
<花立山からの富士山>
ご常連から元気を貰いながら登る丹沢;塔ノ岳(今年24回目)
(登り下りともご常連と一緒)
2012年5月19日(土) 晴
■冷涼な朝
数日前から天気予報を眺めていた.そして,今日(5月19日)こそ,何が何でも塔ノ岳へ行くぞと決めていた.前日から「行くぞ!」と決心していると,何の抵抗もなく出掛けることができる.
3時頃起床した私は,小1時間,ブログの記事を纏めて投稿する.ついでに,受信メールをチェックする.やたらにメールを送ってくるソースネクスト社のメールに混じって,ゲザンシュタインさんからのメールが着信している.
早速添付ファイルを開いてみる.先週の“三角髭のTさん塔ノ岳登頂1700回記念”の記事である.
一口に1700回といっても,これは飛んでもない回記録である.仮に年間100回登ったとしても17年も掛かってしまう.このことを考えると,とにかく凄い記録である!
正確には数えていないが,私など,これまでの塔ノ岳登頂回数は,せいぜい500~600回程度.これでは鼻にも引っかけられない.
5時10分に家を出る.
外はこの時期にしてはヒンヤリとしていて,身が引き締まる思いがする.
天気は快晴.
湘南モノレールの駅のホームから富士山が良く見えている.ただ,前回登った5月16日に比較すると,靄が掛かっているので,どうもスッキリとはしていない.
今日は土曜日.小田急電車は休日ダイヤである.小田原で小田急電車に乗り換える時間が,平日の倍,つまり6分もある.乗換時間のプレッシャーがないので,今日は,気分的に随分と楽である.
渋沢発1番バスは.押し合いへし合いの大混雑.
7時少し前に,バスは大倉に到着する.
沢山の登山客に混じって,韋駄天のTさんとSさん,三角髭のTさん,マドンナさん,F田女史,ゲザンシュタインさん,カメラマンのMさん,A木さんなど,たくさんのご常連が居られる.ただ,土曜日ご常連のK大Nさんが居られない.居るべき方が居られないと,一抹の寂しさを感じる.
今回も結果的に,ゲザンシュタインさん,韋駄天のTさ,三角髭のTさん,A木さんと一緒に登山を開始する.
■置いて行かれそう
前回,ゲザンシュタインさんとご一緒したとき,私は歩き始めの30分ほどの間,一行さんの歩行速度に付いていくが大変きつかった.これが祟って,後7分坂に差し掛かる頃からは疲労困憊.難行苦行だった.
そこで,前回の反省から,もし歩行速度が速かったら,付いていくのは止めよう.自分の歩行速度でゆっくり歩るこうと心に決める.ところが有り難いことに,今回はかなりの「ゆっくりペース」である.有り難い.
私は,自分の体調を慎重に見極めながら,ご一行様と一緒に歩き続ける.
7時44分,雑事場ノ平の尾根に到着する.涼風が峠越しに吹いている.ここから見晴山荘まで,ほんの2分ほど平坦な尾根道になる.坂道になったら私が置いて行かれることは確実.そこで平坦なところで,少しでも先に行かせてもらおうと思う.
皆様にお断りして,平坦道だけ歩行速度を速める.
私のすぐ前をマドンナさんが歩いている.
すぐに見晴階段に差し掛かる.例によって坂の上を見上げると,沢山の登山客の後ろ姿が見える.
<雑事場ノ平>
■堀山の尾根からの富士山
8時02分,一本松を通過する.この辺りで,後から登ってきた三角髭のTさんとA木さんのお二人が私に追い付く.
8時17分,駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してから1時間12分経過している.2~3年前の私に比較したら情けないほど軟弱なラップだが,今の私では,仕方がないなと,半ば諦める.近くを歩いている三角髭のTさんが,
「随分ゆっくり歩いても,(所要時間は)あまり変わりがないですね・・」
と言っている.
すぐに堀山の尾根道に出る.平坦なところでは歩行速度を速める.
前方にカメラマンのMさんの後ろ姿が見えている.
今日は富士山がとても良く見えている.富士山の写真は,見えているときにとにかく撮ってしまうに限る.後で撮ろうなどと思っていると,瞬く間に雲の中・・・なんていうこともしばしばだから.
堀山を通過して,なだらかな下り坂になる.歩行速度を更に速める.前方を歩いているF田さん,K井さんに追い付く
8時32分,堀山の家を通過する.まだ,朝が早いから堀山の家は閉まったまま.
小草平からも富士山が良く見えている.
<堀山からの富士山>
(※ゲザンシュタインさん提供)
■萱場平
堀山の家から花立山荘までの坂道に差し掛かる.
私は登攀ガイドから教えて頂いたことを忠実に守りながら,
“絶対に流れるような汗はかかないぞ,”
”呼吸が乱れるようなオーバーペースにはならないぞ,”
と常に自分を戒めながら,マイペースを厳守して登り続ける.
ところが,夏場になると,この2大原則を守るのが大変になる.でも,とにかく登攀速度を加減しながら,できるだけこの2大原則を守るように心がける.
8時50分,戸沢分岐を通過する.堀山の平坦道で一旦距離を広めた三角髭のTさんとA木さんに再び追い付かれる.
8時52分,萱場平に到着する.例によって,定点観測の写真を撮る.偶然,カメラマンのMさんの後ろ姿が写っている.
「ここは,少し平らですよ・・」
とお二人が私をけしかける.
「そうですね,では平らな所だけ,歩速を早くします・・」
<萱場平>
■花立山荘
再び坂道になると,たちまちの内にお二人に追い越される.
”コレデイイノダ・・・”で,私はかたくなにガイドの教えを遵守しながら登り続ける.その間,何人もの若い人に追い抜かれる.
それにしても,ゲザンシュタインさんが一向に現れない.
”おかしいな・・・”
と思いながら,9時15分,マドンナさんと一緒に,花立山荘に到着する.ここからも,富士山が良く見えている.
山荘前のベンチで数名の地山客が休憩を取っている.その中に韋駄天のSさんが居られる.もう山頂を往復して,ここまで下ってきている.相変わらず凄い速度だ.
大倉から花立山荘までの所要時間は,2時間10分.せめてあと5分早くなるように歩きたいものである.
<花立山荘>
■花立山からの眺望
しばらくマドンナさんと一緒に登り続ける.マドンナさんが,小さな団扇をバタバタさせながら,
「私,花立山山頂の木道までくると,ホッとするんですよ・・・でも,(花立山山頂では)休憩しないことにしているんです.あそこで休憩すると,その後登るのがイヤになっちゃうんです・・・」
という.
暫くの間,マドンナさんと一緒に登る.すぐ目の前に,カメラマンのMさんが歩いている.
今日は,この時期にしては富士山がとても良く見えている.素晴らしい風景である.
山頂付近で,ほんの3~4枚,写真を撮っている間に,もうマドンナさんの後ろ姿は見えなくなってしまう.
<花立山からの眺望>
■塔ノ岳山頂
9時30分,金冷シを通過する.
まだ,ゲザンシュタインさんが現れない.皆さんと一緒に塔ノ岳山頂にゴールインしようと思っていたが諦める.
何となくブラブラと最後の階段を登って,9時48分に塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間43分.山頂の気温は+11.8℃.
「お前さん・・相変わらずノロノロだな・・」
と自分自身に悪態をつく.
山麓には靄が漂っているものの,相変わらず富士山が良く見えている.振り返ると大山の風景を素晴らしい.私は恒例にしたがって,山頂からの風景を一回り撮る.
今日は土曜日.山頂では何時もより沢山の登山客が休憩を取っている.
山頂の標識付近でウロウロしていると,尊仏山荘から出てきたY内さんとバッタリ.
<塔ノ岳山頂から富士山を望む>
<塔ノ岳山頂から大山を望む>
■尊仏山荘
写真を撮り終えて尊仏山荘へ向かう.
先に到着したF田さんが,山荘の中から,窓越しに私に,
「そこ,そこ,・・・」
と手で合図をする.
「山猫ミー君が,そこに居るよ・・・」
という合図である.
なるほど,ミー君が,私が山荘入口の扉を開けるのを待っている.
私はミー君と一緒に山荘に入る.山荘には私より先に到着したご常連が沢山居られる.U村さん,F田さん,F田女史,K井さん,三角髭のTさん,A木さんなど.全員,私と同じバスあるいは次のバスに乗ってこられた方々ばかりでである.
今日の小屋番はW田さんとW林さんとW田さん.したがって,ミーはリラックス.
ミーは客室土間の真ん中で,妙な格好で毛繕いを始める.
「おい,おい,・・変なところ嘗めるなよ・・・」
<山猫ミー君>
■ご常連との雑談
例によって,300円也のお茶を所望する.
ご常連が座っている席の隅っこに座る.先着のF田さんが,驚いたような顔をして
「随分速いですね・・・」
と私に話しかける.
「え~ぇ~ッ!・・・・ちっとも速くないですよ・・・」
それを聞いていたカメラマンのMさんが,
「この人には,遅いね・・って,言わなければダメですよ・・つい2~3年前までは2時間10分台で登っていたんですから・・・」
正に図星! 私も随分と落ちぶれたものだと内心で実感! それでも,まあ,大方の同年代の方々に比較したら,少しは速いかなというだけ.毎度思うことだが,他人と比較しても詮無いこと.過去の自分,現在の自分,それに将来の自分と比較してこそ意味があると思っている.
雑談をしている内に瞬く間に時間が過ぎる.10時廻った頃,ゲザンシュタインさんも到着する.暫くの間,山荘はご常連で賑わっている.
<尊仏山荘のご常連>
■ご常連の集合写真
10時33分,山頂のポール前で,たまたま居合わせた常連の集合写真を撮る(ゲザンシュタインさん提供).
図らずも(図らなくても),この中で私が最年長.嗚呼!
ところで・・・
私は下山が苦手.速く歩けない.
一般に加齢とともにバランス感覚が鈍くなる.あの,高名な登山家,田部井さんも,どこかの雑誌か新聞に,60歳を過ぎて高齢になったので,バランスが鈍くなっている.だから充分注意して歩いていると書いておられる.ましては,凡人の私など注意しすぎてしすぎることはない.
そんなわけで,転倒しないように,十分気をつけて下山し続ける.下山が得意なゲザンシュタインさんは気の毒だが,私の後ろで私に合わせて歩いてくれる.
”さぞかし,焦れったいだろうな・・”
とゲザンシュタインさんの心情を慮りながら,頑固にマイペースで下山し続ける.
10時57分,花立山荘に到着する.山荘前は溢れんばかりの登山客である.
後7分坂は,率先してゲザンシュタインさんに先頭を譲る.ゲザンシュタインさんは,この怖い坂を2分半で下るという.私には到底真似できない芸当である・・・もっとも,雷に襲われそうになったら,命あっての物種,メチャメチャ速く飛び降りるだろうが・・・
(※ゲザンシュタインさん提供の写真)
■堀山の家
11時23分,堀山の家に到着する.ここでコーヒーブレーク.例によって300円也のコーヒーを所望する.
たまたま居合わせた先客のH間さんを交えて,暫くの間.雑談.
H間さんが,私と同じ年齢と伺ってビックリ.随分とお若く見える.H間さんは横浜在住とか.
堀山の家入口で,なっちゃんに集合写真を撮って頂いてから,ふたたび下山しつづける.速いか遅いか分からないが,マイペースで下山し続ける.
新緑が心地よい堀山の尾根を,速く通過するの実に惜しい.でも,早く返りたいという気分とが錯綜する.
駒止階段を極めて慎重に下りる.さらに見晴階段も慎重.
12時33分,見晴山荘を通過する.ここまで下山すると,気分的にも随分と楽になる.
<堀山の家>
■観音茶屋
12時43分,観音茶屋に到着する.ここでも,一同,途中下車.
私は300円也の氷水を所望する.冷たいのなんのって・・・余りの冷たさで,ノドチンコ辺りが悲鳴をあげる.
こちらでも,暫くの間,雑談.
三角髭のTさんが,
「FHさんの歩く姿を後ろから見ていると,まるで若い人のようですね・・・年齢は全く感じません」
と嬉しいことを言ってくれる.お世辞かどうか分からないが,”かく,ありたい”と願っている.
さらに,秋に開催予定の“韋駄天のTさん登頂2000回記念”の一泊旅行のことが話題になる.小ちゃい字で付け加えると“(山登り現役の)FHの満○○歳記念”を兼ねている.私は山仲間の猛女若干名に参加を呼びかけている.韋駄天さんの試算によると,前回は男性が多かったがものの,今回は男女比率が五分五分,しかも貸切バスが手配できる人数になりそうだという.今から楽しみである.
<観音茶屋の氷水>
■小田原経由で帰宅
13時05分,観音茶屋を出発.13時21分に大倉に到着する.
13時38分発の大倉行バスに乗車する.立ち席が出るほど,結構,混雑している.
渋沢で皆さんとお別れして,私1人,小田原行の電車に乗車する.小田原からは快速アクティに乗車,14時59分に大船に到着する.道草をしたにしては,意外に早く帰宅する.
心地よい疲労感.でも,大倉尾根往復なら,後に残るほどの疲労にはならない.そこがまた良いのだ.
ご同行頂いたご常連の皆様から,沢山の元気を頂戴した一日である.“感謝!” ,“感謝!”である.
<ラップタイム>
7:05 大倉歩き出し
7:30 観音茶屋
7:46 見晴茶屋
8:17 駒止茶屋
8:32 堀山の家
9:15 花立山荘
9:30 金冷シ
9:48 塔ノ岳山頂着(11.8℃)
10:33 〃 発
10:48 金冷シ
10:57 花立山荘
11:23 堀山の家(12:00までコーヒーブレーク)
12:14 駒止茶屋
12:33 見晴茶屋
12:43 観音茶屋(13:05まで休憩)
13:21 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:05
塔ノ岳 着 9:48
(所要時間) 2時間43分(2.72h)
水平歩行速度 7.0km/2.72h=2.57km/h
登攀速度 1269m/2.72h=466.5m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:33
大倉 着 13:21
(所要時間) 2時間48分(2.80h)
水平歩行速度 7.0km/2.80h=2.50km/h
下降速度 1269m/2.80h=453.2m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5e0d338bcb56027a8826177993cfd55e
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d56bdbae89cfa068b62cf1b07b6a6f67