中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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秋たけなわの浅間山(2)

2007年11月02日 10時34分51秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

                     秋たけなわの浅間山(2)
              2007年10月25日(木) 
快晴

<不動の滝>

■天狗温泉浅間山荘と二つのコース
 早朝,小諸市内から弟の自家用車で出発した私は,チェリーパークラインの浅間山登山口から右折して,7時44分に天狗温泉浅間山荘(以下浅間山荘:1,410m)に到着する。ここは浅間山登山道小諸口である。
 注)天狗温泉浅間山荘
   所在地:〒384-0000長野県小諸市野馬取
   TEL:0267-22-0959
   FAX:0267-25-2255
   http://www.tenguspa.com/
 私達は,これから「火山館コース」と「前掛山コース」をつないで往復して,夕方,再び浅間山荘に戻る予定である。 「火山館コース」は浅間山荘から火山館(1,990m)までのコースである。水平距離約4キロメートル,標高差580m,標準所要時間上り2時間45分,下り45分,往復3時間30分のコースである。
 「前掛山コース」は火山館から前掛山山頂(2,524m)までのコースである。水平距離約3キロメートル,標準所要時間上り2時間20分,下り2時間10分,往復4時間30分のコースである。
 私達は,火山館コースと前掛山コースを繋げて往復するので,標準所要時間は往復8時間ということになる。
            
                   ※プリントすると細部まで読めます。

■蛇堀川左岸コースを登る
 7時55分,弟と私は,浅間山荘(別名:天狗温泉)駐車場から浅間山へ向けて歩き出す。快晴である。暑くも寒くもなく,絶好の登山日和である。
 浅間山荘前を通り過ぎて,直ぐに登山道に入る。
 8時31分に浅間神社一の鳥居(1,575m)を通過する。ここで登山道は蛇堀川右岸コースと左岸コーストに別れる。私達は浅間神社に安全祈願をしてから,左岸コースに沿って登り続ける。
 私達は牙山から南に流れて千曲川に注ぐ蛇堀川に沿って,谷間をゆっくりと時間を掛けて登り続ける。まだ東にある太陽の光は谷間に届かず,薄暗い日陰の道を辿る。登山道両側の紅葉は,今が見頃である。

          <一の鳥居>                     <不動の滝>

■不動の滝
 緩やかな登り坂を登り続ける。8時45分に,水源地に到着する。ここで地下水が湧き出ている。備え付けのコップで,湧き水を賞味する。冷たくて癖が無いおいしい水である。
 標高1,600メートル付近で,蛇堀川を徒渉して右岸に渡る。この辺りから勾配が少しきつくなる。登山道は川床から次第に離れて高度感が増してくる。 
  8時50分に標高1,640メートル付近に到着する。この辺りから木の枝の間から,不動滝が良く見える。硫黄分を含んで,茶色に濁った川の水が,二段の滝になって,勢いよく流下している。ここで,数分立ち休憩を取りながら,滝の写真を撮る。
 不動滝を少し登って,8時56分,標高1,660メートル付近で,蛇堀川右岸コースと合流する。合流点には,一寸した休憩場所になっている。付近に二の鳥居がある。ここで2分ほど立ち休憩をとる。昨年,小諸グループの皆様と浅間山へ登った帰りに,ここで草臥れ果てて休憩をとったときのことを懐かしく思い出す。

<火山館へ>

■薪を運ぶ

 二の鳥居を過ぎると,やや急な登り坂が続く。「長坂」といわれる難所である。暫くの間,ジグザグの登り坂が続く。蛇堀川を高巻しながら次第に高度を上げていく。両側には広葉樹林帯が続く。
 坂道の途中に,薪が山積みされている。この先にある火山館のストーブ用の薪である。山積みされた薪の前に「御協力をお願いします・・・一本でも結構です」と書いた板が縦掛けてある。
 実は私も所属しているNPO浅間山クラブから薪運びのボランティアに参加するように連絡を受けていた。平素から会費だけ払って,全くクラブ活動に参加していない私は,平素から,いくらか後ろめたさを感じていた。そんな気持から,私は数本の薪を左手で抱え持つ。
 私は薪を抱えながら,坂道を登り続ける。途中,薪の山が何カ所にもあることが分かる。それならば,火山館に一番近いところにある薪の山から,薪を取って運べば良かったのにと一瞬思う。

         <薪の山>                     <薪を抱えて>

■牙山
 ジグザグの登り道が続く。そして,浅間山三重式火山の一番外側の外輪山に差し掛かる。進行方向右手,つまり東北東に奇怪な様相の牙山(ぎっぱやま:2,060m)が聳えている。牙山は,剣ヶ峰西端の山塊で,三方が断崖に囲まれている。また,進行方向左手は,黒斑山,トーミの頭から続く断崖が屏風のように聳えている。
 私達は,両側を断崖で囲まれた切れ目に沿って登り続ける。どこからともなく,かなり強い硫黄の匂いが漂ってくる。辺りは一面の枯れ草原である。草原の先には,今が見頃の紅葉が見事である。断崖と紅葉のコントラストが,如何にも活火山らしく素晴らしい。
 9時38分に「カモシカ平」に到着する。枯れた草花に覆われた幅広い斜面を登り続ける。

           <カモシカ平>                     <牙山>

■火山館に到着
 やがて,蛇骨川上流の枯れた沢を渡り,再び左岸を辿る。暫く登り続けると,浅間神社の社殿や鳥居と,火山館の建物が見え始める。そして,天狗の露地へ向かう登山道を分岐し,9時54分に火山館に到着する。
 小屋番のKさんが健在である。私は弟からKさんを紹介された。あれからもう数年来の顔なじみである。KさんはNPO浅間山クラブの重鎮でもある。私は左手で抱えてきた薪をKさんに渡す。Kさんが,
 「flower-hillさんは,もう退職されたんですよね・・?」
と私に聞く。
 「えぇ・・・今,サンデー毎日ですよ」
すかさず,Kさんが,
 「じゃぁ・・・是非,浅間山クラブの行事に参加してくださいよ」
と私に言う。これには参った!
 注)NPO浅間山クラブ
   http://asamayama-club.com/

 
       <火山館と二の鳥居>                    <トマトとKさん>

■営業課長『トマト』
 火山館のテラスで,Kさんから冷えた麦茶をご馳走になる。Kさんとは1年ぶりに会うが,この所,何となく風格が出てきたような気がする。テラスで一休みした後,小屋の中に入る。1羽の若いハトが床の上を歩き回っている。このハトの名前は「トマト」。Kさんになついて,火山館に住み着いている。このハトは,いわば火山館の営業課長でもある。
 「・・・この間,トマトが烏にいじめられていたよ・・・」
 「『トマト』って呼んでも,ちっとも寄ってこないのに,『ご飯だよ』というと,サッと寄ってくるから面白いよ・・・」
と弟が笑う。
                            (つづき)


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