<長谷寺のアジサイ>
梅雨の鎌倉:遅まきのアジサイを求めて
<長谷・極楽寺地区の古刹・史跡を巡る>
(東海道五十三次同窓会洛遊会第7回例会)
2009年6月30日(火)
**************************
梅雨の真っ最中に,私達,東海道五十三次宿場巡り同窓会洛遊会のメンバー19人が集まり,鎌倉のアジサイを堪能した.
天気予報では,午前中は雨,午後から曇の筈だったか,メンバーの中に「晴れ男」または「晴れ女」が居られるのか,雨は殆ど降らず,アジサイ見物には最高の天候になった.
私達は,鎌倉駅から歩き出して,鎌倉中央図書館,吉屋信子記念館,鎌倉文学館,甘縄神明宮,光則寺,長谷寺,収玄寺,御霊神社,星ノ井,上杉憲方墓所,極楽寺,月影地蔵,笛田,北条氏常磐邸跡,市役所通り,大谷美術館前を経由して,夕方,鎌倉駅に戻った.
小町通「モア」で懇親会を開いて解散する.
水平歩行距離8.9キロメートルのプチハイキングだった.
**************************
<ハイキング地図>
■鎌倉駅から歩き出す
梅雨時は,雨を楽しむ・・・これが自然に逆らわずに過ごす生き方なのだろう.とはいえ,いくら梅雨時とはいえ,そぞろ歩きを楽しむには,雨もほどほどがよい.数日前から,今日の天気が気になって仕方がなかった.今日未明の天気予報では,午前中は雨,その後は曇だが所によっては雨がぱらつくようである.
私は雨を覚悟している.大船で参加者全員に配る資料をコピーして,集合時間10時より少し前,9時45分に鎌倉駅表口に到着する.もう大半の参加者が集まっている.今日の参加者は,この冴えない天候にしては意外に多く19名である.これは主催者として嬉しい.10時少し過ぎに,私達は鎌倉駅から歩き出す.
■吉屋信子記念館
まずは,東急デパート横の市場の中を通り過ぎる.そして,踏切を渡り,裁許橋三叉路を左折,直ぐにまた右折して,鎌倉中央図書館に沿って進む.御成中学校へ向かう道を直進,途中から左折して南へ向かう.さらに右折.10時34分頃,吉屋信子記念館の前に到着する.私は,同行者に,
「ここが作家の吉屋信子氏が住んでいた所ですよ・・・」
と説明はするが,私自身,吉屋信子の作品を全く読んだことがないので,説明していても気が引ける.せめて『女人平家』ぐらいは読まなければと気が焦る.
■鎌倉文学館
静かな住宅地を西へ進む.やがて,鎌倉文学館へ通じる道と交差する.鎌倉文学館の位置だけでも皆さんに知って貰いたいと思う.ここは長楽寺跡でもある.長楽寺は浄土宗法然の孫弟子智慶が開山した大寺院だったようである.
私達は,招鶴洞トンネルの手前にある門の所で,一旦,ストップ.
「皆さん,中に入りますか・・・?」
と一同に伺ってみる.
ところが,今日は体育会系の方々が多いらしくて,積極的に見学しようという方が居ない.折角の機会なのに,一寸残念な気がする.
今まで,かなり沢山の方々を,ご案内したが,門前で引き返してしまうグループは,今回が初めてである.
■長谷子ども会館
鎌倉文学館近くにある長谷子ども会館を外から見学する.
異国情緒たっぷりの建物である.案内板によると株仲買人福島浪蔵という人が住宅として建築した建物のようである.鎌倉市の景観重要建造物である.
残念ながら建物の内部を見学することはできない.
■甘縄神明宮
文学館前から,今来た道を少し戻る.由比が花通りの角に,「ジャックと豆の木」という美味しいパン屋がある.この時間,営業していないとは思うが,念のため場所だけを一同に紹介する.そして,再び裏道に戻り,路地を抜けて,甘縄神明宮を詣でる.途中の民家の垣根で時計草が1輪咲いている.
甘縄神明宮は染谷太郎時忠が建立した鎌倉最古の神社である.祭神は天照大神.参道の直ぐ脇に「北条時宗公産湯の井」という井戸がある.ここは安達盛長の屋敷跡でもある.
一同,長い階段の参道を登って参拝する.
■光則寺
由比ヶ浜通りに出る.途端に沢山の観光客と出会う.この近くにある有名なコロッケ屋(なまえ忘れた)のコロッケを食べたいという人が居るが,残念ながら今日はお休み.
長谷観音前の三叉路を渡って,11時31分,光則寺を詣でる.
ここは北条時頼の家臣,宿谷行時の屋敷跡である.私には花のことは全く分からないが,この寺には沢山の花がある.中でも樹齢200年のカイドウが見事である.このカイドウは,鎌倉三大カイドウの一つに数えられている.
本堂手前の植え込みには,熱心な日蓮宗信者だった宮沢賢治の「雨にもまけず・・・」の詩碑が建っている.
境内を一回りしたあと,本堂裏手にある「日朗上人土の牢」を見学する.長い階段を登りきると,約5メートル四方のヤグラがある.入口の柵の間から中を覗くが暗くて良く見えない.
■長谷寺
11時55分,光則寺を出発して,12時05分に長谷寺に到着する.アジサイの最盛期を過ぎた平日にもかかわらず,沢山の観光客で賑わっている.しかし,待つこともなく,ユックリとアジサイを見物する.ここには約2300本のアジサイがあるといわれているが,見頃は過ぎているとはいえ,実に見事である.
アジサイの散策路を一回りした後,13時15分まで自由行動にする.
花より団子の方々は,早々に長谷寺を出て,近くの飲食店へ消える.私は大半の方々と一緒に展望台のベンチに座り込んで,コンビニで購入したオニギリをほおばる.
■収玄寺
長谷寺を出て収玄寺に廻る.小さな寺だが庭には沢山の草花が咲き乱れている.ここは日蓮の弟子,四条金吾頼基の屋敷跡だという.
花のことは私には,全く分からないので,説明のしようがない.
■御霊神社
時計草が咲く民家を拝見しながら路地を進む.そして御霊神社を詣でる.このグループで御霊神社を訪れるのは,正月の七福神巡り以来のことである.
ここのアジサイは,時機を逸したのか,残念ながら少々寂しい.
裏庭にある十両,百両,千両,万両を見た後,江ノ電の踏切で電車の写真を撮る.
■力餅家
御霊神社から極楽寺切通に向かう.
三叉路の角にある「力餅」には沢山の観光客が訪れている.仲間の何人かは店に入るが,何も買わずに出てくる.
そういえば,私自身,この辺りを数え切れないほど歩いているのに,力餅家の力餅を食べたことがない.
■星ノ井
極楽寺坂の登り坂に差し掛かる所に鎌倉十井の一つ,星ノ井がある.この辺りには,星影ヶ谷という美しい名前が付いている.つい最近,このブログでも紹介したが,鎌倉の枕詞「星月夜」は,この井戸に由来するという.
■成就院
道路を渡って,成就院の石段下に到着する.今日こそ,ここの石段の数が本当に108段かどうか数えるつもりである.私は,同行者に,
「ここの石段は煩悩の数と同じ108段あると聞いています・・・皆で確かめましょう・・」
と促す.
幸いなことに,今日は観光客の数も比較的少ない,段数をチェックするには丁度良い.
実は,これまで私も何回となく段数を数えているが,途中で訳が分からなくなったり,景色を見ている内に,数えるのを忘れたりで,残念ながら成功していない.
「行きますよ~ぉ・・・」
と声を掛けて,数人の人と一緒に数えながら登っていく.途中で階段が中休みになる所がある.ここで,早くも数が怪しくなる.
それでも数え続け,やがて見晴の良い峠に達する.実はここまででは108段に達しない.さらに,左折して,山門までの十数段の石段を登ると,丁度108段になることを確認した.やっぱり,伝え聞いていたことは本当だった.
ついでながら,ここのアジサイは般若心経の文字数と同じ262株植えられているという.一度数えてみたいなと思うが,数えるのが大変なので気後れがする.
■上杉憲方墓所
14時丁度に成就院を出発する.反対側の石段を下って,極楽寺坂に出る.道なりに緩やかな下り勾配を進むと極楽寺が見えてくる.橋の手前で左折して狭い道を登ると上杉憲方墓所がある.ここの曰く因縁は,ごく最近の私のブログで解説したので,ここでは割愛する.
一同,こんな辺鄙な所に,昔の権力者の墓があることに驚いているようである.苔むした石塔群の脇に何事もなかったかのようにアジサイが咲いている.
■極楽寺
つづいて極楽寺を詣でる.「境内での写真撮影不可」という掲示ある.残念だが写真を撮ることはできない.境内を一回りする.ここは,鎌倉唯一の真言律宗の寺である.
日本初の福祉事業(施薬院,悲田院,施益院,福田印)を始めた寺として有名である.あの和賀江島の権益から得られた利益を福祉事業にまわしていたと聞いているが,真偽のほどは分からない.
裏山には,忍性上人の五輪塔がある.とても巨大で立派な塔である.確か,4月8日には拝めるはずである.
■月影地蔵
14時20分に極楽寺を出る.稲村ヶ崎小学校の前を通り抜けて,14時36分に月影地蔵に到着する.ここで,月影地蔵を拝みながら一休みする.このお地蔵様は,もともと月影ヶ谷にあったものが,現在の西ヶ谷へ移されたという.現在の地蔵は江戸時代に作られた木像である.
この地蔵様は,地元の人達によって大切に保管されているが,何時でも拝むことができるのが有り難い.
■鎌倉駅へ
当初の予定では,月影地蔵から往路を少し引き返し,馬場ヶ谷へ抜けるつもりだったが,参加者の中に俗称「お化けトンネル」を通りたいという方々が居られるので,コースを変更する.
西ヶ谷をそのまま遡って,笛田の常磐山文庫付近に下る.右手に馬場ヶ谷を見ながら,裏道を通って,バス停火の見下付近で,藤沢鎌倉道路を横切って,市役所通りの裏道を西へ進む.
北条政村屋敷跡(常磐邸跡)を通過して,市役所通り沿いに二つのトンネルを潜る.そして御成隧道の手前から右折して,山沿いの細い路地を進む.鎌倉大谷記念美術館の前を通り抜けて,再び御成中学へ向かう道路に出る.
15時50分に鎌倉駅西口に到着.「モア」に移動して,盛大に懇親会を開催する.
[ラップタイム]
10:05 鎌倉駅歩き出し
10:34 吉屋信子邸
10:44 鎌倉文学館
10:57 長谷こども会館
11:02 甘縄神明宮
11:31 光則寺(11:55まで参拝)
12:05 長谷寺(13:15まで参拝:昼食)
13:20 収玄寺(13:27まで参拝)
13:34 御霊神社(13:43まで参拝)
13:55 成就院(14:00まで参拝)
14:05 上杉憲方墓所
14:10 極楽寺(14:20まで参拝)
14:36 月影地蔵
14:50 トンネルを潜る
15:36 鎌倉大谷記念美術館
15:50 鎌倉駅西口 着
[ハイキング記録]
■水平歩行距離 6.9km
■累積登攀下降高度 291m
■所要時間
鎌倉駅 発 10:05
鎌倉駅 着 15:50
(所要時間) 5時間45分(5.75h)
水平歩行速度 8.9km/5.75h=1.55km/h
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e7c61e42dfb982cf53980e2c5fc68caa
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d56ed7118f537c9c171ddebb3b2f2efe
「五十三次洛遊会」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/42268c7e1a3b3fc980e185a506521463
「五十三次洛遊会」の次回の記事
梅雨の鎌倉:遅まきのアジサイを求めて
<長谷・極楽寺地区の古刹・史跡を巡る>
(東海道五十三次同窓会洛遊会第7回例会)
2009年6月30日(火)
**************************
梅雨の真っ最中に,私達,東海道五十三次宿場巡り同窓会洛遊会のメンバー19人が集まり,鎌倉のアジサイを堪能した.
天気予報では,午前中は雨,午後から曇の筈だったか,メンバーの中に「晴れ男」または「晴れ女」が居られるのか,雨は殆ど降らず,アジサイ見物には最高の天候になった.
私達は,鎌倉駅から歩き出して,鎌倉中央図書館,吉屋信子記念館,鎌倉文学館,甘縄神明宮,光則寺,長谷寺,収玄寺,御霊神社,星ノ井,上杉憲方墓所,極楽寺,月影地蔵,笛田,北条氏常磐邸跡,市役所通り,大谷美術館前を経由して,夕方,鎌倉駅に戻った.
小町通「モア」で懇親会を開いて解散する.
水平歩行距離8.9キロメートルのプチハイキングだった.
**************************
<ハイキング地図>
■鎌倉駅から歩き出す
梅雨時は,雨を楽しむ・・・これが自然に逆らわずに過ごす生き方なのだろう.とはいえ,いくら梅雨時とはいえ,そぞろ歩きを楽しむには,雨もほどほどがよい.数日前から,今日の天気が気になって仕方がなかった.今日未明の天気予報では,午前中は雨,その後は曇だが所によっては雨がぱらつくようである.
私は雨を覚悟している.大船で参加者全員に配る資料をコピーして,集合時間10時より少し前,9時45分に鎌倉駅表口に到着する.もう大半の参加者が集まっている.今日の参加者は,この冴えない天候にしては意外に多く19名である.これは主催者として嬉しい.10時少し過ぎに,私達は鎌倉駅から歩き出す.
■吉屋信子記念館
まずは,東急デパート横の市場の中を通り過ぎる.そして,踏切を渡り,裁許橋三叉路を左折,直ぐにまた右折して,鎌倉中央図書館に沿って進む.御成中学校へ向かう道を直進,途中から左折して南へ向かう.さらに右折.10時34分頃,吉屋信子記念館の前に到着する.私は,同行者に,
「ここが作家の吉屋信子氏が住んでいた所ですよ・・・」
と説明はするが,私自身,吉屋信子の作品を全く読んだことがないので,説明していても気が引ける.せめて『女人平家』ぐらいは読まなければと気が焦る.
■鎌倉文学館
静かな住宅地を西へ進む.やがて,鎌倉文学館へ通じる道と交差する.鎌倉文学館の位置だけでも皆さんに知って貰いたいと思う.ここは長楽寺跡でもある.長楽寺は浄土宗法然の孫弟子智慶が開山した大寺院だったようである.
私達は,招鶴洞トンネルの手前にある門の所で,一旦,ストップ.
「皆さん,中に入りますか・・・?」
と一同に伺ってみる.
ところが,今日は体育会系の方々が多いらしくて,積極的に見学しようという方が居ない.折角の機会なのに,一寸残念な気がする.
今まで,かなり沢山の方々を,ご案内したが,門前で引き返してしまうグループは,今回が初めてである.
■長谷子ども会館
鎌倉文学館近くにある長谷子ども会館を外から見学する.
異国情緒たっぷりの建物である.案内板によると株仲買人福島浪蔵という人が住宅として建築した建物のようである.鎌倉市の景観重要建造物である.
残念ながら建物の内部を見学することはできない.
■甘縄神明宮
文学館前から,今来た道を少し戻る.由比が花通りの角に,「ジャックと豆の木」という美味しいパン屋がある.この時間,営業していないとは思うが,念のため場所だけを一同に紹介する.そして,再び裏道に戻り,路地を抜けて,甘縄神明宮を詣でる.途中の民家の垣根で時計草が1輪咲いている.
甘縄神明宮は染谷太郎時忠が建立した鎌倉最古の神社である.祭神は天照大神.参道の直ぐ脇に「北条時宗公産湯の井」という井戸がある.ここは安達盛長の屋敷跡でもある.
一同,長い階段の参道を登って参拝する.
■光則寺
由比ヶ浜通りに出る.途端に沢山の観光客と出会う.この近くにある有名なコロッケ屋(なまえ忘れた)のコロッケを食べたいという人が居るが,残念ながら今日はお休み.
長谷観音前の三叉路を渡って,11時31分,光則寺を詣でる.
ここは北条時頼の家臣,宿谷行時の屋敷跡である.私には花のことは全く分からないが,この寺には沢山の花がある.中でも樹齢200年のカイドウが見事である.このカイドウは,鎌倉三大カイドウの一つに数えられている.
本堂手前の植え込みには,熱心な日蓮宗信者だった宮沢賢治の「雨にもまけず・・・」の詩碑が建っている.
境内を一回りしたあと,本堂裏手にある「日朗上人土の牢」を見学する.長い階段を登りきると,約5メートル四方のヤグラがある.入口の柵の間から中を覗くが暗くて良く見えない.
■長谷寺
11時55分,光則寺を出発して,12時05分に長谷寺に到着する.アジサイの最盛期を過ぎた平日にもかかわらず,沢山の観光客で賑わっている.しかし,待つこともなく,ユックリとアジサイを見物する.ここには約2300本のアジサイがあるといわれているが,見頃は過ぎているとはいえ,実に見事である.
アジサイの散策路を一回りした後,13時15分まで自由行動にする.
花より団子の方々は,早々に長谷寺を出て,近くの飲食店へ消える.私は大半の方々と一緒に展望台のベンチに座り込んで,コンビニで購入したオニギリをほおばる.
■収玄寺
長谷寺を出て収玄寺に廻る.小さな寺だが庭には沢山の草花が咲き乱れている.ここは日蓮の弟子,四条金吾頼基の屋敷跡だという.
花のことは私には,全く分からないので,説明のしようがない.
■御霊神社
時計草が咲く民家を拝見しながら路地を進む.そして御霊神社を詣でる.このグループで御霊神社を訪れるのは,正月の七福神巡り以来のことである.
ここのアジサイは,時機を逸したのか,残念ながら少々寂しい.
裏庭にある十両,百両,千両,万両を見た後,江ノ電の踏切で電車の写真を撮る.
■力餅家
御霊神社から極楽寺切通に向かう.
三叉路の角にある「力餅」には沢山の観光客が訪れている.仲間の何人かは店に入るが,何も買わずに出てくる.
そういえば,私自身,この辺りを数え切れないほど歩いているのに,力餅家の力餅を食べたことがない.
■星ノ井
極楽寺坂の登り坂に差し掛かる所に鎌倉十井の一つ,星ノ井がある.この辺りには,星影ヶ谷という美しい名前が付いている.つい最近,このブログでも紹介したが,鎌倉の枕詞「星月夜」は,この井戸に由来するという.
■成就院
道路を渡って,成就院の石段下に到着する.今日こそ,ここの石段の数が本当に108段かどうか数えるつもりである.私は,同行者に,
「ここの石段は煩悩の数と同じ108段あると聞いています・・・皆で確かめましょう・・」
と促す.
幸いなことに,今日は観光客の数も比較的少ない,段数をチェックするには丁度良い.
実は,これまで私も何回となく段数を数えているが,途中で訳が分からなくなったり,景色を見ている内に,数えるのを忘れたりで,残念ながら成功していない.
「行きますよ~ぉ・・・」
と声を掛けて,数人の人と一緒に数えながら登っていく.途中で階段が中休みになる所がある.ここで,早くも数が怪しくなる.
それでも数え続け,やがて見晴の良い峠に達する.実はここまででは108段に達しない.さらに,左折して,山門までの十数段の石段を登ると,丁度108段になることを確認した.やっぱり,伝え聞いていたことは本当だった.
ついでながら,ここのアジサイは般若心経の文字数と同じ262株植えられているという.一度数えてみたいなと思うが,数えるのが大変なので気後れがする.
■上杉憲方墓所
14時丁度に成就院を出発する.反対側の石段を下って,極楽寺坂に出る.道なりに緩やかな下り勾配を進むと極楽寺が見えてくる.橋の手前で左折して狭い道を登ると上杉憲方墓所がある.ここの曰く因縁は,ごく最近の私のブログで解説したので,ここでは割愛する.
一同,こんな辺鄙な所に,昔の権力者の墓があることに驚いているようである.苔むした石塔群の脇に何事もなかったかのようにアジサイが咲いている.
■極楽寺
つづいて極楽寺を詣でる.「境内での写真撮影不可」という掲示ある.残念だが写真を撮ることはできない.境内を一回りする.ここは,鎌倉唯一の真言律宗の寺である.
日本初の福祉事業(施薬院,悲田院,施益院,福田印)を始めた寺として有名である.あの和賀江島の権益から得られた利益を福祉事業にまわしていたと聞いているが,真偽のほどは分からない.
裏山には,忍性上人の五輪塔がある.とても巨大で立派な塔である.確か,4月8日には拝めるはずである.
■月影地蔵
14時20分に極楽寺を出る.稲村ヶ崎小学校の前を通り抜けて,14時36分に月影地蔵に到着する.ここで,月影地蔵を拝みながら一休みする.このお地蔵様は,もともと月影ヶ谷にあったものが,現在の西ヶ谷へ移されたという.現在の地蔵は江戸時代に作られた木像である.
この地蔵様は,地元の人達によって大切に保管されているが,何時でも拝むことができるのが有り難い.
■鎌倉駅へ
当初の予定では,月影地蔵から往路を少し引き返し,馬場ヶ谷へ抜けるつもりだったが,参加者の中に俗称「お化けトンネル」を通りたいという方々が居られるので,コースを変更する.
西ヶ谷をそのまま遡って,笛田の常磐山文庫付近に下る.右手に馬場ヶ谷を見ながら,裏道を通って,バス停火の見下付近で,藤沢鎌倉道路を横切って,市役所通りの裏道を西へ進む.
北条政村屋敷跡(常磐邸跡)を通過して,市役所通り沿いに二つのトンネルを潜る.そして御成隧道の手前から右折して,山沿いの細い路地を進む.鎌倉大谷記念美術館の前を通り抜けて,再び御成中学へ向かう道路に出る.
15時50分に鎌倉駅西口に到着.「モア」に移動して,盛大に懇親会を開催する.
[ラップタイム]
10:05 鎌倉駅歩き出し
10:34 吉屋信子邸
10:44 鎌倉文学館
10:57 長谷こども会館
11:02 甘縄神明宮
11:31 光則寺(11:55まで参拝)
12:05 長谷寺(13:15まで参拝:昼食)
13:20 収玄寺(13:27まで参拝)
13:34 御霊神社(13:43まで参拝)
13:55 成就院(14:00まで参拝)
14:05 上杉憲方墓所
14:10 極楽寺(14:20まで参拝)
14:36 月影地蔵
14:50 トンネルを潜る
15:36 鎌倉大谷記念美術館
15:50 鎌倉駅西口 着
[ハイキング記録]
■水平歩行距離 6.9km
■累積登攀下降高度 291m
■所要時間
鎌倉駅 発 10:05
鎌倉駅 着 15:50
(所要時間) 5時間45分(5.75h)
水平歩行速度 8.9km/5.75h=1.55km/h
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e7c61e42dfb982cf53980e2c5fc68caa
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d56ed7118f537c9c171ddebb3b2f2efe
「五十三次洛遊会」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/42268c7e1a3b3fc980e185a506521463
「五十三次洛遊会」の次回の記事