
<山頂付近のサクラはまだ見頃>
霧の中の新緑が美しい丹沢:塔ノ岳(今年23回目)
(上りK大Nさん・F田さんと暫く一緒・下り単独)
2012年5月16日(水) 晴・深い霧
■朝から富士山が良く見える
この時期にしては随分と気温が高い一日でらった.天気予報によると,今日の関東地方の気温は6月下旬から7月上旬並みの暖かさだったらしい.東京を始め関東各地では夏日になったところも多いようである.
ここ2~3日の天気の移り変わりを見ていて,塔ノ岳に登るのなら今日しかないなと思っていたので,全く躊躇せずに早朝5時10分に家を出る.昨日の雨で路面が濡れていて,朝からモヤ~とする空気が身体に纏わり付くが,天気は上々.
湘南モノレールの某駅ホームからも,八合目辺りから上が残雪で真っ白な富士山が良く見えている.
何時ものように小田原駅で2段跳び階段上り下りをして,東海道本線から小田急電鉄の電車に乗り舞える.そのとき何だか身体がヤケに重く感じる.
”今日は調子が悪いな・・・きっと”
<湘南モノレール某駅から富士山を望む;遠くの市街地は藤沢>
■富士山と矢倉岳
小田急電車が,新松田駅に近付く頃,車窓から富士山と矢倉岳が見え出す.電車が走るにつれて,二つの山が近付いてくる.この風景を眺めながら,咄嗟に日蝕を思い出す.
「よお~しっ・・と! 富士山と矢倉岳が重なって,金環蝕になる瞬間を写真に撮ろう・・」
と子供じみたことを思いついた私は,電車の窓におでこをくっつけて,その瞬間を待つ.
「バカだな,御前は・・・」
と思いながらも・・・ところが電車の速度が結構速いし,目の前を絶えず建物,樹木,電信柱などが,うるさく通り過ぎるので,なかなかシャッターチャンスがない,それに,シャッターを押しても安物デジカメは反応が遅いので,どうしても一呼吸遅れる.そんなこんなで,こんな平凡な写真を撮るのにも一苦労する.
<富士山と矢倉岳>
<金環食のように重なった富士山と矢倉岳>
■K大Nさんと一緒に
渋沢発1番電車は,平日にもかかわらず沢山の登山客で結構混雑している.
韋駄天のTさん,韋駄天のSさん,三角髭のTさん,K大Nさん,U村さん,Y内さん,Y内さん,F田女史,ホッシーさんなど顔見知りのご常連が何時ものように乗車している.
常連の中でK大Nさんは土曜組である.K大Nさんの姿を見た途端,今日は土曜日だったかなと錯覚する.K大Nさんに,
「あれ,今日は土曜日かと一瞬思いましたよ・・」
とK大Nさんに話しかける.
「いえね,この間のゴールデンウイーク,天気が悪かったでしょう.なので今日辺り登っておかないと月5日登山のペースが保てないんですよ・・」
K大Nさんの目標は,年間60回登頂とのこと.私の目標と同じである.
バスは6時58分に大倉に到着する.ご常連の大半は,バスが大倉に到着すると同時に塔ノ岳へ向けてありき始める.大半の皆さんが歩き出してから5分ほど後の7時05分に,私もK大Nさんと一緒に歩き出す.
今日の私は,どうも身体が重い感じがするので,暫くの間,K大Nさんと一緒にユックリと歩くことに決める.特段に何ということもない雑談を交わしながらら歩くが,K大Nさんの言葉の端々から,この方が大変なインテリであることが分かる.
7時18分,後ろから近付いてきたY内さんに追い越される.
その後,雑事場ノ平までK大Nさんとご一緒するが,この辺りでどうやら私の体調も平常に戻ったような感じがするので,K大Nさんとお別れして,先に行かせてもらうことにする.
■霧が出てくる
7時46分,見晴山荘を通過する.ユックリペースだったのでラップは大分遅れているが,安全第一,自分でも納得している.
見晴階段を見上げる.新緑のトンネルである.
遙か階段の上の方にF田さんと,ホッシーさんの後ろ姿が見る.こんなとき,少し足を速めて追い付こうと,すぐに思うが,
「待てよ・・そんなことしたらバテるぞ・・」
と自分に言い聞かせる.
8時03分,やっと一本松を通過する.2~3年前だったら,そろそろ駒止茶屋を通過している時間である.いくらマイペースとは言いながらも,この所の体力の減退は実に切ない.
8時05分,2本ストックを器用に使いながら下山してくる韋駄天のYさんとすれ違う.
<見晴階段:新緑のトンネルを行く>
■富士山は霧の中
8時19分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間14分.やっぱり遅いけれども,無理をしないで極ゆっくり階段を登ったので,今のところ,全く疲労感はない.そのため気分は上々である.
堀山の尾根に入ると霧が一段と濃くなる.残念ながら富士山はおろか,近場の山も全く見えない.ここで,ホッシーさんに追い付く.
<濃い霧に覆われて,富士山は見えない>
■萱場平
8時36分,堀山の家を通過する.
いよいよ,長い登り坂に差し掛かる.今日は全くの一人旅.知人と一緒に登るのも楽しいが,一人で気ままに登るのも,また楽しい.全くのマイペースので登れるのが一人旅の良い所である.
私は,歩きながら,薄らボンヤリと,“リクリエーションとしての山登り”と,"登頂を目的とした登山”との比較を頭の中であれこれと考えている.
「そうだ! これも”山猫ミャ~型ポートフォリオ”で整理してみよう・・・!」
と思いつく.途端に早く帰宅してポートファオリオ図を作りたくなる.この移り気が私の欠点でもある.
8時58分,萱場平に到着する.萱場平には人影はなく,静まり返っている.相変わらず辺りには霧が立ちこめている.
<霧の萱場平>
■ご常連とすれ違いながら花立山へ
その後もマイペースで登るので,実に楽で気分も上々である.
9時18分,後7分坂に差し掛かるところで,下ってくるN村さんとすれ違う.相変わらず凄い韋駄天振りである.
「やあ,お元気そうですね・・」
と私に話しかける.
多分,マイペースで汗を流さないで登っているので元気に見えたのだろう.特段に元気というわけでもないが・・・
「お兄さんにも宜しく・・」
ですれ違う.
N村さんのお兄さんもご常連だが,このところ姿が見えない.
後7分坂を登り始める.
今度は,上からマコさんが颯爽と降りてくる.
「今度,浅間山に登るんですって・・・是非,ご一緒させて下さい」
と有り難いお申し出を頂戴する.
浅間山は私の地元,毎年,数回は登っているので,塔ノ岳の皆さんとご一緒する機会を,是非,作りたいなと思っている.
何時の間にか,何となく体調が良くなっている.
後7分坂を時間通り,7分弱で登って,9時23分に花立山荘を通過する.
何時もこの辺りですれ違う韋駄天のSさんの姿が見えないので,気分が落ち着かないまま登り続ける.
「あれ・・どこかですれ違ったのを見落としたかな・・」
と不安である.
相変わらずの濃い霧の中,花立山を目指す.霧がなければ,この辺りから素晴らしい眺望を楽しめるのだが,今日は残念.
でも今日は体調が良い.前回は花立山荘から花立山まで10分もかかったが,今日は8分足らずで登る.
山頂付近で,やっと韋駄天のSさんとすれ違う.
<相変わらずお元気なマコさん>
<霧の中,韋駄天のSさんが下る>
■三角髭のTさんとKシゲさん
馬の背手前のヤセ尾根道でF田女史に追い付く.ここから山頂までは,F田女史と前後しながら一緒に登る.
金冷シ手前で韋駄天のTさんとすれ違う.
「山頂は霧の上で,見晴らしが良かったですよ・・・」
と教えて頂く.
9時36分,金冷シを通過する.
金冷シから最初の長い階段を登っていると,下ってくる三角髭のTさんとすれ違う.早速TさんとF田さんのツーショットを撮る.
さらに塔ノ岳山頂直下で,今度はKシゲさんとすれ違う.またまたツーショット.
「今日は丹沢山まで行ってきましたよ・・・シロヤシオはまだまだ.随分遅れているよ・・・でもサクラが綺麗だよ・・」
笑顔が素敵!
「写真,ブログに載せて良いですか?」
「おう,・・・全然! 構わないよ!」
<三角髭のTさんとF田さん>
<KシゲさんとF田さん;笑顔が素敵!>
■塔ノ岳山頂
大分,途中で道草をしながら登ったが,9時54分,F田さんと一緒に,漸く,塔ノ岳山頂に到着する.
大倉からの所要時間は2時間49分.まあ,まあ,こんなものだろう.山頂の気温は14.5℃.丁度心地よい気温である.
塔ノ岳山頂は雲の上だが,周囲に雲が沸き上がっていて,残念ながら富士山は見えない.まだ時間が早いためか,登山客の姿は疎らである.
例により,山頂から四方の写真を撮る.
<塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
F田さんと一緒に尊仏山荘に入る.今日の小屋番はW田さん.早速300円也のお茶を所望する.
ミー君が居ない.
W田さんが,
「きっと,布団部屋に居るんだと思いますよ・・・」
と言いながら,わざわざネコ御殿の方まで,ミー君を呼びに行く.
やがて,ミー君がトコトコと山荘の方に歩いている.その仕草が可愛い.
「あいつ,可愛いんですが・・・夜中に鳴くんですよ・・」
とW田さんがこぼす.
山荘内でネコの写真を何枚も撮る.良い写真が撮れたら元小屋番のOさんにもお見せしたいなと思うが,ミー君が絶えず動き回るので,なかなか良い写真が撮れない.
そうこうしている内に,ホッシーさんが山荘に到着する.
<ミー君>
■シロヤシオはまだまだ,でもサクラは未だ見頃
Kシゲさんから,尊仏山荘裏手のサクラが未だ綺麗だと伺っていたので,山荘の裏手に回ってみる.
確かに,シロヤシオはまだまだ.今年は大分開花が遅れているようである.ただ,桜はまだまだ楽しめる.実に綺麗.
<塔ノ岳山頂から丹沢方面に少し下ったところのサクラ>
■霧の中下山
再び尊仏山荘に戻る.K大Nさんが山荘に到着している.
10時22分,塔ノ岳山頂を出発,下山開始.辺りは濃い霧が立ちこめている.
10時50分,花立山荘を通過する.後7分坂を慎重に下っているときに,登ってくるF田さんとすれ違う.
「今日は,大倉を出るのが9時になっちゃいました・・・」
とF田さんが言う.
と言うことは.大倉から,1時間50分ほどで,花立山荘付近まで登ったことになる.これは大変な高速である.
その後,12時35分に無事大倉に到着する.下りの所要時間は2時間13分.私の道草旅には丁度良い速度である.
その後,電車の接続は余り良くなくて,大船到着は14時30分.14時35分発のバスには,タッチの差で間に合わない.
「こんなに良い天気のときに,そんなに急いで帰ることもなかろう・・」
ということで,駅ナカのBeck’sに入り込んで,20分ほどポテトチップスとお茶で楽しむ.
<Beck'sでお茶>
(おわり)
<ラップタイム>
7:05 歩き出し
7:28 観音茶屋
7:46 見晴茶屋
8:19 駒止茶屋
8:36 堀山の家
9:23 花立山荘
9:36 金冷シ
9:54 塔ノ岳山頂着(14.5℃)
10:12 〃 発
10:16 丹沢山側急坂下着
10:17 〃 発
10:20 塔ノ岳山頂着
10:22 〃 発
10:50 花立山荘
11:24 堀山の家
11:39 駒止茶屋
12:03 見晴茶屋
12:16 観音茶屋
12:35 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:05
塔ノ岳 着 9:54
(所要時間) 2時間49分(2.82h)
水平歩行速度 7.0km/2.82h=2.48km/h
登攀速度 1269m/2.82h=450.0m/h
■下降所要時間(雑談時間を含む)
塔ノ岳 発 10:22
大倉 着 12:35
(所要時間) 2時間13分(2.22h)
水平歩行速度 7.0km/2.22h=3.15km/h
下降速度 1269m/2.22h=551.6m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/35087aba0acc9669ea9b7b9e3af9f0f0
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/95931eaa6c36b5b2a150c85ce7fe082a