中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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富士山の眺望とヒル談義の丹沢:塔ノ岳(今年35回目)

2011年08月31日 20時06分55秒 | 丹沢の山旅

                                  <塔ノ岳山頂からの眺望>

      富士山の眺望とヒル談義の丹沢:塔ノ岳(今年35回目)
             (単独山行)
          2011年8月30日(火)
 

■台風12号が接近中
 本州南方太平洋上にある台風11号と12号が不気味である.その内,台風19号は台湾を通過して中国本土へ.そして台風12号は明日(8月31日)辺りから本州に接近,荒れた天気が週末まで続きそうである.
 そうなると,安心して丹沢の塔ノ岳に登れるのは今日しかない.
 何時ものように4時に起床した私は,携帯電話で最新の天気予報をチェックして,丹沢行きを決める.
 5時10分に家を出発する.8月ももう下旬.夜明けがめっきり遅くなっている.やっと東の空が明るくなったばかりである.涼しい.秋の虫が鳴いている.気温を測ると28.0℃.体感温度より意外に高いのでビックリする.
 例によって,小田原駅で3分間の階段の上り下り駈けっこで,小田急電車に飛び乗る.駈けっこをしている間,今日はどうもからだが重いなと思う.やっぱり,ここ2週間ほど碌な所を歩いていないのが響いているらしい.
 渋沢発大倉行1番バスは,平日にしては随分と混雑している.バスの後ろの方には若干の空席もあるが,大半の席が登山客で埋まっている.韋駄天のTさん,三角髭のTさん,Y中さんのご常連の姿も見える.
 韋駄天のTさんから,同じくご常連のI井さんから預かられた写真を2枚頂戴する.前回,常連が集まって開いた懇親会の写真である.

<私の前を行く韋駄天のTさんとY中さん;山頂までの間に大幅に差が付く>

■尾根道を吹き抜ける心地よい海風
 バスは7時丁度に大倉に到着する.
 今回は,韋駄天のTさん,Y中さんが歩き出すのに釣られて,私も何時もより大分早く7時04分に歩き出す.
 克董窯付近までは,お二方の後を付けて歩いていたが,こんなに速いペースでは到底歩けないし,やっぱり歩き出す前に最低限のストレッチをしたかったので,丹沢ベースで立ち止まって,ほんの1~2分,足を中心にストレッチを行う.
 たった,1~2分のストレッチだったが,その間に,お二方の後ろ姿は全く見えなくなる.
 暫くの間は,掘り割りの中のようなジメジメした場所を登る.蒸し暑い.アブのような虫が,私にうるさく付きまとう.こいつらの羽音を聞いていると,早く涼しい秋にならないかなと,心底から思うようになる.
 7時27分,観音茶屋を通過する.登山道両側の林の中から,ミンミンゼミのうるさい泣き音が絶え間なく聞こえてくる.掘り割りのような登山道が続く.表面が少し濡れている石ころが累々と連なるイヤな場所である.しかも風通しが悪い.先日来の猛暑に比較すれば,暑さも少しはマシだが,それでも熱中症が気になる.私は極力無理をしないように心がける.
 7時42分,雑事場ノ平を通過する.ここまで来ると,進行方向右手(つまり東側)から,心地よい海風が吹き上げてくる.涼しい.実に心地よい.久々の朝の太陽が,登山道の杉並木の影を落としている.
 「今日は実に気持ちが良いな~ぁ・・・」
私は嬉しくなる.

<こぼれ日が涼しい見晴茶屋に向かう尾根>

■堀山から富士山が見える
 7時44分,見晴茶屋を通過する.そして,今日最初の難所である急坂にさしかかる.緑陰の素敵な坂道である.ただ,風は殆ど吹いていないので,結構蒸し暑い.韋駄天組の後ろ姿は,もうとっくに見えなくなっている.私の後ろにも登山者の姿はない.まるで1人だけの登山,この方が気分が楽である.私は体力に十分余裕を持たせて,安全第一を心がける.特に,登山中のバランス感覚と,リズム良く登ることに心がける.
 8時04分,ようやく一本松を通過する.歩き出してからもう1時間経過している.調子の良いときならば,そろそろ駒止茶屋に到着する時間である.正直な所,この頃の私は随分と体力が落ちたなと寂しくなる.しかし,考えようによっては,遅いと言っても標準時間よりはかなり速く歩いているし,この年になって,登れるだけでも幸いだなと自分自身を納得させる.
 8時18分,駒止茶屋を通過する.手前の急坂で,ほとんど止まりそうな速度で登っている2人の登山者を追い抜かさせてもらう.歩き出してから駒止茶屋までの所要時間は.1時間14分.まあ,贅沢は言わないが,あと10分早く登れたら良いなと,つくづく思う.
 やがて堀山の尾根に入る.心地よい風が尾根を吹き抜けている.涼しくて実に心地がよい.珍しく富士山がばっちり見えている.ラッキーである.ラップタイムなど気にしないで,富士山が見える所で,ノンビリユックリ休憩しようかなとも思うが,一方ではどんなに遅くても山頂まで1ピッチで歩きたいとも思う.
 結局は富士山の写真を何枚か撮ってから,涼しい風を味わいながら,ユックリと堀山を通過する.
 突然,上の方から,ご常連のYさんが,2本のストックをまるで飛行機の羽根のように持って,「ドドドド・・・」走り降りてくる.
 「こんにちは・・」
と挨拶が終わったときは,もう数十メートル先を走っている.

<堀山からの眺望;久々に美しい富士山が見える>


<ご常連のY沢さんが疾風のように駆け下る>


<堀山の尾根道で,何かが芽生えている.何だろう?>

■Kさんとヒル談義
 8時38分,堀山の家を通過する.
 小草平からも,富士山がスッキリと見えている.小草平のベンチでは,中年の男性が休憩を取っている.私は軽く会釈をしてから,小草平を通過する.
 ここから花立山荘までは,萱場平でちょっと平らになるものの坂道が連続する.私は,この坂道を登るのが大好きである.なぜなら,大倉尾根の中で.この辺りが,一番,登山をしているような気分になれるからである.
 私は,好天気の中を,弾んだ気分で,喜々として坂道を登り続ける.
 8時49分,ガレ場の上から,お馴染みのご常連,Kさんが降りてくる.
 「やあ,やあ! 今日は・・・涼しくて良いですね・・」
とKさんが明るい調子で私に話しかける.暫く立ち話.
 「いやぁ~・・・今年は随分ヒルが多いですね・・・自動車の駐車場があるでしょう.そこから草藪の道を横切っている内に,ヒルが2匹も靴に付いていましたよ.気をつけなければ・・・」
 「やっぱり! 今年はヒルが多いですか?」
 「まあ,でも,登山道を歩いていれば大丈夫ですよ・・・草むらに入るとダメですね.もっとも,雨の日はダメ.先日も,雨の日に韋駄天のTさんが,何匹ものヒルにたかられたと言っていましたよ・・・」
 韋駄天のTさんがヒルにたかられた雨の日.丁度あの日,私は雨に嫌気が射して,塔ノ岳を諦めて小田原城趾公園見学に切り替えた日てある.

<ヒル談義のKさんが下る>

■萱場平
 9時丁度に萱場平を通過する.調子の良いときならば,そろそろ花立山荘に到着する時間である.でも,遅くても良いさと,再び自分自身に言い聞かせる.萱場平には,全く人の気配がない.森の先には,真っ青な青空が覗いている.
 萱場平を通過してから,同じようなペースで急坂を登り詰める.そして,9時17分に「後7分坂」に到着する.もっとも,この頃の私には,この坂を7分で登る体力はない.どうしても9分ほど掛かってしまう.
 きょうもまた,ユックリ,ユックリと登る.
 そろそろ坂を登り切る頃,後ろからハアハアという荒い息遣いが聞こえてくる.振り返ってみると,私が乗ったバスから30分後の2番バスで来たご常連のX氏である.この辺りでX氏に追い越されるのは,この頃の標準的なパターンである.

<青空が見える萱場平>

■花立山荘
 7時26分,ようやく花立山荘に到着する.大倉を歩き出してから,2時間22分.幾らツベコベ理屈を付けても,つい2年ほど前の平均所要時間に比較すると20分も余計に掛かっている.別に無理をしようというわけではないが,もう少し塔ノ岳に登る回数を増やして,体力を付けるようにしなければダメだなと思い始める.
 花立山荘のベンチからは,相変わらず富士山が良く見えている.

<花立山荘からの富士山> 


<花立山からの眺望>

■ご常連と次々にすれ違う
 9時33分,花立山山頂付近で,三角髭のTさんとすれ違う.以前,私は2番バスで来ていたのに,この辺りで三角髭のTさんと,しばしばすれ違っていた.もし,Tさんが今も3年前と同じ速度で歩いていると仮定すれば,まさに私の所要時間が,3年前より30分余計に掛かっている計算になる.これは悲しいことである.
 花立山の山頂からも,富士山が実に良く見えている.遠く南アルプスも見えているような,見えていないような・・とにかく遠くには雲がかかっている.
 美しい鍋割り山稜を眺めながら,馬の背を通過する.ここで下ってくる韋駄天のTさんとすれ違う. 9時42分,金冷シを通過する.

<三角髭のTさんが快調に下っていく>


<韋駄天のTさんとすれ違う>

■塔ノ岳山頂
 もうここまで来れば,山頂は間近である.涼しい風を楽しみながら登り続ける.そして,10時丁度に塔ノ岳山頂に到着する.歩き出してからの所要時間は2時間56分.かろうじて3時間を切った. 数人の登山客が山頂で休憩を取っている.山頂の気温は19.7℃.そよ風が吹いている.実に心地がよい.
 雄大な富士山も良く見えている.私は気が済むまで,山頂からの風景をデジカメに納める.
 適度に風が吹いていた上に,湿度が低かったためか,殆ど汗をかいていない.衣服は乾いたままである.

<塔ノ岳からの眺望>

■尊仏山荘
 山頂で一休みしてから,尊仏山荘に入る.小屋番はオーナーのHさん.先客は私と同じバスに乗っていたY中さんお一人.300円也のお茶を所望する.
 Y中さんが,私に,
 「今日は調子が良くて,2時間36分で登れましたよ・・」
と話しかける.相変わらずの健脚,羨ましい限りである.
 私は,持参したツールドモンブラントレッキングの写真をY中さんとHさんに披露する.トレッキングの感想を聞かれたので,
 「う~ん・・確かに景色は良かったけれども,何だか焼き鳥屋に入って,焼き鳥の臭いだけ嗅いで,焼く鳥を食べずに帰ってきたような感じです・・・」
と答える.これ本音である.
 そうこうしている内に,ご常連と思われる男性が山荘に入ってくる.
 山荘の窓から,富士山が相変わらず良く見えている.
 尊仏山荘のネコ,ミー君のことが気になるが,今日の小屋番はネコと余り相性の良くないHさんなので,ネコのことを聞くのを自粛する.

■ノンビリ下山する
 10時38分,尊仏山荘を出発して,下山を開始する.Y中さんとご一緒する.
 この頃,加齢のためか,眼の調子が今ひとつで,足許の細かい凹凸が少々感じにくくなっている.この傾向はつい先日訪れた北アルプスでも,何となく感じ始めている.段差の激しい所や,ややこしい所に来ると,どうしても目を凝らして見なければならないので,歩行速度がそれだけ遅くなる.
 今日も同じことに気がつく.そのために,サッサと下山することが難しくなる.Y中さんの草花談義を伺いながら,ノンビリと下り続ける.花立山荘を通過して,標高が低くなるにつれ,だんだんと蒸し暑くなる.11時44分に堀山の家を通過するときの気温は,27.0℃.この辺りは無風なので結構蒸し暑く感じる.
 私が余り速く歩けないこともあって,塔ノ岳山頂から大倉へ下山するまで,2時間27分も掛かってしまった.
 バス停大倉で,バス待ちをしていると,山旅スクール6期のN島さんが,真っ赤に火照った顔をして下山してくる.どうやら,私と同じ1番バスで来られていたようである.
 でも,久々に好天気に恵まれた楽しい一日であった.

<下山途中,金冷シ手前でチャンピョンとすれ違う>

<ラップタイム>

 7:04  大倉歩き出し(28.4℃)
 7:27  観音茶屋(26.7℃)
 7:44  見晴茶屋
 8:18  駒止茶屋(22.1℃)
 8:38  堀山の家(22.2℃)
 9:26  花立山荘(23.0℃)
 9:43  金冷シ(22.1℃)
10:00  塔ノ岳山頂着(19.7℃)
10:38    〃    発
10:57  金冷シ
11:09  花立山荘
11:44  堀山の家(27.0℃)
12:02  駒止茶屋
12:29  見晴茶屋(25.5℃)
12:49  観音茶屋
13:05  大倉 着

[山行記録]

■水平距離
         7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間雑談時間を含む)
  大倉   発       7:04
  塔ノ岳  着      10:00
 (所要時間)  2時間56分(2.93h)
 水平歩行速度  7.0km/2.93h=2.39km/h
 登攀速度    1269m/2.93h=433.1m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:38
  大倉   着       13:05  
 (所要時間)  2時間27分(2.45h)

 水平歩行速度    7.0km/2.45h=2.86km/h
 下降速度        1269m/2.45h=518.0m/h
                                (おわり)

「日本の山旅;丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/741a49804de2ab230de38a088b229d3d
「日本の山旅;丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b654324be85828b818715e57fbc9944c

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[編集後記]

2011年8月31日(水)
  晴

 一昨日の午後は,テレビ釘付で民主党の「どじょう党首」誕生の経緯を見ていた.中途半端なドラマを見るより,ずっと面白かったので,ついつい一度も外に出ずに,終日,家にいた.正にに運動不足.寝不足の一日だった.
 そんな悪影響を背負った身体で,翌日,塔ノ岳に登ったので,記録が芳しくなる筈がない.
 それに,どうも眼の調子が悪いような気がするので,午後からかかりつけの眼科医を訪れた.1年ぶりの眼の検査である.
 検査結果は,予想通り,あまり芳しくない.
 3年前に比較すると,左目が白内障に近づいているし,右目の近視が弱くなり逆に乱視が強まっているという,ただ,近視が弱まったのは,決して眼が回復したのではなく,老化が進んだ結果,近視の度数が弱くなったに過ぎないという.
 眼科医の待合室で待っている間に,次から次へと患者が通ってくる.中でも随分とご年配の方と,幼児の患者が多いのに驚かされる.
 年齢相応に,眼が弱くなるのは悲しいけれども,年だから仕方がないと諦めはつく.でも痛々しい幼児の患者は本当に気の毒だなと同情する.
 眼科から帰宅した後,某学会で報告する資料を纏め上げる.後は当日を待つだけ.正直な所,ホッとする.
 さて,明日は台風12号が本州に接近する日である.どうせ豪雨で家に閉じ込められることになるだろう.そうしたら,終日,水彩画に取り組もう.
 なんだかんだと言っても,毎日,やることが山積しているのは,幸福な証拠だろうと自分を慰めている.
                                  (愚痴おわり)










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