中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ノルウェー紀行;第8日目;ガルホビッケン登頂(1);スピタストゥレーンを出発

2013年10月08日 03時57分18秒 | ノルウェー;カルホビッケン登頂

                   <最初の尾根から眺めた絶景>
 
ノルウェー紀行;第8日目;ガルホビッケン登頂(1);スピタストゥレーンを出発
           (アルパインツアー)
      2013年8月19日(月)~8月30日(金)

第8日目;2013年8月25日(土):ガルホビッケン山登頂 

<コース地図>


※この地図は筆者が作成したもので,アルパインツアー社とは関係がありません.
 地図の正確さは保証しかねます.

<プロフィールマップ>


<スピタストゥレーンの朝食>

夜中に何回も目が覚める
 まだ,どうも,夜中に良く眠れないので,3時頃目が覚めてしまう.自宅に居るときは夜中に問い冷肉ことなど滅多にないが,今夜は目が覚めたと同時にトイレに行きたくなる.それは良いとしても,トイレから戻って,再びベッドに横になるが,目が覚めてしまい,とても眠れたものではない.とはいえ,3時頃からノコノコと,その辺を徘徊するわけにも行かないので,ベッドの中でジッと我慢の子である.
 その内に,良くしたもので,何時の間にかウトウトと寝てしまう.
 5時頃,再び目が覚める,周りの部屋からザワザワと雑音が聞こえてくる.ウトウトしている間に,随分と下らない夢を見ていたような気がするが,目覚めると同時にどんな夢を見たのか全部忘れてしまう.
 6時頃,同室のKSさんも目が覚めたようなので,一緒に起床する.そして,身の回りの整理や,今日の登山に背負っていくリュックの中味などの整理をする.
 今日は雪渓歩きがあるというので,今回のツアーで初めてスパッツを着用することに決める.

■あちゃ~ぁ!…ミルクがミルクコーヒーになっちゃった
 荷物の整理をしているときに,KSさんが私に話しかける.
 「ああ,そうそう…実はテルモスのことですが…」
私は何事かなと,多少ビックリする.
 「実は,FHさんのテルモスの希望欄に「ミルク」って書いてありましたが,「ミルクコーヒー」の間違いではないですか…昨夜,FHさんに確かめようと思ったんですが,もうお休みになっていたので,ツアーリーダーのKYさんと相談して,「ミルクコーヒー」に変えておきました.それで良かったでしょうか…」
 私は内心でビックリ,唖然とする.正直な所,
 “やんぬる哉.わざわざ余計なことを…”
と思ったが,お二人が私にとって良かれと思ってしてくれたこと.私は内心ではガッカリしたものの,
 「ミルクコーヒーで良かったです.どうも有り難う」
とお礼を言う.
 内心では,“私が年寄りだからといって,必要以上にケアして貰いたくないよ.この私でも,つい数年前までは現役.何回も,仕事や学会発表で外国へ出かけていますよ.日常会話や論文発表ぐらいは英語できるよ,何でミルクとミルクコーヒーを間違えるのよ…”
 でも,まあ,ツアーでは何時も控えめにしているので,このオイボレは頼りないなと思われたな…まあ自業自得だ.
 ”仕方がない.今日のランチも,バサバサパン主食で我慢するか”

■賑やかな食堂
 7時20分頃,本館の食堂へ移動する.
 食堂は沢山の観光客で混雑している.私たちはそれぞれ適当な所に座って,朝食を摂る.そして,例によってランチパックを自分で用意する.

<食堂は沢山の観光客で混雑している>

■今日のランチ
 バイキング形式の朝食を写真に撮っても,毎日ほぼ同じだから面白くない.ブログに載せるのも省略しよう.ただ,ランチは短時間に食べにくいボソボソなパンは無しにして,いっそのこと,煎餅のようにパリパリしたもの(名前が分からない),野菜,果物,ゆで卵,ハム,チーズなどをビニール袋に詰め込む(下の写真の左).これに,ご厚意溢れるミルクコーヒーがあればまあ何とかなるぞ…

<私のランチ>

<いよいよ出発>

■ストレッチを終えて出発
 8時10分,登山の準備を整えて,集合場所の本館前に移動する.集合時間5分前である.
 三々五々,時間前に全員が揃う.ツアーリーダーから,
 「ストレッチの音頭を取りたい人,居ませんか…」
と一同に問いかける.誰も居ない.
 「では…」
ということで,ツアーリーダーの音頭で,主として下半身に重点を置いたストレッチを行う.
 定刻,8時30分に,私たちはガルホビッケン山頂を目指して,スピタストゥレーン小屋を出発する.例によって,前の方には女性群,後ろの男性群が固まっている.勿論私も後ろの方にくっついて歩く.後ろの方が気楽で有り難い.
 歩き出して直ぐに橋を渡って川の右岸に向かう.

<スピタストゥレーンから歩き出す>

■牧場の中の急な登り坂
 橋を渡ると,いきなり急勾配の登り坂になる.でも,かなりユックリとしてペースで登っているので,私は内心で,
 ”まあ,このペースならなんとか付いて行けそうだな”
と安心する.
 辺り一面が牧場のようである.
 急な斜面の中で,沢山のヤギがノンビリと草を食(は)んでいる.これはもうハイジの世界である.

<牧場の中の登山道を登る>

■最初の休憩
 8時58分,最初の休憩を取る.気温は10℃.ジッとしていると一寸寒い.
 眼下には私たちが宿泊しているスピターストゥレーン小屋群が見下ろせる.素晴らしい見晴である.
 休憩を終えて,9時13分に歩き出す.
 
<最初の休憩>                                 <眼下にスピタストゥレーン小屋群が見下ろせる>

いよいよ急坂だ
 歩き出して直ぐに,登山道は右手に大きくカーブして,次第に傾斜が急な登り坂になっていく.
 あらかじめ,地形図を見ながら,今日のコースはちょっと手強そうである.水平距離は大倉尾根より短いが,累積登攀高度は大倉から丹沢山へ登る程度あるようだ.登る先に見えている山道の傾斜はかなりきついが,まあ,あの程度ならば,私にも登れそうだと密かに安堵している.

<右に大曲がりして勾配がきつくなる


<岩稜と雪渓>

■岩稜帯に入る
 9時30分頃から,岩稜地帯に入り込む.これまでハッキリと見えていた足跡も,見えるのが怪しくなり始める.
 この辺りまで登ると,もう踏み跡もハッキリしなくなり,もっぱら現地ガイドの後を付けて登りつづける.結構,急な岩稜もあるので,復路の下りが大変だなと思いながら登り続ける.

<岩稜帯に入る>

■ありゃ~っ…! レモンティーだ!
 9時51分,ややなだらかになった所で,2度目の休憩を取る.素晴らしい展望が開けている.
 私はミルクコーヒーが入っているはずのテルモスを取り出す
.コップにミルクコーヒーを注ぐ,
 ”ありゃ~っ!! 紅茶だ!”
 ミルク入りコーヒーが,レモン入りの紅茶に化けている.これには驚いたが,
 ”まあ,何でも良いや…”
ということで,紅茶を美味しくいただく.
 もっとも,疲労回復には,温かい紅茶が一番良いと,山学校のガイドから教わっていたので,ミルクが2回化けてレモン入り紅茶に化けても,別に文句はない.



<岩稜帯で2度目の休憩>

■雪渓の近くで3度目の休憩
 やや急な岩稜帯を登り続ける,高度が増すにつれて,次第に残雪が見え始める.
 10時45分,これまで前方に見えていた稜線にやっと辿り着く.辺りには雪渓が沢山残っている.
 私たちは稜線に出た所で3度目の休憩を取る.

<稜線に出会った所で3度目の休憩を取る>

■雪渓を登る
 休憩を終えて,10時55分に歩き始める.
 11時02分,今日,最初の雪渓に取り付く.アイゼンなしでの長い雪渓歩きが始まる.結構,滑るので歩きにくいが,やっぱり夏山は,こんな雪渓がなければ面白くない.
 久々に雪の感触を楽しみながら,雪渓を登り続ける.

<長い雪渓を登る>

■目の前のピークが遠い
 雪渓を登りきって,ふたたび稜線歩きになる.勾配はそれほどきつくはないが,歩きにくい礫と岩の道が続く.目の前には雪渓を抱いたピークが見えているが,このピークが実際にはなかなか遠い.後ろの方で誰かが,
 「あの山がガルホビッケンの山頂ですか…?」
と後ろに居るツアーリーダーに聞いている.
 「まだまだ先ですよ…」
とツアーリーダーが素っ気なく返事をしている.

<小ピークを目指して>

<岩稜と氷河の展望を楽しむ>

■厳しい岩稜が続く
 辛いなと思いながらも歩き続ける内に,何時の間にか,先ほど見えていた小ピークを通過する.そして,11時55分頃,約10分間,休憩を取る.
 小ピークを過ぎて稜線沿いの岩稜を歩き続ける.少し下ったかと思うと,再び急な登りになる.
 下の写真は12時19分に撮影したものである.厳しい岩稜の坂を登っている.日本の山と違って,人の手が加わっていないので,ところどころにある赤い「T」の字を頼りに,歩き易い所を自分で選んで歩かなければならない.
 下の写真の左中央に赤い「T」の字が写っている.これが唯一の頼りである.
 岩稜の登りはまだ良いが,ここを下る事を考えると,ちょっと憂鬱になる.
 今日,これまでの道のりを見ても,とてもとても大倉尾根どころの話ではない.まだ,山頂は遠いのに,塔ノ岳に登ったときよりも,ずっと疲れた感じがする.

<長い岩稜の登りだ>

■岩稜のヤセ尾根
 稜線の両側は鋭く切れている.ヤセ尾根の岩稜を這うようにして登り続ける.稜線から見下ろすと,両側とも氷河が流れている.
 山頂は写真の左奥の方にある.
 岩場の稜線歩きはスリルがあるが,同時に素晴らしい展望を味わうことができる.

<岩稜のヤセ尾根を行く>

■素晴らしい展望
 ヤセ尾根から上の写真と反対側を見ると,雄大な氷河と,氷河を抱く山々が連なっているのが見える.日本の山では一寸見られない素晴らしい展望である.
 足許が危険なので,ユックリ写真を撮っているわけにはいかないが,ときどき,ほんの2~3秒立ち止まって,写真を撮る.

<ヤセ尾根からの展望>

■岩稜で休憩
 12時35分,急な岩稜の登り坂で,変な格好で,数分の休憩を取る.足場の悪い所を登るのは,歩く距離に比較して,随分と疲れるなと思いながら休憩を取る.
 12時45分頃,再び歩き始める.
 まだまだ先は長い.しんどいな.

<岩稜で休憩>

■遠くに山頂が見え出す
 12時50分,小ピークの上で休憩を取る.
 行く手の遙か先に,ガルホビッケンの山頂が見えている.
 “ああ,遂に山頂が見える所まで来たか…”
とホッと気分になると同時に,
 “まだ,まだ,先は長いなぁ~”
という率直な気持ちが交錯する.
 気温は10℃.少し寒い.

<漸く山頂が見え出す>

■度々の雪渓
 12時53分,休憩を終えて歩き出す.
 小ピークの先は,距離は短いものの,岩稜が重なり合う急傾斜の下り坂である.かなり緊張した状態のまま岩の間を縫うようにして慎重に下る.
 下り坂が終わると,何度目かの雪渓が待っている.今回の雪渓は比較的平坦なので,カメラを取り出して写真を撮る.
 ”夏の雪渓歩きは良いものだな…”
と思いながら,雪渓歩きを楽しむ.
 雪渓の先はまた急坂の下りとなる.
 ガルホビッケン山頂は,近いようで,まだまだ遠い.

<雪渓歩きを楽しむ>
                                        (つづく)

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目次と索引
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