＜ススキが美しい中辺路を行く＞
熊野古道：中辺路を行く(4)第２日目(1)
湘南カラビナ隊
第２日目 １１月２０日（火） ＜地形図＞
※プリントすると綺麗に見えます。
※升目1つが1km。左右の線が磁北線。細部は実際の地形図で確かめてください。
＜プロフィールマップ＞
＜大門王子跡を目指して＞
■高原無料休憩所へ
6時から朝食。簡素ながら美味しい。
チェックアウトをしようとするが，あいにくご主人は宿の車で先客を無料休憩所に移送中で不在。宿の女主人は，
「昼食弁当があったり，なかったり，・・・宿料がややっこしくて計算できません。主人が帰るまで待ってて下さい・・・」
と埒があかない。仕方なく，ご主人が戻るまで，精算をせずに待つ。
＜「きけうや」の床の間に飾られた絵皿＞ ＜「きけうや」の朝食＞
やがてご主人が戻ってくる。そして，ご主人を相手に宿料を精算する。女主人が，私達一人ひとりに，真っ赤な梅漬けを一握りほど手みやげに持たせてくれる。
私達一行も，2回に分けてご主人の車で，無料休憩所まで送ってもらう。
私は先陣。7時37分に旅館「きけうや」を出発する。昨日，下ってきた道とは違う道を，猛スピードで登っていく。ヘアピンカーブが連続する急な登り坂である。この坂を歩いて登っていたら大変である。
7時44分に無料休憩所（標高305m）に到着する。ご主人の車は，折り返して，後発の一行を，再び，ここままで連れてくる。後発組が到着するには，10分ほどかかるので，近くにある高原熊野神社を一回りしてくる。
＜五葉松＞ ＜高原熊野神社＞
熊野神社の手前にある民家の庭先には，枝の長さ18メートルもある立派な五葉松が植えてある。枝の長さは思わず見とれるほど立派だが，何となく無理に細工をしたような窮屈な印象を受ける。
朝の熊野神社もやっぱり素晴らしい。巨大な立木に囲まれた風格のあるお社は，何ともいえない心の落ち着きを与えてくれる。時間が許すならば，この神社に籠もって，暫くの間，巨木の霊気を授かりたいと思うがそうもいかない。
■旧旅籠通り
無料休憩所に戻る。丁度その時，どこからともなく野良着を着た初老のご婦人が現れる。無料休憩所の世話をしている方のようである。私達と人なつっこく挨拶を交わす。 8時06分，私達は無料休憩所を歩き出す。なだらかな登り坂を歩く。眺望が素晴らしい高原の尾根道が続く。道の両側には民家が点在している。
8時17分，無名のお社（370m）の前を通過する。この辺りから石畳の道に変わる。旧旅籠通りである。進行方向右側には「旧旅客はまや」と書いた案内板が建っている。古風で洒落た喫茶店「珈琲欅」の前を通り過ぎる。
11時20分頃，集落を抜けて，いよいよ山道になる。集落の外れに「ここより近露王子まで民家がなく，連絡の方法がありません。所要時間は約4時間です。出発にはお気を付けて下さい（火の用心）」と書いた案内板が立っている。
やがて，石畳の道は深い杉林の中に吸い込まれるように入っていく。いよいよ山道である。 
＜旧旅籠通り＞ ＜旧旅籠通りの廃屋＞
■高原池
8時27分，朽ち果てた民家の軒をかすめるようにして通り過ぎる。近くに一里塚跡（430m）を通過する。8時30分頃から石畳の道が砂利道に変わる。上り勾配も緩くなる。8時36分に檀ヶ峰遊歩道の分岐点を通過する。ここに滝尻王子を起点にして500メートル置きに設置された10番目の道標が立っている。
8時42分，高原池（510m）に到着する。山に囲まれた静かな池である。ここで数分休憩を取る。小さな池である。落ち葉が池面に沢山浮いている。池の畔の木々が見事に紅葉している。
＜高原池＞ ＜大門王子跡＞
■大門王子跡
8時46分，高原池を出発する。なだらかな上り勾配の道が続く。標高555メートルの小山（山の名前は分からない）の南東側をトラバースして，標高515メートル付近から，なだらかな下り坂になる。
坂を下り初めて直ぐに，8時54分，大門王子跡（490m）に到着する。近くに11番道標がある。ここで再び4分ほど休憩を取る。
（つづく）
