中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ペルー周遊記(9):第3日目(1)バリエスタ島観光

2008年08月02日 11時32分24秒 | ペルー:ブランカ山脈ピスコ山登頂
                   <バリエスタ島>
                  ※オタリアのハーレム

    ペルー周遊記(9):第3日目(1):バリエスタ島観光
          2008年7月3日(木)
 晴

<今日の予定>

 今日は,バジェスタ島を観光してから,ナスカに向かう.ナスカで1泊.そして,明日はナスカ地上絵を見学する.その後,再びリマに戻ることになっている.


<パラガスへ>

■朝弁当を持って出発

 時差の影響で,夜中に何回も目が覚めてしまう.やっと眠ったかと思っても,30分もすれば,また目が覚めてしまう.こんなことを明け方まで続ける.仕方がないので5時頃には,思い切って起床してしまう.そして,携帯してきた小型パソコンを使って,少しばかり日記の整理を進める.
 これから,バリエスタ島を見学,その足でナスカへ向かう.そして,1泊後,ナスカ地上絵を見学して,再びリマのペンションカンツータに戻る予定である.
 荷物の大半は,ペンションカンツータに預かって貰い,ナスカ往復に必要なものだけを持って,早朝,6時30分に,専用車で出発することになっている.
 6時15分頃,ロビーへ降りる.今朝は,少々早めに出発することになっているので,朝食はお弁当である.ロビーで大きな包みに入った朝食弁当を戴く.中を覗くと,オニギリ3個,おかず,蜜柑,それにペットボトル1本の水が入っている.

                  <ペンションカンツータの朝弁当>
                  ※大きな袋にお弁当と水が入っている.
                   オニギリが大変美味しかった.

■砂漠と日干し煉瓦の家
 6時35分頃,ガイドのアントニオが現れる.まだ,外は薄暗い.一同,直ぐに専用バスに乗車する.
 6時39分,いよいよ出発である.まだ,夜が明けきっていないリマの市街を南に向けてバスは進む.ガイドのアントニオが,ちょっと拙い日本語で説明を開始する.
 「・・・ここから,ピスコまで,大体,3時間かかります・・・224キロメートル,走ります・・・リマだけは曇っていますが,ナスカは晴れていて暑いです.砂漠ですから,とても暑いです・・・」
 リマの海岸は,海に沿って,砂岩の断崖が延々と続いている.私達が昨日訪れた恋人達の公園や市街地は,この断崖の上にある.私達を乗せたバスは,断崖の上の市街地を,南に向かって走っていたが,7時頃,断崖の下の道まで降りて,海外沿いの道を,ひたすら南東に向かって下っていく.崖の上には,昨日,昼食で訪れたレストランが見えている.
 7時12分頃,道路はいつの間にか,海岸線から離れて,内陸を走っている.進行方向左側には石灰岩が風化した砂漠が広がり始める.砂漠の彼方此方に,日干し煉瓦の粗末な家が建っている.その家の周辺に養鶏場の小屋が並んでいる.また,遙か砂漠の向こうにセメント工場らしい建物が見える.砂漠が延々と続く.

              <リマ郊外:延々と日干し煉瓦の家が続く>

■パンアメリカンハイウェーに沿って南下
 8時22分頃,単調な砂漠の風景を見ている内に眠くなる.そこで暫くの間うたた寝をする.少し寒い.
 8時27分頃,約150年前に,日本のSAKURAMARUという船がやって来たといわれる港,セールヤソル(Cerro Azul)という小さな港町を通過する.進行方向右側のバスの窓越しに,数軒の民家やトウモロコシ畑,綿花畠が連なっているのが見下ろせる.アントニオの説明によると,この辺りが,リマの行政区の南端になるという.
 やがて,リマの隣の行政区(日本の県に当たる),イガ(Ica)が近付いてくる.これまで,片道2車線往復4車線の立派な道路が,往復2車線の道路になる.
 8時35分,私達を乗せたバスは,とある市場の駐車場に停車する.ここでトイレ休憩.
 アントニオの説明によると,私達が,今,下っている道路は,パンアメリカンハイウェーだという.北米からアルゼンチンに至るまで,壮大な長さのハイウェーを走っているかと思うと,感慨一入である.

                   <市場でトイレ休憩>

■ペルー人は“にわとり”
 アントニオが面白いことをいう.
 「・・皆さん,南米の人達が,ペルー人に付けたあだ名,何というか,ご存じですか?」
勿論,そんなことは誰も知らない.彼によると,
 「ペルー人は“にわとり,”そして,エクアドル人は“モンキー”です・・・」
なぜ,ペルー人が“にわとり”なのかは聞き忘れた.

■ようやくピスコへ到着
 トイレ休憩を終えた私達は,8時40分に市場を出発.
 道路の両側には,アスパラガス,綿花,トマト,ジャガイモ,トウモロコシなどの畠が続く.
 8時50分,カニエティ(San Vincente de Canete)という集落に入る.比較的大きな街である.アントニオの説明では,ここは日本人町だという.2007年8月15日に震度7の大きな地震が,この街を襲った.そのときに,日干し煉瓦で造られた家は,全部倒壊してしまったという.そういわれてみると,家の壁だけが中途半端に残って,天井がない廃墟が,道の両側に立ち並んでいる.
 9時30分,イカ県のチンチャ(Chincha Alta)という町に到着する.随分と賑やかな街である.沢山のインド製と思われるオート三輪車が,街中をノロノロと走っている.アントニオの説明だと,毎年,3月に,この町でブドウ祭が開催されるという.
 9時53分,私達はやっとピスコ(Pisco)の郊外に到着する.市街には,昨年の地震の傷跡が,生々しく残っている.天井が抜け落ちた廃墟のような家屋が,道路の両側に建ち並んでいる.やがて,賑やかな中心街を抜けて,10時05分には,また砂漠の中の道になる.

                  <チンチャ市内>

<バジェスタ島見学>

■パラガスから乗船

 何となく蒸し暑くなる.また睡魔に襲われた私は,暫くの間,うたた寝をする.
 10時15分,私達を乗せたバスは,やっとパラガス(Paracas)に到着する.ここはリマの中心街から,約15キロメートル南南東に下った所である.パラガスは,太平洋にキノコのような形に突きだしたパラガス半島(Peninsla de Paracas)の付け根にある小さな集落である.魚の加工工場など数軒の建物だけがある小さな街場である.
 10時46分,私達は波止場で待機している観光船に乗船する.10時53分,出航.海を渡って吹き寄せる風が冷たいので,防寒具を着用する.
    
                     <バリエスタ島>
               ※『地球の歩き方:ペルー』から引用

 観光船のガイドは,エドガードさん.英語で私達に説明をする.船が波に乗って大きくヨウイングするので,ノートにメモを書き留めるのが容易ではない.後からノートを見ても,随分と読めない所があって,ガッカリする.
 
      <パラガスの波止場>                                 <観光船に乗船>
                             ※中央の男性がガイドのエドガーさん 

■イルカが遊ぶ
 私達が乗った船は,パラガス半島沿いに外洋の太平洋に向けて,シュプールを描きながら進む.船尾を見ると,美しい航跡が,大きな弧を描いている.私達の船の直ぐ先で,漁船が盛んに撒き餌をしている.その餌を狙って,沢山のカモメが漁船を取り囲んでいる.
 エドガードさんが,
 「・・・あそこを見て!・・・イルカが居るよ!・・・」
と叫ぶ.
 成る程,数頭のイルカが,漁船の廻りを回遊している.この漁船は,私達のようは観光船の乗客に,イルカを見せるため,撒き餌をしていたのだ.

           <イルカと遊ぶ:どこかにイルカが居る筈だが・・・>

■海鳥の大群
 船はやがてパラガス半島の先端部分に到着する.この辺りからパラガス半島を見ると,半島ではなく大きな島のように見える.半島には草木は一本も生えていない.丁度江ノ島ほどの大きさの山に見えるが,酸化鉄(多分褐鉄鉱)独特の赤褐色の山肌で覆われている.こんもりとした小山の稜線を歩いたら,多分,気持がよいだろうと想像する.

              <バラガス半島:海鳥の大群>

■カンデラブロ
 航路から見て真っ正面に,ナスカの地上絵を思わせる不思議な絵が描かれている.エドガードさんによると,カンデラブロ(燭台:Candelabro)と言うそうである.高さ約185メートル,幅約53メートル,深さ50センチメートルの絵だという.この絵は20キロメートルも離れた所から見ることができるという.
 この絵は,500年ほど前に,スペイン人が作ったという説と,プレインか時代に作ったという説があるという.

                 <カンデラブロ全景>

■パジェスタス島のハーレム
 船はパラガス半島から離れて,外洋に向かう.
 目の前には,中央に大きなトンネルがあるゴツゴツとした岩でできた島が見えている.グアネラス島(Isla Guaneras)である.その先にパジェスタス島(Isla Ballestas)がある.海から,いきなり岩礁が立ち上がっている.ゴツゴツとした岩に沢山のオタリア,海鳥,ペンギン等が生息している.島に近付くと,鳥の糞で,島全体が白くなっていて,大変な悪臭が漂っている.この悪臭を嗅ぐと,もうここは良いから帰りたいという気分になる.

                   <絶海のハーレム>

 岩礁の上で,オタリアの1匹の雄が2匹の雌を従えて,ハーレムを作っている.そこへ,もう一匹の雄のオタリアが近付いて追い払われる.なるほど,これがハーレムかと納得する.
 私達を乗せた観光船は,12時04分に,バリエスタ島から往路を辿って,帰路に就く. 12時34分に,元の船着き場に戻る.
 12時38分,再びバスに乗車する.

                    <バリエスタ島遠望>

<ガイドのサイン>

 西河トラベルのガイド:アントニオ
   
 バジェスタ島観光船のガイド:エドガード
   
                           (つづく)
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