<最近のミー君(2012/2/10撮影)>
丹沢:塔ノ岳尊仏山荘招き猫“ミャ~”の交友録(1)
2012年2月19日(日)晴
このところ,日程の都合さえ付けば,塔ノ岳詣でをするつもりではいるが,実際には細々とした雑務があって,思うようにならないことが多い.でも,これも浮き世の常なので甘んじるしかない.
また,当ブログに書き留めておきたいことも沢山あるのだが,一度に投稿できる文字数の上限があって,それを1字でもオーバーすると,プロバイダーから,「文字数がオーバーしています」というメッセージが一方的に送られてきて,どうにもならなくなる.これがまた,おしゃべり好きな私には結構なストレスになる.
まあ,そんなわけで,日頃,書き留めておきたいなと思っている諸々を,折に触れて,番外編として纏めておきたいなと思い始める.
…で,今回は,日頃懇意にさせていただいている尊仏山荘の営業部長山ネコ“ミー君”のことを,少し記録しておきたい.なお,このブログでは,このネコのことを“ミー君”と表記するが,正式には”ミャ~君”という.このことを最初にお断りしておこう.
まず最初に,7年前,つまり2005年のミー君の写真を披露にしよう.
■7年前のミー君
下の写真は2005年5月8日のミー君の写真である.巻頭の2012年2月10日の写真と比較すると,5年前のミー君は,やっぱり若くて,目もパッチリしている.
ネコもやっぱり年を取ると,何となく老け顔になることが良く分かる.
それに,ミー君は,ずっと以前から,寒くなると,ストーブの前で丸くなっていたことが分かる.
2005/5/8 受付をしているミー君;7年前の肖像・.実にハンサムですね.
2006/1/31 寒いなあ
*******************************
■ミー君は傘寿?
ミー君は,正真正銘の“山ネコ”である,一人(一匹が正しいが・・)超然として,塔ノ岳山頂という別天地に住み着いてから,早,12歳になった.
ちょっと話が逸れるが,今から10数年前に“dog year”,つまり“犬の年齢”という言葉が流行した.つまり,
犬の1年=人間の7年
という例え話,つまり仮説である.
この例え話が流行った背景には,当時急速に発達した情報技術革新がある.あの頃は猫も杓子も,「高度情報化社会」あるいは「IT革命」という言葉に浮かれていた.
変化のが激しい時代に,ぼやぼやと1年を過ごすと,社会はこれまでの7倍の速度で変化するので,7年遅れてしまいますよ・・・だから,シッカリと情報技術を駆使しないと,世の中の流れに取り残されますよ,企業間競争にも負けてしまいますよというご託宣である.
私はときどき自分でしたためた古い記録を取りだして,来し方行く末を思案したり懐かしんだりしているが,尊仏山荘のミー君に会う度に,この"dog year"が気になって仕方がない.
犬と猫とは違うかも知れない.私には生物学のことは良く分からないが,同じほ乳類の中でも,犬と猫とはかなり近い動物のようである.そうすると,"dog year"は,そのまま"cat year"として成り立つかも知れない.とすると我が愛するミー君も,人間の年に換算すると,
12歳×7=84歳
ということになる.もう,傘寿を大分越えている.
”ヤヤッ・・・オマエ,オレ様より年寄りだ・・・!”
私は,この事実に愕然とするのである.
…で,ここまで,何となく文章を書き進んでから,“ふと”考える.
ミー君が人間の年に換算すると84歳だということを説明するのに,なんとまあ,沢山の文字を使ったことが・・・!
これが,まあ,私が文章を書くのに“おしゃべり”な所以である.
2005/5/8 ”何か用事があるの”と私に聞いている 2006/6/11 可愛いポーズ
2007/3/6 山荘入り口の戸を開けてくれるのを待っている. 2007/8/26 やっと小屋の中に入れた
2007/11/28 寒いときはストーブの前が一番 07/12/30 ストーブの前で暖を取る
■ネコのSさん
私はミー君の大ファンである.その理由は,大自然の中で,ネコ一匹,超然と孤高で過ごすミー君の生き様にある.もっとも,若い頃には,大倉くんだりまで,「ガ~オン,ガ~オン,・・」と嬌声を張り上げて,恋の旅をしたり,表尾根を放浪する内に大雪で遭難しかけたり・・と,色々な武勇伝があるようだが,今は,すっかり悟りの境地のようである.
ミー君を“ネコっ可愛がり”してくれた小屋番のOさんは,昨年,退職されてしまった.その後,ミー君はどうなることかと心配していたが,当のミー君は,案外平気で,後任のW林さんやW田さんにすっかり懐いている.この辺りが,人間ベッタリの犬と違うところだろう.
ミー君と連動して思い出すのが,このブログでしばしば登場していた”ネコのSさん”である.
Sさんは,本当に良くミー君の面倒を見ていた.ミー君に会う度に,ミー君の耳の掃除をしたり,首輪を新調したりで大変可愛がっていた.昨年秋頃,またSさんが塔ノ岳に登ってくるかも知れないという噂をちょっとだけ耳にしたが,まだ登っては来られないようである.私のブログにも,富士山が良く見えるところで,ミー君と一緒に歩いているSさんの写真がある.懐かしい写真である.
2006/4/6 Sさんの後に付いて颯爽と歩くミー君
2009/1/15 Sさんとミー君;ネコがSさんに頼り切っている 2009/2/12 Sさんに抱っこされて・・
2009/2/26 Sさんにだかれるミー君
2009/3/5 富士山とSさんとミー君.FHが一番気に入っている写真である
■ネコ御殿のミー君
私が度々塔ノ岳に登るのは,塔ノ岳がそれだけ魅力的な山だからである.
まず第1に,半日ぐらいの間に往復できるという手軽さがあるだろう.
第2に,いつも上り下りする大倉尾根が,急坂と平らなところが交互に現れて,とても変化に富んでいることだろう.
第3に,たとえ平日でも,多くの登山客が登っているので,沢山の顔見知りの方々とお会いできることだろう.
それに忘れてはならないのは,何といってもミー君の存在である.私は,塔ノ岳を訪れるとき,いつも,今日はミー君に会えるかなと道すがら思い続けている.そんな意味からも,私にとって,ミー君はれっきとしたご常連の1人(1匹)である.
何時もオットリとしているミー君に会えると,本当に癒される.
もう,かれこれ4~5年前になるだろうか.たまたま尊仏山荘で一緒になったK大Nさんと,雑談していると,そこにミー君がのっそりと表れた.
「お前が居ると癒されるな・・・お前が居ると,山荘に来る張り合いがあるよ」
と言いながら,ミー君の背中を撫でる.
「お前は,客を呼ぶ招き猫だな・・・さしずめ尊仏山荘の営業部長だな・・・」
これが,ミー君のことを,尊仏山荘の営業部長と言い始めた最初である.
このことを,当ブログで書いたところ,多くの方々の目に止まったらしくて,ミー君のことを営業部長と言われる方が何人か居られる.
あるとき,ミー君のお相手をしながら,
「そうだ! 尊仏山荘のことを『山ネコ山荘』と呼ぶことにしようか・・」
と冗談を言う.すると,それを聞いていたオーナーのH立さんが,
「尊仏山荘という立派な名前があるので,ダメです・・」
と真顔で言う.
じゃあ・・仕方がない.尊仏山荘の隣の建物をネコ御殿と呼ぶことで我慢することにする.
ミー君は,時々,このネコ御殿の窓際に座り込んで,尊仏山荘に出入りする私たちを,ジッと見下ろしていることが多い.
2007/12/30 ネコ御殿で日向ぼっこ
■ネコの忠実な僕(シモベ)Oさん
ミー君と切っても切れない縁があるのが,昨年,尊仏山荘を退職したOさんである.
Oさんは,在職中,本当に良くミー君の世話を見ていた.ミー君もOさんにベッタリだった.
「オレは,こいつの忠実な僕(シモベ)ですよ・・」
と,何時もOさんが言っていた.
尊仏山荘で,Oさんとミー君が一緒に小屋番をしている微笑ましいスナップ写真が,私のデジカメに沢山残っている.
2009/3/26 小屋番Oさんと一緒に.Oさんはミー君の忠実な僕である.
2009/6/1 受付のお手伝いもミー君の仕事
■ミー君は色々な人を見ている
2009年7月初旬,塔ノ岳の鉄人,M馬さんが塔ノ岳登頂2000回を達成した.その直後の7月14日,ミー君はM馬さんの近くに座って,M馬さんの仕事を見守っていた.
2009年7月14日 登頂2000回を達成したM馬さんとミー君
■ミー君は正真正銘の山猫だ
私は,ミー君に合っているときに,何時も連想する童話がある.それは宮沢賢治の「注文のおおい料理店」といいう短編である.
二人の紳士が山の中で「山猫軒」という西洋料理店を見つける.店に入ると,
「ネクタイピン,カフスボタン,めがね,さいふ,その他金物類を外せ・・クリームを顔や手足に塗れ」
などと次々に注文が続く.そこで,紳士は自分たちが山猫の餌食になりそうだと気がつく・・・という話である.
子どもの頃,宮沢賢治の童話が大好きだった私は,この童話を読んだときの印象を鮮明に覚えている.
私は,ミー君と会う度に,この童話に出てくる山猫を連想してしまう.
2009/12/15 特技:右手で水をすくって飲む 2010/12/25 満腹なのでゴロリ昼寝
2010/12/25 W林さんに遊んでもらう
■ミー君は意外にグルメ
ミー君は意外にもグルメネコである.客がミー君に差し出す食べ物も気が向かないと,ちょっと匂いを嗅いだだけで,“プイッ”と顔を背けてしまう.そんなミー君の仕草を見ていると,注文の多い料理店の山猫が,これから食べようとする旅人に,クリームを体に塗りたくれだのとやたらに色々なことを注文している情景をついつい連想してしまう.
「(童話のネコの)体つきも,多分,ミー君そっくりなんだろうな・・・」
私はこんなことを思いながら,一人でニヤニヤしてしまう.
とはいえ,ミー君も料理店ならぬ山小屋の人気看板ネコである.山荘だけでなく,尋ねてくる登山客にも,大いに福を招いてもらいたいなと思っている.
注文の多い料理店の看板(『宮沢賢治童話集』,1969,実業之日本社より引用)
注文の多い料理店の本文出だし 注文の多い料理店
※何れも前掲書から引用
■注文の多い料理店は尊仏山荘に似ているかも・・・
手許にある宮沢賢治の童話集を見る.挿絵の「山猫軒」(上の絵)が,何となく尊仏山荘に似ている.だから,尊仏山荘は“ネコ御殿”なのである.
ミー君が店長になって,尊仏山荘内に「山猫ミーのグルメショップ」でも開いてくれたら,私は間違いなく上得意さんになるだろう.
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/35445ce5f5481356f94af85e98ba2772
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d706f7e9e73c47041c38537638de05bc
*****************************
[編集後記]
2012年2月20日(月)
土日の2日間,フルタイムで家族一統とのお付き合いに費やした.今日(2月20日)こそ塔ノ岳へ行くぞと心に決めていた.
ところがあまりに気合いが入りすぎて,今朝方2時に目が覚めてしまう.いくら何でも,このまま起き出すには早すぎるので,あと2時間ぐらいは寝ようと思う.
これがいけなかった!
「ハッ・・!」
と気がついたら,6時を回っている.途端に戦意喪失.
「や~めたっ・・!」
もちろん,今からでも塔ノ岳を日帰りで廻ってこれるのだが・・・・・でも,それでは私の美学に反してしまう.
…というわけで,今日,午前中は水彩画の仕上げに注力しようと思っている.
それに,Y川さんに依頼されている掲示板の原稿作りに励むことにしよう.
(愚痴おわり)