中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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紅葉と霧の富士山を望む丹沢:塔ノ岳(大倉尾根)(今年33目)

2010年11月25日 16時27分58秒 | 丹沢の山旅
                           <塔ノ岳山頂からの眺望>

      紅葉と霧の富士山を望む丹沢:塔ノ岳(大倉尾根)(今年33目)
                         (単独山行)
               2010年11月24日(水)
 曇

■久々の塔ノ岳
 久々の塔ノ岳である.先月,29日に塔ノ岳を登ってから,3週間ぶりの登山である.
 この3週間の間に,2泊3日の甲州道中巡りや,御嶽山・大岳山登山,山旅スクール5期の皆さんとの鎌倉ハイキングなど,多少,歩く機会があったものの,私の関心事は水彩画に向いていた.11月13日から18日まで,横浜関内で開催された神奈美会員展への絵画の出展,翌,20日の鎌倉美術家協会主催の研究会に2枚の絵を提出するなど,もっぱら水彩画で明け暮れていた.
 そんな毎日が続いている間に,私は何となく自分の足の太ももが細くなったような気がしてくる.
 「このままではダメだ,・・やっぱり塔ノ岳を往復してこよう」
と24日の早朝思い立つ.
 即,実行ということで,早朝,5時10分に家を出発する.今朝は比較的温かいという予報だったが,とにかく寒くて,真っ暗である.上空には厚い雲が漂っているようである.
 小田原駅を経由して渋沢駅前の大倉行バス停に降りる.1番バスはまだ来ていない.列に並ぶ.最後尾の男性の前に,お二人のご常連の女性が並んでいる.お二人に軽く会釈をする.すると最後尾の男性が,自分に挨拶されたと勘違いされて,私に話しかけてくる.1番バスには,三角髭のTさん,カメラマンのMさん,努力家のMさん他,数名のご常連が乗車している.同乗している乗客は10数人.
 「昨日は休日だったけど,天気が悪かったので,(1番バスには)ご常連数人しか乗っていなかったようですよ・・・」
と三角髭のTさんが教えてくれる.

■今日はどうも調子が悪い
 バスが大倉に到着すると,韋駄天の皆さんはすぐに登山を開始する.私は例によって,どういう訳かもたもたしていて,歩き出しが遅れる.
 7時06分,ようやく私も大倉から歩き出す.歩き出した途端に,身体が重いなと感じる.やっぱり3週間のブランクは,脚力に大きく響いているようである.
 登山道は,昨日までの雨で,ビショビショに濡れていて,滑りやすそうである.
 天気予報では,午後一時曇るものの終日晴れの筈だが,山の山麓近くまで厚い雲に覆われている.やや遅れて出発したためか,登山道に入ってからも,私の前後には全く人の影が見えない.
 「今日はどうも調子が悪いな・・」
と思いながら,何時ものペースより1割方落としたペースで登り続ける.

■何だか自慢されてしまう
 7時20分,丹沢ベースを通過する.丹沢ベース脇の広場から,休憩を取っていた男性がヒョッコリ私の前に現れる.先ほど,渋沢駅バス停で私の前に並んでいた男性である.年の頃は良く分からないが50~60歳代前半ぐらいかなと,勝手に人の年齢を推測する.私は,この男性に話しかけられるまま,暫くの間,さらにペースを落として,一緒に登ることにする.
 「・・この間,丹沢の蛭ヶ岳まで日帰りで行きました.北アルプスの○○山に登りました.○○の温泉が良かったです・・と頻りに自慢する」
 私は,心の中で,
 「ああ・・また例のパターンの方だな・・」
と思いながらも相槌を打ちながら,観音茶屋付近まで,一緒に登り続ける.ところが,この男性の息遣いがハアハアしているので,差し出がましいとは思いながら,
 「少しペースが速すぎるんではないですか・・」
と注意する.
 「いえ・・何時もこんなペースで登っているんです・・」
と,どうやら私の忠告を聞く耳を持たないようである.こういう方ほど,事故を起こしやすいなと思いながらも,
 「では,お先に失礼します・・」
と挨拶して,先へ進む.

■光る海と見事な紅葉
 観音茶屋から,分岐を過ぎて振り返ると,カメラマンのMさんが,すぐ近くまで来ている.そこでMさんを待って,見晴茶屋付近まで一緒に登る.
 この辺りの紅葉は,今が見頃.紅葉に囲まれた見晴茶屋の情景も絵になるなと思う.茶屋前からは眼下に相模湾が見下ろせる.丁度,雲間からこぼれる太陽の光が海に反射して光って見えている.
 素晴らしい光景である.ここで足を止めて,数枚の写真を撮る.
 途中,努力家のNさんに追いつく.
 「FHさん・・この間のロッキー山脈の旅で,うちの町内会長のTさんとご一緒だったでしょう・・」
とNさんが私に話しかける.
 「はて?,Tさんって・・?」
 物忘れの激しい私には,Tさんと言われても,咄嗟には思い出せない.
 
<光る海:見晴茶屋からの眺望>



■富士山は雲の中
 7時48分,見晴茶屋を通過する.一見の男性と雑談したり,写真を撮ったりで,随分,時間が押している.茶屋を過ぎてすぐの急階段を登り,一本松までの紅葉坂にさしかかる.丁度紅葉が見頃を迎えている.こうなるとラップタイムなどどうでも良くなり,紅葉の写真を撮りまくる,ただ,曇り空なので,紅葉の色がどうしてもくすんで見えるのが残念である.
 8時30分,堀山の尾根から富士山の方向を眺めるが,富士山は雲の中である.ただ,尾根道両側の紅葉が丁度見頃である.

■萱場平
 8時39分,堀山の家を通過する.気温6.2℃.登山には最適な気温である.堀山の家からの坂道を登っていると,次第に歩行ペースが落ちてくる.何となくシャリバテのような感じがする.朝食に薄いパンを1枚しか食べなかったのが影響しているのかなと思いながら,一段とペースを落として,無理をしないように気を遣いながら登り続ける.
 9時01分,漸く萱場平に到着する.普段だったら,そろそろ花立山荘に到着する時間である.辺りにはかなり濃い霧が立ちこめていて,視界は良くない.
 

■余りのギャップ,速いご常連
 萱場平を過ぎてから,一段とシャリバテがきつくなる.仕方がないので更に登頂速度を落とす.その間に,数名の若者に追い抜かれる.
 前方から10数名の団体が下山してくるのとすれ違う.
 あと7分坂の手前で,同じバスに乗っていた韋駄天組2人が下山してくるのとすれ違う.
 「やあ.やあ.・・」
と挨拶してすれ違うが,余りの速さの違いに,さすがの私もがっくり来る.
 また,前方から男性がニコニコしながら下山してくる.
 「Nです.相変わらずお元気ですね」
と私に声を掛ける.ローギャー氏の弟さんである.どうやらNさんも,私と同じ1番バスに乗って居られたようである.

<尊仏山荘小屋番が下る>


<Yさん>


<韋駄天組>

■花立山荘で食事
 あと7分坂を,10分も掛けて,9時20分,漸く花立山荘に到着する.私が到着すると同時に,後ろから来たカメラマンのMさんも山荘に到着する.
 私は,ベンチにリュックを降ろして,昼食用の握り飯を1個,食べることにする.たった1個の握り飯でも,口に入れると,シャリバテ感がすぐになくなるから不思議である.
 Mさんは,私の隣で水を補給して,すぐに出発する.私も,Mさんとほぼ同時に後を追うように出発する.ところが,100メートルほど登ったところで,ボールペンを落としたことに気がつく.ボールペンなど放置して,そのまま登ろうか,それとも拾いに戻ろうかと迷ったが,面倒臭いなと思いながらも,拾いに戻る.花立山荘のベンチ付近を探し回り,ようやく落としたボールペンを拾う.
 もう,こうなると,早く登ろうという気持ちは全く失せてしまう.

■ユックリ歩くのも乙なもの
 9時42分,金冷シの手前で,下山してくる三角髭のTさんとすれ違う.
 「ユックリしか歩けないんで,まだ,こんな所ですよ・・」
と私は照れ笑いする.
 「ユックリ登るのも,味なものですよ・・またお会いしましょう」
と素敵な挨拶を残して,Tさんが下山していく.

■素晴らしい富士山の眺め
 9時47分,漸く金冷シを通過する.辺り一面に濃い霧が立ちこめている.汗をかかない歩きに徹している私は随分寒く感じるようになっている.気温は6.8℃.
 半ばへばりそうになりながら,10時03分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は7.3℃.寒い.
 山頂で立ち休憩をしながら,辺りを見回す.尊仏山荘は霧の中で薄ぼんやりと見えている.数名の登山客が山頂で休憩を取っている.
 メモ帳を取り出して,到着時間などを記録していると,近くに居る登山客が,
 「凄い! 富士山が見えますよ・・」
と言う.
 急いで富士山の方を見ると,また,すぐに霧の中に隠れる.
 暫く見守っていると,霧の中からうっすらと富士山が見え出す.その後,霧に隠れたり見えたりしながらも,次第に良く見えるようになる.
 ほんの数分の内に,富士山だけでなく,南アルプスまで見え出す.まさに大スペクタクル.素晴らしい光景である.どんな絵よりも素晴らしいなと感激する.瞬く間に,私は夥しい枚数の写真を撮りまくる.
 



■尊仏山荘に寄らずに下山
 フト気がつくと,もう10時を大分廻っている.これでは,尊仏山荘に立ち寄っている時間はない.遠目で猫御殿を見上げる.もし,猫御殿の窓際にミー君がいたら写真だけでも撮ろうかと思ったが,残念ながらミー君は不在.
 私は,今日だけは尊仏山荘に立ち寄るのを諦めて,そのまま下山を開始する.ただ寒いので,ヤッケとやや厚手の手袋をはめる.
 途中,顔見知りのご常連とすれ違う.私の真冬に近い服装を見て,“なんだ,それは”というような仕草をする.確かに下山し始めると暑くなる.私は仕方なく花立山荘で衣服調整のため休憩を取る.ヤッケを丸めてリュックに収めるのに,もたもたして,結局,10分ほど遅れる.
 お天気はやや回復している.一本松付近の紅葉が,往路のときより鮮やかに見える.そこでまた道草.こんなことを繰り返して,大倉に下山したときには13時近くになってしまう.何時もより1時間ほど遅い下山である.
 “もう少し頻繁に塔ノ岳詣でをして,脚力をつよくしなければ・・”
反省すること頻りである.

[ラップタイム]

 7:06  大倉歩き出し
 7:29  観音茶屋(7:31まで立ち話)
 7:48  見晴茶屋(7.8℃)
 8:20  駒止茶屋(5.2℃)
 8:39  堀山の家(6.8℃)
 9:20  花立山荘(9:33まで食事)
 9:47  金冷シ
10:03  塔ノ岳山頂 着(7.3℃)
=============================================
10:22  塔ノ岳山頂 発
10:37  金冷シ
10:50  花立山荘(11:01まで衣装替え)
11:41  堀山の家
11:57  駒止茶屋
12:24  見晴茶屋
12:38  観音茶屋
12:58  大倉 着

[山行記録]

■水平距離 
      7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉  発       7:06
   塔ノ岳 着      10:03
 (所要時間)  2時間57分(2.95h)
 登攀速度   1269m/2.95h=430.2m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳 発      10:22
  大倉  着      12:58
 (所要時間)  2時間36分(2.60h)
 下降速度   1269m/2.60h=488.1m/h
                             (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6eabeb2b47d2ec1079d47bb574751660
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8f58a2182d6438bc7ab817a74251dbbb 


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