<佐助稲荷>
初秋の鎌倉:当て処もなく北鎌倉から極楽寺を巡る
(山旅スクール5期「鎌倉トレッキング会」例会)
2010年9月19日(日)
<散策地図>
■JR北鎌倉駅から歩き出す
今日は山旅スクール5期の連中と鎌倉を歩く日である.
何時ものことながら,この会では,予めコース設定をしても,その日のお天気具合や,参加者の気分次第で,コースは大幅に変わってしまうので,今回も集合する場所と時間を決めただけ.
北鎌倉に9時30分に集合する.参加者はご常連の8名(男性2人,女性6人)である. 参加者(敬称略・順不同)は,ホッシー,痛子,煮物漬物,ノシイカ,トド,仙人,N,他の常連.それに案内役のFHこと私.
幸いなことに,今日は少々蒸し暑いが天気は上々である.
「さて,今日はどっちの方向へ行きますか・・・とりあえず,北へ行くか南へ行くか決めましょう・・」
と参加者の意見を聞く.
大方の皆さんが,南の方へ行きたいという.そこで,まずは南へ向かう.そして,歩いている途中で,終点を大船にするか鎌倉にするか,あるいは遠く藤沢にするかを決めようということになる.
9時37分,JR北鎌倉駅から歩き出す.
■台峰の展望台
JR北鎌倉駅前交番の脇から住宅地の中の路地に入る.クネクネと続く閑静な路地を抜けて,一旦,北鎌倉から山ノ内配水場に抜ける自動車道に出る.暫くの間,自動車道を南へ進む.
最初の三叉路で,どちらへ行くか迷うが,まずは右折して,住宅地の中を抜けて山ノ内の尾根沿いの狭い階段道を登る.この道は,実は寺分に住んでいる私が徒歩で北鎌倉に出る時に良く利用している.ここは取って置きの散策路である.数分,やや急な坂道を登ると,北鎌倉女学院グラウンドからの山道と合流する.この三叉路を鋭角に右折して,台峰の展望台で一休みするつもりである.
丁度そのとき,20人ほどの大集団が旗振りを先頭に山ノ内配水場の方から歩いてくる.伺うと神奈川県西部の某市にある散策の会の方々らしい.私は内心で,
「あじゃ~ぁ・・・,こんな所まで観光の方が来るようになったの・・」
と驚くやらガッカリするやらで複雑な気分になる.
「これからどちらへ行かれるんですか・・・」
と集団のお一人に伺ってみる.
「さあ・・良く分からないですが,鎌倉に詳しい方が案内しています・・」
台峰の展望台までは,偶然にもこの大集団と一緒になる.
10時15分,台峰展望台に到着する.
■カラスの糞攻撃
大集団の皆さんは,北鎌倉女学院グラウンドの方へ向かうようである.
それで,私たちは,10時20分,成り行きで大集団とは反対の方向に歩きだす.
「・・久々に瓜ヶ谷ヤグラから,葛原ヶ岡に向かいましょう.少し時間が早いかもしれないけれども,源氏山公園で昼食を摂ることにしましょう・・」
そこで,往路を少し引き返して,山ノ内の展望の良い所から瓜ヶ谷へ降りることにする.この辺りの道の両側は深い森林に覆われている.緑陰の中は,夏でも涼しくて気持ちが良い.気持ちが良いなと思いながら,山ノ内配水場の方へ向かう.
ところが,そのとき,ノシイカさんが悲鳴を上げる.何事!
「・・鳥のウンコにやられた・・・」
ノシイカさんの頭上に1羽のカラスが居る.カラスのウンコが運悪くノシイカさんの右側のホッペタとリュックの肩紐,それにシャツを直撃している.可笑しいやら気の毒やら・・
「どこか水のあるとこりへ連れてって・・」
とノシイカさんが必死である.
私がペットボトルに入れた水を差しだして,とりあえず頬に掛かった糞だけでも拭いて貰う.これで我慢して貰うつもりだったが,一刻も早く糞を洗い流したいとノシイカさん.
・・で,早くも予定を変えて,葛原ヶ岡へ直行する.どなたかが,
「・・ノシイカさんが,ウンコさんになっちゃった!」
と茶々を入れる.
■葛原岡神社
山ノ内配水場から尾根道を辿る.そして,10時37分,葛原岡神社に到着する.ノシイカさんには,近くにある水道で糞落としをして貰う.その間に,葛原岡神社を参拝する.
「皆さんは鎌倉の社寺にはあまり興味がないとおもいますが,この神社はクズハラオカジンジャっていうんです.ただ,ここの地名はクヅハラガオカと言います.“ガ”が神社の場合は無いけれども,地名には“ガ”が入るんです・・今日はこれだけ覚えて,知ったかぶりして下さい・・」
10時45分,すっかり糞を洗い落として,ウンコさんは,元のノシイカさんに戻って,スッキリした顔になっている.
■野外の昼食
どこか昼食を摂る適当な場所はないかと公園内を散策する.日野俊基墓を詣でてから,近くの高台に登ってみる.折から日曜日とあって,沢山の方々が園内を散策している.屋根のある休憩所は,どこも先客が居る.そこで奥の手を使って,一般の観光客はまず訪れない枝道の途中にあるベンチに陣取る.
昼食には少々時間が早いが,例により煮物漬物さんを始め,主婦の皆さんが家庭料理を持ち寄る.沢山の料理を並べて,大昼食会が始まる.毎回のことながら,この会で最も楽しい一時である.
■銭洗弁天
11時55分,昼食を終える.お腹が満杯になると,あまり動きたくなくなる.でも,このままJR鎌倉駅へ出たのでは早すぎる.そうかと言って,今から大船駅まで出るのもかったるい.
まあ,折角だから,腹ごなしに,宇賀福神社(銭洗弁天)から佐助稲荷へ抜けようということになる.
今,源頼朝像のある広場には,戦時中,高射砲陣地があった.この高射砲陣地への運搬路であった急坂を下る.坂道の途中からトンネルを潜って,銭洗弁天を詣でる.
境内には,沢山の観光客が集まっている.休憩所では濡れた数十枚の一万円札を並べて乾かしている人が居る.これを見てビックリ!
一同,お金を洗うのには興味なし.多分,皆さんは,お金持ちなのだろうと勝手に想像する.
■佐助稲荷
銭洗弁天から,昔の参道を経由して,佐助稲荷に向かう.
佐助稲荷側の参道入口に,江戸時代に立てられたと思われる案内の石柱が,何時の間にか無くなっている.どんな理由で取り払われたのか知らないが,無くなったのは,とても悲しい.
12時22分,佐助稲荷に到着する.ここにも沢山の観光客が訪れている.
佐助稲荷を参拝後,急坂を経て神社の裏山に登る.ここから,裏大仏ハイキングコースへ向かう.
■長谷浄水池展望台
裏大仏ハイキングコースでは,沢山のハイカーとすれ違う.歩いている内に,私たちのグループも,次第に前後でばらけてくる.こんなとき,何時も特定の方が,先走って,案内人の前に行ってしまう.
ハイキングコースの終点付近から,平素,滅多に行かない秘所(ここでは具体的な場所名は書けない)を案内しようと思っていたが,その特定の方が,行方不明.私たちの前にいるのか,後ろに居るのか良く分からない.電話を掛けて居場所を確かめる.すると平凡にも大仏側に降りてしまったという.これで秘所案内はオシャカ.
では,次善の策.長谷浄水池展望台にでも行こうと決める.大仏坂の反対側にある長い階段を登り詰める.仙人が少し遅れ出すが,13時17分,無事,展望台に到着する.
まずは展望台に登って,山の遙か先に見える七里ヶ浜の海岸を展望する.そして,浄水池のベンチに座って,二度目の昼食を摂る.もはや満腹.
■馬場ヶ谷
13時30分,浄水場から馬場ヶ谷を下る.谷戸の中の狭い道の両側にはビッシリと住宅が続く.南から道幅一杯になって登ってきた乗用車の運転手に,
「ここは生活道路だから・・・」
と怒鳴られる.
まあ,観光で住宅地の中を歩く私たちも,多少,気が引けるが,そんなことを言っていたら,この鎌倉には住めない.事実,鎌倉中央公園近くに住んでいる私の家でも,通りすがりの不特定多数の観光客に家の中をジロジロ眺められ通しである.これは決して良い気分ではないが,観光地に住む人間の一人として,仕方がないことと割り切っている.
まあ,それはともかく,13時45分に,江ノ電極楽寺駅付近に出る.ここまで来ると沢山の観光客で賑わっている.
■御霊神社から長谷観音へ
極楽寺坂を登る.“社寺より団子”のグループメンバーに,鎌倉の社寺の蘊蓄を話しても仕方がないので,成就院はパス.力餅屋の角で左折して御霊神社境内を横切って,長谷観音の前でトイレ休憩.
少々蒸し暑いので,私は自動販売機で良く冷えたコーラを購入する.仲間の中には,アイスバーを購入した人も居る.他人が食べているものは美味しそうに見える.私もコーラではなくアイスバーにすれば良かったと残念がる.
辺りはもの凄い人出である.この人出に圧倒され,一刻も早く雑踏から抜け出したくなる.
■吉屋信子邸前から鎌倉駅西口へ
仙人が,足の状態があまり良くないとのことで,江ノ電で帰るという.仙人とはここでお別れ.
残りの一行は,パン屋の“ジャックと豆の木”の角を左折して,住宅地の中の道に入る.吉屋信子邸の前を通り抜けて,路地を使ってショートカット.鎌倉図書館脇,裁許橋を通過して,14時43分,鎌倉駅西口に到着する.
■鎌倉駅前「扉」でお茶
どこかでお茶を飲みたいということになる.何時も行きつけの小町通り「モア」を覗くが満席.
結局,鎌倉駅前の喫茶店「扉」に入る.ここに入るのは2度目だが,結構落ち着いた雰囲気の喫茶店である.値段も手頃.私は,暑いのでコーヒーフロートを注文する.結構,美味.これからは,ちょくちょくこの店も利用しようかと思う.
お茶を飲みながら,浅間山登山の打ち合わせを行う.一同は大変熱心.たとえ雨が降ろうとも,とにかく皆で一緒に楽しもうと意気盛んである.私は皆さんの熱意にほだされて,この計画を纏めようと思っている.
16時25分にお開き.
私は皆さんをお送りしてから,源氏山公園を抜けて,徒歩で帰宅しようかと思う.ところが,鎌倉駅西口に廻った途端に,丁度,鎌倉中央公園行のバスが,始発停留所の鎌倉市役所前に到着するところである.私は反射的にバスに飛び乗る.
17時過ぎに帰宅する.
パソコンで,今日のでたらめ旅の経路を確かめると,水平歩行距離8.7キロメートル,累積登攀高度347メートル,累積下降高度361メートルである.これはもう,プチ登山と言っても良い散策であった.ただ,歩行速度(休憩時間込み)は,たった1.7キロメートル/時.いかにダラダラ歩きだったかが分かる.
とはいえ,何処を歩くか具体的な目標を定めずに,行き当たりばったりの散策も,たまには良いものである.
<ラップタイム>
9:37 北鎌倉歩き出し
10:15 台峰展望台(10:20まで展望休憩)
10:21 山ノ内展望台
10:37 葛原岡神社(10:45まで参拝)
10:55 日野俊基墓
11:10 源氏山公園(11:55まで昼食)
12:01 銭洗弁天(12:15まで休憩)
12:31 佐助稲荷(裏大仏ハイキングコースへ)
13:17 長谷浄水池休憩所(13:30まで休憩)
13:45 極楽寺橋
13:55 力餅屋
13:59 御霊神社
14:17 ジャックと豆の木
14:21 吉屋信子邸
14:45 鎌倉駅表口
[ハイキング記録]
■水平歩行距離 8.7km
■累積登攀高度 347m
■累積下降高度 361m
■所要時間(休憩時間込み)
北鎌倉駅 発 9:37
鎌倉駅 着 14:45
(所要時間) 5時間08分(5.13h)
歩行速度 8.7km/5.13h=1.70km/h
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0e6b840c0b87378297c31089814458c8
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/626ad453f14028915259c07aeb408e50
初秋の鎌倉:当て処もなく北鎌倉から極楽寺を巡る
(山旅スクール5期「鎌倉トレッキング会」例会)
2010年9月19日(日)
<散策地図>
■JR北鎌倉駅から歩き出す
今日は山旅スクール5期の連中と鎌倉を歩く日である.
何時ものことながら,この会では,予めコース設定をしても,その日のお天気具合や,参加者の気分次第で,コースは大幅に変わってしまうので,今回も集合する場所と時間を決めただけ.
北鎌倉に9時30分に集合する.参加者はご常連の8名(男性2人,女性6人)である. 参加者(敬称略・順不同)は,ホッシー,痛子,煮物漬物,ノシイカ,トド,仙人,N,他の常連.それに案内役のFHこと私.
幸いなことに,今日は少々蒸し暑いが天気は上々である.
「さて,今日はどっちの方向へ行きますか・・・とりあえず,北へ行くか南へ行くか決めましょう・・」
と参加者の意見を聞く.
大方の皆さんが,南の方へ行きたいという.そこで,まずは南へ向かう.そして,歩いている途中で,終点を大船にするか鎌倉にするか,あるいは遠く藤沢にするかを決めようということになる.
9時37分,JR北鎌倉駅から歩き出す.
■台峰の展望台
JR北鎌倉駅前交番の脇から住宅地の中の路地に入る.クネクネと続く閑静な路地を抜けて,一旦,北鎌倉から山ノ内配水場に抜ける自動車道に出る.暫くの間,自動車道を南へ進む.
最初の三叉路で,どちらへ行くか迷うが,まずは右折して,住宅地の中を抜けて山ノ内の尾根沿いの狭い階段道を登る.この道は,実は寺分に住んでいる私が徒歩で北鎌倉に出る時に良く利用している.ここは取って置きの散策路である.数分,やや急な坂道を登ると,北鎌倉女学院グラウンドからの山道と合流する.この三叉路を鋭角に右折して,台峰の展望台で一休みするつもりである.
丁度そのとき,20人ほどの大集団が旗振りを先頭に山ノ内配水場の方から歩いてくる.伺うと神奈川県西部の某市にある散策の会の方々らしい.私は内心で,
「あじゃ~ぁ・・・,こんな所まで観光の方が来るようになったの・・」
と驚くやらガッカリするやらで複雑な気分になる.
「これからどちらへ行かれるんですか・・・」
と集団のお一人に伺ってみる.
「さあ・・良く分からないですが,鎌倉に詳しい方が案内しています・・」
台峰の展望台までは,偶然にもこの大集団と一緒になる.
10時15分,台峰展望台に到着する.
■カラスの糞攻撃
大集団の皆さんは,北鎌倉女学院グラウンドの方へ向かうようである.
それで,私たちは,10時20分,成り行きで大集団とは反対の方向に歩きだす.
「・・久々に瓜ヶ谷ヤグラから,葛原ヶ岡に向かいましょう.少し時間が早いかもしれないけれども,源氏山公園で昼食を摂ることにしましょう・・」
そこで,往路を少し引き返して,山ノ内の展望の良い所から瓜ヶ谷へ降りることにする.この辺りの道の両側は深い森林に覆われている.緑陰の中は,夏でも涼しくて気持ちが良い.気持ちが良いなと思いながら,山ノ内配水場の方へ向かう.
ところが,そのとき,ノシイカさんが悲鳴を上げる.何事!
「・・鳥のウンコにやられた・・・」
ノシイカさんの頭上に1羽のカラスが居る.カラスのウンコが運悪くノシイカさんの右側のホッペタとリュックの肩紐,それにシャツを直撃している.可笑しいやら気の毒やら・・
「どこか水のあるとこりへ連れてって・・」
とノシイカさんが必死である.
私がペットボトルに入れた水を差しだして,とりあえず頬に掛かった糞だけでも拭いて貰う.これで我慢して貰うつもりだったが,一刻も早く糞を洗い流したいとノシイカさん.
・・で,早くも予定を変えて,葛原ヶ岡へ直行する.どなたかが,
「・・ノシイカさんが,ウンコさんになっちゃった!」
と茶々を入れる.
■葛原岡神社
山ノ内配水場から尾根道を辿る.そして,10時37分,葛原岡神社に到着する.ノシイカさんには,近くにある水道で糞落としをして貰う.その間に,葛原岡神社を参拝する.
「皆さんは鎌倉の社寺にはあまり興味がないとおもいますが,この神社はクズハラオカジンジャっていうんです.ただ,ここの地名はクヅハラガオカと言います.“ガ”が神社の場合は無いけれども,地名には“ガ”が入るんです・・今日はこれだけ覚えて,知ったかぶりして下さい・・」
10時45分,すっかり糞を洗い落として,ウンコさんは,元のノシイカさんに戻って,スッキリした顔になっている.
■野外の昼食
どこか昼食を摂る適当な場所はないかと公園内を散策する.日野俊基墓を詣でてから,近くの高台に登ってみる.折から日曜日とあって,沢山の方々が園内を散策している.屋根のある休憩所は,どこも先客が居る.そこで奥の手を使って,一般の観光客はまず訪れない枝道の途中にあるベンチに陣取る.
昼食には少々時間が早いが,例により煮物漬物さんを始め,主婦の皆さんが家庭料理を持ち寄る.沢山の料理を並べて,大昼食会が始まる.毎回のことながら,この会で最も楽しい一時である.
■銭洗弁天
11時55分,昼食を終える.お腹が満杯になると,あまり動きたくなくなる.でも,このままJR鎌倉駅へ出たのでは早すぎる.そうかと言って,今から大船駅まで出るのもかったるい.
まあ,折角だから,腹ごなしに,宇賀福神社(銭洗弁天)から佐助稲荷へ抜けようということになる.
今,源頼朝像のある広場には,戦時中,高射砲陣地があった.この高射砲陣地への運搬路であった急坂を下る.坂道の途中からトンネルを潜って,銭洗弁天を詣でる.
境内には,沢山の観光客が集まっている.休憩所では濡れた数十枚の一万円札を並べて乾かしている人が居る.これを見てビックリ!
一同,お金を洗うのには興味なし.多分,皆さんは,お金持ちなのだろうと勝手に想像する.
■佐助稲荷
銭洗弁天から,昔の参道を経由して,佐助稲荷に向かう.
佐助稲荷側の参道入口に,江戸時代に立てられたと思われる案内の石柱が,何時の間にか無くなっている.どんな理由で取り払われたのか知らないが,無くなったのは,とても悲しい.
12時22分,佐助稲荷に到着する.ここにも沢山の観光客が訪れている.
佐助稲荷を参拝後,急坂を経て神社の裏山に登る.ここから,裏大仏ハイキングコースへ向かう.
■長谷浄水池展望台
裏大仏ハイキングコースでは,沢山のハイカーとすれ違う.歩いている内に,私たちのグループも,次第に前後でばらけてくる.こんなとき,何時も特定の方が,先走って,案内人の前に行ってしまう.
ハイキングコースの終点付近から,平素,滅多に行かない秘所(ここでは具体的な場所名は書けない)を案内しようと思っていたが,その特定の方が,行方不明.私たちの前にいるのか,後ろに居るのか良く分からない.電話を掛けて居場所を確かめる.すると平凡にも大仏側に降りてしまったという.これで秘所案内はオシャカ.
では,次善の策.長谷浄水池展望台にでも行こうと決める.大仏坂の反対側にある長い階段を登り詰める.仙人が少し遅れ出すが,13時17分,無事,展望台に到着する.
まずは展望台に登って,山の遙か先に見える七里ヶ浜の海岸を展望する.そして,浄水池のベンチに座って,二度目の昼食を摂る.もはや満腹.
■馬場ヶ谷
13時30分,浄水場から馬場ヶ谷を下る.谷戸の中の狭い道の両側にはビッシリと住宅が続く.南から道幅一杯になって登ってきた乗用車の運転手に,
「ここは生活道路だから・・・」
と怒鳴られる.
まあ,観光で住宅地の中を歩く私たちも,多少,気が引けるが,そんなことを言っていたら,この鎌倉には住めない.事実,鎌倉中央公園近くに住んでいる私の家でも,通りすがりの不特定多数の観光客に家の中をジロジロ眺められ通しである.これは決して良い気分ではないが,観光地に住む人間の一人として,仕方がないことと割り切っている.
まあ,それはともかく,13時45分に,江ノ電極楽寺駅付近に出る.ここまで来ると沢山の観光客で賑わっている.
■御霊神社から長谷観音へ
極楽寺坂を登る.“社寺より団子”のグループメンバーに,鎌倉の社寺の蘊蓄を話しても仕方がないので,成就院はパス.力餅屋の角で左折して御霊神社境内を横切って,長谷観音の前でトイレ休憩.
少々蒸し暑いので,私は自動販売機で良く冷えたコーラを購入する.仲間の中には,アイスバーを購入した人も居る.他人が食べているものは美味しそうに見える.私もコーラではなくアイスバーにすれば良かったと残念がる.
辺りはもの凄い人出である.この人出に圧倒され,一刻も早く雑踏から抜け出したくなる.
■吉屋信子邸前から鎌倉駅西口へ
仙人が,足の状態があまり良くないとのことで,江ノ電で帰るという.仙人とはここでお別れ.
残りの一行は,パン屋の“ジャックと豆の木”の角を左折して,住宅地の中の道に入る.吉屋信子邸の前を通り抜けて,路地を使ってショートカット.鎌倉図書館脇,裁許橋を通過して,14時43分,鎌倉駅西口に到着する.
■鎌倉駅前「扉」でお茶
どこかでお茶を飲みたいということになる.何時も行きつけの小町通り「モア」を覗くが満席.
結局,鎌倉駅前の喫茶店「扉」に入る.ここに入るのは2度目だが,結構落ち着いた雰囲気の喫茶店である.値段も手頃.私は,暑いのでコーヒーフロートを注文する.結構,美味.これからは,ちょくちょくこの店も利用しようかと思う.
お茶を飲みながら,浅間山登山の打ち合わせを行う.一同は大変熱心.たとえ雨が降ろうとも,とにかく皆で一緒に楽しもうと意気盛んである.私は皆さんの熱意にほだされて,この計画を纏めようと思っている.
16時25分にお開き.
私は皆さんをお送りしてから,源氏山公園を抜けて,徒歩で帰宅しようかと思う.ところが,鎌倉駅西口に廻った途端に,丁度,鎌倉中央公園行のバスが,始発停留所の鎌倉市役所前に到着するところである.私は反射的にバスに飛び乗る.
17時過ぎに帰宅する.
パソコンで,今日のでたらめ旅の経路を確かめると,水平歩行距離8.7キロメートル,累積登攀高度347メートル,累積下降高度361メートルである.これはもう,プチ登山と言っても良い散策であった.ただ,歩行速度(休憩時間込み)は,たった1.7キロメートル/時.いかにダラダラ歩きだったかが分かる.
とはいえ,何処を歩くか具体的な目標を定めずに,行き当たりばったりの散策も,たまには良いものである.
<ラップタイム>
9:37 北鎌倉歩き出し
10:15 台峰展望台(10:20まで展望休憩)
10:21 山ノ内展望台
10:37 葛原岡神社(10:45まで参拝)
10:55 日野俊基墓
11:10 源氏山公園(11:55まで昼食)
12:01 銭洗弁天(12:15まで休憩)
12:31 佐助稲荷(裏大仏ハイキングコースへ)
13:17 長谷浄水池休憩所(13:30まで休憩)
13:45 極楽寺橋
13:55 力餅屋
13:59 御霊神社
14:17 ジャックと豆の木
14:21 吉屋信子邸
14:45 鎌倉駅表口
[ハイキング記録]
■水平歩行距離 8.7km
■累積登攀高度 347m
■累積下降高度 361m
■所要時間(休憩時間込み)
北鎌倉駅 発 9:37
鎌倉駅 着 14:45
(所要時間) 5時間08分(5.13h)
歩行速度 8.7km/5.13h=1.70km/h
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
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