<街道筋の旧家>
善光寺街道;第2回;第3日目(1);信濃国分寺駅から信濃国府跡
(五十三次洛遊会)
2015年10月27日(火)~2016年10月29日(木)
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第3日目;2015年8月27日(木) 晴
<ルート地図>
■第3日目全体図
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■信濃国分寺
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<小諸の朝>
■眠れない夜
何時ものように夜中に目が覚めてしまう.
でも,1人部屋に宿泊しているので,迷惑を掛ける同室の人も居ない.気楽である.私は暇潰しに,音量を小さくしてテレビを眺める.あくまで見るのではなく眺めるだけ.その内に,また,うとうとと居眠りをする.
このホテルの冷暖房施設は古いらしくて,今の時期は暖房しか利かない.いくら空調機に電源を切っても,部屋の蒸し暑さはそれだけでは解消されない.仕方なく,窓をほんの少し開ける.本当は窓を全開にしたいところだが,セキュリティの関係で,本の10センチメートルほどの隙間しか開かない.それでも,外の冷気が室内に入り込んでくる.今度は寒くなる.そこでベッドに潜り込んで毛布を被る.
そんなことを繰り返しながら,夜明けを待つ.
■朝食はバイキング
7時から朝食である.
少々早めに,1階の食堂まで降りる.すでに何人かの方々が,食堂が開くのを待っている.私達の仲間も,全員揃っている.
7時少し前に,食堂が開く.
朝食もバイキング形式である.席は無指定.私達は窓側の一角に固まって席を取る.
9箇所の仕切りがある見馴れたお皿に,自分の好みのものを取り分ける.そんなわけで,私の朝食は下の写真のような組み合わせになる.栄養学の知識はゼロに等しい私には,これでバランスが取れている食事になっているか全く分からないが,無手勝流の食生活でも,とにもかくにもこれまで元気で過ごしているんだから,今更,栄養学もヘッタクリもないような気がしている.
ただ言えることは,このお皿に飽きたということ.
この所,前回の善光寺街道歩きを含めて,小諸グランドキャッスルホテルに4泊もしている.申し訳ないけれども,ほとほと飽きてきたのも事実である.
食事の締めくくりはデザートとコーヒーである.
昼食を終えて,7時40分頃,一旦部屋へ戻る.
<小諸グランドキャッスルホテルの朝食>
<3日目の出発点へ>
■懐古園の紅葉とお別れ
7時50分,ロビーに集合する.
ホテルのチェックアウトを済ませてから,全員揃って小諸駅に向かう.
途中の道路から,三の門や懐古園の紅葉を眺める.これで,懐古園の紅葉は見納めである.
長い跨線橋を渡って,7時58分,小諸駅に到着する.
<懐古園名残の紅葉>
■しなの鉄道で信濃国分寺駅へ
しなの鉄道小諸発8時14分長野行電車に乗車する.3両編成.昔,横須賀線や東海道線で良く見掛けた車両に似ている.3っドアーで,ドアーとドアーの間に4人掛けボックス席が2箇所あるタイプだ.
車内は結構混雑している.
8時30分,電車は信濃国分寺駅に到着する.
昔,昔のその昔,汽車通学で小諸から上田まで通っていた頃に比較すると,なんという呆気なさだろう.随分便利になったなと感心する.
<小諸駅> <信濃国分寺駅>
■2日目の終点まで戻る
駅前で各自軽くストレッチをしてから,8時35分,信濃国分寺駅から歩き出す.
まずは,駅前の国道18号線を小諸方面に少し戻ってから右折して,しなの鉄道のガードを潜り神川の右岸沿いに南へ下って,神川小学校の敷地脇に立っている馬頭観音前まで戻る.この馬頭観音が立っている位置が,第3日目の出発点である.
<信濃国分寺駅> <国道18号線を小諸方向へ>
<国分寺跡・国分尼寺跡近傍>
■北陸新幹線千曲川橋梁
馬頭観音前から善光寺街道に沿って西へ歩き始める.この辺りの道路は歩道が整備されていて,整然とした感じがする.歩道まで完備しているが交通量はそれほど多くないように思える.千曲川右岸沿いの道である.進行方向右手前方には北陸新幹線の千曲川橋梁が見えている.
この辺りは旧神川村である.
<2日目の終点・3日目の始点;馬頭観音> <北陸新幹線の橋梁>
■二つの三差路
8時52分,川魚料理店「ひばち屋」前のY字型分岐を右に曲がって,千曲川から次第に遠ざかる.ここからは歩道のない2車線の道路となる.
道幅は狭いが綺麗に舗装された道路が続く,まだ朝が早いせいか,自動車とも滅多に出会わない.何となく閑散とした雰囲気である.
8時52分,(株)千曲金属加工所前のY字型三差路の右側の道に入る.
地図を見ると,どうやらこのあたりは旧下堀村のようである.
<川魚料理店「ひばち屋」> <千曲金属の建物前を斜め右へ曲がる>
■愛宕社
8時56分,愛宕社に到着する.
愛宕社の由来などは,手許の資料では全く分からないが,大きな鳥居の奥に小振りながら立派な社殿がある.
愛宕社の奥の方には,高台になっているらしく,豪勢な家が見えている.
<愛宕社>
<上田市近郊を行く>
■住宅地の中を歩く
8時59分,木下ドレス店の前を通過する.相変わらず道幅が狭い道が続く.
9時00分,火の見ヤグラを通過する.この辺りには,これといって目を惹くような社寺や遺構は見当たらないようである.
<木下ドレス店> <火の見ヤグラ>
■信号上堀
善光寺街道は小牧橋の手前で左から来た道と合流して,右に大きく曲がる.しなの鉄道の線路の上を通る跨線橋を渡る.
9時10分,小牧橋の入口を廻り込むようにして,信号上堀を通過する.
<信号上堀> <小牧橋>
■題目碑と火の見ヤグラ
9時13分,題大きな石で造られた目碑の前を通過する.題目碑に何が書いてあるか私には分からない.
9時15分,立派な火の見ヤグラの前を通過する.
<石塔> <火の見ヤグラ>
■信濃国分寺道標
9時17分,信濃国分寺道標の前で立ち止まる.
地図で確かめると,信濃国分寺は,この道標から東南東約500メートルほどの所に位置している.
信号踏入2丁目を通過して,9時23分,セブンイレブンに到着する.ここでトイレ休憩を10分ほど取ることにする.この辺りの何処のコンビニでも,店舗の前に,広い駐車場があるのに感心する.
資料2(pp.378-379)によると,踏入から先は上田市になる.中世の常田庄が,古くは国府への入口だったことから踏入という名称になったという.
<信濃国分寺道標> <セブンイレブン>
■古井戸で井戸端談義
コンビニでの休憩を終えて,9時35分,再びコンビニから歩き出す.
9時42分,注連飾りが施された屋根が付いた古井戸に到着する.古い人間の私にとっては,特に物珍しいとは感じないが,一部の方には珍しいのか,すぐに井戸の取っ手をガチャガチャと動かす.当然水など出てこない.
すると古老のお出ましである.呼び水をポンプにいれて,
「…こうしてユックリ大きく漕がないと水は出てこないよ…」
と言いながら,3~4回,取っ手を大きなストロークで漕ぐ.すると少し汚れた感じの水がポンプから勢いよく出てくる.
私達の話し声を聞きつけたのか,どこからともなく現れた中年女性が私達に話しかける.これこそ本当の井戸端会議である.
この方のお話しだと,この水は飲用水としては適さないが,雑用水として重宝しているとのこと.
私は何だか良いものを見たような気分になる.これも旅の醍醐味である.
<呼び水出井戸端会議>
■卯建のある旧家
井戸端で数分過ごしてから,また街道を歩き続ける.
9時48分,立派な卯建のある旧家の前を通過する.
<卯建のある旧家>
■信濃国府跡(信州大学繊維学部)
9時55分,信州大学繊維学部に到着する.森に囲まれた閑静な雰囲気のキャンパスである. 資料1によると,ここは信濃国府があった場所だという.
ここまで来れば上田市の市街地までもうすぐである.
私の高校同窓生達も,かなり沢山,この信州大学繊維学部に進学している.また,私も現役時代に,リクルートのために,何度か繊維学部を訪れている.そんなこともあって,ここまで来ると,自分の生活空間に辿り着いたような安堵感がある.
いよいよ上田宿も間近である.
<信州大学繊維学部>
(つづく)
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[参考資料]
資料1;完全踏査街道マップシリーズ『ちゃんと歩ける善光寺街道』五街道ウォーク事務局
資料2;今井金吾,1994,『今昔中山道独案内』日本交通公社
「善光寺街道」の目次
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「善光寺街道」の索引
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「善光寺西街道」の目次
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「善光寺西街道」の索引
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