中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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秋たけなわの浅間山(3)

2007年11月03日 05時45分46秒 | 関東・伊豆箱根・上信越


                   秋たけなわの浅間山(3)
        2007年10月25日(木)(つづき) 快晴

<浅間山山頂へ>

■湯ノ平

 10時07分に火山館を出発する。やや急な登山道を数分登ると,登山道は唐松の樹林帯の中に入る。唐松の葉が黄金色に紅葉している。唐松の先には第三外輪山の火口壁が鋭く屹立している。火口壁と紺碧の秋の空が素晴らしいコントラストが印象的である。私達は第二外輪山と第三外輪山の間にある火口原,湯ノ平の南端に到着する。
 10時37分に,トーミの頭へ登る「草すべり」道を分岐(2,015m)する。湯ノ平のやや東側の斜面をトラバースしながら徐々に高度を高める。私達はいつの間にか森林限界を超えている。湯ノ平の草花が美しく紅葉しているのが,次第に見下ろせるようになる。 湯ノ平の先,つまり西には,トーミの頭,黒斑山,蛇骨岳などの第三外輪山が連なっているのが見える。風も殆どなく,暑くも寒くもない。
 
       <くさすべり分岐>                 <紅葉の湯ノ平>

■賽の河原
 やがて,Jバンドへの分岐を通過して賽の河原に入る。足元は次第に火山特有のガレ場に変わる。高度が高くなるにつれて,賽の河原の見晴らしが開けてくる。登山道は次第に勾配が急になってくる。平素,私より歩く機会が少ない弟の息が上がってくる。そこで,11時13分,標高2,310メートル付近で,2分ほど立ち休憩をとって,弟の息を整える。
  
                    <Jバンドが見える>
 
 火山礫がゴロゴロと転がる急な坂道を登り続ける。岩陰には先日降った雪が残っている。やがて,黒斑山などの第三外輪山が,遙か下に見えるようになる。その遙か先に,雪で真っ白になった北アルプスの山々が屏風のように連なっている。素晴らしい景色である。
  
                       <北アルプス遠望>

 登山道の両側の至る所に新しい噴石が落ちている。かなり大きなものもある。こんな石が空から落ちてくるのは,まさに地獄絵そのものである。

■前掛山分岐
 11時39分に前掛山(2,524m)と釜山(浅間山の火口)への登山道の分岐に到着する。釜山方面への登山道にはトラロープが張ってある。その前に何も書いてない立て札が建っている。
 
        <前掛山分岐>                                 <湯ノ平から見た前掛山>

 私達より少し前を歩いていた夫婦が立て札の隣に座り込んで休憩を取っている。立て札の位置は,第二外輪山火口原の端になっている。直ぐ目の前に外輪山の火口壁が屏風のように連なっている。
 火口原の片隅で,数名の作業員が仕事をしている。弟の話によると,避難用のシェルターを作り直しているようである。これまでも鉄骨製のシェルターがあったが,この前の噴火のときに火山弾が当たって,あえなく潰れてしまったという。そこで,今度はもっと頑丈なシェルターに作り直しているとのことである。

■浅間山火口
 私達の前後に,三々五々と登山者が登ってくる。ほとんど全員がat your own risk.で釜山の方へ向かう。前回の噴火以前,釜山まで登れた時代には,前掛山へ登る人は殆どいなかったので,前掛け山へ向かう登山道はなかったが,今は立派な登山道ができている。それとは反対に,釜山へ登山道は,前回の噴火で埋まってしまったのか,踏み跡がやっと見える程度になっている。
 不特定な方々の目に触れる可能性のあるブログで披露するのは勇気が要るが,ここから15分ほど登ると,浅間山の噴火口を覗くことができる。勿論,何があっても自己責任だということを明記しておこう。
 噴火口の写真を数枚披露する。前回の噴火前の火口と比較すると,火口壁が鋭く切り立ったようである。遙か下に火口底が見えている。少量だが火口壁のあちこちから薄青色の亜硫酸ガスが噴出している。風下に廻ると硫黄の匂いがする。
 三々五々と登山客が登ってくる。
 浅間山は独立峰である。四方八方から風が吹き上げてくる。今日は無風に近い絶好の日和だが,さすがに山頂付近では風が吹いていて寒い。
  
                       <浅間山火口>

 
                      <浅間山火口>

■再び火山館へ
 12時45分に前掛山分岐から下山しはじめる。転倒しないように,足元に注意しながら,ザレた急坂を下り続ける。眼下には第三外輪山の山々,遠くには北アルプスの山々が見えている。下りにはそれほど時間が掛からない。
 13時16分にJバンドからの登山道と合流する。私達は登山道から少し離れたところに腰を下ろして,遅めの昼食を摂る。昨夜,スーパーで購入した鮨,握り飯などが昼食である。
  
                      <湯ノ平の紅葉>

 13時26分にJバンド合流点を出発する。往路をそのまま戻って,13時52分,火山館に到着する。火山館には10名ほどの登山客が屯している。先ほどよりも随分と賑やかである。営業課長のトマトは居るが,小屋番のKさんが居ない。
 
      <火山館近くの散策路>                <営業課長トマト君が留守番>

 私達が火山館の館内に入ると,若い男性が様子を見に入ってくる。彼とは初対面だが,NPO浅間クラブのメンバーだと直ぐに分かった。どうやらKさんが不在中の留守番役らしい。私が,
 「私達も,隠れメンバーです・・・会費だけ払って,仕事はサボってばかり・・」
と挨拶する。彼は,
 「とんでもない・・・会費をお支払い頂いていれば立派な会員ですよ・・」
と私達を慰める。
                      (つづき)



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