2012年7月12日(木) 曇一時雨
早いもので,白内障右眼の手術を受けた日から4日目を迎える.
その間,飲み薬やら何種類の目薬やらを,医師から指示されたとおり,忠実に実施している.
手術の経過は至って良好である.何しろ小学校時代から,ずっと眼鏡を使ってきた私である.まだ,右眼だけだが,眼鏡なしで視力が1.0もあるのが,とても嬉しいし,眼鏡なしで見えることがとても不思議である.
昨日のブログでも書いたが,近くしか見えない左目で眼鏡なしで見た風景は極端にぼやけていて,しっかり見える右眼の画像には,画質を落とすノイズにしかならないが,それにも何とか馴れ始めている.人間の脳の適応力には,我ながら感心している.
面白いことに,見る対象を顔から50~60センチメートルほど離すと,固定焦点のため近場の画像がボケる右眼と,近視でボケ始める左目の画像のボケ具合が丁度同じになる.対象物を,その距離に置くと,眼鏡なしでもとても楽に見える.多分,脳にとっても楽になるんだろう.今,文字を18ポイントの大きさにしているが,この程度の大きさにすると,眼鏡なしでもほとんど疲労を感じない.
ということは,2~3万円ほどの出費で,23~24インチ程度の外付けディスプレィを使えば,ぐっと楽にパソコンがいじれると言うことである.ダイヤトロンかI/Oデータのディスプレィでも入手するか.
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まだ,外へ出るな,自宅内で過ごすせと薦められている.
でも,こんなことを言うと難があるかもしれないが,平素,塔ノ岳に日常的に登っている私と,杖をついて,やっと歩いている方まで,十把一絡げにして,“4日目まで外出禁止”は,少々酷である.
自宅の庭ぐらいは歩いても良いというので,我が家は田舎にあると想定する.田舎の家なので,家の敷地は1町歩ばかりあるぞ・・と,拡大解釈・
そして,自宅近くの鎌倉中央公園をちょっと覗いてみる(実際の我が家の敷地はせいぜい80坪ぐらいしかない).
たったこれだけの外出でも,随分と気分は楽になる.
勿論,眼以外の身体に病気があるわけではないので,別にどうということはないのだが,それでも仮想の広い我が家を歩き回ると,多少の後ろめたさを感じてしまう.
実は,一昨日,手術した眼のガーゼ取りのために通院したときに,大船駅近くの100円ショップで,VUカット機能のある無色透明で度ナシのサングラスを100円で購入した.
もう70年も眼鏡を掛ける生活を続けているので,いきなり眼鏡がなくなると,どうも落ち着かない.そこで,この100円伊達眼鏡を掛けると,何となく気分が落ち着くし,紫外線除けにもなる.
眼鏡なしの自分の顔を鏡に映してみる.
「おまえ・・誰だ!」
と鏡の中の自分に,ビックリしながら質問する.
鏡の中の眼鏡なしの自分は,自分のようで自分でない.
何ともむさ苦しい.それに,よぼよぼ.
眼の下がたるんでいる.皺だらけ.日焼けか汚れか分からないが真っ黒.
おまえの顔なんか,見たくない!
私は自分の“しおたれ顔”にガッカリ,愛想が尽きる.
そこで,100円の伊達眼鏡を掛けて鏡を覗き込む.そこには普段見慣れた自分のの顔が写っている.どうせシオタレた不細工顔でも,平素見慣れた顔の方が,まだ落ち着く.
「暫くは,100円眼鏡のご厄介になろう・・・」
7月23日に左目の手術をするが,両眼の手術が終わっても,暫くの間は,100円眼鏡を掛け続けるだろうなと予感する(多分).
もうひとつ右眼の手術を終えて驚いたことがある.
今まで右眼で景色を見ると,モヤモヤとしたゴミが沢山見えていた.飛蚊症とかいうヤツである.平素は気にならないが,青空など明るい所を見ると,この飛蚊状のモヤモヤが気になっていた.ところが,手術の後には,この鬱陶しい蚊が全くなくなっている.これだけでも万歳である.
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暇潰しに,眼科クリニックからサービスでいただいたDVDを見る.このDVDには,自分の手術の一部始終が写っている.
私の頭の方から写しているので,画面では上下反対になっている.最初は何を見ているのか分からなかったが,すぐに上下反対だと気がつく.
画面一杯に自分の黒目が写っている.実物より何倍もでかい眼である.
第一印象は“グロテスク!”
黒目の縁が一寸だけ切開され.そこから小さな注射針や鋏の先のようなものが差し込まれる.多分超音波を放射するんだろう.砕かれた水晶体が吸い込まれていく.ほどなく破砕された断片はすべて吸い出される.
ときどき,眼の表面に何か液体が振りかけられる.眼を洗う水なのか,それとも消毒液なのか良く分からない.手術中も,ときどき冷たいものが眼球に掛けられるのを感じていた.
ついで,小さな何かが挿入される.黒目の中で挿入された物が開かれる.円形の物である.どうやらこれがレンズのようである.
ここでDVDはお仕舞いになる.所要時間は8分ほど.
つまり,私の手術の所要時間は正味8分だった.
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今回,手術を受けての感想.
手術前から手術後までの一連のプロセスが,実に精緻である.
とにかく凄い!
沢山の医師,患者の体験の積み重ねで,一連の素晴らしいプロセヂュアが完成したのだろう.
今日一日辛抱すれば,明日からは,そこそこの外出は許されている.
今日の所は,退屈な夕方を,水戸黄門と大相撲を見ながら,何とか過ごす.
夕方,体重を量る.夕食直後という事もあるが,体重が500グラムほど増えている.このままだとブロイラーになっちゃうな.気を付けなければ・・・・
明日のお散歩解禁が楽しみである.
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