<今回の終点,堀山の家>
新緑の大倉尾根を楽しむ丹沢:塔ノ岳(今年9回目)
(単独リハビリ山行)
2016年5月1日(日) 晴
<ルート地図>
←クリック拡大
■1ヶ月半ぶりの塔ノ岳
最近,胆石症手術や,諸々の用事に忙殺され,塔ノ岳復帰もイライラするほど延び延びになってしまった.そんな中,4月28日にようやく神奈美公募展に出展する3点の絵を搬入業者に手渡してから,
”やっと,土曜日に塔ノ岳に行けるぞ…”
と思っていた矢先に,家族サービスを実質的に強要され,日曜日に延期せざるを得なくなった.
たった1日の差とはいえ,土曜日はまだ4月,そして日曜日はもう5月である.そんなわけで,統計上は4月の塔ノ岳詣ではゼロ回という不甲斐ない結果になってしまった.
…ま,それはともかく,3月17日に塔ノ岳に出掛けたのを最後に,実に久々の塔ノ岳である.
私は,是迄通りに,4時10分に自宅を出発する.
5月ともなると,3月とは比較にならないほど日の出が早くなっている.もちろん,4時10分ではまだ暗いが,大船駅に到着する4時45分頃になると,辺りはもうすっかり明るくなっている.
<横須賀線の0kmポスト>
■早朝の風物詩
大船駅前の24時間営業の某食堂に入って,納豆定食を所望する.
胆石症の手術前は,食事を摂ってから30分から1時間ぐらいの間に胃が痛くなることがしばしばだったので,何時も漢方薬の胃薬をポケットに忍ばせていた.でも胆石を取り除いてからは,かなり油っぽい食事をしても胃痛に悩まされることもなくなったので,実に気分爽快である.
朝食を済ませて,大船駅5時10分発東海道本線下り初電に乗車する.
大船駅ホームの藤沢寄りに立つと,横須賀線の基点0kmポストがホームから外れたとこに立っているのが見える.このキロポストが見えるのは夏至前後の僅かな期間だけ,その期間を過ぎると,初電の時間では辺りはまだ真っ暗.だから,私にとって,横須賀線0kmポストを見るのは貴重な風物詩である.勿論,このキロポストの写真をバッチリ撮る.
小田原駅でちょっと道草してから小田急新宿行急行電車に乗車する.
今度は富士山と矢倉岳が重なるのを見るのが楽しみである.この風景も冬の間は真っ暗で見えないので,立派な風物詩である.
今朝は少し靄が掛かっているのか,山麓まで雪に覆われた富士山が朧に見えている.
私は矢倉岳と重なる前から富士山の写真を撮り続けたが,どうした訳か,見事に重なった瞬間にシャッターを押したはずの写真が全く写っていない.
”このバカカメラめ!”
私は怒り心頭である.
<富士山と矢倉岳>
■今回の目標は小草平
渋沢駅のバス停は,すでに塔ノ岳登山者が長蛇の列を作っている.
6時40分に大倉行の臨時バスが出るが,超満員である.臨時バスは6時52分に大倉に到着する.今日の登山者は圧倒的に若い人が多い.私ごときロートルは余り居ないようである.
私が知っている常連の皆さんは,土曜日に登る人が多いので,日曜日の今日は多分常連の皆様には会わないだろうと思っていたが,さすがに毎日登山のTGさんは今日も健在である.
久々にTGさんに挨拶する.
今日は私のリハビリ第1回目なので,目標は小草平までとするつもりである.6時57分,TGさんとTGさんに紹介された女性TKGさんの3人で一緒に大倉から歩き出す.
私はお二人に遠慮して,
「今日は,リハビリ初日ですので,超ユックリペースで歩きます…どうぞ先に行って下さい」
と先を譲るが,
「ユックリで良いですよ…」
とのことなので,当面はお二人に御一緒することにする.
私は同行のお二人には申し訳ないけれども,ジャストマイペースで登り続ける.上りながらお二人と四方山話に花を咲かせる.
7時02分,登山口を通過する.
路面はほどほどに乾いていて,歩き易いが,気温は大分高くて,すぐに汗ばみそうである.
■見晴茶屋
7時40分,見晴茶屋に到着する.
私が大倉尾根を暫くご無沙汰している内に,見晴茶屋のトイレが完成し,登山道は能登通りになっている.
まずはお見晴茶屋から相模湾を望む風景を写真に撮る.3月頃までは,海面に太陽が反射して眩しく見えていたが,5月ともなると,太陽の位置が高くなっているので光る海はもう見えない.
<見晴茶屋から相模湾を望む>
■見晴階段
見晴階段に差し掛かる.私は同行のお二人に,
「私,ユックリ登りますので,お先にどうぞ…」
と先を譲るが,ユックリで良いとのことなので,私が先頭のまままいぺーすを崩さずに登ることにする.
例によって,階段下から階段を見上げた写真を撮る.
今日は登山者が多いので,沢山の登山者の後ろ姿が写っている.
私は見晴階段を登りながら,
”あれ~えっ…! ブランクが長い割には,案外調子が良いな…”
と感じている.
お二人との雑談のテーマは,やっぱり私の胆石症.
「後期高齢者医療制度で助かりました…素晴らしい制度ですよ」
と私が絶賛する.
なにしろ,月々,定額の費用を負担すれば,残りはこの医療制度で支払って貰える,
「…本当に助かりました.後期高齢者医療制度さまさまですよ…」
これ,私の本心である.
<見晴階段>
■駒止階段
見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.相変わらずユックリペースを崩さずに登り続ける.
8時05分,一本松を通過する.
「大倉から一本松まで1時間08分も掛かりましたよ…」
と同行のお二人に報告する.
私はお二人の足を引っ張っているのではないかと,気を揉むが,相変わらずユックリで良いとのことなので,そのままのペースで歩き続けて,駒止階段に差し掛かる.
階段の下で,また定点観測用の写真を撮る.
駒止階段をユックリ登って,8時18分,駒止茶屋に到着する.大倉から駒止茶屋までの所要時間は,1時間21分.やっぱりえらく遅いラップである.
「数年前までは,大倉から駒止茶屋までの所要時間は1時間丁度でしたが,もう無理ですね…」
と私が愚痴る.すると,TGさんが,
「遅いと言っても,差はたった5分ですよ.5分余計に掛けると随文楽ですね…」
という.
<駒止階段>
■堀山の尾根道
堀山の尾根道に差し掛かる.
この辺りは大倉尾根では一番楽しく歩けるところである.新緑のそよ風を受けながらノンビリと歩き続ける.実に気分が良い.
富士山の見える場所に到着する.今朝方よりさらに富士山は朧になっている.
”富士山の写真,ちゃんと摂れるかな…”
と訝りながらも,数枚の写真を撮る.
<富士山がボンヤリ写っている>
■小草平
沢山の若い者に追い抜かれながら,8時28分,堀山を通過する.そして,8時38分,交差平に到着する.堀山の家の寒暖計は15.6℃を示している.やっぱり今日の気温は大分高い.
大倉からの所要時間は1時間38分.大倉と小草平の累積高度は695メートルである.ということは,毎時426メートルの速度で登ったことになる.毎時平均400メートル以上の速度で登ったんだったら,決して遅いとは言えないなと自分でも思う.
”まあ,この程度の速度で歩けたんだったら,リハビリ第1回はまあ,まあ,だな…”
と自己評価する.
小草平のベンチは休憩を取る登山客で一杯である.
私は,私よりちょっと先に小草平に到着した常連の方の隣に座る.
「この時間にここに到着したんでしたら,山頂まで行けるでしょう…」
と嬉しいことを言ってくれる.
「…胆石症の手術後はいかがですか…」
「えっ! どうして私が胆石症の手術をしたのをご存じなんですか…」
「(あなたの)ブログで拝見しました…」
”ああ,そうか! そういえばブログに詳細を書いちゃったな…なるほど”
私,合点.
私は,「リハビリ第1回は小草平まで」と決めてはいるものの,正直なところ,今のところ全く疲労感はない.
”もうちょっと登るかな…”
と心が動くが,ここは自重が肝心である.
”今日は,断固,小草平を終点にするぞ”
と硬く自分に言い聞かせる.
<小草平に到着>
■堀山の家
堀山の家に立ち寄る.
小草平ではUIさんが,お一人で土木工事をやっている.重さ20kgもある砂利入りの袋を積み上げたり,地面をならしたりで大忙しである.
なっちゃんにコーヒーを所望する.外でコーヒーを賞味しながらUIさんと,暫くの間,歓談を楽しむ.
「ところで,失礼ですが,FHさん,今,お幾つですか?」
私は,内心で,
”また,年の話が始まったな…”
と多少ウンザリするが,
「ウン拾+3才です…もうすぐウン拾+4才ですよ…」
「そうでしたか…とてもそんなには見えないですよ…それにしても元気ですね」
仮にお世辞でも,元気ですねと言われれば嬉しい.でも,私は,自分が元気なのか,自分でも良く分からない.
半ば照れながら.
「胆石症を患ったんだから,元気じゃないですよ…!」
「だって…石なんか取ってしまえば,どうということないじゃないですか」
「えぇ…まあ…そういえばそうですが…」
私は返答に窮するが,
「ひとつだけ,多分言えることは,無理しないで続けることかも知れませんね.続けていると,年を取っても,何となく延長線上で続いていくもんですね…」
これ,案外,私の本音である.
<堀山の家のコーヒー>
■神奈美公募展展の開催案内
さてそろそろ下山しようかな.
私は,なっちゃんに,堀山の家の掲示板に神奈美会員展の開催案内を掲示して頂けるように依頼する.勿論,快諾して頂く.有り難い.
「…折角だから,ポスターの写真を取りましょう」
とのこと.ポスターだけの写真と,UIさんと私が肩を組んでいる写真を撮って頂く.
”来週の「堀山の家」のHPに掲載されるかな…それとも没かな”
私は,もし神奈美のことがHPに掲載されれば嬉しいなと思っている.
今回,私はこの公募展に3枚の水彩画を出展している.何れも山の絵である.私の絵に対して,山を愛する塔ノ岳常連の方々から,忌憚のないご意見を拝聴したいなと思っている.もっとも,今回の題材はスイスアルプスの山だが…
<神奈美公募展のポスターを掲示して貰う>
■韋駄天のMMさん
9時02分,小草平から下山開始.まだ少々時間が早すぎるなと思いながら…
今日はやたらと登山者が多い.切れ目なく登って来る登山者とすれ違いながら,ジャストマイペースでダラダラと下り続ける.
堀山の尾根道を富士山が見える場所からもう少し先まで歩いたところで,登って来る韋駄天のMMさんとバッタリ会う.その近くで堀山の家のオヤジ殿が材木を切り出している.
3人で暫く雑談.私の胆石症のことも当然話題になる.
MMさんは,つい先日,丹沢ベース付近で,山ヒルに会ったと言う.たまたま足の脚絆をなおしているときに,山ヒルが脚絆の上を動いていたという.もう山ヒルに注意をしなければならない季節になったようである.
別れ際に,MMさんから,
「無理をしない方が良いですよ…」
という助言を頂く,有り難く拝聴する.
私は.
「でも,今日は,一寸物足りないので,大倉から皆瀬川沿いの道を秦野まで歩いてみようかな…」
と独り言のように言う.
MMさんが,
「それも良いですね…,今,咲いている花は何だろう…」
と賛成してくれる.私,すっかりその気になる.
<新緑の尾根道を楽しむ>
■やっぱり疲れている
9時28分,駒止茶屋を通過する.駒止茶屋のベンチも登山者で一杯である.
あいかわらず切れ目なく登って来る登山者とすれ違いながら,10時02分,見晴茶屋を通過する.
雑事場ノ平から,やや単調な下り坂を下り続ける.
そのうちに,久々の登山のためか,やっぱり足に疲れが貯まっているようである.それに久々に,応分の重量のあるリュックを背負ったせいか,腰が少々痛くなる.そのために,思うような速さで歩けない.
”やっぱり大事を取って,大倉から真っ直ぐ家に帰ろう…皆瀬川歩きは止めよう”
<登山口付近にて>
■ユックリペースで大倉に下山
10時22分,観音茶屋に到着する.
”今日は時間もあるし…たまには観音茶屋に立ち寄ろうかな”
と思いながら,お店の中を覗く…が,管理人のST夫妻の姿が見えない.わざわざ声を掛けて,お出まし頂くほどの用事でもない.ちょっと汁粉でも味わってみたかっただけだ.大した用事でもないので.
”ならば,素通りだな…”
ということで通過.
その後も,ノソノソ下りを続けて,10時52分,ようやくバス停大倉に到着する.
バス停大倉のベンチでは,例の耳が折れたネコが人間など全く気にせずにのさばっている.
下りの所要時間は,途中の雑談が長かったので,登りより随分長く1時間50分であった.まあ,これもご愛敬である.
<緑に囲まれた観音茶屋>
■気怠くて眠い車内
大倉11時15分発渋沢行のバスに乗車する.まだ,時間が早いのでバスは空いている.
渋沢11時29分発小田原行急行電車に乗車する.座席に座るとたちまちの内に眠くなる.眠気と格闘してやっと小田原駅で東海道本線の電車に乗り換える.
東海道では4人掛け1ボックスを1人で占領して,ノンビリと下時間を過ごすが,また,猛烈な眠気が襲っている.大船で運良く目が覚めたので,慌てて下車する.
13時過ぎに無事帰宅.
何はともあれ昼寝だ…ということで1時間ばかり熟睡する.
これでスッキリ.
”さあ,明日からは展覧会だ…”
私は意気揚々である.
こうして,私のリハビリ塔ノ岳第1回は無事終わった.
<ラップタイム>
6:57 大倉歩き出し
7:12 観音茶屋
7:40 見晴茶屋
8:18 駒止茶屋
8:38 堀山の家(小草平)着
9:02 〃 発
9:28 駒止茶屋
10:02 見晴茶屋
10:22 観音茶屋
10:52 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 4.3km(片道)
■累積登攀下降高度 695m
■上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 6;57
小草平着 8:35
(所要時間) 1時間38分(1.63h)
水平歩行速度 4.3km/1.63h=2.68km/h
登攀速度 695m/1.63h=426m/h
■下り所要時間(休憩時間込み)
小草平発 9:02
大倉着 10:52
(所要時間) 1時間50分(1.83h)
水平歩行速度 4.3km/1.83=2.34km/h
下降速度 695m/1.83h=380m/h
(おわり)
[加除訂正]
2016/5/5 転換ミス数ヶ所を訂正.
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b64bacbfb0de1a090d204a9b453a3a50
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/377fee49fb562da9ac5caf26f9f4c9c5
お願い
当ブログの記事は極めて私的なものです.もし,お読み戴いて不快な所がありましたら,次回から当ブログへのアクセスはご遠慮下さい.