中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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やっぱり北アルプスはいいな:弓折岳・笠ヶ岳縦走(3)

2009年08月28日 09時42分46秒 | 北アルプス
                  <鏡平山荘から見た槍ヶ岳・南岳>

       やっぱり北アルプスはいいな:弓折岳・笠ヶ岳縦走(3)
           (白馬館北アルプス総合案内所)
        2009年8月22日(土)~24日(月)

第1日目 2009年8月22日(土)
  (つづき)

<小池新道を登る>

■林道終点

 ワサビ平小屋で休憩を取った私たちは,13時35分にワサビ平小屋を出発する.まだ暫くの間砂利道の林道歩きが続く.まだ,道路の勾配もそれほどきつくないので楽に歩けるが,ただやたらに暑いのには閉口する.
 13時52分,林道終点に到着する.ここからいよいよ小池新道と呼ばれる登山道が始まる.ちょうどこのとき,下山してくる二人連れとすれ違う.

                 <ここから小池新道が始まる>

■礫岩と砂利混じりの登山道が始まる
 私たちは左俣谷に沿って歩き続ける.次第に礫岩と砂利混じりの登山道らしい道に変わっていく.一辺が数十センチもある大きな石を丁寧に敷き詰めた登山道が続く.さすがに,ここは北アルプスである.登山道がとても良く整備されているのに感心させられる.
 14時07分,標高1540メートル地点で小休止.水分を補給して,14時12分に歩き出す. 前方には弓折岳の稜線がくっきりと見える.抜けるような青空の中に聳えている姿を見ると,わざわざ重い腰を上げて,このツアーに参加して良かったなと実感する.
 14時40分,標高1705メートル地点で,歩き出してから5回目の休憩を取る.14時45分,出発.足元に巨石がごろごろと転がる谷間の道を登り続ける.

■蒸し暑い登山道
 谷間の道を登り続ける.風が全くないので,ぬたっとした湿気が全身を覆ったままである.むしむしと暑くて,顔がほてりっぱなしである.
 だんだんと急坂になる.
 当初,プロフィールマップを見たときには,丹沢の塔ノ岳へ登る大倉尾根よりも楽かなと思っていたが,宿泊山行のために若干荷物が重い上に,やたらに蒸し暑いので,予想以上に大変である.
 その内に,女性参加者の1人が,
 「足が攣って,動けない・・」
とへたり込む.結局,添乗員のMさんが,この女性に付き添って,後からゆっくり登ることになる.

                     <川を渡る>

■秩父谷

 14時54分,標高1745メートル地点で,秩父谷の川を渡る.急斜面の河原の真ん中を幅数メートルの川が流下している.川の中の石を伝って対岸にわたる.
 「地図に出ている給水所はここですか?」
とガイドのKさんに聞いてみる.
 「もう少し先で,もう一度川を渡ります.そこで休憩します.給水できますよ」
 ここからさらに急な登り坂を進んで,15時03分,標高1780メートル地点で,また小さな川を越える.ここが秩父谷である.5分ほど休憩.
 
                      <秩父沢の看板>

■イタドリヶ谷

 15時11分,秩父谷を出発する.巨石が累々と連なる登山道が続く.汗が止めどもなく噴き出てくる.出がけにキャメルバックに2リットル以上の水を入れてきたが,こまめに給水しているので,水の消費量が,いつもの山登りより大分多いように思える.
 15時51分,イタドリヶ谷(標高1925m)に到着する.小休止.
 穂高連峰が良く見えている.

                     <穂高連峰が良く見える> 

■ししうどヶ原
 15時57分,イタドリヶ谷を出発する.登山道からの見晴らしがますます良くなる.
 16時20分,ししうどヶ原(標高2060m)に到着する.ここでまた小休止.「原」というが,少し平らになっているだけ.ただ見晴らしは素晴らしい.


■プロフィールマップ談義
 16時26分,ししうどヶ原を出発する.相変わらず蒸し暑くて閉口する.首に巻いているバンダナは汗でびっしょりずっしりと濡れてしまい,もうこれ以上汗は拭えないほどになっている.何も考えずにただ黙々と急坂を登り続ける.
 16時57分,標高2190メートル地点で休憩.私はプロフィールマップを見ながら,
 「あと100メートル足らず登れば鏡平,もう少しの辛抱・・」
とつぶやくように自分に言い聞かせる.
 すると近くにいた同行者が私のプロフィールマップを覗き込む.
 「これ,ご自分でお作りになったんですか・・」
と聞かれる.こんなときに,
 「そんなのカシミールを使えば直ぐ作れますよ」
と良く言われるので,機先を制して,
 「はい,自分で作りました・・・カシミールを使えば簡単に断面図が作れますが,私は,あえて地形図を頼りに自分の手で作ります.そうすれば登る前に大体の地形が頭に入りますよ・・ただ,自分で作ったプロフィールマップが正しいかどうかチェックするために,カシミールを使います・・・」
 一人の同行者が,
 「分かる,分かる.1回の登山が何回も美味しいですよね・・・」
私は
 「我が意を得たり・・」
とニッコリする.
(注)このブログに載せたプロフィールマップは,カシミールで作成したものをPowerPointで加工,さらにjpg形式に変換したものである.

■鏡平の池
 17時03分,標高2190メートル地点を出発する.谷間が次第に開けてくる.高山特有の淡い緑の林の中を進む.小さな峠を越える頃,足元が湿原になり木道が続く.少し下り坂になり盆地のようなところを抜ける.そしてなだらかな登り坂を進む.
 17時24分,登り坂を登り切ると,いきなり視界が開ける.そこには300平方メートルほどの板敷きのテラスが広がる.標高は2280メートル.鏡平山荘と同じ高さである.沢山の登山客がテラスから辺りの風景を眺めている.
 テラスの前には池がある.池に穂高連峰の山並みや青い空が映っている.
 ここは鏡平山荘の目の前,木道をほんの100メートルほど進めば鏡平山荘である.私たちは,山荘に入る前に,5分ほど,このテラスで辺りの風景を眺めながら休憩を取る.

                      <沢山の登山客が屯している>



                <水面に向こうの山が逆さに写る>

<鏡平山荘>

■鏡平山荘に到着
 17時27分に鏡平山荘にチェックインする.山荘は大混雑である.
 私たちが割り当てられたのは,別館1階の下段.1枚の布団に2人で寝ることになる.まあ,このシーズンだから,混雑するのは仕方がないし,あらかじめ覚悟はしていたものの大変辛いものがある.まあ,それはともかく,背中からリュックを降ろしてホツとする.
 山荘は大混雑だが,建物は新しくて,木の香りが残っている.布団もまあ清潔である.一昔前のトイレ臭い山小屋に比較すれば随分良くなったものだと感心する.

           <鏡平山荘:私たちは左側の別棟を割り当てられる>

■夕日の槍ヶ岳
 私たちの夕食は,5番目か6番目か知らないが,19時30分からだという.随分遅い.それまで,時間を潰さなければならない.山荘の中は登山客で一杯である.ゆっくりするならば山荘前の外のテーブルを使うしかない.でも,外気は5~6℃で,結構寒い.アルコール好きの男性群は,寒さをいとわずに外で酒盛りを開始する.私も,暫くの間,外を散策する.
 山荘の前に立つと,夕日に輝く槍ヶ岳,南岳の峰々が良く見える.この風景を眺めていると,やっぱり北アルプスは良いな.思い切って北アルプスへ来て良かったなとしみじみ思う.この年になると,もう来年は北アルプスまで来られないかもしれない・・・これが見納めかもしれないぞ,,,,そんな思いも込めて,美しい風景を堪能する.

                     <鏡平山荘から見た槍ヶ岳>

■長い待ち時間
 薄暗くなりはじめる.私は自分の布団に戻る.他の同行者も次々に戻ってくる.食事までまだタップリ時間があるので,思い思いに雑談を交わす.
 そうこうしている内に,途中で足が痙攣して動けなくなった女性も,山荘に到着する.
 私たちの話し声が煩かったのか,2階から「ドスン」と床を叩く音が聞こえる.
 「うるさいから静かにしろ・・・」
という合図のようである.
 早い組は,4時30分頃,夕食を済ませている.早組にとっては19時は,もう夢の中にいても良い時間である.うるさがるのも無理はない.
 同行者の中に,少し喧嘩っ早そうな方が1人居る.
 「山小屋で寝ようなんて思うのがおかしい.横になって,疲れが取れればそれで十分だろう・・・贅沢言うなよ・・・」
と聞こえよがしに愚痴のような独り言を言う.私は内心で「言い過ぎだな」と思うが,忠告するのも面倒なので,そのまま黙っている.

                       <山荘前の池>

■やっと夕食
 19時30分,やっと夕食になる.金属製の大きなお皿に,ネーベンがドッサリと乗っている.
 遅い時間のためか,昔の学校給食の味噌汁のように,中身の野菜がくたくたになった味噌汁を飲む.贅沢を言ってはいけないが,高所で炊いたためかご飯がなかなか食べられない.
 30分ほどで夕食を終える.
 20時10分就寝.
 こうして,長い,長い,初日が終わった.やれ,やれ,・・・

             <鏡平山荘の夕食:ネーベンが一杯で食べきれない>

                               (つづく)
「北アルプスの山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c6670f636b53cdf07642cf54e708f951
「北アルプスの山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/629cbf0115ef12ae4f7e9e5054e35c98 


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