中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

蒸し暑くてヘロヘロ登る丹沢;塔ノ岳(今年15回目)

2017年05月17日 04時58分20秒 | 丹沢の山旅

                            <塔ノ岳山頂からの眺望>

    蒸し暑くてヘロヘロ登る丹沢;塔ノ岳(今年15回目)
            (単独山行)
        2017年5月14日(日) 曇

■土曜日が雨だったので日曜登山だ
 毎週土曜日に塔ノ岳へ登ることにしているが,残念ながら昨日の土曜日は雨だったので,塔ノ岳詣では一日繰り延べて今日,日曜日ということにする.
 何時ものように,4時10分に自宅を出発,徒歩で2キロメートル余り離れた所にある大船駅を目指す.昨日タップリと降った雨で路面が濡れている.
 ”今日の塔ノ岳は山ヒルに気を付けなければいけないな…”
と思いながら歩き続ける.
 何時ものように,4時40分,大船駅に到着する.大船駅前のコンビニに立ち寄って,昼食用のオニギリ2個と,朝食用のサンドイッチなどを購入する.何時もは駅前の適当な食堂で軽く朝食を摂ってから電車に乗るようにしているが,今日は朝から食欲が何となくないので,電車の中でサンドイッチを摂ろうという魂胆である.
 コンビニで品選びをしているときに,ふと先日の血液検査の結果が気になり始める.個人情報をヘラヘラと書くのは好ましくないが,尿素窒素の値が標準値の上限22をちょっと越えて23になっている(その他の検査項目は異常なし).医師から,
 ”ちょっと脱水気味なので水分をこまめに摂るように…”
と注意される.
 医師の注意を急に思いだした私は,500ミリリットルのお茶を買い足す.そして,何時ものように東海道本線下り初電大船5時10分発熱海行に乗車する.
 電車はこの時期にしては意外に空いている.私は4人掛け1ボックスを1人で占領する.そして,お茶を少しずつ飲みながら,車窓の風景を楽しむ.

花と山ヒル
 6時11分,小田急線渋沢駅に到着する.
 何時ものように大倉行バス停へ.塔ノ岳常連の中では私が何時もバス停に一番乗りをしているが,今日は珍しく私より先にYSさんが先に到着している.その内にISIさん,KMさん,毎日登山のTGさん,IIJさん他が列に加わる.
 6時40分に臨時バスが出る.臨時バスは,6時54分,倉に到着する.
 私は出だしを超ユックリペースで歩かないと塔ノ岳山頂までスタミナが持たないので,6時56分に.常連の皆さんより少し早く大倉から歩き出す.
 路面は昨日の雨のため,ズブズブに濡れている.濡れた道路を見た途端に,2週間ほど前に,常連のMSさんが山ヒルにやられたという話を思い出す.
 ”今日は山ヒルにやられる可能性が高いな…”
 私はちょっと嫌な気分になる.
 7時08分,克董窯を通過して,土道に入る.道路に敷き詰められている礫が濡れていて滑りやすいし,こんなときには山ヒルも沢山お出ましになるに違いない.こんな所は早く通過したいが,急ぐと後でスタミナ切れになってしまうので困ったものだ.

<バス停大倉付近で撮影>

■日の当たる坂道

 山ヒルの怯えながら,少しずつ高度を上げていく.
 7時10分,丹沢ベースを通過する.山ヒルの被害が多いのは,この辺りのジメジメ道である.幸いなことに,私は大倉尾根で一度も山ヒルの被害に会ったことはないが,油断はできない.足許に山ヒルが居ないかどうか良く見ながら歩いているつもりだが,相手は小さな生き物である.ついつい見逃すことをあるだろう.まあその辺りは神頼みで登るしかない.
 やがて,ジメジメ道から抜け出して,例の日の当たる坂道に差し掛かる.
 今日も,目に染みるような新緑を抜けて朝日が射し込んでいる.実に美しい新緑である.
 この辺りまで登ると,登山道の路面も乾いているので,まだまだ油断はできないものの,山ヒルに遭遇する確率はずいぶんと小さくなる.

<日の当たる坂道>

■観音茶屋
 7時23分,観音茶屋を通過する.ここからがジグザグの山道に変わる.今のところ完全な独り旅である.独り旅は何と言っても自分勝手で歩けるのがメリットである.
 さきほどから,今日はどうも足が重い感じがしていて,体調は今ひとつである.それに,今,気温がどの程度あるかは分からないが,とにかく蒸し暑い.弱音を吐くわけではないが,心の中で,今日は塔ノ岳山頂まで行かずに途中で引き返そうかなと思いながら登り続ける.

<観音茶屋>

■見晴茶屋
 7時43分,見晴茶屋に到着する.大倉から歩き出して,47分経過している.
 ”こりゃぁ~…いくら何でもペースが遅すぎるな”
と反省する…が,じゃぁ…もっとピッチを上げて歩けるかといえば,そうもいかない.
 ”月並みな言い方だが,年は取りたくないな…”
とつくづく思う.
 見晴茶屋から相模湾の眺望をデジカメに収める.今日は晴れているような,曇っているような,どうもあいまいな天気である.

<見晴茶屋からの眺望>

見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.
 何時ものように見晴階段の下から,上を見上げた写真を撮る.今日はお天気のせいか,何時もより登山者の人数が少し少ないように思える.
 私は写真を取り終えてから,実にゆっくりとしたペースで階段を登り続ける.相変わらす蒸し暑い.

<見晴階段>

■モミジ坂
 見晴階段をナントカ登って,モミジ坂に差し掛かる.新緑のトンネルが実に美しい.私は思わず立ち止まって新緑の写真を撮る.
 ずいぶんとユックリ登っている積もりだが,絶え間なく汗が出そうになる.汗ばむ程度なら良いが,汗ビッショリになるのは身体に良くないので,大汗をかくのは,極力.避けたいと思っている.その結果,気温が上がるのに比例して歩行速度は遅くなる.これはやむを得ない.
 8時03分,一本松を通過する.大倉から一本松までの背負おう時間は1時間07分.1時間を7分もオーバーしている.

<モミジ坂>

■駒止茶屋
 やがて駒止階段に差し掛かる.階段道を登るのには結構辛いものがある.四苦八苦しながら登っている私の脇を若い人がスタスタ軽々と追い越して行く.正直,羨ましい.
 ”うらやましいって…!.自分の年を考えなさい! 自宅から外へ出て,こんな遠くまで来ただけでも’良し’としなければ…あんた,自分が何歳だと思っているだい…”
と体内に巣喰っているもう一人の私が,私を諭す.
 四苦八苦の末,8時17分に要約駒止茶屋に到着する.私は得に休憩は取らずに,そのまま堀山の尾根道に向かう.
 大倉から駒止茶屋までの所要時間は1時間21分.調子が良いときに比較すると10分ほど余計に時間が掛かっている.

<駒止茶屋>

■富士山が見えないまま小草平へ
 待望の堀山の尾根道に入る.辺りの空気が少しだけ動いているような感じがする.そのためか幾分涼しくなったような気がする.
 ”どうか富士山が見えますように…”
と願いながら,晴れていれば富士山が良く見える場所に到着する.
 残念.
 辺り一面に雲が湧いていて,富士山はおろか近くの山も全く見えない.意気消沈.
 8時36分,小草平に到着する.大倉を歩き出してから1時間40分経過している.できれば1時間30分で歩きたいところである.
 今日は日曜日.勿論,もう堀山の家は開店している.
 堀山の家の温度計は17℃を指している.やっぱりこの時期にしては,今日の気温は高めである.
 入口脇の掲示板には,先日,堀山の家に置いていった私の水彩画の写真が貼り出されている.有り難いことである.
 堀山の家には下山のときに立ち寄ることにして,小草平でも休憩を取らずにそのまま登り続ける.

<堀山の家の掲示板>

■緑鮮やかな萱場平
 ユックリ登っているはずなのに,足に疲れ…というか怠さを感じる.
 ”もっと,歩行速度を落とさなければ駄目だ…”
 私は自分の体調をモニターしながらさらに歩行速度を落とす.今日の目標は,とにかく安全に登れることだけに絞ることにする.
 8時57分,ようやく萱場平に到着する.萱場平の平坦道で一息入れることができ,ホッとする.萱場平も鮮やかな新緑に覆われている.木道の間のアザミも少しだけ葉を伸ばし始めた.
 アザミから勇気をもらって,引き続き登り続ける.

<萱場平>

■沢山の常連に追い越される
 萱場平を過ぎると,階段道になる.
 階段道を登り始めて数分経ったところで,後ろから来た集団に追い越される.集団の中のお一人が,
 「あら,FHさん…」
と私に声を掛ける.
 ナント! 常連の集団である.YMさん,YSさん,NMさん,TNさん…,一団となって私を追い越して行く.
 いくら私が悟っている(?)とはいえ,やっぱり情けない.ちょっと前までの私だったら,多分,皆さんと一緒に登れるだけの体力があったのに…今はもう後期高齢者を通り越して晩期高齢者の身だ.若手(?)の常連さんと一緒に登るなんて無理に決まっているが,やっぱり口惜しい.

<常連さんの集団の後ろ姿を見送る>

■花立山荘
 階段道を登り切って,ガレ場を登り続ける.そして,9時17分に後七分坂(花立階段)に辿り着く.
 階段下から眺める富士山の眺めがとても素晴らしいが,今日の富士山は雲の中である.ここでの富士山の写真は残念だが諦める.
 長い階段を苦労して登りきって,9時25分にやっと花立山荘に辿り着く.
 大倉からの所要時間は,2時間29分.数年前の私ならもうとっくに塔ノ岳山頂に到着している時間である…が,愚痴ってばかりでは仕方ない.現実を謙虚に受け止めるしかない.
 山荘前のベンチでは数名の若者達が休憩を取っている.
 私はここでも休憩は取らずにそのまま登り続けることにする.
 花立山荘を通過しようとしたときに,偶然,花立山荘のカナブン氏とバッタリ顔をあわせる.花立山荘にはほとんど立ち寄らない私はちょっとバツが悪いが,久々の顔合わせなの懐かしい.二言三言お話ししてから,登り続ける.

<花立山荘>

■雲に覆われた花立山
 花立山荘から花立山に向かう階段道がえらくシンドイ.ますます私の歩行速度は落ちる.もし晴れていれば,花立山山頂付近で素晴らしい展望を楽しむことができるが,曇っている今日は,遠くの山は雲の中である.ただ,近場の鍋割山稜の斜面を覆う新緑が鮮やかに見えている.
 谷間からツツドリ(かな?)の「ボウ,ボウ,…」という啼き声が響くように聞こえてくる.これも風物詩である.
 8時38分,やっと花立山山頂を通過する.もはや10時前に塔ノ岳山頂に到着するのは不可能なラップである.

<花立山山頂付近から鍋割山稜を望む>

■新緑が鮮やかな馬の背
 花立山を通過して馬の背に差し掛かる.新緑が実に綺麗だ.思わず立ち止まって新緑の写真を何枚か撮る.
 ”今頃は,もう常連の皆さんは,そろそろ,塔ノ岳山頂に到着しているだろうな…”
と想像しながら.9時47分,金冷シを通過する.
 ここまで登れば,塔ノ岳山頂まであと一息だ.

<新緑の馬の背>

■桜に癒される
 金冷シを過ぎると,数本の豆桜の華が見頃である.桜の木があるところでは,ちょっと足を止めて,桜に見入る.実に綺麗.桜の花に心が洗われるような気がする.
 桜の写真を何枚も撮るが,逆光になるためにどうも綺麗に撮れないのが残念である.
 どういう訳か,いつもより足が怠い上に,何となくシャリバテのような感じがするが,あと塔ノ岳山頂までは僅かな距離なので,今日も何とか山頂まで辿り着けそうである.

<金冷シ付近の桜>

■塔ノ岳山頂
 金冷シから最初の階段を登り始める.何人かの登山者に追い抜かれる.階段を半分ほど登ったところで,下ってくる俊足のMGさんとすれ違う.
 さらに山頂直下の階段道で,YSさんとすれ違う.
 「…後もう少し,頑張って!」
とYSさんが私を励ます.
 10時06分,やっと塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は14℃.やっぱりこの時期にしては高温である.
 頭上は雲に覆われている.そのために山頂からの眺望は残念ながら期待外れである.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は3時間10分.何とまあ…図らずも今年の最低記録達成である.でも,まあ,とにかく無事山頂まで辿りつつけたので,これで良しということにしておこう.

<塔ノ岳山頂>

■桜を愛でながら下山
 10時12分,塔ノ岳山頂から手山開始.
 山頂直下の木道を下っているときに,毎日登山のTGさんとすれ違う.更に下って金冷シ手前の階段道で,ISIさん,MSさんとすれ違う.さらに金冷シでNNさんとも…
 途中,豆桜の写真を撮りながら,ユックリと下り続ける.
 馬の背の登り返しがやたらに辛いが,ナントカ登って,10時35分,花立山を通過する.ここから先,暫くの間は下りだけなので,気分的にはずいぶんと楽になる.
 10時43分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチは溢れんばかりの登山者である.
 花立階段の途中で,山旅スクール5期のノシイカさんとKIさんの二人連れとバッタリ合う.KIさんとは,実に久々のご対面である.歓談の途中で数分立ち話に興じる.その間に,韋駄天のKMさんが私を追い越していく.

<満開の桜>

■萱場平から小草平へ
 11時07分,萱場平に到着する.
 萱場平は夥しい数の中学生らしい集団で一杯である.多分100人ほどの大集団である.綿井は恐れをなしてそのまま通過する.
 11時23分,小草平に到着する.ここでも沢山の登山者が休憩を取っている.
 堀山の家に立ち寄る.女主人のなっちゃんが愛想良く出迎える.私と入れ代わりにHNさんが堀山の家を出発するところである.
 私は冷たい甘酒を所望する.
 甘酒を賞味しながら10分ほど休憩を取る.
 余談だが…
 堀山の家の改修工事が進んで,以前とは見違えるように小屋の中が明るくなり綺麗になっている.

<堀山の家の甘酒>

■観音茶屋
 11時38分,堀山の家を出発する.
 堀山の尾根道の登り返しがえらくシンドイがなんとか通過する.
 11時47分,駒止茶屋を通過する.ちょっと急げば,大倉発12時41分のバスに間に合いそうである.でも,慌てることはないなと思い返す.
 順調に下って,12時23分,観音茶屋に到着する.ここでまたHNさんとバッタリ.私も釣られるようにして観音茶屋に立ち寄って,缶ジュースを所望する.
 11時38分,観音茶屋を出発する.

<観音茶屋>

■無事下山
 12時42分,無事,バス停大倉に下山する.
 塔ノ岳からの下山所要時間は,2ぇ所の山小屋での休憩時間を含めて,2時間33分であった.
 私は下山するとすぐに足を締め付けていたタイツを脱ぎ捨てる.途端に足が軽くなる.
 今日,坂道を登っている間に何時もよりずいぶんと足が重いなと感じていたのは,間違いなくこのタイツが原因だなと分かる.タイツのために足の血流が悪くなったに違いない.
 大勢の常連と一緒に,大倉13時11分発路線バス渋沢行に乗車する.
 渋沢駅で例のミスターd-ナッツに立ち寄ったが満席.私は早く家に帰りたかったので,今回はコーヒーブレークを中止して,真っ直ぐ帰宅することにする.

なんだ! 朝飯を食べていなかった
 小田急線下り電車に乗車する.
 電車の中で「飲むヨーグルト」を取り出そうとして,リュックの中に手を突っ込む.何かグニャッとする手触りのものがある.何だろうと思って,リュックから取り出す.
 ナント! 朝,電車の中で食べようと思っていた朝食用のサンドイッチである.物忘れの激しい私は,サンドイッチを食べるのを忘れていた.その結果,朝食抜きで塔ノ岳に登っていたことになる.これでなんでシャリバテのような感じになったかがハッキリ分かった.
 今日はシャリバテのまま,はき慣れないタイツで足の血流を妨げながら登山をしていたことになる.
 ああ,なんというドジ.参った! 参った!

<ラップタイム>

 6:56  大倉歩きだし
 7:23  観音茶屋
 7:43  見晴茶屋
 8:17  駒止茶屋
 8:36  堀山の家
 9:25  花立山荘
 9:49  金冷シ
10:06
  塔ノ岳山頂着
10:12    〃    発
10:27  金冷シ
10:43  花立山荘
11:13  堀山の家(11:30まで休憩)
11:47  駒止茶屋
12:23  見晴茶屋(12:27まで休憩)
12:28  観音茶屋 
12:43  大倉着

[山行記録]

■水平歩行距離        7.0km(片道)

■累積登攀下降高度     1,269m

■上り所要時間(休憩時間込み)
  大倉発             6:56

    塔ノ岳山頂着         10
:06
    (所要時間)        3時間510分(3.16h)
  水平歩行速度      7.0km/3.16h=2.21km/h
  登攀速度         1,269m/3.16h=402m/h

■下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳発           10:12
    大倉着            12:43
   (所要時間)        2時間33分(2.55)
 水平歩行速度      7.0km/2.55h=2.75km/h
  下降速度         1,269m/2.55h=498m/h
                                                                                  (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/58bb376f4d16998aa8c4367f513c928c
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3c593af8e6f25767533b54dfab650b21

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。