眺めながら,今日の宿泊地である王滝頂上小屋は,まだまだ先だなと確認する.
この辺りで森林限界を超える.辺りは岩稜が累々と重なる登山道らしい雰囲気になる.私たちは雲の中に入ったらしく,辺り一面に濃い霧が立ちこめていて,視界は殆ど利かなくなっている. 途中,沢山の登山者や巡礼者とすれ違う.
■八合目
15時41分,八合目(2460m)に到着する.ここで小休止.
休憩を取りながら,再びプロフィールマップをしげしげと眺める.
「・・ウ~ン・・丁度,半分ぐらいかな・・」
と独り言を言う.
そのとき,近くに居た女性が,
「これ,ご自分で作られたんですか・・?」
と私に話しかけてくる.
突然話しかけられたので,少々慌てるが,
「はい・・自分で作りました・・」
と答える.これを切っ掛けにして,登山をするときには,何時も事前にプロフィールマップを作ることや,地図のコピーをビニールケースに入れて,登山中,今,どの辺りを歩いているかを確かめるのが楽しいとお話しする.
この様子を見ていたガイドのM沢さんが,
「前穂・奥穂縦走のときにも,プロフィールマップを作っていましたね・・」
と昔のことを持ち出す.
私はM沢さんの記憶力の素晴らしさに大変ビックリする.
■霧の九合目
15時48分,八合目を出発する.上り勾配がさらにきつくなる.
16時15分,九合目を通過する.霧の中に大きな鳥居が立っているのが見える.
■九合目石室避難小屋
16時17分,標高2700メートル付近で小休止.
霧が幾分薄くなって,辺りの風景が見え出す.辺りは荒涼とした露岩帯の広場になっている.広場の先には榛松の緑が霧の向こうまでつながっているのが見える.
16時21分,再び歩き出す.
16時28分頃,一口水の脇を通り過ぎる.もっとも,どこから水が湧き出ているか良く分からないまま通過してしまう.
■最後の急坂
16時39分頃,霧の切れ目から,前方の稜線にある今日の宿泊地,王滝頂上小屋が見える.小山でもうすぐ先のように見えるが,ここからの急坂が結構辛い.私と同じ4班の女性1人が,歩行速度に着いていけずに遅れ出す.
体長がやや思わしくない私も結構辛いが,まあ,まあ,自分の体力内.我慢して登り続ける.
16時44分,釣鐘の脇を通過する.
あと,もう少しの辛抱である.
(つづく)
「北アルプスの山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/25b14e8abeb66dd588a0128911e17715
「北アルプスの山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b71d0fcf197c02a95a2b4c14f5f5d26e
※分類の都合上,御嶽山は北アルプスに含めた.
御嶽山:御嶽から濁河温泉へ縦走(1)
(北アルプス総合案内所)
2010年7月31日(土)~8月1日(日)
<御嶽山周辺地図>
※図の中の田の原から赤い線に沿って濁河温泉まで縦走した.
第1日目:7月31日(土)
<登山地図>
<プロフィールマップ>
<新宿から専用バスで田の原へ>
■早朝に山を下って大船へ
夏になると,丹沢の塔ノ岳ではどうしても物足りなくなり,何処でも良いから涼しい高山へ行きたくなる.とはいえ,私自身もすでに高齢者.安全を確保するために,少々,費用が掛かっても,登山ツアー専門旅行社のご厄介になろうと思う.
でも,どうせ行くのならば,いままで登ったことのない山へ行ってみようか.それもあんまり難度の高いところや,しんどいところは避けたい.そんなときにたまたま北アルプス総合案内所からのパソコンメールで見掛けた御嶽山へ行こうかと思い立つ.
御嶽山への登山ルートは,第1日目に田の原登山口から,王滝頂上小屋まで,第2日目は王滝頂上小屋から飛騨頂上,御嶽山剣ヶ峰,五ノ池を経由して濁河温泉に下山する魅力的なコースである.個人ではなかなかアクセスしにくいコースである.
初日,7月31日(土)は新宿駅前7時00分集合である.
私は,当初,湘南モノレールの初電に乗って,大船6時37分発東海道本線の電車で新宿へ行くつもりだったが,これでは大船駅前のコンビニで食料品を購入する時間がほとんどない.そこで,家から大船駅までの約3キロメートルの下り坂を歩くことにする.夜が明けて間もない4時25分頃,私は何時もの丹沢行きよりは少し重いリュックを背負って,自宅を出発する.今日も猛暑が予想されるが,それでも朝の内は,まだ涼しい.案外気持ちよく歩いて,予定より随分と早く大船駅へ到着する.駅前のコンビニで今日の行動食と非常食を購入して,大船駅5時09分発東海道本線の電車に乗車する.
■新宿駅
品川で山手線に乗り換えて,6時03分に新宿駅に到着する.集合時間まで,まだ1時間足らずの時間がある.駅西口構内のどこかでコーヒーでもユックリ味わいながら一休みしようかと思う.でも,構内をあちこち歩き回っても,この時間に開店している飲食店は全く見付からない.こうなると,時間潰しをするところがなくて,逆に困惑する.
仕方なく,長距離バス発着所に行ってみる.バスの発券所前には沢山の旅行客が詰め掛けている.発着所のトイレを借りた序でに,地下の売店を覗くが,開店が6時45分.まだ入れない.仕方なく,自販機で冷たいお茶を購入,暫くの間,長距離バス発着所でお茶を飲みながら,ひたすら時が経つのを待つ.
6時40分頃,集合場所へ行ってみる.これから出発する旅行者が沢山屯している.あちこちに目印の旗や看板を掲げた旅行社の係員が立っている.野鳥を見る会,ナントカ温泉を巡る旅,等々,いろいろな旅があるようだ.
私が参加する「北アルプス総合案内所」の受付は何処だろうかとキョロキョロしていると.どこからともなく,
「・・FHさん,FHさん・・」
と私の名前を呼ぶ声が聞こえてくる.
私はビックリして,声の方を見ると,どこかで合ったことがある男性が,
「こちらですよ・・」
と手招きする.声の主は,北アルプス総合案内所のガイド,M沢さんである.
M沢さんから,5年ほど前の前穂高岳・奥穂高岳縦走で一緒だったと聞かされる.よくもまあ,5年前に会った顧客の名前まで覚えているなと心底から感心する.
「あのときは,沢山のお仲間と参加していただきましたね・・」
と,5年前のことをつい昨日のことのように話す.私はM沢さんの記憶力に,ただ,ただ,ビックリ.
今日の参加者は,男性6人,女性11人,合計17人とのことである.
■田の原登山口
私たちを乗せた小型の専用バスは,新宿駅西口を,予定通り7時01分に発車する.「ときバス」という会社のバスである.
私の座席は真ん中より少し後ろの通路側.私の隣の窓側の席には,かなり高年齢と思われる男性が座っている.互いに自己紹介.この男性も鎌倉に住んで居られるという.私より年配かなと思っていた.でも,後でガイドのMさわさんに確かめると,今回の参加者で最高年齢は私だと聞かされる.
私たちのバスは.都心では大した渋滞もなく順調に走っていたが,郊外に出るに従って,段々と渋滞が激しくなる.9時28分にようやく談合坂SAに到着する.ここで休憩. その後,途中で事故現場を通過するのに手間取って,12時09分,ようやく伊那インターチェンジから一般道に降りる.
地図をリュックに仕舞いっぱなしにしていたので,どこをどう通ったのかフォローできないが,バスはJR中央本線沿いに木曾谷を下っている.
12時45分,木曽福島郊外にある「道の駅」に到着する.ここでトイレ休憩.その後,上松付近から県道473号線に入る.王滝で右折して,御岳王滝黒沢線に入る.ここから九十九折りの急坂を北上する.バスの冷房が殆ど利いていない.新宿を出発してから,車内の気温は,ずっと32℃を越えたままである.私はバスの中に要るにもかかわらず,頭がボ~ッとした感じになり,冷や汗が出てくる.どうやら軽い熱射病になったのではないかと心配になる.
御嶽山はさすがに信仰の山である.道路の両側には夥しい数の石塔が,殆ど切れ目なく立ち並んでいる.立派なお社も幾つか見える.残念ながら,リュックの中にカメラをしまったままなので,石塔群の写真は撮れなかった.
私たちを乗せたバスは,14時11分,ようやく登山口の「田の原」(標高2190m)に到着する.
<王滝頂上小屋を目指して>
■白い大きな鳥居から登山開始
田の原登山口は,白装束巡礼の方々が沢山居られる.随分と盛況である.
広場の片隅で,軽くストレッチをしてから,4班に組み分けして,14時33分に,1班から順番に出発する.私は4班で,歩き出しはシンガリ.
先頭はリーダーのM沢ガイド,シンガリはY沢ガイド.
まずはコンクリート製の白くて大きな鳥居を潜る.鳥居の側には,赤い大きな字で「御嶽山登山道」と刻字した巨石が飾られている.
登山道に入ってから暫くの間は,極,なだらかな下り坂が続き,やがて今度はなだらかな登り坂になる.登山道は道幅も広く,よく整備されていて歩きやすい.
■遙拝場
14時44分,遙拝場(2150m)を通過する.進行方向右手の入口から中を覗くと薄霧の中に赤色の屋根の建物が見えている.
エリアマップを見ると,田の原登山道入口から,この遙拝場辺りまで,私たちが歩いている登山道の他にも,田の原天然公園遊歩道という散策路があるようである.
<19人が長い列になって登る>
■大江権現
14時55分,大江権現を通過する.
登山道の勾配は少しずつきつくなってくる.バスの中から幾分上せ気味だった私は,熱射病にならないように,時々,ハイドレーションシステムから一口,二口,水を補給する.ハイドレーションシステムには,出がけに家の水道水を入れてきたが,もうすっかり生ぬるく暖まっていて,全く美味しくない.
■休憩に梅干し1個
15時10分,標高2315メートル地点で,5分ほど休憩を取る.
これまでの歩行速度は,きわめてユックリだが,バスの中から上せ気味の私には,結構,シンドイ.どうも気勢が上がらないので,リュックから梅干しを取り出して食べる.梅干しの酸っぱさが気分を爽やかにしてくれる.
15時15分,先頭を行く班が入れ替わって,再び歩き出す.
■金剛童子
15時29分,金剛童子(2390m)を通過する.この辺りから,登山道の勾配がかなり急になる.
私は事前に作っていたプロフィールマップを眺めながら,今日の宿泊地である王滝頂上小屋は,まだまだ先だなと確認する.
この辺りで森林限界を超える.辺りは岩稜が累々と重なる登山道らしい雰囲気になる.私たちは雲の中に入ったらしく,辺り一面に濃い霧が立ちこめていて,視界は殆ど利かなくなっている. 途中,沢山の登山者や巡礼者とすれ違う.
■八合目
15時41分,八合目(2460m)に到着する.ここで小休止.
休憩を取りながら,再びプロフィールマップをしげしげと眺める.
「・・ウ~ン・・丁度,半分ぐらいかな・・」
と独り言を言う.
そのとき,近くに居た女性が,
「これ,ご自分で作られたんですか・・?」
と私に話しかけてくる.
突然話しかけられたので,少々慌てるが,
「はい・・自分で作りました・・」
と答える.これを切っ掛けにして,登山をするときには,何時も事前にプロフィールマップを作ることや,地図のコピーをビニールケースに入れて,登山中,今,どの辺りを歩いているかを確かめるのが楽しいとお話しする.
この様子を見ていたガイドのM沢さんが,
「前穂・奥穂縦走のときにも,プロフィールマップを作っていましたね・・」
と昔のことを持ち出す.
私はM沢さんの記憶力の素晴らしさに大変ビックリする.
■霧の九合目
15時48分,八合目を出発する.上り勾配がさらにきつくなる.
16時15分,九合目を通過する.霧の中に大きな鳥居が立っているのが見える.
■九合目石室避難小屋
16時17分,標高2700メートル付近で小休止.
霧が幾分薄くなって,辺りの風景が見え出す.辺りは荒涼とした露岩帯の広場になっている.広場の先には榛松の緑が霧の向こうまでつながっているのが見える.
16時21分,再び歩き出す.
16時28分頃,一口水の脇を通り過ぎる.もっとも,どこから水が湧き出ているか良く分からないまま通過してしまう.
■最後の急坂
16時39分頃,霧の切れ目から,前方の稜線にある今日の宿泊地,王滝頂上小屋が見える.小山でもうすぐ先のように見えるが,ここからの急坂が結構辛い.私と同じ4班の女性1人が,歩行速度に着いていけずに遅れ出す.
体長がやや思わしくない私も結構辛いが,まあ,まあ,自分の体力内.我慢して登り続ける.
16時44分,釣鐘の脇を通過する.
あと,もう少しの辛抱である.
(つづく)
「北アルプスの山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/25b14e8abeb66dd588a0128911e17715
「北アルプスの山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b71d0fcf197c02a95a2b4c14f5f5d26e
※分類の都合上,御嶽山は北アルプスに含めた.