<尊仏山荘のネコ,ミー君>
残雪僅か,でも,ネコが寒がる丹沢;塔ノ岳(今年14回目)
(大三郎さん・N村さんとご一緒)
2012年3月7日(水) 曇
■ヤッパ,年だな
昨日今日と2日間は春たけなわの頃の気温である.とにかく暖かい.残念ながら明日からまた天気は下り坂である.私は3月3日(土)から5日(月)まで3日間にわたり,終日,塔ノ岳や鎌倉を歩き回っていたので,中2~3日置いてから塔ノ岳に登りたかったが,明日から天気が下り坂では仕方がない.ちょっとセカセカした感じがするが,今日も丹沢塔ノ岳に出掛けることにする.
何時も通りに,5時10分に家を出発する.路面が濡れている.夜半に雨が降ったらしい.天気予報では夜半に雨とはいっていなかったが・・・
平日の定番,小田原駅で駆けっこをして,無事,所定の小田急電車に乗車する.これで一安心.本日,一番大きな山場を無事越えた.あとは,ノンビリと塔ノ岳を往復するだけだ.何れにしても,高血圧(?)とやらで,経過をチェックしている身柄である.無理は禁物と絶えず自分に言い聞かせる.
親から授かった体の部品が,仮に品質が良くても,使い続けると当然劣化する.その点は,人間の体も機械と同じである.誕生したときには初期不良もあるが,やがて安定期を迎える.その内に部品の消耗劣化が次第に進んでメンテナンスコストが増え出す.人間のメンテナンスコストは,
メンテナンスコスト=劣化防止コスト+故障修理コスト
で表される.
私の場合,劣化防止コストは,正に塔ノ岳をはじめとするスロー登山や趣味の水彩画.そして,故障修理コストは,時々,不調になってかかる医療費や薬剤費である.私は小田急電車の中で,
「それにしても,この頃,チョコチョコとした医療費が随分掛かるようになったな・・・」
と述懐する.
要するに私の中央処理演算装置や周辺機器の五臓六腑,目や耳などの入出力装置がだんだんと劣化しているなと実感している.
他人から言われてみると,私のような高齢者が,大倉尾根を2時間30~50分程度で登るのは,確かに凄いことかもしれないが,部品が劣化する前には2時間20分台で楽に登れていた.それもわずか2年ほど前のことである.そう考えると,私の最近の劣化は目に余るものがある.何とかしなければと思案し続ける.
そうこうする内に,渋沢駅に到着する.
■大倉行1番バス
大倉行バス乗り場に到着する.すでに10名余りのキューができている.その中にたくさんのご常連の顔が見える.韋駄天のU村さん,三角髭のTさん,F田女史,ホッシーさん,Y内さん,大三郎さん,N村さん(以後サッチーさんと呼ぶ),Y川さんなどたくさんのご常連が待っている.やがて,下り電車が到着したらしく,ドヤドヤと登山客がキューに並ぶ.そのなかに,韋駄天のTさん,カメラマンのMさん,韋駄天のN村さん,韋駄天にF藤さんなどの顔が見える.
1番バスに乗車する.平日なのに,バスはほぼ満席である.一部の方は,バスの後方にまだ空席があるのに,前方で立ったままである.
<1番バスはご常連で一杯>
■そそくさと出発するご常連
6時58分,バスは大倉に到着する.到着と同時に,何人かのご常連は,そのまま登山を開始する.
例によって,私はモタモタ.それでもストレッチを省略して,7時07分に,たまたま一緒になった大三郎さん,サッチーさんとご一緒に登山を開始する.
正直なところ,私は医師から経過観察を受けている身である.とてもお二人と一緒には登れないなと思いながらも,
「まあ,いいや,・・無理のない範囲でご一緒しよう・・」
と割り切ってお供をする.
結果的には,お二人が気を遣ってくれたのか,私にも丁度良い速度でご一緒いただいた.
単身登山も楽しいが,時には山仲間と雑談を交わしながらの登山も実に楽しいものである.
<バスが到着するとすぐに歩き出すご常連>
■登山は道連れ
克董窯を過ぎた頃,尾根の瓦版編集長のY川さんに追い付く.今日のY川さんは元気そうである.
「今日はどちらまで・・・(塔ノ岳山頂?)」
と伺う.今日のY川さんは「堀山登山」にするとのこと.
「お先に失礼します・・」
でY川さんを追い越させてもらう.
天気予報では,今日一日は晴の筈だが,あいにくの曇り空である.さらに路面が濡れていて歩きにくい.3人で雑談をしながら,7時31分に観音茶屋,7時48分に見晴茶屋を通過する.見晴茶屋からの相模湾の眺望を楽しみにしていたが,今日は雲が低く垂れ込めていて,残念ながら殆ど何も見えない.
■見晴階段
見晴階段に差し掛かる.
階段を見上げると,何人かの登山者の後ろ姿が見える.見慣れた日常の光景である.その中にホッシーさんの後ろ姿も見える.
ごくゆっくりとした速度で階段を登りつづけて,モミジ坂に差し掛かる.ここで立ち休憩を取っているホッシーさんに追い付く.ホッシーさんに,
「スミマセンが先に行かせてもらいます・・」
と挨拶して追い越させてもらう.
「どうぞ,お先に・・・私も2時間40分ぐらいで登る積もりです・・」
とのこと.
<今日の見晴階段>
■泥んこの堀山の尾根
8時05分に一本松を通過する.何時もの一人歩きのときより,少し遅い.
やがて駒止階段に差し掛かる.例によってシンドイ.急ぐと息が切れる,私を先導するサッチーさんが速度を加減してくれているらしく,楽に登り続ける.そして,8時22分に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間15分.せめて1時間6分程度のラップで通過したいところである.
堀山の尾根に入ると,今回もやっぱり泥んこ道になる.ただ,3月3日に登ったときに比較すれば,泥んこも丁度あんこのような感じになっていて,大分歩き易い.
残念ながら,藤さんの眺望が楽しめるスポットでも,今回も富士山は雲の中.残念.
8時42分,堀山の家を通過する.今日は平日.堀山の家は開いていない.
<富士山は雲の中>
■萱場平
いよいよ長い登り坂に差し掛かる.前回まであった残雪は,このところの温暖な気温ですっかり消えている.ノンビリゆっくりとした調子で,登り続ける.
「この速度なら,私にも十分付いて行けるな・・」
と確信が持てるようになる.
8時49分,戸沢分岐の手前,一番苦しい回第道で,20分後の2番バスで来られたジャイアンさんに追い抜かれる.ジャイアンさんが余りに速いので,あっけにとられる.
9時01分,漸く萱場平を通過する.
<残雪が消えた萱場平>
■ご常連と雑談30秒
萱場平でご常連のKシゲさんとすれ違う.
「やあ,やま,・・・今日は暖かで気持ちが良いですね・・」
と二言三言雑談をする.
その間に,ご同行のお二人との間の距離が開いてしまう.この距離を元通りに詰めるのが実に大変である.でも,ほんの少しでも,顔見知りの方と雑談をすると,大いに勇気付けられる.だから,顔見知りの方と雑談するもの登山をする楽しみである.
ただ,統計を取っていると,ご常連との雑談時間は平均30秒/人掛かっている.Kシゲさんとちょっと話している間に,大三郎さん,サッチーさんとの距離が数十メートル開いてしまう.たった数十メートルだが,この距離を詰めるのは容易なことではない.
<ご本人の了承を得て写真を撮らせていただいた>
<一寸の雑談でこれだけ遅れてしまう.間を詰めるのが大変>
■後7分坂
やがて後7分坂に差し掛かる.
大三郎さんが飛び出す.たちまちの内に私との間が開く.私も付いていこうかなと思ったが自重する.坂を3分の2ほど登ったところで,下ってくる韋駄天のS藤さんとすれ違う.続いてN村さんが降りてくる.お二人とそれそれほんの一言二言話をしている内に,最早,追い付くことが不可能なほど,大三郎さんとの間が空いてしまう.私は早々と追い付くのを諦める.
9時23分,ようやく花立山荘に到着する.
先に花立山荘に到着した大三郎さんが,私を待っている.
「今日,(後7分坂を)6分で登りましたよ・・」
と大三郎さんが言う.私は大三郎さんより1分ほど遅れて登ったので,何時も通り7分掛けて登ったことになる.何だか随分と掛かったような気がするが・・・
ただ,大倉を歩き出してから花立山荘までの書状時間が2時間16分も掛かっている.
「(無理をしないペースで)せめて2時間05分ぐらいで歩きたいな・・・」
と思う.
<後7分坂>
■ご常連と次々にすれ違う
今日はかなり暖かいので,花立山荘を通過しても,残雪は見られない.花立山山頂に向かって,坂道を登っていると,ご常連のXさんが下山してくる.
「やあ,やあ,お元気ですね・・・」
で二言三言立ち話をする.
その間に,またもや「雑談30秒の経験則」が働いて,大三郎さん,サッチーさんから,数十メートル離れてしまう.坂道でのこの距離を縮めるのは容易ではない.
9時38分,金冷シを通過する.
最初の長い階段を登っているときに,下山してくる三角髭のTさんとすれ違う.
「やあ,お気を付けて行ってらっしゃい・・」
と何時ものように励まされる.この一言が嬉しい.
<何時も元気なご常連のXさん;ご本人の了承を得て掲載>
<Xさんと立ち話をしている間にお二方との距離が開く>
<三角髭のTさんが下る>
■塔ノ岳山頂付近は,まだ残雪
塔ノ岳山頂が近付くと,残雪が見え始める.
金冷シから最初の長い階段を登り切ったところで,韋駄天とTさんとすれ違う.
「今日は,泥の状態もマアマアで良かったですね・・では気をつけて・・」
金冷シから2番目の階段の途中で,下ってくるジャイアンさんとすれ違う.私より数メートル先を登っているお二人が立ち止まってジャイアンさんと話しているので,ようやくお二人に追い付く.
<韋駄天のTさんが下る>
<ジャイアンさんが下る>
■塔ノ岳山頂
お二人の後を付けて,9時55分に塔ノ岳山頂に到着する.今の私の体力では,一杯一杯の所である.山頂の気温はプラス2℃.やっぱり暖かい.
今回の大倉から山頂までの所要時間は2時間48分.ちょっと遅すぎるが,まあ仕方がないか.
山頂はガスっている.残念ながら眺望は諦めるしかない.それに,霧氷も全くない.
何時もの通りに,山頂の写真を数枚撮る儀式を済ませてから,尊仏山荘に向かう.
<霧の塔ノ岳山頂>
■ネコが寒がる尊仏山荘
尊仏山荘に入る.M田さん,Y内さん,K村さん,カメラマンのMさんなど,私と同じバスに乗り合わせたご常連が,もうとっくに山荘に到着している.
私は内心で,自分自身の体力なさを情けなく感じている.もう少し真面目に塔ノ岳詣でを続けて,体力を付けなければと思う.
今日の小屋番は,W田さん.早速,300円也のお茶を所望する.
W田さんが,どこからか,ネコのミー君を連れて来て,椅子にポンと置く.
ミー君は寒いのか,ストーブの前に座っているMさんとストーブの間に首を突っ込む.
「何だ,お前寒いんか・・・」
とMさんが笑う.
「お前も年だからなぁ・・・」
と言いながら,Mさんはミー君に席を譲る.
ミー君はストーブの前に香箱を作って居眠りを始める.
「(ミー君が)寒がって,『こたつを作れ』って,催促するんですよ・・・」
とW田さんが笑う.
<ストーブとMさんの間に入りたいミー君>
<Mさんに場所を譲ってもらい香箱を作るミー君>
■ご常連とすれ違いながら下山
10時45分,尊仏山荘から下山を開始する.下山も大三郎さんサッチーさんとご一緒する・・・・が,山頂から木道を下りはじめたときに,右足の踵に鈍痛を感じる.
「ありゃ~っ!・・・ちょっとおかしいな」・・
と感じた私は,様子見のために,何時もよりユックリペースで下り続けることにする.お二人より遅れて単独で下山しようと決める,
ところが心優しいお二人は,私と殆ど同じペースに合わせてくれる.その後も,右足の踵に違和感が残るものの,急いで歩かなければ何の支障もなさそうである.
馬の背で,何時もお会いするご常連とすれ違う(お名前は知らないが仮にYさんとしておこう).つい先日,3月4日にもあったばかりである.
「おや,また登られたんですか・・・お元気ですね」
とYさんが私に言う.
「それは・・・お互い様ですね・・」
と一緒に笑う.
この立ち話で,また,お二人との距離が開く.
馬の背の狭いところで,大きな荷物を背負ったチャンピョンとすれ違う.
「やあ,やあ,・・・」
と挨拶するが,狭いところなので,チャンピョンの勇姿をデジカメに収めることができない.残念.
■人並みに病気が話題になる
私が血圧の経過観察をしていることが話題になる.あまり個人的なことは書きたくないが,現在の私はどうも血圧が高そうである.掛かり付けの医師からは,
「最高血圧がちょっと高いな・・・・」
ということで,朝,昼,夜の3回,毎日血圧を測定して,「高血圧管理手帳」というノートに記帳している.成る程,貴重を続けると,朝は血圧が高めで,夕方は低めなことが良く分かる.
これまで,健康診断以外には,ほとんど病院通いをしたことがなかった私だが(歯科だけは別),この所,毎年1回程度,どこか故障があって余儀なく通院している.
これまで病気には殆ど縁がなかったためか,一寸でも体調が悪いと,今にでも死んでしまうのではないかと不安になる.
今回の血圧騒ぎをそうである.2月27日,たまたま今日ご一緒している大三郎さんと一緒に,大倉尾根を下山しているときに,どうも元気が出ないなと思い始めた.その翌日,朝から倦怠感があるので,病院を訪れたところ,血圧が高くなっていることに気がついた.それから2~3日の間は,このまま死んじゃうのではないかと心配になる.この心配が,ますます血圧に悪影響をお呼びしてしまう.
「私は,一寸した体の不調でも,ずいぶんと大げさに心配するクセがあるようです・・」
と愚痴る.すると,サッチーさんが,
「分かる,分かる・・・その気持ち,良く分かります・・」
と相槌を打ってくれる.平素元気なサッチーさんも,一寸した体調不良を大げさに考えてしまうところは私と同じだという.私はサッチーさんが頷なづかれたので,「他の人も同じか」と,少し安心する.
ところで,私は長野県出身である.県民性を分析した某書に書かれている長野県民の特徴は,まさに私のことが書いてあるのではないかと疑いたくなるほどピッタリ.「血圧を記録しなさい」と言われれば,100パーセント指示通りにやらなければ気が済まない性格である.こんな性格が,血圧を更に高くしてしまうんだろう.
「ははあ・・・FHさんは血液型がA型でしょう・・・」
と大三郎さんが言う.
大三郎さんによると,血液型がA型の人は几帳面だという.果たしてどうなんだろう.
私は血液型で人の性格を判断することはできないと思っているが,それでで大三郎さんの指摘にギクリとする.
何れにしても.部品劣化が進んで,メンテナンスコストがかなり高めになっている.
■熱い風呂が楽しみ
13時06分に大倉に到着する.下りの所要時間は2時間19分.右足をかばったために,何時もより15分ほど余計に時間が掛かっている.
「五臓六腑だけでなく,足までおかしくなったか・・・そろそろ年貢の納め時かな」
と,またもや弱気になる.
大倉発13時22分のバスに乗車する.途中,渋沢,小田原での電車の接続が順調で,15時ちょっと過ぎに無事帰宅する.
例によって,少々早めに風呂に入る.極楽極楽.
今週は週末に掛けて,天気が悪そうである.次回は日曜日辺りに堂のだけ詣でをしようかと思っている.
<ラップタイム>
7:07 大倉歩き出し
7:31 観音茶屋
7:48 見晴茶屋
8:22 駒止茶屋
8:42 堀山の家
9:23 花立山荘
9:38 金冷シ
9:55 塔ノ岳山頂着(+2.0℃)
10:47 〃 発
11:01 金冷シ
11:13 花立山荘
11:48 堀山の家
12:04 駒止茶屋
12:29 見晴茶屋
12:41 観音茶屋
13:06 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:07
塔ノ岳 着 9:55
(所要時間) 2時間48分(2.80h)
水平歩行速度 7.0km/2.80h=2.50km/h
登攀速度 1269m/2.80h=453.2m/h
■下降所要時間(雑談時間を含む)
塔ノ岳 発 10:47
大倉 着 13:06
(所要時間) 2時間19分(2.32h)
水平歩行速度 7.0km/2.32h=3.02km/h
下降速度 1269m/2.32h=547.0m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a5b784c2e8ab4699fba5d5d561b734de
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/874e2695639481a9f873a1f1497d547f
※誤字,脱字,転換ミスは後刻訂正します.
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