<わさび平に向かう道から左俣谷を望む>
やっぱり北アルプスはいいな:弓折山・笠ヶ岳縦走(2)
(白馬館北アルプス総合案内所)
2008年8月22日(土)~24日(月)
第1日目 2009年8月22日(土) 晴れ
<新穂高温泉へ>
■JR中央本線で松本へ
早朝4時に起床.この頃は,日ごとに朝が遅くなっている.つい先日までは,4時にはもう十分明るくなっていたが,この頃はまだ真っ暗である.
いよいよ,北アルプスの笠ヶ岳へ出掛ける日である.私にとって,北アルプスへ出掛けるのは実に2年目のことである.というのも,昨年は7月に長い間ペルーへ行っていたために,何となく北アルプスへは行きそびれた.
これまでに,北アルプスの大方の山には登ったが,なぜか笠ヶ岳だけは,登りたいなと思っていながら,なかなか登る機会がなかった.それに,自分の年齢を考えると,のこのこと一人で出掛けてしまうのも不安である.
そんな折,定期的にメールで情報を送ってくれる白馬館北アルプス総合案内所の資料をみて,このツアーに参加する気になった.
集合は新宿7:00発中央本線松本行特急「スーパーあずさ1号」の車内である.乗車駅は,新宿,立川,八王子のいずれかの駅.
鎌倉の辺境に住んでいる私には,新宿7時発の列車に乗るのは,結構,忙しい.湘南モノレールの初電と東海道本線,山手線を乗り継いで,6時45分,漸く中央本線のホームに到着する.新宿から乗車する方々は,すでに全員集まっている.
今回のガイドは白馬館のKさん,添乗員はMさんである.今回の参加者は男性4名,女性7名,計11名である.
「丁度,いい人数ですよ・・・」
とMさんが言う.
私たちは,ゆったりした気分で指定席に座っているが,自由席の方は大分混雑しているようである.途中,立川,八王子で参加者が乗車,全員が指定席の一角に揃う.
列車は,定刻,9時42分に松本駅に到着する.
私たちは,駅前で待機していたアルピコの専用小型バスに乗車,9時50分に松本駅前を発車する.
■旧知の方にバッタリ
列車に乗ったときから,
「あれ!・・・どこかのツアーでご一緒したことがあるな!?」
と一瞬で分かった見覚えのある女性が居る.
「誰だろう・・・どこでお会いしたのだろう」
確かに見覚えがあるのだが,思い出せない.件(くだん)の女性も,
「あれ・・・どこでしたっけ?」
暫くの間,思い出したような思い出せないような曖昧な気分のままだった・・・が,ハッと思い出す.
もうかれこれ,5~6年前,アトラスとレック主催の「アンナプルナ・ダウラギリ展望トレッキング」でご一緒していた.たちまちの内に,双方ともお互いのことを鮮明に思い出す.この女性はTさんという.このツアーでは,鎌倉の浄明寺に住んでいる私の山友達である仙人も参加していた.
私はバスの中で,Tさんの隣の席に座って,ネパールの懐旧談に花を咲かせる.
■道の駅「風穴の里」
バスがどこをどう通っているのか良く分からないが,だんだんと深い緑の谷間を登っていく.そして,10時26分に道の駅「風穴の里」に到着する.ここで10分ほどトイレ休憩をとる.
冷房が利いているバスから,外へ出ると,ここが北アルプスの高地かと疑いたくなるほど蒸し暑い.今日が特別に暑いのかもしれないが,こんなに暑いのなら,鎌倉で海風に当たっていた方が,よっぽど涼しいなと悔しくなる.
今は,夏の行楽シーズンである.しかも今日は土曜日.道の駅駐車場には沢山の自家用車が駐車している.そして沢山の観光客が売店を覗いている.
<道の駅「風穴の里」>
■新穂高温泉バスターミナル
10時36分,私たちのバスは道の駅「風穴の里」を発車する.
どらの方向に走っているのか分からないが,長いトンネルを2本ほど通過する.バスが先へ進むにつれて,ますます山が深くなる.
途中,ナントカ温泉郷を通過する.隣の席に座っているTさんから温泉郷の名称を教えていただいたが,聞いた途端に忘れてしまったので,ここではナントカ温泉ということにしておこう.
Tさんは,ここの温泉が痛く気に入っているようである.素晴らしい露天風呂があって最高という.ここから,暫くの間,Tさんから,お気に入りの温泉のことや,オーロラー観光が素晴らしいので,是非一度見た方がよいなどと,いろいろ聞かせて貰う.でも私にはさっぱり分からないし,あまり興味もない話なので,
「ああ,,,そうですか.」
「なるほど・・」
「そうでしたか」
と相づちを打つしかない.
そうこうしている内に,11時33分に私たちのバスは新穂高温泉バスターミナル(標高1100m)に到着する.
バスターミナル周辺は,沢山の観光客や登山客で賑わっている.
バスから下車すると,直射日光がジリジリと照りつけて,とにかく暑い.
私たちは適当に日陰を見つけて,そそくさと昼食を摂る.
<新穂高温泉バスターミナル付近からわさび平方面を望む>
<プロフィールマップ>
これから歩く第1日目のプロフィールは,次の図の通りである/
※プリントすると綺麗に見えます.
<わさび平へ>
■3組のチーム編成
12時丁度に広場の片隅に集合する.まずは,ストレッチ.白馬館所属のリーダー,Gさんの先導で,極々簡単なストレッチを行う.
ストレッチが終わってから,ツアーリーダーのKさんから,登山に当たっての注意事項の説明がある.
「・・ゆっくり歩きましょう.具合が悪くなったらすぐに教えてください.決して我慢しないようにお願いします.・・・」
ガイドのKさんが先頭である.
「30分ごとに5分休憩を取ります.次に歩き出すときは班の順番を変えます.最初は1班,2班,3班の順です・・・」
ついで,参加者11人の班分け.名簿順に先頭から,1チーム4名で班分けをする.私は一番最後の3人だけで3班になる.
「はあ~・・・私は“残飯”ですか」
と小声でオヤジギャグを飛ばす.3班は男性1人,女性2人,計3人で一つのチームになる.今度の笠ヶ岳で100名山完登になる女性もいる.女性のモサである.
組み分けが終わって,12時04分,1班,2班,3班の順番で歩き始める.私は遠慮して3班の最後部につく.
まずは,林道歩きである.林道といっても,道の両側には,ポツン,ポツンと施設や住宅が並んでいる.最初から結構な登り坂である.
<左俣谷から弓折岳方面を望む>
■左俣谷を遡る
暫くの間,舗装された道路を歩く.やがて集落を離れて,道路の両側は深い灌木樹林が続くようになる.道路の勾配は結構きつい.やがて道路はS字形に大きく蛇行する.私たちは左俣谷の左岸沿いの林道を登り続ける.
12時30分,左俣谷から穴毛谷が分岐する地点の脇を通過する.そして,12時33分,標高1,265メートル地点で,最初の休憩を取る.一同日,陰に入って,つかの間の休憩を取る.
とにかく,無性に蒸し暑い.実にゆっくりとした速度で歩いているのに,汗が噴き出てくる.
<ちょっと一休み>
■笠新道登山口を通過
12時37分に歩き出す.今度は先頭が2班,つづいて3班,1班の順である.
相変わらず谷間の中の単調な道が続く.蒸し暑さに耐えながら,殆ど無口で登り続ける.
13時11分,笠新道登山口を通過する.登山口を覗くと,石組の階段の先に急坂が見えている.
「・・皆さん,明後日は,ここへ降りてくるんですよ」
とガイドのKさんが言う.
<笠新道登山口>
■ワサビ平小屋に到着
13時25分,ワサビ平小屋(標高1,402m)に到着する.数名の先客が居る.小屋は結構賑わっているようである.
小屋の前には木を刳り抜いて作った水槽が3個置いてある.そこに冷たい水が張ってある.トマト,キュウリ,バナナなどが冷えている.
「う~ん・・・旨そうだな」
トマトは1個200円もする.バナナは1本100円.
私は誘惑に負けて,エネルギーの本になりそうなバナナを購入する.
「旨い!・・実に旨い!」
<ワサビ平小屋>
<冷えたトマト,キュウリ:他の水槽には別の果物,ビールなどが冷えている>
(つづく)
「北アルプスの山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/633907546a64ba3ef61d74d29ab8e44a
「北アルプスの山旅」の次回の記事
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