<峠のキリスト像>
ペルー周遊記(38):第11日目(2):峠のキリスト像
2008年7月11日(土)(つづき)
<クエロコチャ湖>
■尖峰が見え出す
私達のバスは,空車のまま,壊れた橋の上流にある浅瀬を渡る.無事渡った所で,バスは私達を拾って,再び動き出す.
バスの中で,パルスオキシメーターを使って,血中酸素飽和度を測定する.飽和度は92.ダイアモックスが利いているのか,まあ,まあ,の数値である.しかし,脈拍は84回/分.頻脈とは言えないものの,かなり高めである.自覚症状はないものの,どうも高度順応が上手くいっていないようである.
9時21分頃,前方にマッターホルンを思わせる雪を被った尖鋒が見え始める.凄い眺めである.山の名前は良く分からない.
<高い山が見え出す>
■クエロコチャ湖で休憩
9時31分,小さな湖の畔に到着する.地図で確かめるとクエロコチャ湖(L.Querococha)のようである.この辺の標高は富士山よりも高く,3,980メートルに達している.
バスは湖畔で停車する.近くには藁葺きの円形の掘建小屋が数軒建っている(正確には藁か葦か良く分からない).トイレに行く.案内標識に従って,小屋の脇にある林の中に入る.ところが,ここにはトイレがない.林の中で適当に用事を済ませてしまうというユニークなところである.男性で「小」ならば,多少,奇異な感じがするだけで,余り抵抗感はないが,「大」や女性は困惑するだろう.
<クエロコチャ湖の休憩場>
<天然トイレ:右手の灌木林の中でトイレを済ませる>
■インカ風オコシ
用事を済ませて,小屋が建ち並ぶ場所に戻る.
どなたかがインカ風オコシ(正式な名前は分からない)を購入して,近くの人に配る.丁度ピンポン玉程度の大きさである.私は頂戴したオコシを半分に割って食べる.丁度そこへ,同行のIさんが近寄ってくる.Iさんに残った半分のオコシを差し上げる.
私はトイレに行ったまま,洗っていない手で割ったオコシを,Iさんに渡す.Iさんは美味しそうに食べる.少々不潔かも知れないが,病気になることもなかろうと思って,汚い手で割ったことは,Iさんに秘密にしておく.
<インカ風オコシ> <ブカラジュ湖の向こうに高い山が見える>
■威風堂々のプカラジュ山
掘建小屋から湖を見下ろす.
素晴らしい風景である.湖の向こうには,雪か氷河か分からないが真っ白に輝く尖峰が聳えている.地図を頼りに,この白い山の名前を探す.正しいかどうか分からないが,この真っ白な山は,プカラジュ山(Pucaraju;標高5,322m)のようである.
鋭く尖った山容を仰ぎ見ながら,この山は私ごときには,とても登れない山だなと思う.暫くの間,畏怖の念にも似た気持ちで,この高い山を見上げている.
<カウィシュ峠を越える>
■コンデ川のU字谷
9時41分,クエロコチャ湖を出発する.
クエロコチャ川に注ぐコンデ川(Q Conde)の左岸沿いの谷間の登り坂を,バスはユックリと進む.この谷間は氷河で削られて形成されたことは明らかであり,谷の断面が典型的なU字形になっている.私達は,既に標高4,000メートルを優に超える高地に達している.九十九折りの坂道が何処までも続く.
■カウィシュトンネルを潜る
10時12分,私達を乗せたバスは,峠を通り抜けるカウィシュトンネルに差し掛かる.標高は既に4,512メートルに達している.
長いトンネルを抜けた所で,私達はバスから下車する.ここまで登ってくると,辺りの空気はヒンヤリとしている.
目の前には,東北東に進む下り坂の道が続いている.
<岩の上のキリスト像>
■高所ウオーク
私達は高所訓練を兼ねて,10時15分,トンネル口から,下り坂に沿って,暫くの間,歩き続ける.
目の前には,こんもりとした岩塊が聳えている.その岩塊の頂上に,白いキリストの像が立っている.ところどころ自動車道路から外れながら,緩やかな下り坂を歩く.私達の後を,バスがユックリと付いてくる.
<峠を下る九十九折りの道>
<峠道を下る:画像を荒くしている>
■山頂まで続く畠
11時00分,標高差で100メートルほど下った所で,再びバスに乗って,くねくねと続く坂道を下る.やがて,谷間が広くなり,沢山の民家や段々畑が見え始める.マッチャック(Machac)の集落である.遙か高い山頂まで段々畑が続いているのは,正に圧巻である.
<段々畑が山頂まで続く>
■チャビンに到着
私達のバスはモンサ川(Rio Monsa)の左岸に沿って,下り続ける.
11時40分,標高3,600メートル地点を通過する.何時の間にか,あちこちにユーカリの木が生えているに気が付く.
やがて,バスは集落の中を進む細い道に入る.チャビン(Chavin)の市街地である.この辺りの標高は,3,140メートルである.
11時57分,私達のバスは,チャビンデワンタル遺跡の入口に到着する.
(つづく)
前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b3e4462d42f9aeff05436dd2b901326f
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ペルー周遊記(38):第11日目(2):峠のキリスト像
2008年7月11日(土)(つづき)
<クエロコチャ湖>
■尖峰が見え出す
私達のバスは,空車のまま,壊れた橋の上流にある浅瀬を渡る.無事渡った所で,バスは私達を拾って,再び動き出す.
バスの中で,パルスオキシメーターを使って,血中酸素飽和度を測定する.飽和度は92.ダイアモックスが利いているのか,まあ,まあ,の数値である.しかし,脈拍は84回/分.頻脈とは言えないものの,かなり高めである.自覚症状はないものの,どうも高度順応が上手くいっていないようである.
9時21分頃,前方にマッターホルンを思わせる雪を被った尖鋒が見え始める.凄い眺めである.山の名前は良く分からない.
<高い山が見え出す>
■クエロコチャ湖で休憩
9時31分,小さな湖の畔に到着する.地図で確かめるとクエロコチャ湖(L.Querococha)のようである.この辺の標高は富士山よりも高く,3,980メートルに達している.
バスは湖畔で停車する.近くには藁葺きの円形の掘建小屋が数軒建っている(正確には藁か葦か良く分からない).トイレに行く.案内標識に従って,小屋の脇にある林の中に入る.ところが,ここにはトイレがない.林の中で適当に用事を済ませてしまうというユニークなところである.男性で「小」ならば,多少,奇異な感じがするだけで,余り抵抗感はないが,「大」や女性は困惑するだろう.
<クエロコチャ湖の休憩場>
<天然トイレ:右手の灌木林の中でトイレを済ませる>
■インカ風オコシ
用事を済ませて,小屋が建ち並ぶ場所に戻る.
どなたかがインカ風オコシ(正式な名前は分からない)を購入して,近くの人に配る.丁度ピンポン玉程度の大きさである.私は頂戴したオコシを半分に割って食べる.丁度そこへ,同行のIさんが近寄ってくる.Iさんに残った半分のオコシを差し上げる.
私はトイレに行ったまま,洗っていない手で割ったオコシを,Iさんに渡す.Iさんは美味しそうに食べる.少々不潔かも知れないが,病気になることもなかろうと思って,汚い手で割ったことは,Iさんに秘密にしておく.
<インカ風オコシ> <ブカラジュ湖の向こうに高い山が見える>
■威風堂々のプカラジュ山
掘建小屋から湖を見下ろす.
素晴らしい風景である.湖の向こうには,雪か氷河か分からないが真っ白に輝く尖峰が聳えている.地図を頼りに,この白い山の名前を探す.正しいかどうか分からないが,この真っ白な山は,プカラジュ山(Pucaraju;標高5,322m)のようである.
鋭く尖った山容を仰ぎ見ながら,この山は私ごときには,とても登れない山だなと思う.暫くの間,畏怖の念にも似た気持ちで,この高い山を見上げている.
<カウィシュ峠を越える>
■コンデ川のU字谷
9時41分,クエロコチャ湖を出発する.
クエロコチャ川に注ぐコンデ川(Q Conde)の左岸沿いの谷間の登り坂を,バスはユックリと進む.この谷間は氷河で削られて形成されたことは明らかであり,谷の断面が典型的なU字形になっている.私達は,既に標高4,000メートルを優に超える高地に達している.九十九折りの坂道が何処までも続く.
■カウィシュトンネルを潜る
10時12分,私達を乗せたバスは,峠を通り抜けるカウィシュトンネルに差し掛かる.標高は既に4,512メートルに達している.
長いトンネルを抜けた所で,私達はバスから下車する.ここまで登ってくると,辺りの空気はヒンヤリとしている.
目の前には,東北東に進む下り坂の道が続いている.
<岩の上のキリスト像>
■高所ウオーク
私達は高所訓練を兼ねて,10時15分,トンネル口から,下り坂に沿って,暫くの間,歩き続ける.
目の前には,こんもりとした岩塊が聳えている.その岩塊の頂上に,白いキリストの像が立っている.ところどころ自動車道路から外れながら,緩やかな下り坂を歩く.私達の後を,バスがユックリと付いてくる.
<峠を下る九十九折りの道>
<峠道を下る:画像を荒くしている>
■山頂まで続く畠
11時00分,標高差で100メートルほど下った所で,再びバスに乗って,くねくねと続く坂道を下る.やがて,谷間が広くなり,沢山の民家や段々畑が見え始める.マッチャック(Machac)の集落である.遙か高い山頂まで段々畑が続いているのは,正に圧巻である.
<段々畑が山頂まで続く>
■チャビンに到着
私達のバスはモンサ川(Rio Monsa)の左岸に沿って,下り続ける.
11時40分,標高3,600メートル地点を通過する.何時の間にか,あちこちにユーカリの木が生えているに気が付く.
やがて,バスは集落の中を進む細い道に入る.チャビン(Chavin)の市街地である.この辺りの標高は,3,140メートルである.
11時57分,私達のバスは,チャビンデワンタル遺跡の入口に到着する.
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