中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

梅の鎌倉:玉縄周辺の古刹から七里ヶ浜へ(3)

2011年02月17日 17時49分15秒 | 鎌倉あれこれ
                                       <霊光寺>

       梅の鎌倉:玉縄周辺の古刹から七里ヶ浜へ(3)
          (五十三次洛遊会)
        2011年2月15日(火)
 つづき

<霊光寺・雨乞の池>

■行会川
 広町緑地入口から二つの階段を降りて七里ヶ浜住宅地に入る.ここの住宅地は,私の住むところと較べると,道路が広々としていて,開放感がある.この住宅地も老齢化が進んでいるかどうか知らないが,ほとんど人影がない.
 途中で右折して七里ヶ浜小学校前へ向かう.小学校正門前の階段を下って,住宅地の一番西にある道路を海の方へ向かう.ごく緩やかな下り坂である.ここも,一列になって歩いて貰う.
 14時41分,右折して,行会川に架かる雨乞橋を渡る.
 1271年(文永8年),日蓮が片瀬滝ノ口で処刑されることになる,役人が刀を降ろそうとすると,玉のような光り物が現れて,役人は目が眩んで打てなくなった.このことを幕府に知らせようと使者が立つ.一方,幕府から日蓮の処刑を取りやめる報せをもった役人が龍ノ口へ急行する.この二人が,この川で出会ったことから,この川を行合川と呼ぶようになったという伝説がある(資料1,p.168).


■霊光寺
 ここから,少し急な登り坂を登る.急坂を登り切った右手に,広町緑地の東側の尾根が途切れるところがある.広町緑地に入って,この尾根を南へ辿ると,この場所に降りることができる.ただ,断崖に近い急斜面なので,多少,山登りに馴れていないと,とても降りられるところでない.
 同行者の一人が,この急坂を下りた経験を話す.
 余談だが,鎌倉の山を甘く見ている人を,ここへ案内することがある(マル秘,マル秘).
 山裾を回り込むようにして右折する.未舗装の道路が続く.この道路の突き当たりが龍王山霊光寺である.
 14時44分,霊光寺の駐車場に到着する.ここは日蓮宗の寺.明治末期に「日蓮大菩薩祈雨之旧跡地」と画いた石塔が出土したので,ここに本堂を建てたのが,この寺の始まりだという(資料1,p.109).
 本堂は尾根の上にある.少し急な階段を登ると,途中に日蓮上人像が南向きに立っている.ここから尾根伝いに北へ進むと本堂前に出る.
 本堂正面の軒には,金文字で「祈雨霊蹟」と書いた額が掲げられている.この額は,この寺建立に尽力した上村彦之承という人物の書だという(資料1,p.168).
 参拝後,先ほど登った階段を降りる.
      



■雨乞の池
 再び往路を戻って,七里ヶ浜2丁目の住宅地へ向かう.元の道路に戻ってすぐ右手に雨乞の池(田辺ヶ池)がある.ここは忍性が雨乞いをしても雨は降らなかったのに,日蓮上人が法華経を読み始めたら雨が三日三晩降り続いたという伝説の池である(資料2,pp.168-169).
 つい最近までは,一面に雑草が生え繁る荒れ地だったが,何時の間にか綺麗に整備された池になっている.折角だから池を一回りしようかとも思ったが,何となく面倒なので,そのまま通過する.


<七里ヶ浜駅へゴール>

■七里ヶ浜2丁目から七里ヶ浜駅へ
 雨乞の池の前を西に進む.道は広町緑地に突き当たる.そして左手に大きくカーブしながら急坂になる.
 「・・後,30分くらいで,七里ヶ浜駅に到着しますよ・・」
と一同を鼓舞する.
 急坂を登り切ると十字路になる.その先にかなり規模の大きな住宅地が広がっている.
 十字路を左折して,一番海沿いの道を進む.やがて,進行方向左側の住宅が途絶えて,駐車場になる.ここで,自動車道は行き止まりになる.
 駐車場から,冬枯れの枝の間を通して,眼下に広がる七里ヶ浜の海岸が見える.このコース最後の眺望の場である.
 ここで小休止をした後,駐車場脇の低いブロック塀を乗り越え,住宅地の中の階段道を一気に下る.
 階段道を降りきったところに,江ノ電のレールがある.信号機のない小さな踏切になっている.
 「・・電車が来るかも知れませんよ.気をつけてください・・」
と注意を促す.
 半分ほどに人数が踏切を渡ったときに,藤沢行電車が七里ヶ浜駅を発車する.
 「電車が来るから,待っていて・・」
と大声を出す.電車は,
 「パ~ン,パ~ン,・・」
と警笛を鳴らしながら,踏切を通過していく.
 15時13分,予定よりも30分ほど早く七里ヶ浜駅に到着する.
 「お陰様で,予定より大分早く七里ヶ浜駅に到着しました・・・どうしますか? 鎌倉駅まで歩きましょうか? ・・・鎌倉駅まで40~50分もあれば歩けますよ.でもお一人でも歩くのがイヤな人が居たら電車に乗りましょう.藤沢でも鎌倉でも構いませんよ」
と一同に伺う.
 鎌倉まで歩きたい人もかなり居るが,これ以上歩きたくない方も居るので,鎌倉駅まで江ノ電に乗って行くことに決定する.


■小町通り「モア」で懇親会
 希望者(といっても結局全員)は,ここから江ノ電に乗って,鎌倉駅に向かう.
 小町通りの「モア」で,希望者だけで懇親会を開催する.結局,お一人を除いて残り全員が懇親会に参加する.割り勘嫌いの私は,最初から,
 「割り勘にはしません・・各自,自分の分は自分で支払って下さい・・」
と宣言する.
 実は,この店,下戸の私には打って付けのところである.グラタンやサンドイッチが,とても美味しくて,お値段もリーズナブル.かなり頻繁に利用している.顔見知りのウエイトレスが,ニッコリ笑って,“いらっしゃいませ”という.
 私はグラスビールとポテトチップだけ注文する.一同で乾杯.ビールはほんの一口だけだが,実に美味しいなと思う.
 「モア」は,若い女性好みのおしゃれな店である.参加者のお一人が居酒屋と間違えたのか,
 「お酒はないの・・?」
と無理なことをいう.
 とはいえ,気心知れた仲間内の愉しい一時を過ごす.
 めでたし,めでたし.

<ラップタイム>

 9:58  大船駅南口 発
10:22  玉泉寺(10:27まで参拝)
10:42  貞宗寺(10:47まで参拝)
10:53  園光寺(10:59まで参拝)
11:13  フラワーセンター大船(12:55まで昼食・散策)
12:21  兜松
12:39  椿地蔵
12:53  熊野神社
13:03  路傍の石塔と祠
13:09  青蓮寺(13:14まで参拝)
14:06  雷亭前
14:13  棟方版画美術館(14:15まで休憩)
14:26  広町緑地入口
14:44  霊光寺(14:55まで参拝)
14:58  雨乞の池
15:13  七里ヶ浜駅

[ハイキング記録]

■水平歩行距離
  13.4km

■累積登攀高度  310m

■累積下降高度   309m

■所要時間(休憩時間込み)
   大船   発      9:58
   七里ヶ浜 着   15:13
  (所要時間)  5時間15分(5.25h)
 歩行速度 13.4km/5.25h=2.55km/h
                              (おわり)
[参考文献]

資料1;鎌倉商工会議所(監),2009,『改訂版鎌倉観光文化検定公式テキストブック』かまくら春秋社
資料2;鎌倉市教育センター(編),2009,『かまくら子ども風土記』鎌倉市教育委員会

「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/995f26fa97b21b78878016bd1295244c
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/12c1d660e59771c3c21e77baa97f4a8b


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。