中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

ルアペフ山・タラナキ山登頂記(20)タラナキ滝の滝壺

2006年04月18日 05時52分06秒 | ニュージーランド:ルアペフ・タラナキ
タラナキ滝の滝壺

2006年1月31日(火) その4
<<タマ湖・タラナキ滝周遊>>
 シェルターの中で風を避けながら昼食を摂る。眼下には上タマ湖の素晴らしい風景が展開している。ガイド頭が,
 「皆さんの中で,足が強いのは誰ですか?」
と真顔で聞く。すかさず私が,
 「それはフクロウですよ,次がバーダー・・・」
と答える。
 「じゃあ・・・フクロウ,貴方はリュックに石3個入れて歩きなさい。バーダーは2個,山欠菌は1個持つんだよ・・・」
と冗談を言う。
 12:52,私達はシェルターから這い出て帰路につく。暫くの間は,往路をそのまま下る。
 13:12,鞍部付近でガイド頭が,私達に「止まれ」と合図する。
 「ここにとても良いサンプルがあるよ・・・」
と言いながら,こんもりとした土饅頭の上に立つ。
 この饅頭の下には溶岩が顔を出している。その溶岩の上に軽石(Pumice stone)が堆積している。そして,その隣には炭化した植物が埋まっている。この炭化物は,およそ1800年前の噴火で焼かれた植物だという。なるほど,面白いところである。
 13:21,下タマ湖の標識の所まで,やっと戻る。先ほど登るときには,上タマ湖見たさに夢中で登ったが,帰途に同じ道を辿ってみると,やけに長く感じる。この辺りから,ゆるい下り坂になる。そして,13:13,「Upper Tama LakeとOld Waiham Hut」の交差点に達する。
ここから下り坂が少し急になる。私達は小川に沿って河原道を下っていく。
13:39,標高1,345メートル付近で小休止する。この辺りまで下ってくると,多少蒸し暑く感じるようになる。ここで防寒着を脱ぐ。そして,13:43,出発する。この辺りから少し登り坂になる。また雨が降り出す。14:12から14:18まで,標高1,400メートル地点で,また休憩になる。私は再び雨具の上着を装着する。これまで歩いてきた道を振り返ると,私達は広々とした山裾の中に居ることが分かる。遠くには,一昨日,私達が通ったトンガリロクロッシングのコースが見える。
ここが峠になっていて,ここからは単調で長い下り坂が続く。途中で下るのが厭になるほど,長い下り坂である。そして,14:35,川を渡る。ガイド頭が,
「ここは,添乗員のSさんが転んだところだよ・・・・足下に注意して渡りなさい・・・」
と大声で注意する。Sさんが苦笑している。皆,滑りそうな石を注意して渡る。
 この辺りからトラバース道になる。いつの間にか雲が高くなっている。そして辺りの見通しが随分と良くなっている。
 14:42,待望のタラナキ滝への分岐点に到着する。
 分岐点は高台になっていて,そこから先は切り立った断崖になっている。断崖近くに立つと,眼下にタラナキ滝が流下しているのが見える。
滝の向こうには広大な樹林帯が広がっている。素晴らしい眺めである。一同,ここで,思い思いに写真を撮り合う。
 14:45,酋長さんを先頭にして,タラナキ滝を目指して,急な階段を下る。酋長さんが余りにゆっくりと下りているので,しびれを切らした私は,酋長さんを追い越して先に下りる。下り階段が終わると,深い樹林帯に入る。その樹林帯を抜けると,急に明るい展望台に出る。この展望台からは,高さ数十メートルのタラナキ滝の全景が良く見える。豊富な水量の滝である。轟々と大きな音を響かせながら,数十メートルの断崖を一気に流下している。
 展望台から更に標高で10メートルほど下ると露岩帯にでる。沢山の観光客が来ている。私達のようにフル装備の登山屋は殆ど居ない。大多数の人達はごくごく軽装で来ている。多分,この滝だけを見物に来ている人達であろう。
 ガイド頭が,私達に,
 「滝の裏側まで行こう・・・」
と私達を誘う。
 露岩帯の石の上にリュックを置いて,滑りやすい石を伝って滝の裏側まで行く。はげしい水しぶきが旋風を呼んで,容赦なく吹き付けてくる。とても長時間は止まれない。そそくさと滝の裏側の写真を撮って,早々に引き上げる。
 「この滝の高さは43メートルだよ・・・」
とガイド頭が大声で叫んでいる。
 私達は,山学校で休憩時間は10分程度で済ますように訓練を受けている。誰ともなしにリュックを背負って歩き出す準備をする。すると,添乗員のSさんが,
 「・・・これから先には,特別に見物するところはありません。もう少し,ここでユックリして行きましょうよ・・・」
と提案する。勿論,異論はない。
              (第20話おわり)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。