中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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梅の鎌倉:玉縄周辺の古刹から七里ヶ浜へ(2)

2011年02月16日 22時24分56秒 | 鎌倉あれこれ
                                                                                <青蓮寺>

           梅の鎌倉:玉縄周辺の古刹から七里ヶ浜へ(2)
                   (五十三次洛遊会)
              2011年2月15日(火)  つづき

<手広台地散策地図>


※見取図:縮尺は不正確


<青蓮寺と江の島道標>

■青蓮寺
 熊野神社,路傍の石塔と祠を一回りした私達は,13時09分に,再び,飯盛山青蓮寺に戻る.真言宗のお寺である.私のブログでも,青蓮寺の記事は度々登場するので,この寺の由来などの記述は,今回省略する.
 前回,ここを訪れたとき,境内の梅はようやく咲き始めたばかりだったが,今日は丁度見頃を迎えている.清楚な梅の花がお寺の建物と調和して,日本独特の風物詩を楽しませてくれる.
 境内には私達以外に参拝者は居ない.静寂な春の寺を存分に味わう.


■江の島道標
 境内奥の庭園入口に,石造りの江の島道標が立っている.ここからは,私の勝手な推察だが,昔の江の島道が,この辺りを通過していたのだろう.すると,山崎公会堂付近にある江の島道標から,さきほど訪れた椿地蔵付近を通過して,青蓮寺境内に入り,さらに現在の西鎌倉住宅地の中を経由して,江の島まで通じていたのだろう.
 素人の推察なので,真偽の程は,全く分からないが,道標を眺めながら,あれこれと考えるのも,とても愉しい.


<のどかな梅の里>

■凄い切通
 13時14分,青蓮寺を出発する.一旦,山門を潜って境内から外に出る.そして,バス道路に沿って,やや急な登り坂を南へ進む.
 坂の頂上付近の進行方向右手には数軒の商店や飲食店が並んでいる.その前にある信号を渡ってから,ほんの数十メートル戻って東側の丘陵地帯に入る.道幅が狭い舗装道路が続く.ここから手広の高台に広がる長閑な田園地帯が始まる.
 丘陵地帯に入って間もなく,進行方向左手に,山をもの凄く深く刻み込んだ切通がある.今は通行止めになっているので,柵越えに覗くだけで済ませるが,鬼気迫る雰囲気である.数年前までは,通ることができたので,この切通に魅せられた私は,何回となく往復したことがある.切通の真ん中辺りから上を見上げると,切り立った断崖がずっと上までつながっていて,切り裂かれた狭い空に樹木が覆い被さっていた.


■長閑な散策路
 切通入口のすぐ近くに大きな石塔がある.この石塔が何かは私には分からないが,多分古いものである.
 さらに先へ進む.目の前には実に長閑な昔風の風景が広がる.切通入口から少し進んだところで,Y字路がある.目立たない三叉路なので,うっかりすると見落としてしまうような所である.ここで左側の道に入る.道幅1メートルほどの舗装してない土手道が続く.
 残念ながら,この辺りで,間もなく中規模な宅地開発が始まるようである.この長閑な情景を楽しめるのも,あと僅かである.
 此路を進むと,数軒の民家を通り過ぎて,畑中の道に変わる.前方には鎌倉山の森が連なっている.進行方向右手には,今が見頃の梅林が見えている.


■庚申塔
 なだらかな丘陵を進むと,道端に庚申塔が安置されている.この道は,昔の人たちの巡礼道だったのだろうか.それとも生活道路かな.こんなとりとめもないことを考えながら歩く.やがて,進行方向左手に,上町屋や大船方面の視界が開ける.素晴らしい眺めである.
 進行方向左手には,綺麗に手入れされた公園風の丘が続く.芝生の日陰の所々に僅かながら残雪がある.実はここから急坂を下ると,山麓の住宅地に降りられるが,今日の所は秘密にしておこう.


■畑中の袋小路に咲く梅の花
 少し先で,三叉路を左に曲がる.またすぐに三叉路になる.ここを左へ進むと下り坂の切通になり,両側に墓地が点在する.今回は,右へ進む.するとまた三叉路になる.ここを左へ行くと,送電鉄塔に突き当たって,道は終わる.今回はここを右へ向かう.すぐに左手の梅が数本,見え始める.前回,下見に来たときは,ほんの数輪しか咲いていなかったが,今日は実に見事.まさに花の見頃を迎えている.
 一同,暫くの間,見事な梅を見上げながら立ち休憩を取る.


■梅林の向こうに西鎌倉が見える
 ふたたび往路を引き返して,最初の三叉路に戻る.今度は,この三叉路を右手に進む.また,三叉路になる.この三叉路を左に進むと,5分ほどでバス停鎌倉山付近に出る.私達は右手に進路を取る.進行方向右手の視界が広がる.雪が斑に残っている丘の向こうに今が見頃の梅林が広がっている.その先の山は西鎌倉の住宅地である.
 道を挟んで反対側の土手には,小さなイヌフグリが沢山咲き始めている.私達は,この長閑な風景を眺めながら,ここで10分ほど休憩を取る.


■鎌倉山住宅地に出る.
 休憩後,同じ道を先へ進む.やがて,本圀寺という寺の前を通過する.この本圀寺が,どのような由来の寺かは私には分からない.
 本圀寺の前を過ぎると鬱蒼とした森になる.この森もほんの十数メートルで終わり,鎌倉山の住宅地に突然出る.どなたかが,
 「あれ・・・もう鎌倉山ですか・・!」
とビックリしている.

<眺望の散策路を経て霊光寺へ>

■雷亭
 バス停鎌倉山から,桜並木に沿って,尾根伝いに東南の方向へ向かう.歩道がないのに,自動車の往来が多く,ところどころに残雪がある.随分と歩きにくい.ここを開発した菅原通才が,もう少し気を利かせて歩道を作ってくれれば良かったのにと愚痴っても後の祭りである.
 私達の前に,中年女性ばかり数名のグループが歩いている.私達のグループと比較すると,随分と着ぶくれている人たちである.私達は道路の右側を,この女性グループは左側を歩いている.
 この辺りで右折すると,テレビの司会で超有名なタレントが住む御殿のような住宅がある.仲間の一人が,折角だから,このタレントの家を拝みに行こうと提案する.
 「じゃあ・・・寄り道するか・・」
と足を止めたときに.道の反対側を歩いていた書生グループが,このタレントの家を目指して右折していく.途端に,寄り道をするのが嫌になる.
 「そんな・・人の家を見ても仕方がないでしょう・・」
と誰かが言い出す.ご尤もである.
 雷亭の前を通過する.私が,
 「憚りながら,私は,こんな高級店には入ったことないんです・・」
と仲間に言う.丁度そのとき,入口付近から店員が出てきて,
 「どうぞ,お帰りにでも,お立ち寄り下さい・・」
と言いながら,私達に雷亭のパンフレットを手渡す.私は自分のボヤキが,この店員に聞こえたのではないかと,ヒヤリとする.


■棟方版画美術館
 途中から右折して,横道に入る.そして,14時13分,棟方版画美術館に到着する.今日は休館日.もっとも開館していても入館する予定はなかったが・・・
 玄関前で,暫く立ち休憩を取る.
 「へえ~・・・ここが棟方版画美術館か・・」
と誰かが感激した様子である.


■七里ヶ浜の眺望
 尾根沿いの桜並木を西南に向かう.両側には豪勢な住宅が建ち並ぶ.私が現在住んでいる家など,ここの住宅に比較すると,まさに兎小屋である.
 ほとんど人も通らない閑静な住宅街である.でも,右側一列通行を守って戴く.
 14時26分,広町緑地入口に到着する.ここは鎌倉三大緑地の一つ.面積は48.1ヘクタール.三つの緑地の中では一番面積が広い(参考資料1.p.67).


                              (つづく)
[参考文献]
資料1;鎌倉商工会議所(監),2009,『改訂版鎌倉観光文化検定公式テキストブック』かまくら春秋社
資料2;鎌倉市教育センター(編),2009,『かまくら子ども風土記』鎌倉市教育委員会

「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/dc98723dc522ea6ad560774879763a26
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
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