<塔ノ岳山頂の樹氷>
ご常連と一緒に登る樹氷の丹沢:塔ノ岳(今年4回目)
(ご常連に同行)
2012年1月14日(土) 曇・粉雪が舞う
■迷いながらも結局は出掛ける
何時ものように3時過ぎに起床する.
俗に「早起きは三文の得」というが,私の早起きは,そんな高邁なものではない.眠たくなったら寝る.そして起きたくなったら起きるを繰り返している内に,だんだんと時間がずれて,何時の間にか,世間一般の方と少なからぬ時差を生じてしまったに過ぎない.これもサンデー毎日のぐうたら生活のなせる業に違いない.もし,私がサラリーマンだったら,毎日定刻に起床することを余儀なくされるので,毎日,時間のリセットがされるのだが,今の私には,このリセットの機会がない.
まあ,それはともかく,起きてしまったからには仕方がない.私はパソコンの電源を入れて,夜中に受信したメールやら.リニューアルされた堀山の家のホームページを眺めたりしながら,
「さて,今日は丹沢へ出掛けるか.それとも,もう一度,寝床に潜り込んで二度寝するか・・」
で迷う.
というのも,明日の日曜日は山旅スクール5期生のおばさま方と一緒に大山初詣に行く予定がある.いくら私が物好きでも,連続2日間も丹沢に入り浸っているのは,どうも具合が悪いなと思うからである.
でも,多少は迷ったものの,今日は土曜日.丹沢へ行かない手はない.
何故って,土休日の小田急電車のダイアならば,小田原での乗り換え時間が平日ダイアより3分も余計にある.だから,平日のように,階段2段飛びのハア,ハア乗換をしなくて済む.このメリットは,とても大きい.
正直なところ,平日だと僅か3分しかない乗り換え時間をオーバーペースで走って,所定の電車に乗るために,1日に費やすエネルギーの大半をこの乗り換えだけに使ってしまうような感じである.
…で,5時10分に家を出発する.
前回の丹沢詣でのときには,同じ時間なのに中天にまん丸な月が煌々と輝いていた.でも今日はもう月は見当たらない.上空には街の明かりを薄暗いあかね色に反射させている千切れ雲が,真っ暗な夜空の中で漂っている.
「今日はあまり天気は良くなさそうだな・・」
と思いながらも,もう家を出た以上,何が何でも丹沢へ行こうと決心する.
■登山客が数珠つなぎの見晴坂
渋沢発大倉行1番バスは,立ち席が出るほど,そこそこ混雑している.韋駄天のTさん,S藤さん,三角髭のTさん,健脚のU村さん,F田さん,シュタインさん,SSKさん,土曜日のマドンナさん,Y川さん他多数のご常連さんが乗車している.これは賑やかなことで,大いに結構.楽しい登山が楽しめそうである.
バスは7時丁度に大倉に到着する.私は皆様と一緒に出発するために,かなり急いで身支度を調える.そして,7時10分に,皆様と一緒に大倉から歩き出す.
天気予報では晴の筈だが,空の高いところには一面に雲が広がっている.
東京周辺では,ここ連続30日間も異常乾燥注意報が出っぱなしである.そのため,今日の登山道も足許が乾いていて,とても歩きやすい.
まずは,シュタインさんが先頭になって歩き続ける.何時も,シュタインさんの出だしの速度が速いので,私にはなかなか付いて行けないが.今日は加減して頂いているのか,それなりの速度で歩いていただいている.出だしの遅い私も,今日は何とか付いて行けそうである.
「私,上りはダメなんですよ」
とシュタインさんが言う.すかさず私は,
「では,石は石でも,登りは重たい金剛石.下りは(速いので)軽石ですね・・・」
と茶々を入れる.
「軽石ですか~ぁ・・・でもすぐに水を吸って重くなっちゃいますよ・・」
と上手いことを言う.
山麓を歩いている間は,路面が良く乾いているので歩きやすいし,空気もヒンヤリとしているので,今日は登山にはもってこいのようである.
トラバース道の手前で,後ろから走ってくる丹沢ウッズさんに道を譲る.丹沢ウッズさんは,左手で,
「ヤッ・・」
と何時ものようにボデーサインをして,私たちを追い越す.その後,丹沢ウッズさんに会わないので,橋本まで走っていったのだろうか.
7時49分,見晴山荘を通過する.晴れていれば,山荘前から太陽の光を反射して眩しい相模湾が見えるはずだが,今日は雲に遮られてしまい,海は全く見えない.
山荘を過ぎてすぐに見晴階段に差し掛かる.階段を見上げると沢山の登山客が数珠つなぎになっている.
<見晴階段を登る>
■富士山の代わりに雲の写真
8時19分,駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してからの所要時間は1時間09分.単独で登っているときに比較すると,4~5分遅延しているようである.私は,
「この調子だと,山頂まで2時間50分という所かな・・・」
と独り言を言う.
堀山の尾根に差し掛かる.この辺り,1人旅のときは,かなりの速度で飛ばすところである.
ここは富士山がとても良く見えるところだが,今日は残念ながら富士山は雲の中.それでも性懲りもなく,見えない富士山の写真を撮る.もちろん,富士山など撮れるはずがない.分厚い雲しか撮れないのは分かっている.
「それでも,良いんだ・・・これは儀式だから」
私はあくまで頑固である.でも一方では,
「何で雲ばかりの写真なんか撮るんだよ・・面白くもなんともないじゃないか・・」
と私の体内に巣喰っているもう一人の私が私をバカにする.
「でも,自分でやろうと決めた儀式だよ・・仕方がねェだろう」
と私は心の中で言い返す.
<堀山の尾根を行く>
<富士山? 白い雲だった>
■萱場平
8時36分,堀山の家に到着する.シュタインさんが,給水を兼ねてここで休憩を取るという.
私はなまじ休憩を取ると歩行ペースが乱れるし,ご常連の皆様のようにサッサと急坂を登ることもできないので,
「では,ボチ,ボチ,先に歩いていますよ・・」
と皆さんにお断りして,マドンナさんの後を付けて登り続ける.
マドンナさんの歩行速度が,私にも丁度良いので,全く疲労感なしで登り続けることができる.それに,今朝,電車の乗り換えで無駄なエネルギーを使わずに済んだので,今頃になって,今日は身体が随分と楽だなと気がつく.
8時55分,萱場平に到着する.広場には,雪が残っている.私たちの前後には誰も居ないようである.
<僅かに残雪の萱場平>
■後7分坂
登るにつれて,だんだんと残雪が多くなる.
長い階段が終わって,ガレ場を登っていると,上からK重さんが,
「やあ,やあ,・・・」
と言いながら下山してくる.握手をて,今年も宜しくとお互いに挨拶をする.
9時09分,後7分坂に到着する.何時もならば,ここから下界の眺望をデジカメに収めるのだが,今日の下界は完全に雲の中.眺望は全くない.
「何にも見えなくて,残念ですね・・」
とマドンナさんが残念がる.
平常のペースで後7分坂を登り続ける.坂を3分の2ほど登ったところで,下ってくる韋駄天のS藤さんとすれ違う.
「FHさん,随分と早起きですね.3時頃,もうブログの記事を入れているんですね・・」
と私に話しかける.
「いや~ぁ・・年を取るとやたらに早く目が覚めてしまって・・・」
別れ際に,当ブログに掲載させていただく写真を撮らせて貰う.
<韋駄天のSさん>
■花立山
9時17分に花立山荘を通過する.
S藤さんと立ち話をしている間に,マドンナさんとの距離が空いてしまったので,歩くピッチを少し早める.そして,花立山手前で,ようやく追い付く.
花立山山頂手前のガレ場で,見えない富士山の写真を撮る.もちろん撮ったところで,真っ白でのっぺりした雲しか写らない.
「ソレデイイノダ・・・」
9時25分,花立山山頂の木道に到着する.
ここから先は,もう完全に冬山.足許の登山道は踏み固められた残雪がビッシリ.
「いつも,花立山の木道まで来るとホッとするんですよ・・」
とマドンナさんが言う.私も全く同感である.
<花立山山頂;ここまで来るとホッとする>
■霧氷がビッシリ
馬の背付近から,登山道周辺が綺麗な霧氷で囲まれるようになる.私にとって,今年初めて見る霧氷である.これ幸いと手当たり次第に写真を撮る.その間にマドンナさんとの距離が開いてしまう.マドンナさんを追いかける.また,写真を撮る.また,追いかけるを繰り返しながら,霧氷の写真を沢山撮りまくる.
<霧氷の雪道を行く>
■濃霧の塔ノ岳山頂
9時43分,塔ノ岳山頂に到着する.濃い霧と冷たい風の山頂である.今日の大倉からの所要時間は,2時間33分.途中まで皆様ご一緒にユックリした割には,まあ,まあ,といえるラップである.
手許の温度計では,山頂の気温はマイナス2.5℃.風もあるのでジットしていれないほど寒い.
一応儀式として,霧の風景を一回り撮る.
「霧ばかり写真に撮ってどうするんだ・・バカだね.お前さんは・・」
「だって,儀式だから仕方がないでしょう・・」
また,私は自分自身と自答する.
<塔ノ岳山頂の樹氷>
<凍てつく塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
丹沢寄りの霧氷群を写真に収めてから,尊仏山荘に入る.今日の小屋番はオーナーのHさん他2人のオールスターキャストである.序でに,ネコのミー君も客席でうすらボンヤリと目立たない場所にいる,そして,のっそりと,その辺りを彷徨いている.
早速,ミー君の写真を撮る.ミー君をデジカメに収めると今日1日のノルマを果たしたような気分になる.
山荘は,K井さん,Y内さん,F田さん,U村さん,I藤さん達,健脚組の常連さんで賑わっている.
私は,例によって,300円也のお茶を所望する.
私が山荘に入ってから,5~6分してから,シュタインさんご一行が到着する.山荘内はさらに盛り上がる.
<山猫ミー君>
■寒い山頂で集合写真
10時25分,そろそろ引き上げようかということになる.
山頂のポールの前で集合写真を撮る.ただし,私のデジカメではないので,ここで紹介できない.
注;たまたま,夜になってシュタインさんから,集合写真がメールに添付されて送られてきた.
<シュタインさん提供の記念写真>
■霧氷咲く登山道を下山
登りでは金剛石のシュタインさんも,下りでは軽石のシュタインさんに変身する.シュタインさんの軽々とした足取りには若さをがある.
そういえば,シュタインさんは世間的には十分に年配の方だが,今,ここに居る常連の皆様の中では,一番のヤングである.改めてここに居るご常連の皆様の年齢が,世間的に見たら,異常に高いなと言わざるを得ない.
…と,いうことは,安全に登山をする限り,登山は正に“百薬の長”なのだろう.
私たちは,下り韋駄天のシュタインさんが,持ち前の速度を減速して頂いたおかげで,速からず遅からずの速度で下り続ける.
山頂から金冷シ付近までは,登山道の両側に咲く霧氷の美しさに惚れ込みながら下山し続ける.
後7分坂は,シュタインさんに先頭に立って貰う.私は後から屁っ放り腰で,怖々とつづく.
■堀山の家でコーヒーブレーク
11時15分,堀山の家に到着する.ここまでご一緒した鵠沼の麗人は,所用があるので,そのまま下山するという.私を含めて残りの方々は,堀山の家で途中下車する.
私は,例によって300円也のコーヒーを所望する.
山荘のご厚意で,「おでん」を少々ご馳走になる.おでんは具の中まで味がしみこんでいて大変美味である.
<堀山の家のコーヒー>
■レストラン大倉で懇親会
丹沢ベース付近で,Y川編集長に追い付く.
その後,一同,ユックリと下山しつづける.
登山口を過ぎて,バス停大倉に後2分ほどのところで,別行動を取っていたご常連グループと合流する.
12時38分,無事,バス停大倉に下山する.
バス停近くのレストラン大倉で簡単な懇親会を開催する.いろいろな話題で盛り上がる.
韋駄天のTさんの2000回登頂記念,私の○×歳記念,霞沢岳や浅間山登山,常連会のことなどが話題になる.
<別行動のご常連と合流>
■無事帰宅
大倉13時11分発渋沢行のバスに乗車する.
渋沢から小田原経由で大船へ.大船からバスを利用して,15時前に無事帰宅.
家に帰ってから,アウタージャケットを,どこかにおいてきてしまったことに気がつく.多分,下山途中で,暑いなと思って脱いだ堀山の家に置き忘れたのかな? 来週にでも登って確かめなければ・・・
どうせ,ボロだからなくなっても構わないが,置き忘れたこと自体が老化の証拠かな?
<ラップタイム>
7:10 大倉歩きだし
7:31 観音茶屋
7:49 見晴茶屋
8:19 駒止茶屋
8:36 堀山の家
9:17 花立山荘
9:30 金冷シ
9:44 塔ノ岳山頂着(-2.5℃)
10:25 〃 発
10:39 金冷シ
10:49 花立山荘
11:15 堀山の家(11:41までコーヒーブレーク)
11:53 駒止茶屋
12:11 見晴茶屋
12:22 観音茶屋
12:38 大倉 着
[山行記録]
■水平歩行距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(休憩時間を含む)
大倉発 7:10
塔ノ岳山頂着 9:43
(所要時間) 2時間33分(2.55h)
水平歩行速度 7.0km/2.55h=2.74km/h
登攀速度 1269m/2.55h=497.6m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳山頂発 10:25
大倉 着 12:38
(所要時間) 2時間13分(2.22h)
水平歩行速度 7.0km/2.22h=3.15km/h
下降速度 1269m/2.22=571.2m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ce8ce30ecd8bc8739092bb95ebf9f619
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/162104abc52f59e09d5ea8281396e7e7
「塔ノ岳」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5b774409d6f87f74b0a845e963d580eb
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皆、揃っているか気になります
最近はスーパー韋駄天のSさんを何処で捕えるかが楽しみです
9、14日とトレランの方と橋本駅まで同行しています
私も橋本駅コースの馴染みを多く増やしていきたいです
昨日はお声掛けありがとうございました
楽しい一日が伝わりました
スーパー韋駄天のSさんは素晴らしいです!!
コメント有り難うございました.
私もウッズさんに追い越されるのを,毎回,とても楽しみにしています.
また,声を掛けて下さい.
私もウッズさんのブログを時々拝見しております.お元気でなによりです.
どうも有り難うございました.