中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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いろいろな方に出会う丹沢:塔ノ岳(2)

2007年06月14日 07時35分46秒 | 丹沢の山旅

           いろいろな方に出会う
            丹沢:塔ノ岳(2)
             (単独山行)
           2007年6月12日(火)

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■尊仏山荘に入る
 10時08分に尊仏山荘に入る。山荘の主人,Hさんが私を,
 「いらっしゃい・・!」
で迎える。私は例によって300円也の「お茶」を所望する。山荘に設置された温度計を見ると,10時過ぎの山頂の気温は+18.1℃もある。幸いなことに山頂には風もない。外で休憩するには,とても気持がよさそうな天候である。
 まだ,昼食には少々時間が早いが,お茶を飲みながら,持参した握り飯を食べ始める。小屋番のHさんが,私に話しかける。
 「今年の夏は,何処かへ行くんでしょう・・・北アルプスですか」
 「ええ・・まあ,北アルプスには2~3回行きたいと思っていますが・・・できれば南アルプスの何処かへも行きたいなと思っています・・・」
 こんなやり取りから,笊ヶ岳,大無間・小無間,朝日岳など南アルプス深南部の山の話に夢中になる。そして,やっと気分が落ち着いて,「ホッ」としているところに,戸沢分岐近くの広場でお会いしたKさんが山荘に到着する。
 「おや,お早いですね・・・」
とKさんに挨拶する。

■年輩者4人
 Kさんと雑談を始める。
 「・・・昨夜,夜中に目が覚めてしまい寝不足なんですよ。今日,山へ登るのは止めようかと思いました・・・実は,昨日,新しい登山靴を買ったんですよ・・・それが気になったんかな・・」
とKさんは可愛いことを言う。
 「あなたのブログを見て,今回は記録をとりながら登っていますよ・・」
 「それはどうも有り難うございます。実はブログに記載したよりも,実際は,もっと細かくデータを取っていますよ」
 「そうでしょう・・・この前,一緒に下山したときに,随分こまめに記録を取っていましたね・・・」
 そんな他愛のない会話を交わしているときに,年輩の男女2人連れが小屋に入ってくる。女性の方が,Kさんを見ながら,
 「貴方は,先ほどのX5歳の方ですか?」
と聞く。Kさんは「きょとん」としている。すかさず私が,
 「いえ,それは私ですよ・・・」
と答える。すると,帽子を脱いだ白髪の女性が,
 「そうですか・・・・実は私もX0才。年は余り変わらないですね。それに登る時間も余り変わらなかったようですね・・・」
という。私は内心で,20分近くもある所要時間の差を「余り変わらない」というのかなと,妙な気分になるが,黙っている。
 小屋の中は,偶然にも,年寄りばかり4人となる。
 「こんな暖かい日に,小屋に立ち寄るのは年寄りばかりですな・・」
ともう1人の男性が自嘲ぎみに笑う。
 その内に,ネコの「ミー君」がどこからともなく現れる。ネコの仕草が可愛いので,私は会話を中断して,ネコの写真を撮る。

            <尊仏山荘のミー君>

■お先に失礼
 「私,大倉12時22分のバスに乗りたいので,お先に失礼します・・・昼過ぎに家に帰りたいので・・・」
とお断りして,10時35分に尊仏山荘を出発する。
 山頂付近には,先ほどよりも登山客の数が増えたように思える。霧はますます深くなり,下山口も良く見えなくなっている。こんな所で,怪我をしたら元も子もないので,足下に注意しながら,慎重に下り続ける。途中で厭になるほど沢山の登山客とすれ違う。同じバスに乗っていた見覚えのある顔も結構沢山混じっている。
 10時44分に金冷しを通過する。花立山荘手前の露岩帯に差し掛かった頃には,幾分霧が晴れてくる。残念ながら,富士山は見えないものの,丹沢主稜の山々が雲間に見渡せるようになる。

            <つかの間の晴れ間>

 10時54分に花立山荘を通過する。花立山荘へ至る急な階段では,沢山の登山客とすれ違う。もう,そろそろトドさんチームの3人娘とすれ違っても良い時間だと思うが,お三方の姿がなかなか現れない。

■トドさんチームに会う
 花立山荘の直ぐ下の長い階段を降り切ると,露岩帯になる。ゴロゴロとした石の間にジグザグの下り坂が続く。この下り坂を降りていると,岩の向こうに,ようやくGさんの顔が見え始める。標高1190メートル地点である。辺りにはGさんお一人のようである。
 「やあ,会いましたね・・・他の方々は?」
と私がGさんに声をかける。
 「・・・Tさんが,ちょっとお疲れのようです」
と言いながら,坂の下に哀れむように目線を移す。なるほど,数10メートル下の急坂を,Tさんが,目を剥きながら,必死になって,エッチラホッチラやっている。そのすぐ後を,Kさんがフォローしながら登ってくる。さすがKさんは山旅スクール出身者である。遅れるTさんをチャンとフォローしている(偶然,お二人とも同じぐらい遅かったのか,その辺りのことは分からない)。
 でも,私は内心で,
 「Gさんがヤッパリ飛び出すのは,相変わらずのパターンだな・・・」
と妙に納得する。Gさんにも山旅スクールに通って貰わなければ・・・
 「絶対に足の遅い人の前に出てはいけないのに・・・やっぱり,今回のお三方は,チームになっていないな・・・」
と残念な気持になるが,女性が怖い私は,自己防衛上,言葉に出して指摘することはできない。正直なところ,一緒に登らなくて良かったと,内心で「ホツ」としている。
 「・・・無断でリーダーの前に飛び出して,事故を起こすと,保険金が出ないことを知っているのかしら・・・」
と余計な心配をする。このお三方の場合は,「万一」があると,言い出しっぺのKさん,または最年長のTさんがリーダーと見なされ,責任を負わされることになるだろう。そんなトラブルを避けるためにも,登山開始前に「親しければ親しいほど必ず確認書を交わしなさい」と進言したけれども,お三方とも馬耳東風。まるでその気はない。ちなみに湘南カラビナ隊では,その都度,必ず確認書を取り交わしている。
 やがて,Tさんが追いつく。Gさんが,
 「Flower-hillさんの元気を貰って頑張りましょう・・・」
とTさんに言
わずもがなのことを言う。Tさんは,
 「ドンドン先へ行ってよ・・・後からユックリ行くから」
と半ばヤケになった調子で,捨て台詞を言っている。これは,もうチームではない(お三方,このブログ見てないだろうな! 見てたら怖いよ!)。

■山旅スクール8期の男性に会う
 11時02分,お三方と別れる。ドタバタと話している内に,先ほど話題になった鳥が「コジュケイ」なことを,Tさんに伝えるのを忘れた。
  11時17分に戸沢分岐(1080m)を通過する。ここからまた長い階段の下り道が始まる。標高1030メートルまで降りたところで,見覚えのある顔が登ってくる。今度は山旅スクール8期のSさんと,バッタリ出くわす(11時22分)。Sさんとは1ヶ月ほど前に,やっぱりこの辺りでお会いしたことがある。あのときは,私もSさんと一緒に,再び塔ノ岳へ登り返したが,今日は何となく疲れていて,登り返す元気はない。
 暫くの間,Sさんと雑談を始める。私は,もう大倉発12時22分のバスに乗るのを諦めたので,ユックリと腰を据えてしまう。
 「・・・先ほど山旅スクールの3人とすれ違ったばかりですので,山頂で一緒になるかもしれませんよ・・・」
とSさんに進言する。
 「ところで,Flower-hillさんは,6月中に何処か山へ登る予定,ありますか?」
 「実は何も決めていないんです・・・」
 「スクールの金峰山なども,どうもシックリこないので,私もどうしようかと思ってます・・・」
 丁度そのとき,女性ばかり50名ほどの集団が,エッチラホッチラと登ってくる。
 「ミロクですか?」
と聞いてみる。
 「いえ,違います・・・横浜の婦人会です」
 「道理で女性ばかりですね・・・」
 「でも,2人ばかり男性も居ますよ・・」
と誰かが答える。

■危うくバスに乗り遅れそう
 11時27分,Sさんとの再会を約して,再び下山を開始する。
 11時39分に堀山ノ家(925m),11時48分に堀山(915m)を通過する。どうせ12時22分のバスに間に合わないのなら,ユックリ,のんびり下ろうと思う。すれ違う登山者には十分に時間を空けて道を譲る。路傍の花の写真や風景を撮りながら,ノンビリと尾根道散策を楽しむ。

               <路傍の花>
    
                <路傍の花>

 11時57分に駒止茶屋(865m),12時11分に一本松(750m)を通過する。そして,12時24分に見晴茶屋(600m)を通過する。
 「ありゃ~っ・・・・これはまずいぞ! このままでは,12時52分のバスも間に合わないぞ・・・」
 あまりにユックリしすぎた私は,少々,慌て始める。といって,間に合わなければ,次のバスに乗れば済むことだが・・・幸いなことに,この辺りから先は,危険箇所もないので,急ぎ足で歩くことにする。12時25分に雑事場ノ平を通過する。
 その頃,東側の谷間から,けたたましい犬の鳴き声が聞こえ始める。その内に,
 「ズド~ン・・」
と腹に響く鉄砲の音が,辺りをつんざくように聞こえてくる。この鉄砲の音が幾重にも谷間を木霊する。多分,鹿が駆除されているのだろう。可愛そうに・・・
 急ぎに急いで・・・しかし走らずに,12時50分に大倉へ到着する。ぎりぎりで,12時52分のバスに乗車,10分ほどで渋沢駅前に到着する。小田急線で小田原へ出て,14時00分発の特別快速湘南新宿ライン高崎行に乗車,14時28分に,無事,大船駅に到着した。
 気温が暑かったためか,あるいは年を取ったためか分からないが,何時もの山行に比較して,幾分疲労度が高いように思える。


[ラップタイム]
 ※今回は少々細かく記載する。
 ※標高は高度計の計測値で±20m程度の誤差あり。

 7:41  歩き出し(標高300m)
  7:46  登山口(330m)
 7:49  克童窯(365m)
 7:53  丹沢ベース(410m)
 8:00  観音茶屋(475m)
 8:04  高原の家分岐(515m)
 8:12  雑事場ノ平(600m)
 8:14  見晴茶屋(610m)
 8:29  一本松(765m)
 8:43  駒止茶屋(875m)
 8:52  堀山(930m)
 8:59  堀山ノ家(940m)
 9:14  戸沢分岐(1100m)(この辺りで失速)
 9:37  花立山荘(1290m)
 9:52  金冷し(1290m)
10:07  塔ノ岳山頂着(1465m)
10:35    〃  発
10:44  金冷し
10:54  花立山荘
10:59  1190m地点着(トドさんチーム会う)
11:02    〃  発
11:17  戸沢分岐
11:23  1030m地点着(山旅8期S氏と会う)
11:27    〃  発
11:39  堀山ノ家
11:47  堀山
11:57  駒止茶屋
12:11  一本松
12:24  見晴茶屋(この辺りから急ぎ足)
12:25  雑事場ノ平
12:31  高原の家分岐
12:35  観音茶屋
12:41  丹沢ベース
12:44  克童窯
12:47  登山口
12:50  大倉

■登攀・下降高度   1201m
■登攀所要時間   2時間26分(2.43h)
 登攀速度 1201m/2.43h=494.2m/h
■下降所要時間(休憩時間込み)
          2時間15分(2.25h)
 下降速度 1202m/2.25h=533.8m/h
                     (おわり)



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