中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

光岳・聖岳縦走(8)

2007年09月13日 05時05分37秒 | 南アルプス・西日本

      ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
          南アルプス:光岳・聖岳縦走(8)
          (アルパインツアーサービス)
             聖岳登頂
        2007年9月1日(土)~5日(水)
      ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


     ←引き続き南アルプス:光岳・聖岳の記事をご覧になる場合は,
     左の『CATEGORY』欄から,
     「南アルプスの山旅」を選んでクリックして下さい。


 ※9月8日(土)の「鎌っこ倉ぶ例会」,9月9日(日)の「東海道五十三次宿場巡り」
    および、9月13日(水)の「塔ノ岳登頂」の様子は,この「光岳・聖岳」の連載が
    終わり次第掲載します。


第3日目:9月4日(火)
 快晴

<上河内岳へ>

■茶臼小屋の朝

 昨夜も暑かった。ウトウトと眠っているような,目覚めているような,曖昧な時間が遅々と過ぎていく。ふとシッカリと目が覚める。そっと時計を見ると,まだ22時を少し過ぎたばかりである。無理をして眠ろうとする。眠れないと思っている内に,ウトウトしているらしくて,後になって妙な夢を見ていたことに気が付く・・・
 何時の間にか私は寮生活をしている大学生になっている。寮は南寮,中寮および北寮の3棟が平行に並んでいる。渡3棟の両側および真ん中に作られている渡り廊下で,それぞれが結ばれている。私の部屋は中棟2階の真ん中辺りにある。出席の義務がある大教室での行事に遅れて入ろうとするが,満員で入れない。サボっちゃえ・・・で,自分の部屋へ戻ろうとする。その内に,中棟の2階だと思ったところに自分の部屋がない・・・困った! 念のために隣の棟に行ってみる。やっぱり自分の部屋が見付からない・・・
 夢の中で,途方に暮れているときに,目が覚めた。私達の隣の部屋に宿泊している東京毎日のグループが,ゴソゴソし始めている。まだ,3時30分を過ぎた頃である。うるさいなと思いながらも,私は目覚めているのか眠っているのか曖昧な状態で,4時30分を迎える。そろそろ起床の時間である。同行の仲間達もゴソゴソし始める。
                   <茶臼小屋の日の出>


                    <茶臼小屋の朝食>

 5時から朝食である。ソソクサと朝食を済ませて,直ぐにリュックを持って小屋の外に出る。丁度5時20分である。この所,日を追うごとに,夜が明けるのが遅くなっている。それでも,5時22分,富士山の直ぐ北側から朝日が昇り始める。朝の太陽は,何回,見ても黄金色に輝いていて神秘的である。
 今日の行程は,今回の縦走の中で一番厳しい。これから上河内岳を越えて,一旦,鞍部の聖平まで下る。そこから,標高差800メートルの聖岳を往復し,聖平小屋に宿泊する予定である。果たして,同行者に迷惑を掛けずに歩き通せるかどうかが心配になる。

■お花畑
 私達は,ストレッチを終えて,5時46分に赤石小屋(2,420m)を出発する。例によって,私はダラダラと最後部になってしまう。まずは,昨日通過した鞍部(2,495m)まで登る。意外に急坂である。それでも,歩き始めなので,何となくすんなりと登って,6時04分に鞍部に到着する。途端に見晴らしが良くなる。

                  <鞍部からの眺望>

 そのまま進路を南に取って,広い尾根伝いの登り道を辿る。小さな丘(2,530m)を越えると,今度はなだらかな下り坂になる。稜線の西側をトラバースしながら先へ進む。そして,6時24分,鞍部にあるお花畑の真ん中(2,501m)で小休止。ここで衣服調整や水分補給を行う。前方にはこれから登る上河内岳(2,803m)が良く見えている。なぜか,お花畑だけが窪地になっている。私の直ぐ後を歩いてい若いMガイドが,
 「この辺りの土壌を亀甲状土って言うらしいですね」
と私に話しかける。
 「亀甲状土・・!?」
 確かにエリアマップには亀甲状土と書いてある。これは一体何だろう? 多分,泥土が乾燥して,亀甲のようにひび割れた状態のことを言うのだろうと思うが定かではない。家に帰ったら早速調べてみようと思う。この辺りは確かに盆地になっている。ここに雨水や雪渓が溶けた水が貯まってから蒸発して,乾燥することによって亀甲状にひび割れたのだろう。兎に角,面白い地形である。

                 <亀甲状土で覆われたお花畑>


                  <上河内岳が良く見える>

■奇岩竹内門
 6時36分にお花畑を出発する。暫くの間,水平に近いのどかな道を歩くが,その後は次第になだらかな登り坂に変わる。7時頃,平らな高原のような場所を先へ進む。東の方から水平に太陽の火狩りが当たって,自分の歩く姿が,長い影絵になって見えている。振り返ると,昨日苦労して通り過ぎた光岳や易老岳が良く見えている。

                 <自分の影が長く伸びる>

 やがて,ガレ場の尾根道に差し掛かる。そして,7時07分に奇岩竹内門に到着する。幸いなことに,私は最後部にいる。一番後に居るMガイドに断って,前方の同行者が奇岩竹内門を通過するまで待つ。そして,人影がなくなったところで,奇岩竹内門の写真を何枚か撮る。

               <奇岩竹内門>

■上河内岳
 奇岩竹内門を通過すると岩稜が続く。振り返ると,これまで辿ってきた尾根道がくねくねと続いているのが良く見える。

                    <今通った尾根道>

 やがて登山道は上河内岳山頂から標高差100メートルほど下を通るトラバース道になる。相変わらずなだらかな勾配の道なので,危険なところは全くない。
 7時36分,私達は上河内岳肩(2,720m)に到着する。ここで暫く休憩を取る。そして,リュックを置いて,7時44分に登山道から外れて,上河内岳山頂へ向かう枝道に入る。そしてやや急なガレ道を登って,7時53分に上河内岳山頂(2,803m)に到着する。

                    <上河内岳山頂>

 山頂からの眺望は素晴らしい。振り返ると茶臼岳,喜望峰,光岳などの山々が見えている。西には中央アルプスの山々が見える。そして,前方には,これから登る聖岳が聳えている。
                                 (つづく)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。